【氏(苗字)の変更(職業を思わせる珍奇な氏の裁判例集約)】
1 『肴屋』が本当に鮮魚販売(変更許可)
特殊な氏(苗字)は変更が許可されることがあります。
詳しくはこちら|氏(苗字)の変更許可制度の基本(規定・許可基準)
本記事では、実際の氏の変更の裁判例のうち、特定の職業を思わせるという意味で珍しい氏に関する裁判例を紹介します。
まずは『さかなや』さん、という氏(苗字)の方が本当にさかなを販売する仕事をしていた、というケースです。
『肴屋』が本当に鮮魚販売(変更許可)
あ 変わった氏
『肴屋』の氏であった
申立人は当時、魚類を扱う『市場』に勤めていた
『肴屋』と名乗っても大抵の人は信用してくれないで困っていた
い 子供の困惑
子供(長男)が学校や塾で友達からからかわれ、泣いて帰ってくることもある
長男(小学生)が、スイミングクラブや塾でマイクなどで名前を呼ばれる機会がある
そうすると、笑いの対象になる
苦痛を感じて毎日を送っている
う 家族の切望
妻の旧姓『飯田』への変更を一家が希望している
え 裁判所の判断
氏の変更を許可した
※長崎家裁昭和61年7月17日
2 『大工』職業との誤解・珍奇(変更許可)
氏(苗字)が『大工』であったというケースです。
『大工』は非常にメジャーな職業(サービス)です。
裁判所は、間違えられる不都合が多いと判断し、変更を許可しました。
『大工』職業との誤解・珍奇(変更許可)
『大工』の氏であった
→氏の変更を許可した
※那覇家裁昭和50年9月13日
3 『佃屋』職業との誤解・珍奇(変更不許可)
『屋』があるので職業(店舗)を思わせる氏についてのケースです。
しかし、実際にそのような屋号・店舗はあまり聞きません。
『肴屋』『大工』と違い『佃屋』は『何かの販売業』というイメージがあまりありません。
間違えられるような支障が生じることはほとんどないと思われます。
裁判所は変更を許可しませんでした。
『佃屋』職業との誤解・珍奇(変更不許可)
あ 事案
『佃屋』(つくや)の氏であった
『田代』への変更が申し立てられた
い 裁判所の判断
氏の変更を許可しなかった
※東京家裁昭和43年10月3日
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。
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