交通事故
保険会社の不当な賠償額の提案を
適正な金額に引き上げます。
保険会社との示談に応じると「不当に低い額だった」ということが多いです!
みずほ中央では,賠償額が増額しない場合は成功報酬をいただきま
せん!
(※重大事故特例に該当しない場合はこの限りではありません)
- ・交通事故に遭われた方
・保険会社の提示に納得できない被害者の方
・後遺障害等級認定に納得できない被害者の方
・保険会社の対応に納得できない被害者の
- 示談・訴訟を代行し,適切な賠償額の回収を実現します
後遺障害認定申請を行います
後遺障害等級認定に対する異議申立を行います

事例
- 事例 交通事故の被害者Aは,脳の障害(高次脳機能障害)・片目の失明に至りました。
外傷性てんかんも生じました。
当初,保険会社は4000万円程度の賠償額を提示してきました。
弁護士(Aの代理人)は,職業介護(身内ではなく,外部の介護サービス)が必要だと主張しました。
- 交渉に歩み寄りがなかったため,訴訟を提起。
裁判所により,職業介護の必要性が認められ,総額として約1億8000万円(慰謝料4000万円)の賠償額が認められました。
- 【東京地方裁判所 平成15年8月28日(抜粋)】
ウ 介護に伴う原告両親の負担について
《証拠略》によれば、原告太郎は、平成一二年ころに脳梗塞によって倒れ、日大板橋病院に通院していること、右手指の欠損があり、手術によってかろうじて
物をつかむ程度の動作は可能であるが、細かい作業は不可能であること、一方、原告花子は、日大板橋病院に平成一一年ないし一二年ころから通院し、骨粗鬆症
及び左変形性膝関節症との診断を受けていること、したがって、中腰による介護(例えば、原告春子を立ち上がらせる、歯を磨かせる、トイレの後始末をする
等)が困難であることが認められる。そうすると、原告太郎については、前記認定の障害に加え、その年齢を併せ考えると、原告春子について体力を要する介助
を行うことは困難であると判断せざるを得ない。また、原告花子についても、原告太郎ほどではないものの、腰に負担の掛かる介助を行うことは困難であると考
えられる。
しかしながら、前記のとおり、原告春子の介護の大半は監視で足りるものと考えられ、監視については、少なくとも自宅におけるそれはさほど体力を要すると
は考え難い。一方において、確かに、外出・入浴等、原告春子の体を支える必要性が生じるようなものについては、原告両親のみによる介護は不可能であるが、
それらの介護について職業付添人の援助を得ることを前提とすれば、それ以外の監視の部分については原告両親であってもなお可能である。したがって、外出・
入浴等、介助を要するものについては、職業付添人の助けを借りることを前提とすべきであるが、その他の介護については、原告花子が就労可能期間の終期とさ
れる六七歳となるまで、原告両親(原告太郎が六七歳となるまで)又は原告花子による介護で足りるというべきである。
そして、原告花子が六七歳となった後は、原告春子に対する監視ないし促しについても、原告春子の状況をよく知った上で適切に行われなければならないこと
は前島意見書の指摘するとおりであるから、原告春子の介護は職業付添人が行うことを前提とすべきである。
- 事例 高速道路を運転中,運転者Bのスピード超過・操作ミスにより自動車が転覆回転し大事故を起こしまし
た。
助手席に同乗していたBは大きな障害を負いました。
Bが負ったのは,急性硬膜下血腫,脳挫傷,肋骨骨折,外傷性くも膜下出血,肺挫傷,両側前腕開放骨折などで後遺症障害等級1級とされました。
AはB・保険会社に対し,約4億5000万円の損害賠償を請求しました。
保険会社は,Aもスピード超過を止めなかった過失があるとして減額(過失相殺)を主張しました。
- 交渉は決裂し,提訴。
裁判所は,Aには事故についての責任はないと判断し,過失相殺を認めませんでした。
損害額としては,約3億2000万円(慰謝料4400万円)の支払を命じました。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【東京地方裁判所 平成16年6月29日(抜粋)】
7 過失相殺について
(1)証拠(甲20ないし22,30,31,39)によれば,以下の事実が認められる。
