【事故情報が与信審査に与える影響|ブラックリスト・記録保存期間・手続による違い】
1 与信審査における『事故情報』|基本事項
金融機関からの借り入れやクレジットカードを作る場合には審査があります。
この時に『事故情報』の記録があると、審査に通らないことが多くなります。
しかし、この『審査』について判断するのは個々の融資申し込み先金融機関やクレジットカード会社です。
審査基準は極秘情報です。
会社によって違いますし、またその時によって審査の厳しさは違うこともあります。
2 与信審査における『事故情報』|一般的な傾向
与信審査の判断要素を信用情報と呼びます。
信用情報|典型例
ア 事故情報イ 借入残額ウ 勤務先・収入・勤続年数エ 家族構成
このように『事故情報』だけではないのです。
仮に『事故情報』の記録があっても、他の記録のプラス要素も考慮されます。
トータルで審査基準達成、となり、審査に通るケースもあります。
3 規模による審査基準の違い
また、同じ『与信審査』でも、審査基準は内容によって異なります。
審査基準の違い|目安
| 規模 | 具体例 | 審査基準の傾向 |
| 多額 | 住宅ローン | 厳しい |
| 少額 | ショッピング枠のみのクレジットカード | 緩い |
4 『ブラックリスト』という名称のリストはない
法律専門家を介した債務整理を行うことによって、信用情報機関へ事故情報が登録されることになります。
ブラックリストと呼ばれることがありますが、実際にそのようなリストがあるわけではありません。
事故情報が登録されている間は、一般的には新規融資は受けられません。
しかし登録されているのは5年前後ですので、その期間を経過すると情報は削除されます。
ブラックリストと聞いて、実際の不利益以上のマイナスイメージを持つ方もいるようです。
しかし、専門家にご依頼しなくとも、支払いの延滞があった時点で既に登録されている場合も多いでしょう。
借りられないデメリットも確かにあります。
しかし、借り続けているデメリットも存在するのは事実です。
信用情報をより早く回復させるためにも、早期に債務整理を行った方が良いということになります。
長い目で見れば事故情報はデメリットというわけではないと思われます。
総量規制制度の開始もあって借入の審査は今後は厳しくなっていくものと予想されます。
お早めに専門家へのご相談をお勧めいたします。
過払い×事故情報の扱い
過払いが生じているケースで法律専門家に依頼した場合
→事故情報として登録しない
=契約見直しの対象とする扱いをしない
※株式会社日本信用情報機構平成22年4月19
5 事故情報の影響が残る期間
『事故情報』は永久に影響を及ぼし続けるということではありません。
一般には5~7年で抹消されることになっています。
この点、取引先(要は借入先)の内部ではもっと長期間事故情報を保管しているところもあります。
6 事故情報の影響の程度|徐々に小さくなる
まず、事故情報が残っていても、他の状況次第で審査に通ることはあります(前述)。
事故情報の影響|傾向
あ 時間経過による影響
最近のものについては大きく評価される
古いものは比較的影響が少なくなっていく
い 具体例
5~7年後にクレジットカードを作ろうとして審査に落ちた場合
→債務整理の情報以外にマイナス評価となる要因があった可能性が高い
7 事故情報はマイナスとは限らない
債務整理による事故情報が与信審査に与える影響を整理します。
債務整理→信用情報への影響|まとめ
あ 総量規制
事故情報とは関係のない規制がある
詳しくはこちら|総量規制・ショッピング利用可能枠|法律上の上限が設定されている
い 借入総額が減る
『借入総額』が減るorなくなる
→審査に通る方向性に働く事情と言える
う 任意整理・民事再生→完済
『完済』自体は審査においてプラス評価となる
債務整理自体は、信用情報としてマイナスに働きます。
しかし、長い目で見れば、マイナスは小さいです。
場合によってプラス評価される部分もあり得るのです。
次に、手続による信用情報への影響の違いについてまとめます。
8 信用情報への影響|破産vs民事再生
信用情報への影響|破産vs民事再生
あ 影響の程度|傾向
破産 > 民事再生
い 理由
ア 破産全部の債務を帳消しにする
イ 民事再生減額しつつも返済する
『返済が完了したこと=完済したこと』
→『約束を守る』というプラス評価につながる
9 信用情報への影響|民事再生vs任意整理
信用情報への影響|民事再生vs任意整理
あ 影響の程度|傾向
民事再生 > 任意整理
い 理由
ア 民事再生裁判所の関与がある
→金融機関の意向を無視して債務カットを行うことがある
イ 任意整理債務減額や利息(損害金)のカットの範囲
=金融機関が納得・合意して譲歩した範囲に限られる
→貸付当初の想定からの相違、は比較的小さい
→ダメージは比較的少ない
う 任意整理のマイナス面
長期間の分割返済を行う場合
→長期間にわたり、信用情報として『多額の債務が残った状態』が続く
=信用情報の回復が遅い、と言える
以上は大きな傾向・目安です。
実際の具体的な影響は個別的事情によって大きくことなります。
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。


