1 事案の分類
2 事案の内容
3 当事務所による解決
4 依頼前後の状況変化
5 解決のポイント

1 事案の分類

離婚請求 求めた
離婚原因 性格の不一致
依頼者の性別 男性(40代)
子供の有無 あり
依頼者の職業 公務員
相手の職業 パート・アルバイト
争点(対立した内容) (財産分与)退職金
解決手続 訴訟
依頼時期 婚姻23年・別居2年

2 事案の内容

夫婦で離婚の話し合いをしていました。
夫は定年退職が5年後であり,約3000万円を受給する予定でした。
妻は,半額である1500万円を財産分与として請求していました。
夫はまだ払われているわけでないので,現時点で請求されることに困惑していました。

3 当事務所による解決

当事務所は,夫からの依頼を受任しました。
当事務所の弁護士が妻との交渉を開始しました。その後,離婚調停を申し立てました。
しかし,妻との意見の違いは平行線のままであり,交渉は決裂し,調停は不成立で終わりました。
当方は離婚訴訟を申し立てました。
将来の退職金について否定的な見解をとった裁判例や論文(学説)を数多く揃えて裁判所に提出しました。
また,夫の退職金の査定(評価)としてマイナスとなる事情を多く揃えて,分かりやすく整理した内容の陳述書・準備書面として裁判所に提出しました。
(ご依頼者の希望により詳しい内容は公表できません)
裁判所は,当方の主張に同感してくれて,退職金が支給された時点で分与(支払)をする,とか,長期間の分割払いとする和解を勧告しました。
当事務所の弁護士は,『これを受け入れても有利であるが,大幅に減額する代わりに現時点で一括払いをする』という提案を推奨しました。
依頼者(夫)もこれに賛同し,最終的に『現時点で600万円を支払う』という内容で和解が成立しました。

4 依頼前後の状況変化

依頼前 (退職金の)財産分与として1500万円を請求されていた
依頼後 財産分与は600万円で済んだ(息子の学費となった)

5 解決のポイント

将来の退職金の財産分与については,とても多くの考え方があります。裁判例も学説の論文に多くのバリエーションがあるのです。
個別的な事案に応じて裁判官の裁量が大きいのです。
そこで,個別的な事情と理論的な見解(裁判例・学説の論文)をしっかり提出することで裁判官の判断の方向性が変わることがよくあるのです。
なお,本ケースでは,息子が大学の医学部に進学予定であって,財産分与として支払った600万円を学費に充てるという前提になっていました。
依頼者(夫)としても払うことへの抵抗がない使いみちであって,気持ちよく払えました。
このように,和解交渉では,発想次第で『2当事者の対立(有利・不利)』とは別の枠組みで良い解決ができることもあるのです。