本件旅行は,大学院研究科の研究室が主催するもので,何十年も続いている恒例の行事であり,費用の一部も大学の教室運営費から出される等,主催者
は大学であり,研究室の責任者は当時のL教授であり,その命を受けて,幹事である被告Dらが車での旅行を計画した。
教室のメンバーはこの旅行に出席することを求められたため,原告Aは,わざわざ長期出張先である仙台から教室の費用で(千葉県柏市に)帰省し,本
件旅行に参加した。前日まで仙台にいた原告Aは本件旅行の行程なども全く知らされておらず,被告Dらにより予め決められていたとおりに車に乗るより選択の
余地がなかった。助手席に座ったのも,ナビゲーターなどをするためではなく,単に,同乗者の中で最も背が高く脚が長かったからにすぎない(当時,身長は
181cmであった。)。また,原告Aは当時免許証を携帯していなかったし,被告Dが被告会社から本件車両を借り受ける際にも原告Aの運転免許証の提示が
されておらず,原告Aが運転することは予定されていなかった。
したがって,原告Aは,到底本件車両の運行を支配していたとはいえず,共同運行供用者には当たらない。
(2)被告らは,被告Dのスピードの出し過ぎによるハンドル操作のミスが本件事故の原因であるとして,原告Aにはこのような危険な運転を漫然と容認した
過失があると主張している。
しかし,追越車線を走行中であり,かつ,現に左斜め前方の車両を追い抜こうとしていた際であったことを考えると,時速約130キロメートルでの進
行は暴走と評価するほどの著しい速度超過とまではいえないし(甲2),その他,原告Aが被告Dの危険な運転を漫然と容認したとの事実を認めるに足りる証拠
もない。
(3)よって,過失相殺に関する被告らの主張は理由がない。
- 事例 歩行者Aが道路横断中に,原付BがAに衝突しました。
Aは約70歳であり,転倒する際,頭部に傷害を受けました。
脳挫傷,くも膜下出血などの傷害を負い,高次脳機能障害が生じました。
ところが,Bは任意保険にも自賠責保険にも入っていないことが発覚しました。
- Aの代理人弁護士は,自賠法72条1項に基づく政府保障事業としての損害の填補を請求しました。
その結果,Aは後遺障害等級2級と認定され,約2500万円の支払を受けました。
- 事例 走行中の自動車が約80歳の歩行者に衝突し,歩行者Aが死亡しました。
当初保険会社は,Aの遺族に対し,賠償額として1900万円と不当な提示をしました。
- 弁護士(Aの遺族の代理人)は,詳細な損害を算定し,交渉しました。
結果的に,和解が成立し,保険会社より約2600万円が支払われました。
- 事例 B運転のトラックが運転ミスで対向車線に侵入→A運転のタクシーに衝突しました。
トラックがタクシーに乗り上げて,Aはタクシー内で押しつぶされる形になりました。
病院で必死の救命措置を行いましたが,Aは亡くなりました。
- 弁護士(Aの遺族の代理人)は,詳細な損害を算定し,交渉しました。
金額面の食い違いから交渉は決裂しました。
A代理人弁護士は提訴しました。
裁判所は,遺族全員分の合計で約7000万円の賠償責任を認めました。
なお,このうち慰謝料としては,本人分2600万円,妻分200万円,子1人あたり100万円(2人で200万円)と算定されました。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【東京地方裁判所 平成18年5月10日(抜粋)ブログ110524】
理 由
1 請求原因(1)(本件事故の発生)及び(2)(責任原因)について
請求原因(1)及び(2)の各事実は,いずれも当事者間に争いがない。
2 請求原因(3)(損害)ア(Dの損害)について
(1)通院交通費 1万640円
前示争いのない事実に,証拠(甲2,3の1ないし3,35,36の10・22)及び弁論の全趣旨を総合すると,Dは,昭和26年*月*日生まれの男
子(本件事故の当時52歳)であるところ,本件事故の結果,胸腔内臓器損傷等の傷害を負い,平成16年5月15日から死亡した同月18日までの4日間,G
病院に入院したこと,同月15日に二男である原告C(昭和55年*月*日生まれ)が,同月16日から18日まで長男である原告B(昭和50年*月*日生ま
れ)及び原告Cがそれぞれタクシーを利用して同病院にDを見舞ったこと,原告らの自宅から同病院まで公共交通機関を利用した場合の料金は,片道760円で
