【法律相談に参加される方や相談場所(同席,『代わりに相談』,出張相談)】
- 法律相談の時に,相談者以外の人が同席しても良いでしょうか。
また,本人が忙しいので代わりの人が相談することはできますか。
1 法律相談に,利害関係のないご家族,友人が同席することも可能です
2 法律相談に潜在的な利害関係者が同席することも一定事項を了解いただければ可能です
3 当事者以外が法律相談されることも可能です
4 弁護士が訪問して法律相談を行うことも可能です;出張相談
1 法律相談に,利害関係のないご家族,友人が同席することも可能です
弁護士は守秘義務がありますので,相談内容をご相談者以外に知らせることは禁じられています(秘密保持義務;弁護士法23条,弁護士職務基本規程23条)。
弁護士としては,守秘義務を常に気にしているので,ご相談者以外の方に内容を知られることを心配します。
しかし,ご相談者が,『家族や友人に知られても良い』,ということであれば,当事務所としては特に異論はありません。
ただし,お話が混乱する,とか,人数が多いために設備的に問題がある,というような場合は制限させていただくこともございます。
2 法律相談に潜在的な利害関係者が同席することも一定事項を了解いただければ可能です
現実的に,潜在的・理論的な対立関係,というのは身近なところにも存在します。
<潜在的利害関係者の例>
・(主)債務者,(連帯)保証人の関係
・敵対する相続人のうち,同一グループの相続人複数名
・『加害者』と主張されている複数の方
このような場合,法律相談やご依頼をまとめてしていただくこと自体は可能です。
しかし,万一,後から対立が現実化したという場合に,一定のルールがあります。
相談や依頼を受けた弁護士としては,次のような対応をすることになります(弁護士職務基本規程32条)。
<複数の相談者・依頼者内の対立が現実化した場合の弁護士の対応>
↓相談者・依頼者をAとB,とします。
・A,Bのいずれも辞任する(受任できない)
・Aの承諾を取り,Aのみ辞任する,Bの受任を継続する(受任する)
潜在的利害関係者が一緒に法律相談をされる場合,当事務所としては,以上のようなご説明を致します。
その上で,この内容をご了解いただくことを前提としてご相談をお受けします。
なお,当事務所では,この説明内容を書面にして用意しています。
ご相談者には,この書面に承諾した旨のサインをいただいております。
3 当事者以外が法律相談されることも可能です
ご本人の事情によっては,直接事務所に相談に行く,ということが困難であることもあります。
<当事者ご本人の法律相談が困難な事情>
ア 仕事で非常に忙しいイ 仕事上,行動を把握されることを避けたい
例えば,有名人やイメージを売りにする芸能人,経営者がこのような事情があります。
まずは,ご本人に代わって,事務所のスタッフやマネージャーが相談にいらっしゃる,ということも可能です。
もちろん,個別的事情によって,この方法がお受けできないこともあります。
4 弁護士が訪問して法律相談を行うことも可能です;出張相談
原則としては,ご相談者に事務所においでいただいて,事務所で法律相談を行います。
しかし,事情によっては,当事者ご本人が事務所においでいただくことが困難な場合もあります(前記『3』)。
そのような場合,弁護士がお客様の所在の場所に赴いて相談を行うことも可能です。
弁護士が訪問して法律相談を行う場合,相談内容の秘匿に適した場所の確保をお願いすることになります。
また,この場合,『ご相談者が法律相談をしたこと』,『弁護士と接触したこと』自体が高い機密情報です。
弁護士と分からないような方法で訪問することを徹底します。
条文
[弁護士法]
(秘密保持の権利及び義務)
第23条 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
[弁護士職務基本規程]
第二十三条(秘密の保持)
弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。
第三十二条(不利益事項の説明)
弁護士は、同一の事件について複数の依頼者があってその相互間に利害の対立が生じるおそれがあるときは、事件を受任するに当たり、依頼者それぞれに対し、辞任の可能性その他の不利益を及ぼすおそれのあることを説明しなければならない。