残業代請求(労働問題)
みずほ中央の弁護士がお手伝い・解決します!
残業代が眠ったままになっていませんか。
毎日1~2時間残業→残業代2~300万円獲得
という事例が多いです。
既に退職してタイムカードなどの資料を持っておらず,記憶だけ
↓
こんな場合でも退職金を獲得した例は多くあります。
このような理由で残業代が払われていない方。
- ・細かい記録がない
・店長などの「管理職」
・残業届を提出していない
・上司に承諾を得ていない
・年俸制
・ボーナスその他の手当に残業代が含まれている
- 示談・労働審判・訴訟を代行し,適切な残業代や退職金などを回収します。
会社の主張する残業代不払の理由は,認められないことも多いのです。
事例
- 事例 1日1~2時間の残業が数件間継続していました。特に残業代は支給されていませんでした。
いわゆるサービス残業です。
- 交渉により解決金約300万円を獲得。
- 事例 約35年間勤続し,退職時に役員となっている方に退職金が支給されませんでした。
会社側は,役員については,株主総会の決議がないと支給されないと主張しました。
しかし,退職者は,従業員としての性質もあったと主張し,退職金を請求しました。
- 交渉は決裂したため,提訴。
裁判所は,退職者の主張に寄った見解を取り,和解を勧告しました。
最終的に,解決金約7000万円を支払う内容の和解が成立しました。
- 事例 飲食店店長として務めていたAは週約40時間の残業をしていました。
勤務先Bは「管理監督者」であるため,残業代は適用されないと主張しました。
- 交渉が決裂したため提訴。
Aは,職務内容・権限・責任・待遇について,管理職とは言えない(名ばかり管理職)と丁寧に主張しました。
裁判所は「店長」という肩書だけでは決め手にならないとして,Aの主張に沿って,「管理監督者」には該当しないと認定しました。
残業代として約500万円と,付加金約250万円の支払を命じる判決を獲得しました。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【東京地方裁判所 平成20年1月28日(抜粋)】
ア 店長の権限等について
(ア)店長は,アルバイト従業員であるクルーを採用して,その時給額を決定したり,スウィングマネージャーへの昇格を決定する権限や,クルーやスウィング
マネージャーの人事考課を行い,その昇給を決定する権限を有しているが,将来,アシスタントマネージャーや店長に昇格していく社員を採用する権限はないし
(クルーが被告に入社を申し込む場合に,店長が,当該クルーの履歴書にコメントを記載することはある(乙6)),アシスタントマネージャーに対する一次評
価者として,その人事考課に関与するものの,その最終的な決定までには,OCによる二次評価のほか,上記の三者面談や評価会議が予定されているのであるか
ら,店長は,被告における労務管理の一端を担っていることは否定できないものの,労務管理に関し,経営者と一体的立場にあったとはいい難い。
(イ)次に,店長は,店舗の運営に関しては,被告を代表して,店舗従業員の代表者との間で時間外労働等に関する協定を締結するなどの権限を有するほか,店
舗従業員の勤務シフトの決定や,努力目標として位置づけられる次年度の損益計画の作成,販売促進活動の実施等について一定の裁量を有し,また,店舗の支出
についても一定の事項に関する決裁権限を有している。
しかしながら,本社がブランドイメージを構築するために打ち出した店舗の営業時間の設定には,事実上,これに従うことが余儀なくされるし,全国展開する
飲食店という性質上,店舗で独自のメニューを開発したり,原材料の仕入れ先を自由に選定したり,商品の価格を設定するということは予定されていない(甲
41,47)。
また,店長は,店長会議や店長コンベンションなど被告で開催される各種会議に参加しているが,これらは,被告から企業全体の営業方針,営業戦略,人事等
に関する情報提供が行われるほかは,店舗運営に関する意見交換が行われるというものであって,その場で被告の企業全体としての経営方針等の決定に店長が関
与するというものではないし(証人緑川五郎),他に店長が被告の企業全体の経営方針等の決定過程に関与していると評価できるような事実も認められない。