あることが認められ,Dの受傷の部位,程度等に照らすと,その子である原告B及び原告Cによる見舞いの必要性,相当性は認められるものの,本件事故の当日
はともかく,その後の期間については公共交通機関の利用が困難であるなどタクシー利用の必要性を認めるに足りる事情はうかがわれない上,タクシー料金を支
出したことを的確に裏付ける証拠に欠けることからすると,本件事故と相当因果関係がある通院交通費は,次の計算式のとおり算出される1万640円を認める
のが相当である,
760円×2+760円×2×2名×3日=1万640円
(2)葬儀関係費用 150万円
証拠(甲4の1ないし10)及び弁論の全趣旨によると,Dの葬儀関係費用として150万円を超える支出がされたことが認められ,本件事故と相当因果
関係のある損害としては150万円を認めるのが相当である。
(3)休業損害 5万4243円
前示事実関係に証拠(甲5,35,36の22)を総合すると,Dは,本件事故の当時,Hにおいてタクシー乗務員として勤務しており,本件事故の結
果,4日間の休業を余儀なくされたこと,本件事故前3か月間に支給された給与(付加給を含む。)の合計額は,124万7185円であることが認められ,本
件事故と相当因果関係のある休業損害は,次の計算式のとおり算出される5万5430円を認めるのが相当であるところ,原告らが主張する額5万4243円
は,これより控え目であるから,同額を認める。
124万7185円÷90日×4日≒5万5430円
(4)逸失利益 3532万2254円
ア 稼働収入の逸失利益 3177万712円
(ア)定年までの逸失利益 2349万5491円
請求原因(3)ア(エ)(逸失利益)a(稼働収入の逸失利益)(a)(定年までの逸失利益)の事実は,当事者間に争いがない。
(イ)定年後の逸失利益 827万5221円
a 原告らは,請求原因(3)ア(エ)a(b)(定年後75歳までの個人タクシー事業による逸失利益)のとおり,Dは,本件事故に遭わなければ,
61歳でHを定年退職した後は,個人タクシー事業を営み75歳まで稼働することができたなどと主張し,証拠(甲5,8,9ないし11,13の1・2,
14,15,35,36の22)及び弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。
(a)Dは,昭和26年*月*日生まれの男子で,昭和45年に高等学校を卒業後,名古屋の薬品販売会社,運送会社における勤務,自営の内装工事の
仕事を経て,平成12年9月1日から,Hにおいてタクシー乗務員として稼働するようになり,妻である原告Aを扶養していた(Hが発行したDの平成15年分
給与所得の源泉徴収票には,配偶者を除く扶養親族の記載がない。)ところ,将来は,個人タクシー事業を始める意思を有していた。
(b)関東運輸局長が平成13年12月27日付けで公示した「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシー事業に限る。)の許可及び譲渡
譲受認可申請事案の審査基準について」は,個人タクシー事業の許可及び譲受けの認可の申請の審査基準について,おおよそ次のように定めている。
① 営業区域
(省略)
② 年齢
申請日現在で65歳未満であること。
③ 運転経歴等
Ⅰ 有効な第二種運転免許(普通免許又は大型免許に限る。)を有していること。
Ⅱ 申請日現在における年齢が40歳以上65歳未満の者は,
(あ)申請日以前25年間のうち,自動車の運転を専ら職業とした期間(他人に運転専従者として雇用されていた期間で,個人タクシー事業者又
はその代務運転者であった期間を含む。)が10年以上であること。この場合,一般旅客自動車運送事業用自動車以外の自動車の運転を職業とした期間は50
パーセントに換算する。
(い)申請する営業区域において,申請日以前3年以内に2年以上タクシー・ハイヤーの運転を職業としていた者であること。
④ 法令遵守状況
Ⅰ 申請日以前5年間及び申請日以降に,次に掲げる処分を受けていないこと。また,過去にこれらの処分を受けたことがある場合には,申請日
の5年前においてその処分期間が終了していること。
(あ)道路運送法又は貨物自動車運送事業法の違反による輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の処分
