1 TPPの概要|大筋合意
2 大筋合意×シェアリングエコノミー関連項目
3 大筋合意|包括的な市場アクセス|引用
4 国境を越えるサービスの取引|義務内容
5 国境を越えるサービスの取引|ネガティブリスト方式
6 TPP×中間整理|抵触|シェアリングエコノミー

1 TPPの概要|大筋合意

政府はIT利活用の中間整理を公表しました。
詳しくはこちら|IT利活用×中間整理|民泊プラットフォーム・特性・課題・規制方針
この中間整理は批判が強いです。
詳しくはこちら|IT中間整理×批判|全体・インターネットアソシエーション
TPPとの抵触も指摘されています。
本記事では中間整理とTPPとの抵触について説明します。
まずはTPPのうち関係する事項から説明します。
最初に『大筋合意』についてまとめます。

<TPPの概要|大筋合意>

あ 大筋合意

2015年10月5日
環太平洋パートナーシップ=TPPの交渉が行われた
TPP交渉に参加する12か国が概要について合意に達した

い 名称

『環太平洋パートナーシップ協定の概要』
日本語への暫定的な訳である
一般に『大筋合意』とも呼ばれる

う 合意妥結国

オーストラリア・ブルネイ(ダルサラーム)・カナダ
チリ・日本・マレーシア
メキシコ・ニュージーランド・ペルー
シンガポール・米国・ベトナム
外部サイト|首相官邸|環太平洋パートナーシップ協定の概要
外部サイト|首相官邸|SUMMARY OF THE TRANS-PACIFIC PARTNERSHIP AGREEMENT

2 大筋合意×シェアリングエコノミー関連項目

大筋合意の中にはシェアリングエコノミーに関連する項目があります。
これを整理します。

<大筋合意×シェアリングエコノミー関連項目>

あ 基本的事項

大筋合意の内容
→シェアリングエコノミーに関係する規定もある
次の『い・う』のことである

い 『包括的なアクセス』(※1)

『主要な特徴』の5項目のうち1つである

う 『国境を超えるサービスの取引』(※2)

『地域の貿易ルールの設定』の30項目の1つである
項目番号『10』である

3 大筋合意|包括的な市場アクセス|引用

『包括的な市場アクセス』の内容を引用します。

<大筋合意|包括的な市場アクセス|引用(上記※1)>

TPPは、各国の企業、労働者及び消費者に新たな機会と利益を創出するため、物品及びサービスの実質的に全ての貿易にまたがる関税及び非関税障壁を撤廃又は削減し、物品及びサービスの貿易及び投資を含む貿易の全域を対象としている

4 国境を越えるサービスの取引|義務内容

クロスボーダー取引に関する内容を整理します。

<国境を越えるサービスの取引|義務内容(上記※2)>

あ 概要

TPP締約国にとってのサービス貿易の重要性が増大している
TPP締約国は,貿易自由化の利益を共有している
TPP協定は,一定の義務を含む

い 市場アクセスに関する義務

サービス提供に対する数量制限を課してはならない
例=サービス提供者の数の制限,取引の数の制限など
特定の形態の法定の事業体や合弁企業を通じてサービスを提供することを要求してはならない

う 現地における拠点に関する義務

他の締約国のサービス提供者に対し,サービスの提供を行うために,自国の領域に事務所若しくは関連機関を設立すること又は居住することを求めることはできない

5 国境を越えるサービスの取引|ネガティブリスト方式

『ネガティブリスト方式』の内容をまとめます。

<国境を越えるサービスの取引|ネガティブリスト方式>

あ 自由市場確保|ネガティブリスト方式

TPP締約国は『国境を超えるサービスの取引』に関する義務を負う(上記※2)
TPP締結国はこの義務を『ネガティブリスト方式』で受け入れる
TPP締約国からのサービス提供者に対して市場が完全に開かれている
本協定に添付される締約国別の附属書において例外とする場合だけ除外される

い 例外=適用除外

ア 現行の措置
現在施行されている規制内容
将来緩和した後の規制内容
イ 特定の分野
将来における完全な裁量を維持する分野・政策

6 TPP×中間整理|抵触|シェアリングエコノミー

TPPとIT利活用・中間整理との抵触が指摘されています。
これについて整理します。

<TPP×中間整理|抵触|シェアリングエコノミー>

あ 中間整理|シェアリングエコノミーに関する内容

ア 海外事業者への参入規制=域外適用
イ 国内事業所設置義務
※中間整理(4)−5−『課題4への対応』
詳しくはこちら|IT利活用×中間整理|民泊プラットフォーム・特性・課題・規制方針

い TPP大筋合意×中間整理|抵触

『あ』の項目はTPP大筋合意に反する可能性がある
ア 『現地における拠点に関する義務』
日本国内に事務所設置を義務付ける場合に抵触する
イ 『市場アクセスに関する義務』
実質的に『海外企業に不利』となる場合
→抵触する可能性がある
ウ 『自由市場確保|ネガティブリスト方式』
現在の規制を強化する場合に抵触する

う まとめ

これから各国の協議が進む
→『附属書』の内容が決まる
→国内ルールが違反するかどうか,が決まる

当然ですが,TPPのうち既に決まっているものは『大筋合意』です。
具体的なルールの内容はこれから複数の国が合意して初めて決まります。
国内の特定のルールがTPPに違反するかどうかはまだ確定していません。
ただし,TPPの大きい方針は,国際的ガラパゴスを抑止する方向です。
その意味で国内法・規制を検討する際にTPPへの配慮も必要でしょう。