(ウ)以上によれば,被告における店長は,店舗の責任者として,アルバイト従業員の採用やその育成,従業員の勤務シフトの決定,販売促進活動の企画,実施
等に関する権限を行使し,被告の営業方針や営業戦略に即した店舗運営を遂行すべき立場にあるから,店舗運営において重要な職責を負っていることは明らかで
あるものの,店長の職務,権限は店舗内の事項に限られるのであって,企業経営上の必要から,経営者との一体的な立場において,労働基準法の労働時間等の枠
を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえような重要な職務と権限を付与されているとは認められない。
イ 店長の勤務態様について
(ア)店長は,店舗従業員の勤務シフトを決定する際,自身の勤務スケジュールも決定することとなるが,各店舗では,各営業時間帯に必ずシフトマネージャー
を置くこととされているので,シフトマネージャーが確保できない営業時間帯には,店長が自らシフトマネージャーを務めることが必要となる。
原告の場合,自らシフトマネージャーとして勤務するため,同年7月ころには30日以上,同年11月から平成17年1月にかけては60日以上の連続勤務を
余儀なくされ,また,同年2月から5月ころにも早朝や深夜の営業時間帯のシフトマネージャーを多数回務めなければならなかった(甲4,原告本人)。その結
果,後記第3,3(1)で認定するとおり,時間外労働が月100時間を超える場合もあるなど,その労働時間は相当長時間に及んでいる。
店長は,自らのスケジュールを決定する権限を有し,早退や遅刻に関して,上司であるOCの許可を得る必要はないなど,形式的には労働時間に裁量があると
いえるものの,実際には,店長として固有の業務を遂行するだけで相応の時間を要するうえ(原告や証人青山二郎の試算では,月150時間程度となっている。
甲44,50),上記のとおり,店舗の各営業時間帯には必ずシフトマネージャーを置かなければならないという被告の勤務態勢上の必要性から,自らシフトマ
ネージャーとして勤務することなどにより,法定労働時間を超える長時間の時間外労働を余儀なくされるのであるから,かかる勤務実態からすると,労働時間に
関する自由裁量性があったとは認められない。
(イ)この点,被告は,原告の労働時間が長時間に及んだのは,部下とのコミュニケーションが不足するなどして,シフトマネージャーを務めることができるス
ウィングマネージャーの育成ができなかったことが原因であるなどと主張する。
しかしながら,店舗運営に必要な数のシフトマネージャーが確保できていない場合に,店長が自らシフトマネージャーとして勤務することで労働時間が長期化
することは,原告に限ったことではなく,他の店長についても生じている現象である(乙35,証人白井四郎)。原告の勤務状態が,上記の状況にまで及んだこ
とについては,被告が指摘するとおり,スウィングマネージャーの育成に失敗したという側面があることは否定できないものの(証人赤木一郎,同黒田三郎),
程度の差はあれ,これは,被告における店長が,他の従業員からシフトマネージャーを確保できなければ,自らシフトマネージャーとして勤務することでその不
足を補うべき立場にいるという被告の勤務態勢上の事情から不可避的に生じるものであり,専ら原告個人の能力の不十分さに帰責するのは相当でない。
なお,被告は,店長が特定の営業時間帯のシフトマネージャーを自店舗の従業員から確保できない場合には,自らシフトマネージャーを務めるという方法以外
に,他店から一時的にスウィングマネージャーを借りるという方法もあると主張するが,原告の場合には,原告が要請しても,他店から円滑にスウィングマネー
ジャーを借りることができていた状況にはなかったと認められるし(証人赤木一郎,原告本人),上記の原告の勤務状況からすると,原告が店長を務めていた店
舗でのシフトマネージャーの不足の程度は,他店からスウィングマネージャーを一時的に借りることで改善される状況ではなかったといえる。
(ウ)また,被告は,店長が行う労務管理,店舗の衛生管理,商圏の分析,近隣の商店街との折衝,店長会議等への参加等の職務は,労働時間の規制になじまな
いものであると主張する。