(い)道路交通法の違反による運転免許の取消しの処分
(う)タクシー業務適正化特別措置法に基づく登録の取消し処分及びこれに伴う登録の禁止処分
(え)自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の違反による営業の停止命令又は営業の廃止命令の処分
(お)刑法,暴力行為等処罰に関する法律,麻薬及び向精神薬取締法,覚せい剤取締法,売春防止法,銃砲刀剣類所持等取締法その他これに準ず
る法令の違反による処分
(か)自らの行為により,その雇用主が受けた道路運送法,貨物自動車運送事業法又はタクシー業務適正化特別措置法に基づく輸送施設の使用停
止以上の処分
Ⅱ 申請日以前3年間及び申請日以降に,道路交通法の違反による処分を受けていないこと。ただし,申請日の1年前以前において,反則点1点
を付された場合又は反則金の納付のみを命ぜられた場合のいずれか1回に限っては,処分を受けていないものとみなす。
Ⅲ Ⅰ又はⅡの違反により現に公訴を提起されていないこと。
⑤ 資金計画
Ⅰ 所要資金の見積りが適切であり,かつ,資金計画が合理的かつ確実なのものであること。なお,所要資金は次の(あ)ないし(え)の合計額
とし,各費用ごとに以下に示すところにより計算されているものであること。
(あ)設備資金((う)を除く。)
80万円以上。ただし,80万円未満で所要の設備が調達可能であることが明らかな場合は,当該所要額とする。
(い)運転資金
80万円以上
(う)自動車車庫に要する資金
新築,改築,購入又は借入等自動車車庫の確保に要する資金
(え)保険料
自動車損害賠償保障法に定める自賠責保険料(保険期間12か月以上)並びに対人8000万円以上及び対物200万円以上の任意保険又
は共済に係る保険料の年額
Ⅱ 所要資金の100パーセント以上の自己資金(自己名義の預貯金等)が申請日以降常時確保されていること。
⑥ 営業所,事業用自動車,自動車車庫,健康状態及び運転に関する適性,法令及び地理に関する知識
(省略)
(c)Dは,平成15年8月及び12月の2回にわたり,Hの代表取締役から,無事故,無違反で2万3000キロメートルを走破するなど優秀な成績
を修めたなどと表彰された。
(d)個人タクシー事業の許可及び譲受けの認可の申請について,平成15年度における東京の場合,許可率は78.9パーセント,認可率は同年6月
が96.9パーセント,同年10・11月が88.3パーセントであった。
(e)社団法人東京都個人タクシー協会が個人タクシー事業者300名の平成14年における輸送実績(1名当たりの平均)を分析したところ,収入は
689万7061円,管理費(人件費(事業主),交際費,租税公課,諸負担金,福利厚生費,賃借料)は401万8917円であった。
(f)社団法人全国個人タクシー協会の調査によると,平成16年5月1日現在において,個人タクシー事業者4万4961人のうち,60ないし64
歳の者が8738人(19.4パーセント),65ないし69歳の者が7408人(16.5パーセント),70ないし74歳の者が5152人(11.5パー
セント),75ないし79歳の者が973人(2.2パーセント),80歳以上の者が144人(0.3パーセント)であり,同年度上半期において,個人タク
シー事業を譲渡廃業した者の平均年齢は70.1歳(最高76歳,最低47歳),一般廃業した者の平均年齢は70歳(最高87歳,最低42歳),死亡廃業し
た者の平均年齢は62.8歳(最高79歳,最低41歳)であった。
b しかしながら,Dは,本件事故の当時,個人タクシー事業の許可等の要件を満たしていたわけではなく(原告らも,本件事故から6年以上経過した
後の平成22年の時点で,ようやく許可等の要件を満たすことを自認している。),本件事故の当時,Hを定年退職後,個人タクシー事業を営み75歳まで稼働
した蓋然性が高かったとまでは直ちにいえず,他にこの点を認めるに足りる証拠はなく,原告らの主張は,その前提を欠くこととなる。
そうすると,前示事実関係によれば,Dは,本件事故に遭わなければ,Hを定年退職後も67歳まで就労することができたというべきであり,本件
事故と相当因果関係のある定年後の稼働収入の逸失利益は,賃金センサス平成16年第1巻第1表による産業計男性労働者学歴計の年齢別平均賃金額を基礎とし
