【仲介業者の不正・双方受託×公的提言・法整備】
1 双方受託×問題視|公的提言
不動産仲介の不正は従前より構造的な問題がありました。
その中でも『双方受託・両手仲介』については特に大きな問題です。
これについては、公的な提言が繰り返されてきました。
双方受託×問題視|公的提言
あ 昭和61年
両手志向から片手志向に転換すべきである
※昭和61年6月『21世紀へのビジョン』不動産業中・長期ビジョン研究会/建設省建設経済局監修『21世紀への不動産業ビジョン』p66
い 平成4年
取引当事者の双方の立場に1人の業者が関与すること
→利益相反の恐れがある
→このような仲介は避けなければならない
※平成4年5月『不動産業ビジョン』/建設省建設経済局監修『新不動産業ビジョン』p50
う 平成6年
『両手』志向は、媒介の概念から最終的に排除しなければならない
売り物件の依頼を受けた業者は売主の立場に立つべきである
売主の希望する条件に適合する買手を広く求めることに最大の努力を注ぐべきである
※平成6年1月『不動産媒介契約のあり方についての提言』不動産媒介契約研究委員会
2 仲介の不正×国交省コメント|平成27年
国土交通省も囲い込みなどの『不正の存在』を認識しています。
仲介の不正×国交省コメント|平成27年
(不正が)発覚した場合は改善の指示処分を下す
それにも従わない場合、業務停止処分もあり得る
※『週刊ダイヤモンド』2015年4月18日p8〜
ただし、国土交通省が処分を実際に発動するには『不正の発覚』が前提です。
関係者が『証拠を掴む』ということが前提なのです。
実際には表面化・発覚→国土交通省が処分発動、ということは少ないです。
3 囲い込み対策|自民党委員会・提言
不正の中で『囲い込み』は悪質なものです。
しかし、延々と続き、公然の事実となっています。
政府としても『見て見ぬふり』ができなくなっています。
囲い込み対策|自民党委員会・提言|概要
あ 委員会
自民党住宅土地・都市政策調査会
中古住宅市場活性化小委員会
委員長=鶴保庸介参議院議員
い 提言案
『中古住宅市場活性化に向けた提言』
平成27年3月26日
平成27年4月16日
う 囲い込みの指摘
『取引の信頼性・安全性の向上』の中の1項目
→『囲い込み』の抜本的改善
※平成27年4月17日日刊不動産経済通信
外部サイト|日本不動産鑑定士政治連盟|中古住宅市場活性化に向けた提言・自由民主党ほか
この提言では具体的対策・方針も示されてます。
これについては次に説明します。
4 囲い込み対策|自民党委員会・提言|具体的内容
上記の小委員会の提言に含まれる具体的対策・方針をまとめます。
囲い込み対策|自民党委員会・提言|具体的内容
あ 囲い込み問題解消の具体策|案
ア レインズの登録ルールの改正『ステータス管理』などが提言されている(後記)
イ 違反者へのペナルティの導入宅建業法改正が前提となる(後記)
い レインズ登録ルール案|ステータス管理
登録済物件の売主自身が登録状況などを確認できる
米国の現行システムを参考としている
今年度(〜平成28年3月)に実現する予定
う 宅建業法改正の方針
宅地建物取引業法を改正する
業務停止などの罰則を規定する
法改正が必要なので中期的な対応となる予定
→平成28年度通常国会への提出を目指す
※平成27年4月17日日刊不動産経済通信
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。