しかしながら,前記第3,2(3)ア記載のとおり,店長は,被告の事業全体を経営者と一体的な立場で遂行するような立場にはなく,各種会議で被告から情
報提供された営業方針,営業戦略や,被告から配布されたマニュアル(甲45)に基づき,店舗の責任者として,店舗従業員の労務管理や店舗運営を行う立場で
あるにとどまるから,かかる立場にある店長が行う上記職務は,特段,労働基準法が規定する労働時間等の規制になじまないような内容,性質であるとはいえな
い。
ウ 店長に対する処遇について
(ア)証拠(乙60)及び弁論の全趣旨によれば,平成17年において,年間を通じて店長であった者の平均年収は707万184円(この額が前記第3,2
(2)カ(イ)記載のインセンティブプランからの支給額を含むのであるか否かは不明であるが,一応含まないものとして検討する)で,年間を通じてファース
トアシスタントマネージャーであった者の平均年収は590万5057円(時間外割増賃金を含む)であったと認められ,この金額からすると,管理監督者とし
て扱われている店長と管理監督者として扱われていないファーストアシスタントマネージャーとの収入には,相応の差異が設けられているようにも見える。
しかしながら,前記第3,2(2)カ(ア)で認定したとおり,S評価の店長の年額賃金は779万2000円(インセンティブを除く。以下同様),A評価
の店長の年額賃金は696万2000円,B評価の店長の年額賃金は635万2000円,C評価の店長の年額賃金は579万2000円であり,そのうち店長
全体の10パーセントに当たるC評価の店長の年額賃金は,下位の職位であるファーストアシスタントマネージャーの平均年収より低額であるということにな
る。また,店長全体の40パーセントに当たるB評価の店長の年額賃金は,ファーストアシスタントマネージャーの平均年収を上回るものの,その差は年額で
44万6943円にとどまっている(なお,被告の主張によると,店長の年額賃金には深夜割増賃金相当額(定額)として16万8000円(月額1万4000
円×12)が含まれていることになるが(就業規則15条),後記のファーストアシスタントマネージャーの月平均時間外労働時間に照らすと,深夜労働に対す
る賃金を除いた比較では,その差はより少額になるものと推認される)。
また,証拠(甲54)によると,店長の週40時間を超える労働時間は,月平均39.28時間であり,ファーストアシスタントマネージャーの月平均38.
65時間を超えていることが認められるところ,店長のかかる勤務実態を併せ考慮すると,上記検討した店長の賃金は,労働基準法の労働時間等の規定の適用を
排除される管理監督者に対する待遇としては,十分であるといい難い。
(イ)また,被告では,前記第3,2(2)カ(イ)で認定した各種インセンティブプランが設けられているが,これは一定の業績を達成したことを条件として
支給されるものであるし(したがって,全ての店長に支給されるものではない),インセンティブプランの多くは,店長だけでなく,店舗の他の従業員もインセ
ンティブ支給の対象としているのであるから,これらのインセンティブプランが設けられていることは,店長を管理監督者として扱い,労働基準法の労働時間等
の規定の適用を排除していることの代償措置として重視することはできない。
(ウ)なお,仮に,前記(ア)で検討した店長の平均年収が,上記のインセンティブプランに基づき支給されたインセンティブを含むものであれば,被告におけ
る店長の賃金が管理監督者に対する待遇として不十分であることは,一層明らかであるといえる。
エ 以上によれば,被告における店長は,その職務の内容,権限及び責任の観点からしても,その待遇の観点からしても,管理監督者に当たるとは認められな
い。
したがって,原告に対しては,時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである。
- 事例 Aは店舗責任者であったため,「管理監督者」として残業代支給の対象外となっていました。
会社Bは「深夜手当」も含めて,一切の割増賃金の支給をしていませんでした。
Aは「深夜手当」だけは支給されるべきであると主張しました。
- 交渉が決裂したので提訴。
