1 建築確認申請は一定の新築・増築・大規模修繕で必要となる
2 建築確認が下りる前は販売広告や契約締結ができない
3 建築確認で審査される主な建築規制|接道義務・建ぺい率・容積率・高さ制限など
4 建築確認申請・審査の流れ
5 建築確認は市町村・民間機関に申請する;建築主事・指定確認検査機関
6 特定行政庁・建築主事|建築基準法の基礎知識;参考
7 指定確認検査機関の確認審査は行政庁と同様|行政庁のダブルチェックあり

1 建築確認申請は一定の新築・増築・大規模修繕で必要となる

建築基準法の『建築確認』が必要になるのは,『建物新築』だけではありません。
建築確認についてまとめます。

<建築確認の意味・定義>

建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査すること(行政行為)

<確認申請が必要な場面>

あ 建築物の建築=新築

規模によっては対象外となることもある

い 建築物の増築

ア 基本
増築後の規模が一定以上となる場合が対象となる
イ 増築|意味
・敷地内の既存建築物の延面積を増加させること
・敷地内の建築物を増加させること

う 建築物の大規模修繕・大規模模様替え

一定の規模以上のものが対象となる

え 用途変更

一定規模の用途変更が対象となる
※建築基準法6条,87条東京都建築指導課の見解

このような場合には,『建築確認』が必要です。

2 建築確認が下りる前は販売広告や契約締結ができない

建物の建築が終わる前の土地を『未完成物件』と呼びます。
宅建業者が販売の仲介をする場合,『未完成物件』については一定の時期の制限があります。

<未完成物件(建物)の販売時期の規制>

買主 建築確認の前 建築確認の後(完成前)
買主が宅建業者以外 契約締結NG 契約締結OK・手付金等保全措置必要
買主が宅建業者 契約締結NG 契約締結OK・手付金等保全措置不要
共通 販売広告NG 販売広告OK

※宅建業法33条,33条の2,36条

<未完成物件の販売時期の規制の趣旨>

建築確認の申請では,その過程で設計変更を要請されることがある。
逆に,建築確認が下りる前の段階では,『その後に設計変更がなされる可能性がある』という状態と言える。
この状態で広告や売買契約締結を行うと,その後『設計変更→購入(候補)者にとって想定外』となる可能性がある。
このような『想定外』を生じないようにする。

3 建築確認で審査される主な建築規制|接道義務・建ぺい率・容積率・高さ制限など

建築確認では建築の規制など,多くの事項が審査されます。
すべてクリアすれば『適合』,一部でも欠けていれば『不適合』となります。
審査事項=規制の主なものを説明します。

(1)敷地と道路の関係

<敷地と道路の関係の主な規定>

あ 接道義務(接道要件)

『敷地』と『道路』2メートル以上接している

い セットバック|敷地後退

前面道路の中心線から2メートルの幅員を確保
『敷地』をこの線まで後退させる→『敷地』に算入できない
詳しくはこちら|セットバック・敷地後退|既存不適格×再築
詳しくはこちら|建築基準法上の『敷地』|路地状敷地・旗竿地・敷地延長

(2)隅切り

角地の場合,『隅』部分を『敷地から除外』する必要があります。

(3)建ぺい率・容積率

建物の大きさについての規制です。
『用途地域』の指定(12種類)によって『上限』が決まっています。

<建ぺい率・容積率の定義(算出式)>

あ 建ぺい率

建ぺい率=建物の投影面積/敷地面積

い 容積率

容積率=延べ床面積/敷地面積

(4)道路斜線

前面道路から敷地に『斜線』を引き,その線(高さ)が高さの上限,となります。

(5)北側斜線

北側隣地への日照を確保するルールです。
原則として,『1種・2種中高層住居専用地域』が対象です。

(6)高度地区

一定のエリアは一律の『高さ制限』が設定されています。

4 建築確認申請・審査の流れ

確認申請の手続の流れは次のとおりです。

<建築確認・完了検査の手続の流れ>

あ 建築確認申請

い 建築主事の審査→確認(適合/不適合)

『建築主事』は市区町村or都道府県の機関です。

う 確認済証の交付(を受ける)

え 建築工事開始(着工)

お 中間検査(規模によって実施)

か 中間検査合格証の交付(を受ける)(規模によって実施)

き 建物建築工事完了=完成

く 『検査』申請

『建築主事』に申請します。

け 『検査済証』の交付(を受ける)

5 建築確認は市町村・民間機関に申請する;建築主事・指定確認検査機関

建築確認の業務,つまり審査を行う機関は『建築主事』と呼ばれます。
市町村の『建築課』『土木課』などの部署が窓口なります。
一方,市役所から民間業者に外注されるシステムもあります。

<建築確認の審査・検査機関>

あ 建築主事
分類 建設主事
都道府県 必ず設置
人口25万人以上の市 必ず設置
それ以外の市町村 任意設置

※建築基準法4条1項,2項

い 指定確認検査機関

民間業者が国土交通省や都道府県知事から指定される
※建築基準法6条の2

6 特定行政庁・建築主事|建築基準法の基礎知識;参考

建築基準法での手続の中では『特定行政庁』という用語が登場します。
前述の『建設主事』とリンクしています。
まとめておきます。

<特定行政庁>

分類 特定行政庁
建築主事を置く市町村・特別区 当該行政庁の長
その他の市町村・特別区 都道府県知事

※建築基準法2条35号

現実には,これを完全に理解していなくても問題ありません。
要するに申請の提出先が『都道府県』なのか『市区町村』のどちらか,ということです。
実際には,都道府県や市区町村の『建築課』『土木課』などの名称の部署が窓口になるのです。

7 指定確認検査機関の確認審査は行政庁と同様|行政庁のダブルチェックあり

指定確認検査機関は,基本的に,行政庁の審査と同じ扱いです。
まさに,行政庁が審査・検査業務を『外注した』ということなのです。
しかし,『完全に業務をパス(丸投げ)』というわけではありません。
行政庁も『ダブルチェック』をすることになっています。

<指定確認検査機関による審査・検査|まとめ>

あ 『確認済証』は行政庁と同じ扱い

指定確認検査機関が発行した『確認済証』は,建築主事による『確認済証』とみなされる
※建築基準法6条の2第1項

い 申請先=行政庁(建築主事)or指定確認検査機関,は申請者が選べる

指定確認検査機関は『申請があった案件の審査をする』という受け身とされている
※建築基準法6条の2第3項

う 行政庁によるダブルチェック|確認審査報告書

指定確認検査機関の審査終了後に行政庁側で『ダブルチェック』が行われる
指定確認検査機関が行政庁に『確認審査報告書』を提出する
行政庁の審査で『不適合』と判断した場合→確認済証が無効となる
※建築基準法6条の2第10項,11項