【民事再生手続き完了後に債権者発覚】

以前,民事再生を行い,借金を減額してもらって返済しているところです。
手続きが終わってからしばらくして,債権者から請求を受けました。
よく調べてみたら,「債権者一覧表」に記載するのが漏れていたので,裁判所からその債権者に通知が届いてなかったようです。
減額されないまま払わないといけないのでしょうか。
状況によって異なります。原則としては,「減額される」ということになります。

民事再生の手続き(認可決定)の後に,債権者が漏れていたことが発覚する,というケースもあります。
専門家に依頼しないでご自身で申立手続きを行った場合に生じるケースをたまに見ます。
民事再生法にルールが明記されています。
破産→免責の場合と似ているルールです。
ちょっと複雑なので,以下,順に説明します。

<再生計画認可決定後に債権者が判明した場合のルール>

1 通常再生の場合

 →免責される(民事再生法178条)

2 小規模個人再生

(一般的に,個人の場合はこちらの手続きがほとんどです)

(1)再生計画に従った減額(民事再生法232条,238条)

(2)劣後化する(原則)

[民事再生法]
(再生計画の効力等)
第二百三十二条  小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときは、第八十七条第一項第一号から第三号までに掲げる債権は、それぞれ当該各号に定める金額の再生債権に変更される。
2  小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(第八十七条第一項第一号から第三号までに掲げる債権については前項の規定により変更された後の権利とし、第二百二十九条第三項各号に掲げる請求権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)は、第百五十六条の一般的基準に従い、変更される。
3  前項に規定する場合における同項の規定により変更された再生債権であって無異議債権及び評価済債権以外のものについては、再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に、再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時。次項及び第五項において同じ。)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。ただし、当該変更に係る再生債権が、再生債権者がその責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができず、かつ、その事由が第二百三十条第三項に規定する決定前に消滅しなかったもの又は再生債権の評価の対象となったものであるときは、この限りでない。
4(略)
5(略)
6(略)

(通常の再生手続に関する規定の適用除外)
第二百三十八条  小規模個人再生においては、第三十四条第二項、第三十五条、第三十七条本文(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)及びただし書、第四十条、第四十条の二(民法第四百二十三条 の規定により再生債権者の提起した訴訟に係る部分を除く。)、第四十二条第二項(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第三章第一節及び第二節、第八十五条第六項、第八十七条第三項、第八十九条第二項及び第九十四条第一項(これらの規定中約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第四章第三節(第百十三条第二項から第四項までを除く。)及び第四節、第百二十六条、第六章第二節、第百五十五条第一項から第三項まで、第百五十六条(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第百五十七条から第百五十九条まで、第百六十三条第二項、第百六十四条第二項後段、第百六十五条第一項、第七章第三節(第百七十二条を除く。)、第百七十四条第一項、第百七十四条の二、第百七十五条第二項、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条第一項及び第二項、第百八十五条(第百八十九条第八項、第百九十条第二項及び第百九十五条第七項において準用する場合を含む。)、第百八十六条第三項及び第四項、第百八十七条、第百八十八条、第二百条第二項及び第四項、第二百二条第一項、第二百五条第二項並びに第十二章の規定は、適用しない。

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