1 係留中の船舶×宿泊サービス
2 移動中の船舶×宿泊サービス|付随的範囲内
3 移動中の船舶×宿泊サービス|付随的オーバー
4 船舶×宿泊サービス|旅館業該当性|実例

1 係留中の船舶×宿泊サービス

船舶内に宿泊することはありふれています。
宿泊サービス・コンテンツの多様化の1つなるとも言えます。
ところで,船舶の宿泊について,法律解釈の問題があります。
旅館業法が適用されるかどうか,というテーマです。
最初に『係留中の船舶』についての判断を紹介します。

<係留中の船舶×宿泊サービス>

あ 係留中の船舶×『旅館業』該当性

旅館業の『施設』について
→地上or地下に定着していることは要件とされていない
→係留中の船舶は旅館業法の適用大正となる
=旅館業としての許可の対象となる

い 係留中の船舶×旅館業営業許可

係留中の船舶について旅館業の営業を許可する場合
→適切な措置が必要である
例;係留場所を変更しないことを条件とする
※昭和25年3月28日衛発249号厚生省公衆衛生局長通知

要するに固定されている船舶は『建物』と変わらないということです。

2 移動中の船舶×宿泊サービス|付随的範囲内

船舶が移動中の宿泊サービスについての解釈をまとめます。

<移動中の船舶×宿泊サービス|付随的範囲内>

船舶による『運送業務に通常随伴する』程度である場合
→『船舶による輸送』のサービスの一環となる
→休憩・宿泊サービスは旅館業法の適用対象とはならない
→旅館業営業許可なしでも適法である
※後記※1の通達の反対解釈
※平成28年6月厚生労働省生活衛生課ヒアリング

船舶の輸送は別の規制のテリトリーとなっているのです。
そのため『宿泊サービス』だけを独立して規制対象にはしないのです。

3 移動中の船舶×宿泊サービス|付随的オーバー

移動中の宿泊サービスはすべて『旅館業営業許可不要』とは限りません。
これについて示している通達を紹介します。

<移動中の船舶×宿泊サービス|付随的オーバー(※1)>

あ 移動中の船舶×『旅館業』該当性

船舶における宿泊サービスについて
次の両方に該当する場合
→旅館業法の適用対象となる

い 旅館業法適用|条件

ア 船舶において休憩or宿泊サービスを提供する
イ 船舶による運送業務に通常随伴する程度を超えている
※昭和50年7月12日環指61号厚生省環境衛生局指導課長回答

4 船舶×宿泊サービス|旅館業該当性|実例

以上のように船舶の宿泊サービスは状況によって扱いが違います。
具体的状況がどれに該当するかが曖昧な実例の判断を紹介します。

<船舶×宿泊サービス|旅館業該当性|実例>

あ レスト・シップ・サービス|内容

ア 休憩時間
午後10時30分〜翌朝5時
イ 対象者
出発地から目的港まで乗船した乗客のうち希望する者
ウ 寝具
まくら・毛布・ゆかたを貸与する
エ 料金
レスト施設使用料=1人1回1000円〜1万円
利用船室の等級・利用形態により異なる

い 行政判断

『あ』のサービス形態
→旅館業法の適用対象となる
※昭和50年7月12日環指61号厚生省環境衛生局指導課長回答