1 債務整理の交渉→違法
2 株主総会で法的に暴れる+非訟事件→有利な売約条件獲得→違法
3 弁護士顔負けの営業活動→大活躍→執行猶予で済んだ

本記事では『弁護士法』の違反事例のうち『不動産以外』に関するケースを整理します。
『弁護士法違反』の一般的説明や『不動産』のケースは別記事にまとめています。
詳しくはこちら|弁護士法違反の判例|基本・不動産編|『ポジショントーク』兼『使命感の再確認』

1 債務整理の交渉→違法

『債務整理の交渉』を弁護士以外が行ってしまったケースです。

<東京地裁平成21年4月13日>

あ 依頼内容

債務整理に関する和解交渉

い 報酬設定

手数料=相手方より受領した金銭の30%

う 裁判所の判断

弁護士法72条違反に該当する
→和解契約は公序良俗違反→無効

2 株主総会で法的に暴れる+非訟事件→有利な売約条件獲得→違法

会社支配権紛争のフルコース,と言えるものです。
関連コンテンツ|株主の権利の分類・まとめ|自益権・共益権|少数株主権
弁護士が行うと『素晴らしいクライアントの利益実現プロセス』となるところです。
判決の中で『プレッシャーを与える』という性質を前提として『無法者はダメ』と指摘しているところが印象的です。

<広島地裁平成18年6月1日;未確定>

あ 依頼内容

株主総会に代理人として出席する
顧客を弁護士に紹介し,委任させて株式買取価格決定の提訴を促した
この非訟事件は和解で終了した

い 依頼業務の目的論

他人の所有する非公開株式の売却条件交渉が目的である
具体的な目的=売却条件を有利に導く
そのための手段として少数株主権を背景としてO製薬に圧力をかける
少数株主権を統一的に行使する

う 非公開株式の売買の性質論

売却先の選定や売却価格,売却の手続を巡って争いや疑義が生じ得ることは見易い道理である
売買条件交渉を非専門家が受任した場合
→委任者又は相手方が不適正な価格による取引を強いられるおそれが類型的に存在する
→弁護士に独占させるべき

え 裁判所の判断

『法律事務』に該当する
仮に『弁護士に委任する予定・合意』があったとしても
→弁護士法七二条の禁止する法律事務の『周旋』に該当する
→いずれにしても弁護士法違反である

3 弁護士顔負けの営業活動→大活躍→執行猶予で済んだ

このケースは『営業活動』のバラエティがしっかりしています。
弁護士相手のコンサルティングができる,と思えそうです。
しかし大部分は『弁護士でもそうでなくても違法』というものです。
こればかりは『弁護士のサービス提供不足』というものに該当しません。

<大阪地裁平成18年8月9日>

あ 在日中国人向け新聞に広告掲載

『日本国際法務総合事務所』等の名称を使用して法律事務を取り扱う旨の広告
130回にわたって掲載した
→弁護士法違反

い 交渉の受任

広告を見て示談交渉を依頼してきた被害者から事件を受任した
弁護士が交渉を行うかのように偽って報酬を受領した
→詐欺罪

う 弁護士・行政書士名の書面偽造

弁護士等の関与を偽装するため弁護士・行政書士名義の書面を偽造した
→有印私文書偽造・同行使罪

え 弁護士の『周旋』

報酬を得る目的で業として刑事被告人に弁護人を周旋した
→弁護士法違反

お 偽装結婚の代行

在留資格のない中国人らに本邦における在留資格を得させる業務を受任した
それぞれ日本人との虚偽の婚姻届出を行った
→公正証書原本不実記載・同行使罪

か 裁判所の判断|量刑

ア 懲役3年・執行猶予5年
イ 罰金100万円