1 DNA鑑定|検体採取の対象者・精度|原則
2 DNA鑑定|検体採取の対象者・精度|例外
3 DNA鑑定|『父』の検体なし→ノーマル兄弟
4 DNA鑑定|『父』の検体なし→異母兄弟
5 DNA鑑定|『父』の検体なし→異母兄弟+異母

1 DNA鑑定|検体採取の対象者・精度|原則

DNA鑑定は非常に正確であると言えます。
標準的な状況での鑑定の精度・確度をまとめます。

<DNA鑑定|検体採取の対象者・精度|原則>

あ 検体採取・対象者

次の者から検体を採取する
ア 本人=子イ 父 正確には『父であると疑われる者=疑父』である

い 精度
結果 精度
親子関係肯定 99%以上
親子鑑定否定 0%(=100%否定)

具体的事情によってはこの精度に達しないこともあります。
説明を続けます。

2 DNA鑑定|検体採取の対象者・精度|例外

DNA鑑定は標準的な精度に至らないこともあります。
検体採取者がイレギュラーな場合が典型です。
これについてまとめます。

<DNA鑑定|検体採取の対象者・精度|例外>

あ 例外的事情|具体例

父が亡くなっている

い 検体採取・対象者

『父』の代わりに『父』の近親者から検体を採取する
例;『父』の子・兄弟
他は上記『原則』と同様である

う 精度

判定精度がある程度低下する(後述)
いずれにしても『鑑定ができなくなる』というわけではない

死後認知では『父が生存していない』という状況です。
詳しくはこちら|死後認知請求|手続=訴訟|当事者・申立期限3年・調停前置の例外
DNA鑑定の精度が低下してしまうのです。
精度低下をフォローする方法について,次に説明します。

3 DNA鑑定|『父』の検体なし→ノーマル兄弟

『父』の検体がない場合に『兄弟の検体』でフォローできます。
まずは『両親が同じ』という兄弟からの検体を使う方法です。

<DNA鑑定|『父』の検体なし→ノーマル兄弟>

あ 分析の種類

STR型

い 検体採取対象者

ア 本人=子イ 本人の両親の(別の)子 本人からみると『両親が同じ兄弟』

う 精度

99%以上

4 DNA鑑定|『父』の検体なし→異母兄弟

『父だけが同じ』という兄弟がいることもあります。
いわゆる『異母兄弟』です。
『父の検体』がなく,これを『異母兄弟の検体』でフォローすることもあります。
この場合の精度についてまとめます。

<DNA鑑定|『父』の検体なし→異母兄弟>

あ 分析の種類

STR型

い 検体採取対象者(※1)

ア 本人=子イ 本人の父と別の女性Aの間に生まれた子 本人からみると『異母兄弟』

う 精度

90%程度

5 DNA鑑定|『父』の検体なし→異母兄弟+異母

『異母兄弟の検体』によるフォローでは精度がやや不足気味です(前記)。
この場合,さらに『別の母=異母』の検体を採取することが望ましいです。
検体の追加により,精度をアップすることができます。

<DNA鑑定|『父』の検体なし→異母兄弟+異母>

あ 分析の種類

mtDNA型 or Y-STR型

い 検体採取対象者

上記『※1』に次の者を追加する
(異母兄弟)の母
=上記の『A』=いわゆる『異母』

う 精度

99%以上(までアップする)