【空家問題|妨害予防・管理人選任|隣家の対応・所有者不明への対応】
1 空家×妨害予防請求権|倒壊防止措置の施工を請求する
2 空家の所有者が不明→相続財産管理人/不在者管理人の選任
1 空家×妨害予防請求権|倒壊防止措置の施工を請求する
放置された空家の問題の1つとして老朽化・倒壊という事故があります。
実際に事故が起きる前に取れる法的な措置があります。
<空家×妨害予防請求権>
あ 隣地のリスクが高い状況|典型例
空き家が倒壊寸前である
仮に倒壊した場合,建物(の部材)が隣地に侵入してしまう
このような危険性が高まっている
い 妨害予防請求権
隣地所有者は『損害発生を予防する措置』を請求できる
例;建物の倒壊を防止する工事の施工
う 法的な性格
物権(所有権)に基づく妨害予防請求権
物権(所有権)の内容の1つとして,解釈上認められている
『妨害予防請求権』という言葉が民法の条文に記述されているわけではない
『隣地に損害が生じる危険性が高い』という状況で妨害予防請求ができるのです。
なお,これは空家に限らず一般的な『危険性』の除去に適用されるものです。
2 空家の所有者が不明→相続財産管理人/不在者管理人の選任
空家の問題を解決する時に『所有者』が分からない,ということがよくあります。
通常は,登記や戸籍類の調査で基本的には所有者が判明するはずです。
しかし,相続放棄や遺産分割協議の内容は戸籍には記録されません。
不動産の登記も,長期間放置されていると承継経路の追跡は不可能となります。
このような場合の最後の手段は,民法上用意されています。
<当事者が不明→管理人の選任>
あ 相続財産管理人の選任
戸籍上相続人が存在しないと思われる場合等
※民法925条
い 不在者財産管理人の選任
所有者自体は戸籍等から判明したが,所在が特定できない場合
※民法25条
う 選任の手続
家庭裁判所に申し立てる
いずれの管理人の場合も同じである
これにより,正式な『管理人』が登場します。
建物の維持・管理などの手続を遂行できるようになります。
なお,この手続も,空家に限らず利用できる制度です。
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