【住宅品確法の全体像(『新築住宅』の定義・3つの制度)】

1 住宅品確法の全体像

平成12年から住宅品確法が施行されています。
住宅品確法は、新築住宅の建設・売買について住宅取得者(施主・買主)を保護するルールです。
本記事では、住宅品確法の定める制度の全体像を説明します。

2 住宅品確法の趣旨と施行日

住宅品確法は、住宅の建築や新築住宅を購入した者を保護することによって、住宅の流通促進を図る趣旨で作られました。
平成12年4月から施行されています。

住宅品確法の趣旨と施行日

あ 法律の正式名称

住宅の品質確保の促進等に関する法律
本記事では『(住宅)品確法』とよぶ

い 施行時期

平成12年4月1日

う 住宅品確法の趣旨

住宅の品質確保の促進・住宅購入者などの利益の保護
→住宅の流通促進・社会経済発展
※品確法1条

3 住宅品確法の主要な3つの制度

住宅品確法による住宅取得者保護の制度の主な内容は3つあります。
いずれも適用されるのは新築の住宅(後記)に限られます。

住宅品確法の主要な3つの制度

あ 瑕疵担保責任の特例

住宅に瑕疵(欠陥)があった場合に生じる担保責任について
一定の最低限の期間が設定された
=短縮することが制限された

い 住宅性能表示制度の設定

住宅の性能を表示する制度
任意の制度である(後記※2

う 住宅紛争処理体制の整備

紛争処理機関の設置のことである(後記※3

え 対象となる取引

『あ〜う』の制度の対象は
新築住宅(後記※1)の建築請負契約・売買契約だけである

4 『住宅・新築住宅』の定義

住宅品確法の制度が適用されるのは新築住宅に関する建築工事の請負契約と売買契約です。
新築住宅の定義は品確法に規定されています。
新築工事完了直後から、売れていないまま1年経過するまでの住宅が『新築住宅』となります。つまり、品確法の適用の対象となるのです。
住宅は、戸建ても分譲マンション(区分所有建物)も含まれます。

『住宅・新築住宅』の定義

あ 『住宅』の定義

人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分
(人の居住の用以外の用に供する家屋の部分との共用に供する部分を含む)
※品確法2条1項

い 『新築住宅』の定義(※1)

新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの
(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)
※品確法2条2項

5 住宅品確法による瑕疵担保責任の強化(概要)

住宅品確法の制度の1つは瑕疵担保責任の強化です。
民法上の瑕疵担保責任だけでは、契約書の条項(特約)で期間を短く設定することが可能です。
そこで実際に多くの建築請負契約書や売買契約書で期間が短く設定されています。
この点、住宅品確法では、重要な構造部分の瑕疵に関して、瑕疵担保期間を最低でも10年としています。
詳しくはこちら|住宅品確法による瑕疵担保責任の強化(基本構造部分は最低10年)

6 住宅品確法による住宅性能表示制度(概要)

住宅品確法のもう1つの制度は住宅性能表示制度です。
表示する住宅性能の項目(フォーマット)を定めています。
しかし、表示する義務があるわけではなく、要するに任意の制度となっています。
詳しくはこちら|住宅品確法による住宅性能表示制度(内容と問題点・注意点)

7 住宅紛争処理審査会による紛争解決(概要)

住宅品確法では、住宅紛争処理体制をつくることも定められています。
これによって、弁護士会に住宅紛争処理審査会が作られて、紛争処理業務を行っています。
裁判所以外の紛争解決処理機関(ADR)の1つです。
住宅品確法とは別の、履行確保法による保険が付いている新築住宅に関するトラブルの解決では、特に実効性の高い解決機能を発揮します。
詳しくはこちら|住宅紛争処理審査会による紛争解決手続(あっせん・調停・仲裁)

本記事では、住宅品確法の全体像を説明しました。
実際には、瑕疵の有無の判断(評価)は複雑です。また、不法行為責任など、瑕疵担保責任以外の法的な責任も関係してきます。
実際に建物の瑕疵の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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