【ローン特約|全体・基本|内容・法的分類・トラブルの種類】
1 売買代金の調達ができない×買主の負担
2 ローン特約・融資特約|内容
3 ローン特約・融資特約|法的分類
4 ローン特約×トラブルの種類|全体
1 売買代金の調達ができない×買主の負担
個人がマイホームを購入する場合は,通常『住宅ローン』が利用されます。
購入資金の大部分を融資で調達する,ということです。
事業としての不動産の購入でも融資の利用は非常に多いです。
この点,融資の審査が通らず,融資を受けられない,ということもよくあります。
そして『融資が受けられない場合』でも,売買契約がそのまま生きています。
買主は何とかして代金を調達しないと『債務不履行』になります。
この場合の買主の責任をまとめます。
<売買代金の調達ができない×買主の負担>
売主は次のいずれかの対応が可能となる
あ 違約金請求
売主が売買契約を解除する+『違約金』を請求する
い 残金請求
売主が売買契約を解除しない+『売買代金(残金)』を請求する
このように買主の責任・負担はとても大きいのです。
そこで,不動産売買契約では『ローン特約』が付けられることが多いです。
内容は次に説明します。
2 ローン特約・融資特約|内容
ローン特約の内容について整理しました。
<ローン特約・融資特約|内容>
あ 内容|概要
不動産売買契約における『特約』の1つ
金融機関からの融資が受けられることを条件とする
融資が受けられない場合は『白紙撤回』となる
い 内容|具体的内容
ア 手付金は放棄にならない
売主から買主に返還される
イ 違約金は発生しない
う 法的構成|種類
法的な扱いはいくつかの種類がある(後記)
え 名称
法律的な名称・定義があるわけではない
いくつかの呼称・名称がある
ア ローン特約・融資特約イ ローン条項・融資条項
3 ローン特約・融資特約|法的分類
ローン特約の法的な性格は次のように分類できます。
<ローン特約・融資特約|法的分類>
あ 停止条件付契約
『融資承認が得られる』ことが契約成立の条件である
い 解除条件付契約
『融資承認が得られなかった』時に契約が解除となる
ア ノーマルイ 解除権留保付
買主が契約解除するかしないかの選択ができる
4 ローン特約×トラブルの種類|全体
ローン特約は実務において多くのトラブルのモトになります。
ローン特約に関するトラブルの種類をまとめます。
<ローン特約×トラブルの種類|全体>
あ ローン特約・条項関連
ア 錯誤無効
ローン特約の有無・内容について誤解があった
イ 解釈論
ローン特約・条項の解釈が分かれた
い 融資申込・審査関連
融資の申込・審査のプロセスにおける問題
買主の行為によって不承認の結果となった
ア ローン壊し
買主が意図的に『審査に落ちる』ように行動した
イ 特約違反
買主がローン特約で定めたとおりに融資申込をしていない
ローン特約の解釈とつながっている
う 解除通知
ローン特約による解除の通知・連絡に関する問題
期限を過ぎて解除の連絡がなされたなど
え 仲介業者の責任
ローン特約の有無・内容についての説明不足など
→仲介業者への責任追及
=手数料返還請求・損害賠償請求
それぞれのトラブルの内容については,別記事で説明しています。
(別記事『条項自体・錯誤無効』;リンクは末尾に表示)
(別記事『融資申込・審査・基本』;リンクは末尾に表示)
(別記事『融資申込・審査・事例』;リンクは末尾に表示)
(別記事『解除通知』;リンクは末尾に表示)
(別記事『ローン特約以外』;リンクは末尾に表示)
(別記事『仲介業者の責任』;リンクは末尾に表示)
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