【ペットの死傷|判例|動物が攻撃|死亡・傷害|慰謝料・特殊事情】

1 飼犬→猫攻撃・死亡|慰謝料20万円
2 飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料50万円
3 飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料・特殊事情
4 飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料3万円
5 飼犬→犬攻撃・傷害|判例|事案
6 飼犬→犬攻撃・傷害|判例|慰謝料1万5000円

1 飼犬→猫攻撃・死亡|慰謝料20万円

ペットに関するご相談・ご依頼をされる前に、次のことをご理解ください。よく考えてご了解いただいてから、お問い合わせくださいますようお願いします。

ペット相談・依頼の前提事項(押すと開く)

・飼い主が受けた辛く悲しい苦痛に見合うほどの慰謝料(損害賠償)を得ることができない傾向があること
・多くの資料や調査が必要となること
・法律相談の相談料は30分1万1000円、最低限2万2000円となること
・代理人交渉のご依頼の着手金は最低限33万円であり、ご依頼の時点でお支払いいただく必要があること

ペットが死亡や負傷をした場合,損害賠償責任(慰謝料)が認められることがあります。
詳しくはこちら|ペット死亡・負傷|損害賠償|財産的損害×慰謝料|理論・基準
ペット(動物)が他のペットを攻撃して死亡または負傷させてしまうケースもよくあります。
本記事では,そのようなケースで損害賠償(慰謝料)が認められた実例(裁判例)を紹介します。
まずは被害者が『猫』であった悲しい事例です。

<飼犬→猫攻撃・死亡|慰謝料20万円>

あ 悲しい事案

飼犬Aが,別の飼主の愛猫Bを噛み殺した
被害猫は18年間にわたる飼育・同居の想い出があった

い 加害犬の飼主の冷酷主張

被害猫は老齢・雑種のありふれた飼い猫である
→市場での流通性がない
→市場価値がない

う 裁判所の判断

愛猫は飼主が長年連れ添っていた
飼主にとって家族同然である
目の前で噛み殺される苦痛は甚大である
→慰謝料を20万円と認めた
※民法718条
※大阪地裁平成21年2月12日

2 飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料50万円

愛犬が死亡した事例です。
慰謝料として高めの金額が認められました。

<飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料50万円>

あ 悲しい事案

飼犬Aが飼犬Bに噛み殺した

い 裁判所の判断|財産的損害
項目 金額
犬の価値=購入代金の3分の1 5万円
犬の診療代金 1万4900円
死亡診断書作成費 8000円
火葬代金 1万7850円
噛まれた飼主の治療費 1万9100円
う 裁判所の判断|慰謝料

特殊な事情があった(後記※1
→複数の飼主の合計50万円を認めた

え 裁判所の判断|弁護士費用

弁護士費用として6万円を損害として認めた
※名古屋地裁平成18年3月15日

3 飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料・特殊事情

前記事例において慰謝料が認められた理由をまとめます。

<飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料・特殊事情(※1)

飼主は飼育に日常的に携わっており,犬を溺愛していた
飼主は愛犬が襲われる場面を目の当たりにした
飼主は愛犬を救えなかった呵責の念を負い,いまだに断ち切れない
飼主自身が助けようとした時に負傷した
※名古屋地裁平成18年3月15日

4 飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料3万円

犬が死亡したことについて慰謝料が認められた事例です。

<飼犬→犬攻撃・死亡|慰謝料3万円>

あ 悲しい事案

飼犬Aが飼犬Bに噛み殺した
被害犬Bはポメラニアンであった

い 裁判所の判断|財産的損害

犬Bは死亡当時8歳前後であった
老犬期に入った時期である
血統書の存否がわからない
→財産的損害を8万円と認めた

う 裁判所の判断|慰謝料

犬同士の本能的行動による事故である
→慰謝料を3万円と認めた
※春日井簡裁平成11年12月27日

5 飼犬→犬攻撃・傷害|判例|事案

犬が死亡したことについて慰謝料が認められた判例を紹介します。
まずは事例をまとめます。

<飼犬→犬攻撃・傷害|判例|事案>

あ 噛み付き事故

飼犬A=雑種,が飼主と散歩していた
飼主は犬Aを係留していなかった
飼犬B=雑種柴犬,が飼主自宅の庭内・玄関横に係留されていた
犬Aが侵入し,犬Bの咽喉部などに噛み付いた
犬Bは重傷を負った

い 惨状

犬Bは破れた咽喉から直接呼吸していた
相当重傷であり,一時は死亡すると思われた

う 回復

約2週間の入院・治療を行った
最終的に全治し飼主の元に戻ってきた
※東京地裁昭和44年3月1日

6 飼犬→犬攻撃・傷害|判例|慰謝料1万5000円

前記事例について裁判所が認めた賠償内容をまとめます。

<飼犬→犬攻撃・傷害|判例|慰謝料1万5000円>

あ 損害算定
項目 金額
治療費 3万4500円
慰謝料 1万5000円
い 慰謝料を認めた特殊事情

飼主は犬Bを約4年間飼育していた
毎期散歩させ,家族の一員のように愛育していた
飼主は愛犬Bの無残な姿を目にした
飼主は高血圧・心筋障害に罹り病院に通院した
犬Bの傷害によるショックが間接の原因となっている
※東京地裁昭和44年3月1日

本記事では,ペット(動物)が別のペットを攻撃したことによってペットが死亡または負傷したケースにおける損害賠償(慰謝料)が認められた実例(裁判例)を説明しました。
実際には,個別的な事情や主張・立証のやり方次第で結論が違ってきます。
実際にペットの死亡や負傷に関する問題に直面されている方は,みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご理解くださるようお勧めします。

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