裁判所は,就業規則などで特別に規定されているなどの事情がない限り,「管理監督者」でも,深夜割増賃金は支給すべきであると判断しました。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【最高裁判所 平成21年12月18日(抜粋)】
1 本件反訴請求は,美容室及び理容室を経営する被上告人に雇用されていた上告人が,労働基準法(以下「労基法」という。)37条3項に基づく深夜割増
賃金等の支払を被上告人に対して求めるものである。
2 原審は,労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という。)には,同法の定める深夜割増賃金に関する規定は
適用されないと解した上,上告人は管理監督者に該当すると認定して,深夜割増賃金に係る反訴請求を棄却すべきものと判断した。
3 しかしながら,管理監督者には深夜割増賃金に関する規定が適用されないとする原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりであ
る。
労基法における労働時間に関する規定の多くは,その長さに関する規制について定めており,同法37条1項は,使用者が労働時間を延長した場合において
は,延長された時間の労働について所定の割増賃金を支払わなければならないことなどを規定している。他方,同条3項は,使用者が原則として午後10時から
午前5時までの間において労働させた場合においては,その時間の労働について所定の割増賃金を支払わなければならない旨を規定するが,同項は,労働が1日
のうちのどのような時間帯に行われるかに着目して深夜労働に関し一定の規制をする点で,労働時間に関する労基法中の他の規定とはその趣旨目的を異にすると
解される。
また,労基法41条は,同法第4章,第6章及び第6章の2で定める労働時間,休憩及び休日に関する規定は,同条各号の一に該当する労働者については適用
しないとし,これに該当する労働者として,同条2号は管理監督者等を,同条1号は同法別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
を定めている。一方,同法第6章中の規定であって年少者に係る深夜業の規制について定める61条をみると,同条4項は,上記各事業については同条1項ない
し3項の深夜業の規制に関する規定を適用しない旨別途規定している。こうした定めは,同法41条にいう「労働時間,休憩及び休日に関する規定」には,深夜
業の規制に関する規定は含まれていないことを前提とするものと解される。
以上によれば,労基法41条2号の規定によって同法37条3項の適用が除外されることはなく,管理監督者に該当する労働者は同項に基づく深夜割増賃金を
請求することができるものと解するのが相当である。
4 もっとも,管理監督者に該当する労働者の所定賃金が労働協約,就業規則その他によって一定額の深夜割増賃金を含める趣旨で定められていることが明ら
かな場合には,その額の限度では当該労働者が深夜割増賃金の支払を受けることを認める必要はないところ,原審確定事実によれば,上告人の給与は平成16年
3月までは月額43万4000円,同年4月以降退社までは月額39万0600円であって,別途店長手当として月額3万円を支給されており,同16年3月こ
ろまでの賃金は他の店長の1.5倍程度あったというのである。したがって,上告人に対して支払われていたこれらの賃金の趣旨や労基法37条3項所定の方法
により計算された深夜割増賃金の額について審理することなく,上告人の深夜割増賃金請求権の有無について判断することはできないというべきである。
5 以上によれば,原審の判断のうち深夜割増賃金に係る反訴請求に関する部分には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があ
り,原判決のうち上記の部分は破棄を免れない。そして,上記4の点について更に審理を尽くさせるため,上記の部分につき本件を原審に差し戻すのが相当であ
る。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
- 事例
Aがアルバイトとして働くパスタ店Bでは,忙しさに応じて労働時間を調整する「変形労働時間制」を採用していました。
