【共同抵当×代価の配当|基本】

1 共同抵当×代価の配当|基本
2 共同抵当×代価の配当|異時配当
3 共同抵当×代価の配当|直近以外の後順位
4 代位の付記登記
5 共同抵当×代価の配当|一部弁済

1 共同抵当×代価の配当|基本

複数の不動産が抵当権の対象となることもあります。
これを『共同抵当』と呼びます。
この場合,競売の配当に関する調整のルールがあります。
まずは基本的事項を整理します。

<共同抵当×代価の配当|基本>

あ 前提事情(※1)

同一の債権の担保として
複数の不動産に抵当権が設定されている

い 同時配当

複数の不動産の抵当権を実行した
同時に配当を行う場合
→各不動産の価格に応じて配当する
※民法392条1項

う 異時配当

配当が同時ではない場合
→一定の範囲で『代位』が生じる(後記※2

2 共同抵当×代価の配当|異時配当

異時配当の場合は,ちょっと複雑な処理になります。
基本的事項をまとめます。

<共同抵当×代価の配当|異時配当(※2)

あ 前提事情

前記※1の事情を前提とする
抵当権が実行された
複数の不動産の競売の配当が同時ではない

い 抵当権者

共同抵当権者について
→債権全額の配当を受けることができる
※民法392条2項前段

う 後順位抵当権者(※3)

配当対象の不動産の後順位抵当権者について
→代位して抵当権を行使できる
→他の抵当物件の配当を受けることになる
代位範囲=『同時配当の場合』と同様の金額に満ちるまで
※民法392条2項後段

3 共同抵当×代価の配当|直近以外の後順位

『後順位抵当権者』に関する解釈論をまとめます。

<共同抵当×代価の配当|直近以外の後順位>

代位が適用される『後順位抵当権者』(前記※3)について
→『直近=次順位』だけに限られない
※大判大正11年2月13日

4 代位の付記登記

後順位抵当権者が代位する場合,登記ができます。

<代位の付記登記>

後順位抵当権者が代位により抵当権を行使する場合
=他の抵当物件の抵当権実行のことである
→代位の付記登記をすることができる
※民法393条

5 共同抵当×代価の配当|一部弁済

異時配当の代位のイレギュラーなものもあります。
先行する配当が『一部』に過ぎなかった場合です。
なお,実務ではよく生じます。

<共同抵当×代価の配当|一部弁済>

あ 前提事情

共同抵当権者が一部弁済を受けた
全額の弁済には至っていない

い 後順位抵当権者の代位|基本

後順位抵当権者の地位について
→将来において代位して抵当権を行使できる地位を有する
『停止条件付抵当権』である

う 後順位抵当権者の代位|付記登記

代位の『仮登記』を行うことができる
※大判大正15年4月8日

え 別の見解

他の見解を取る学説もある
※我妻栄『新訂担保物権法(民法講義3)』岩波書店p452
※川井健『担保物権法(現代法律学全集7)』青林書院p147

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