【自動車保険の弁護士費用特約;基本,注意点】
- 弁護士費用特約とはどのようなものでしょうか。
- 自動車保険の特約として弁護士費用特約というものがあります。
これは,事故の相手との交渉や訴訟を弁護士に依頼した際の弁護士費用・相談料を保険会社が補償してくれる特約のことです。
1 弁護士費用特約により弁護士費用を保険会社が直接負担してくれる
2 弁護士費用特約の利用は弁護士が代行するとスムーズ
3 弁護士費用特約は積極的に受け入れている事務所を選ぶと良い
1 弁護士費用特約により弁護士費用を保険会社が直接負担してくれる
自動車保険(任意保険)の特約として,弁護士費用特約,があります。
これは事故の相手との交渉や訴訟を弁護士に依頼した際の弁護士費用・相談料を保険会社が補償してくれる特約のことです。
日弁連が運営している「リーガルアクセスセンター」(LAC)と関係しています。
そこで「LAC」(ラック)と呼ばれることもあります。
2 弁護士費用特約の利用は弁護士が代行するとスムーズ
弁護士費用特約を使って法律相談や依頼をする場合,の具体的方法を説明します。
まずは保険会社に,弁護士費用特約の有無を確認します。
電話などで簡単に確認できます。
確認できたら,弁護士費用特約の利用ができる法律事務所で法律相談に行くことになります。
弁護士費用特約の利用に慣れている事務所であれば,保険会社との連絡・送金手続きなどはほぼすべて代行してくれます。
その場合,ご依頼者には特に面倒な手続き・作業をしていただく必要はありません。
具体的には次のような流れです。
<弁護士費用特約利用の流れ>
・弁護士(事務所)から保険会社の担当者に連絡して,依頼者(相談者)の確認を取ります。
住所・氏名・証券番号等で照会します。
↓
・当事務所から保険会社に,相談料や依頼内容・着手金の金額などを伝えます。
↓
・保険会社が金額について審査します→場合によっては減額を要請されます。
↓
・審査が下りれば,当事務所で依頼に関する契約書・委任状等を作成します。
↓
・ご依頼者に委任契約書・委任状に署名・押印をいただきます。
↓
・保険会社から着手金等を当事務所の口座に送金してもらいます。
↓
・これで依頼のプロセスは完了→具体的な交渉・訴訟等のアクションに着手します。
※みずほ中央は弁護士費用特約の利用は可能です。
3 弁護士費用特約は積極的に受け入れている事務所を選ぶと良い
弁護士費用特約は,保険会社が弁護士にかかる費用を出してくれるので画期的です。
しかし,保険会社としては,その弁護士費用について細かく注文を出してきます。
保険会社で規定上限があり,自由に報酬額を設定できないのです。
ところで,自動車事故で自動車を修理する場合,修理工場が保険会社から節約するよう強い要請を受けます。
その結果,完全には修理できておらず,後からその不十分な修理が発覚して問題になることがあります。
変な例えですが,これと同じ趣旨です。
多くの事務所では,弁護士費用特約を使う前提での依頼を嫌がる傾向があります。
ちょうど,自由診療を好む病院と似ている状態です。
その一方で,交通事故の損害賠償の扱いに慣れている事務所であれば,効率的に業務を進めることができます。
弁護士費用特約を使い,高額の報酬を手にできなくても,十分にペイすることになります。
いずれにしても,弁護士費用特約を使う場合でも,通常の場合と同様に,信頼できる事務所に依頼するべきです。