【自動車保険の内容;SAP,対人,自賠責との関係,対物,他車運転】

自動車保険の任意保険はどのような内容なのでしょうか。
自動車保険の任意保険は,総合的な「SAP」が代表的です。
対人,対物賠償責任保険が中心となっています。
これにいろいろな特約も付けられることが多いです。

1 任意保険の代表的なものはSAP

自動車保険の任意保険には多くの種類があります。
代表的なものは「自家用自動車総合保険」です。
「Special Automobile Policy」の略で、SAPと言うことも多いです。
一般的には6種類の保険が含まれています。

なお、これら以外の特約が付されることもあります。

SAPに含まれる保険

・対人賠償責任保険
・対物賠償責任保険
・搭乗者傷害保険
・自損事故保険
・無保険車傷害保険
・車両保険

2 交通事故;自動車保険;対人賠償;任意保険の上限額

対人賠償責任保険の限度額が3000万円の任意保険に入っています。
どこまでカバーされるのでしょうか。

自賠責保険を含めた合計額が3000万円ということになり、保障が不十分と言えましょう。

自賠責保険では、傷害(怪我)の場合の賠償額の上限が120万円です。
実際の交通事故でこれ以上の賠償額となることは多いです。
この不足分をカバーするのは任意保険のうち「対人賠償責任保険」です。
対人賠償責任保険は、自賠責保険と重複しつつ、上乗せする、ということになります。

例えば、対人賠償責任保険の上限が3000万円である場合、保険の上限は120万円→3000万円とアップするのです。

しかし、傷害事故でも、重い後遺症を負わせた場合などは死亡事故以上の賠償額となることもあります。
数億円に達することもあります。
対人傷害は無制限がお勧めです。

3 自動車保険;対人賠償;自賠責の上限額/人身傷害保険

自賠責保険でカバーされる治療については、治療費の上限額が120万円となります。
これを超える治療費については、任意保険でカバーされるか、カバーされなければ加害者本人が負担することになります。

自賠責保険の範囲内(120万円)であれば、自賠責保険から直接病院に治療費が支払われるのが普通です。
120万円を超える場合は任意保険から病院へ支払ってもらうのが普通です。
任意保険に加入していない場合は、加害者本人に請求することになります。
資力が不十分である場合は「払ってもらえない」ということにつながります。

ところで、過失割合によっては、元々全額を保険会社が負担する必要はないということもあります。
そういった場合は任意保険から直接治療費を支払うことができないことになります。
一時的に被害者自身が治療費を支払った上で、事後的に保険会社なり加害者に賠償請求をすることになります。

なお、被害者自身が入っていた保険によりこのような治療費がカバーされることもあります。
人身傷害保険(特約)と言われるものです。
この保険の対象となっていれば、直接被害者側の保険会社から治療費が病院に支払われることもあります。
まさに上記の一時的な自腹負担を防ぐための保険(特約)です。

4 他車運転補償特約

交通事故の被害者です。
加害者側の任意保険会社に対して示談交渉の連絡をしようと考えていました。
しかし、加害車両は対人賠償責任保険に入っていないことが分かりました。
怪我に関する損害のうち、自賠責保険を超過する部分については保険が使えないということでしょうか。

運転者が別の自動車について自動車保険に加入しており、かつ「他車運転補償特約」に入っている場合はこの保険が適用されます。

特に人身損害は、後遺症や死亡事故という大きな事故の場合、非常に高額化する傾向にあります。
損害額が、自賠責保険の上限額を大幅に超過する、ということになります。
加害者側が対人賠償責任保険(任意保険)に入っていない場合、加害者本人には払いきれないということが生じがちです。

ここで、対人賠償責任保険は、自動車単位です。
つまり、加害車両が被保険自動車となっていないと適用されません。

しかし、他の保険のサブ、という形で、保険がカバーする、ということもあります。
これが他車運転補償特約です。

交通事故とは関係ない自動車を被保険自動車として加入されている自動車保険の特約として付けられていることがあります。
例外的に人(ドライバー)単位で入る保険、と言えます。
具体的には、被保険者が同じであれば被保険自動車以外による交通事故についても例外的にカバーする、という内容です。
ですから、被害者としては、加害車両に付いている保険、だけではなく、加害者(ドライバー)が入っている(他の)保険、についても確認することになります。

5 示談代行(アジャスター)特約

一般的な自動車保険には示談代行の特約が付いています。
これは、損害賠償の示談交渉を代行するものです。
示談代行をする保険会社の担当者をアジャスターと呼びます。

交通事故における損害賠償の交渉,訴訟の流れ,アジャスター

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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