【後遺症の慰謝料相場;慰謝料額の表】

後遺症に関する慰謝料の相場を教えてください。
後遺症による慰謝料額の基準とされる表を示します。

1 後遺症が残った場合の慰謝料は類型化されている
2 後遺障害等級表(慰謝料額、労働能力喪失率)

1 後遺症が残った場合の慰謝料は類型化されている

後遺症に関する慰謝料額、について説明します。

事故で後遺症が残ったした場合には、重い苦痛を長期間受け続けることになります。
この精神的苦痛を金銭に換算したものを慰謝料と呼びます(民法710条)。

裁判例の蓄積により、一定の基準が目安として使われています。
この基準は、後遺障害等級によって一定の金額が対応しています。
実務上は、この等級の評価(認定)について、大きく見解が食い違う、ということが少なくありません。

2 後遺障害等級表(慰謝料額、労働能力喪失率)

後遺障害等級ごとの慰謝料額の相場を説明します。

具体的な症状について、後遺障害等級・労働能力喪失率が規定されています。
これは、自動車損害賠償保障法施行令として公的なものとして存在します。

さらに、慰謝料額の基準・相場を当事務所で加えてまとめたものが次の表です。
自賠責基準は、損害賠償額の相場(=裁判基準)とは異なりますのでご注意下さい。

等級 ( 別表 第1) 介護を要する後遺障害 自賠責基準 裁判基準 労働能力喪失率
第1級 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
1600万円 2800万円 100%
第2級 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
1163万円 2370万円 100%

等級 ( 別表第2 ) 後遺障害 自賠責基準 裁判基準 労働能力
喪失率
第1級 1 両眼が失明したもの
2 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
4 両上肢の用を全廃したもの
5 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
6 両下肢の用を全廃したもの
1100万円 2800万円 100%
第2級 1 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になつたもの
2 両眼の視力が0.02以下になつたもの
3 両上肢を手関節以上で失つたもの
4 両下肢を足関節以上で失つたもの
958万円 2400万円 100%
第3級 1 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になつたもの
2 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5 両手の手指の全部を失つたもの
829万円 2000万円 100%
第4級 1 両眼の視力が0.06以下になつたもの
2 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
3 両耳の聴力を全く失つたもの
4 1肢をひじ関節以上で失つたもの
5 1下肢をひざ関節以上で失つたもの
6 両手の手指の全部の用を廃したもの
7 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
712万円 1700万円 92%
第5級 1 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になつたもの
2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4 1上肢を手関節以上で失つたもの
5 1下肢を足関節以上で失つたもの
6 1上肢の用を全廃したもの
7 1下肢の用を全廃したもの
8 両足の足指の全部を失つたもの
599万円 1440万円 79%
第6級 1 両眼の視力が0.1以下になつたもの
2 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
4 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
5 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
7 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8 1手の5の手指又はおや指及びを含み4の手指を失つたもの
498万円 1220万円 67%
第7級 1 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になつたもの
2 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
3 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
4 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6 1手のおや指を含み3の手指をを失つたもの又はおや指以外の4の手指を失つたもの
7 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8 1足をリスフラン関節以上で失つたもの
9 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11 両足の足指の全部の用を廃したもの
12 女子の外貌に著しい醜状を残すもの
13 両側の睾丸を失つたもの
409万円 1030万円 56%
第8級 1 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になつたもの
2 脊柱に運動障害を残すもの
3 1手のおや指を含み2の手指を失つたもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
4 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
5 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
7 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
8 1上肢に偽関節を残すもの
9 1下肢に偽関節を残すもの
10 1足の足指の全部を失つたもの
11 脾臓又は1側の腎臓を失つたもの
324万円 830万円 45%
第9級 1 両眼の視力が0.6以下になつたもの
2 1眼の視力が0.06以下になつたもの
3 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
6 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
8 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離 では普通の話声を
 解することが困難である程度になつたもの
9 1耳の聴力を全く失つたもの
10 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当にな程度に制限されるもの
12 1手のおや指又はおや指以外の2の手指をを失つたもの
13 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
14 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失つたもの
15 1足の足指の全部の用を廃したもの
16 生殖器に著しい障害を残すもの
245万円 670万円 35%
第10級 1 1眼の視力が0.1以下になつたもの
2 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
4 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
6 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
7 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
8 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
9 1足の第1の足指又は他の4の足指を失つたもの
10 1上肢の3大関節中の3関節の機能に著しい障害を残すもの
11 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
187万円 530万円 27%
第11級 1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
6 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
7 脊柱に変形を残すもの
8 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
9 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
10 胸腹部臓器に障害を残すもの
135万円 400万円 20%
第12級 1 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8 長管骨に変形を残すもの
9 1手のこ指を失ったもの
10 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11 1足の第2の足指を失つたもの、第2の足指を含み2の足指を失つたもの又は第3の足指以下の3の足指を失つたもの
12 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13 局部に頑固な神経症状を残すもの(高次脳機能障害としては労災基準適用時のみ)
14 男子の外貌に著しい醜状を残すもの
15 女子の外貌に醜状を残すもの
93万円 280万円 14%
第13級 1 1眼の視力が0.6以下になつたもの
2 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6 1手のこ指の用を廃したもの
7 1手のおや指の指骨の一部を失つたもの
8 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
9 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
10 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
57万円 180万円 9%
第14級 1 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
4 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
5 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
6 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
7 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
8 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
9 局部に神経症状を残すもの(高次脳機能障害としては労災基準適用時のみ)
10 男子の外貌に醜状を残すもの
32万円 110万円 5%

備考

1 視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。
2 手指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の手指は第一指関節以上を失つたものをいう。
3 手指の用を廃したものとは、手指の末節の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは第一指関節(おや指にあつては、指関節)に著しい運動障害を残すも
のをいう。
4 足指を失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
5 足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節の半分以上、その他の足指は末関節以上を失つたもの又は中足指節関節若しくは第一指関節(第一の足指にあつては、
 指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
6 各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。

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【相続財産の範囲|一身専属権・慰謝料請求権・損害賠償×損益相殺・継続的保証】
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