しかしAは事前にそのルールの説明を十分には受けていませんでした。
確かに就業規則ではその規定があったが,シフト作成のタイミングが規定どおりではありませんでした。
Aは「変形労働時間制」は不当だと主張し,残業代を請求しました。
- 交渉が決裂したので提訴。
裁判所は,Aの主張とほぼ採用し,「変形労働時間制」を認めず,残業代支払を命じました。
- 事例 6人の従業員A(総称)は,飲食店Bで働いていました。
Bは勤務時間のデータを改竄して,労働時間を少なくみせようという工作をしました。
- 交渉は決裂したので提訴。
裁判所は,データの改竄を認定した上,悪質であると考え,残業代(本体)の8割もの付加金支払を命じました。
A(6人合計)は,残業代約1500万円と付加金約1100万円の合計約2600万円を獲得しました
- 【京都地方裁判所 平成21年9月17日(抜粋)】
4 不法行為の成否(争点(4))
(1) 前記1及び2のとおり,原告らは,被告店舗において長時間勤務していたが,その時間外・深夜労働に対する手当は支払われなかった。また,証拠
(証人B及び原告X1)及び弁論の全趣旨によると,被告は原告らの勤務状況について,30分未満を切り捨てて実労働時間を算定したり,休憩時間が30分を
超えると1時間と算定するなどしていたこと,平成20年5月には被告が原告ら従業員の就業月報を改ざんして原告らの実労働時間を少なくみせかけようとした
こと,原告らが結成した労働組合が被告に対し,団体交渉の申し入れを同年7月18日にしたところ,被告が団体交渉に応じたのは同年9月22日であり,約2
か月もの間交渉がなされなかったこと,被告では健康診断を実施していなかったこと,原告X6を除く原告らは,平成20年10月31日で被告から解雇された
ことが認められる。そして,原告らはこれらの事情などから不法行為が成立する旨主張する。
(2) 労働者に対する時間外・深夜労働の手当を支払わないことについて,使用者に不法行為が成立し得るのは,使用者がその手当(賃金)の支払義務を
認識しながら,労働者による賃金請求が行われるための制度を全く整えなかったり,賃金債権発生後にその権利行使をことさら妨害したなどの特段の事情が認め
られる場合に限られると解される。
もっとも,原告らは,消滅時効が成立しない期間の未払時間外手当等及び未払深夜割増手当については労働契約に基づき被告に賃金請求権に基づいて請
求できるのであるから,原告らが主張するような行為によって未払時間外手当等及び未払深夜割増手当相当額の損害が発生したとはいえず,不法行為が成立する
余地はない。
そこで,消滅時効が成立する平成18年5月以前の月の未払賃金の請求について,被告に不法行為が成立するかについてのみ検討を加える。
この点,原告X1の供述(原告X1124項)によると,被告の営業部長であった大矢が,1か月の実労働時間を240時間程度に減らしたい旨発言し
ていたことが認められ,原告らの勤務状況から考えると,被告は時間外・深夜労働に対する手当の支払義務を認識していたことが推認できる。また,前記(1)
のとおり,実労働時間や休憩時間が原告らに不利に算定されていたという事情もある。
しかしながら,原告らは,出勤時刻・退勤時刻,休憩時間については就業月報やタイムカードに正確に打刻することができ,これに基づいて被告に対し
時間外・深夜労働の手当を請求することは可能であったのであるから,被告がその請求を行わせるための制度を全く整えなかったとまではいえない。
また,被告が団体交渉に応じなかったこと,原告らが解雇されたことは,平成18年5月以前の未払時間外手当等や未払深夜割増手当の賃金債権発生後
に生じた事情であって,本件全証拠をもってしても,被告のこうした行為によって原告らの未払時間外手当等や未払深夜割増手当の請求が妨害されたとは認め難
い。
もっとも,就業月報の改ざんは,原告らの未払時間外手当等や未払深夜割増手当の請求を妨害する行為と評価せざるを得ないが,改ざんされた就業月報
上の数字をもとにした未払時間外手当等や未払深夜割増手当の請求自体を妨害するようなものとはいい難く,本件全証拠をもってしても,就業月報の改ざんに
よって権利行使が妨害された債権相当額を具体的に認定することは困難である。そうすると,就業月報の改ざんがあったことをもって不法行為による損害賠償請
求を是認することは困難である。なお,健康診断を実施していないことが不法行為を成立させる事情とまでは評価できない。
その他本件全証拠を持ってしても,被告の行為について不法行為が成立するとまでは評価できず,原告らの主張は理由がない。
(略)
6 付加金の請求について
前記4(1)のとおり,被告は,原告らの実労働時間を少なく算定したり,原告らの就業月報を改ざんするなど,原告らの実労働時間を短くする悪質な行
為をしており,原告らに支払うべき賃金を不当に少なくしようという姿勢が顕著である。そして,被告は,現在に至るまで原告らに対し,時間外・深夜労働に対
する賃金を支払っていない。
もっとも,証拠(甲A1〔枝番含む〕,甲A2)によれば,被告は,原告ら代理人からの請求に応じ,本来支払われるべき額よりも低い額ではあるが,一
定程度の金額を支払おうとする意思もあったことは認められる。
以上の諸事情を考慮し,被告に対し,時間外・深夜労働の平成18年9月分以降の未払賃金の8割に相当する付加金の支払を命じるのが相当である(1円
未満は四捨五入)。
- 事例 従業員Aは,残業代約15万円が支払われていないので,会社に請求しました。
会社の社長Bはこれに応じませんでした。
Aは労働基準監督署に通告しました。
労働基準監督署はBに残業代を支払うよう指導し,また取調を要請しました。
Bはこれらを全部無視しました。さらに「逮捕するならしてみろ」と発言しました。
- Bは労働基準監督署に逮捕されました。
結果的に,反省したBは残業代をAに支払いました。
- 事例デザイナーとして勤務していたAが,残業代を勤務先Bに請求しました。
Bは,「デザイナーは時間管理に適しないため,管理監督者である」と主張し,残業代請求に応じませんでした。
- Aは提訴しました。
裁判所は,デザイナーでも,Aの勤務状況から考えると,時間管理は可能である,としてBの主張(管理監督者性)を否定しました。
そして,Bに対し,約190万円の支払を命じました
。
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- 【大阪地方裁判所 平成20年1月11日(抜粋)】
4 付加金について
原告の請求する付加金のうち,法内残業時間の賃金と同額の部分は失当であり,棄却すべきである。
その余の部分について検討するに,原告は,被告における時間外手当不払いが被告の体質に由来する根深いものであるから,付加金の支払いを命じるべきであ
る旨主張する。
確かに,①被告は,時間外手当を「土日出勤」の場合を除いて支払っていないこと(証人乙山GM),②平成17年4月以降はタイムカード制度を廃止して,自
己申告による勤怠管理表により勤務時間を管理するようになったこと(〈証拠略〉),③平成17年7月以降は,勤怠管理表の見本に残業時間を記入しないよう
指示していること(〈証拠略〉),③(ママ)当初は労働基準監督署を交えての話し合いが行われたが,最終的には,10時間19分しか時間外労働が存在しな
い旨述べていたこと(〈証拠略〉)等の事実が認められる。
しかしながら,ともかくもタイムカードや勤怠管理表のほとんどは被告より証拠として提
出されていること(〈証拠略〉),原告の勤務態度等について被告から具体的な主張や立証がなされているわけではないこと,被告側は和解による解決を最後ま
で模索していたこと(証人乙山GM)等の点からすると,付加金については,これの支払いを命じないのが相当であると判断した。

費用
【1】相談料
初回30分は無料
超過分は30分につき 4、200円(司法書士による相談) 8、400円(弁護士による相談)
※ご依頼いただいた場合は,相談料はかかりません。
【2】ご依頼の場合の着手金
・交渉(内容証明通知発送)5万2500円
・労働審判 15万7500円
・正式訴訟 26万2500円
※審判から正式訴訟に移行した場合は半額に致します。
【3】成功報酬
獲得額によって,次の割合が成功報酬となります。
200万円以下 31.5%
200万円~500万円 21%
500万円を超える 16.25%
※事情によって,分割払い・後払いが可能な場合もございます。