た上,生活費控除率を40パーセントとし,中間利息をライプニッツ方式で控除して,次の計算式のとおり算出される827万5221円を認めるのが相当であ
る。
443万1500円(前示賃金センサスによる60ないし64歳の平均年収額)×(1-0.4)×(8.8632(52歳から64歳までの12
年に対応するライプニッツ係数)-7.1078(52歳から61歳までの9年に対応するライプニッツ係数))≒466万7433円
396万5300円(前示賃金センサスによる65歳以上の平均年収額)×(1-0.4)×(10.3796(52歳から67歳までの15年に
対応するライプニッツ係数)-8.8632)≒360万7788円
466万7433円+360万7788円=827万5221円
(ウ)小計 3177万712円
以上の稼働収入の逸失利益を合計すると,3177万712円となる。
イ 年金収入の逸失利益 355万1542円
(ア)請求原因(3)ア(エ)b(年金収入の逸失利益)のうち,遺族年金の半額18万4600円及び遺族一時金10万7200円が控除されるべきこと
は,当事者間に争いがない。
(イ)証拠(乙3,各調査嘱託)及び弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。
a 老齢厚生年金関係
Dは,本件事故の当時,国民年金保険料納付済月数が109月,国民年金保険料全額免除月数が12月,厚生年金保険被保険者月数が235月の合
計356月で,厚生年金保険の受給資格(保険料納付済期間25年)を満たしており,老齢厚生年金の受給権は,平成23年8月11日に発生し(支給開始年月
は同年9月分から),納付済みの保険料を前提とすると,年金見込額は,60歳からが16万2600円(月額1万3550円),65歳からが73万8800
円(月額6万1566円)である。
厚生年金保険には,在職老齢年金の制度があり,総報酬月額相当額と老齢厚生年金との間で調整が行われるところ,この制度は,厚生年金保険に加
入中の年金受給者に適用され,本件事故の当時,60歳以上65歳未満で,老齢厚生年金を受給しながら厚生年金の被保険者として就労している者の年金額は,
一律2割減額されるとともに,給与等及び年金の月額合計が28万円を超える場合には,超過した金額の半額が支給停止されていた。
b 名古屋薬業厚生年金基金関係
Dは,昭和45年3月から昭和46年12月まで,名古屋薬業厚生年金基金に加入しており,本件事故の当時,当該厚生年金の受給資格を満たし,
生存していれば60歳に到達した月の翌月分からの年金が支給され,納付済みの保険料を前提とすると,年金見込額は,年額5624円である。
Dが生存していれば支給されるはずの年金は,いわゆる中途脱退者に支給する基本年金であるため,稼働状況による収入等に応じて行われる支給停
止等の措置はない。
c 東京貨物運送厚生年金基金関係
Dは,昭和49年10月から平成元年1月まで,東京貨物運送厚生年金基金に加入しており,本件事故の当時,当該厚生年金の受給資格を有してお
り,生存していれば,60歳に達した平成23年9月から支給が開始され,年金見込額は,年額29万9900円(加入員であった全期間の平均標準給与月額
20万3333円×生年月日別給付乗率表1000分の8.625×加入員期間の月数171月)である。
d 東京乗用旅客自動車厚生年金基金関係
Dは,平成12年10月から平成16年5月まで,東京乗用旅客自動車厚生年金基金に加入しており,本件事故の当時,当該厚生年金の受給資格を
有しており,生存していれば,60歳に達した平成23年9月から支給が開始され,年金見込額は,年額47万5000円(基本年金額37万3700円,加算
年金額10万1300円)である。
当該厚生年金の受給者が稼働して収入がある場合で,厚生年金保険の被保険者であるときは,①基本年金は,60歳から70歳未満の間は,在職老
齢年金となり,年金額の全部又は一部が支給停止となり,②加算年金は,60歳から65歳未満の間は全額支給停止,65歳以上は全額支給となる一方,厚生年
金保険の被保険者でない場合には,基本年金及び加算年金のいずれも全額支給される。
(ウ)以上の事実関係によると,Dは,本件事故に遭わなければ,60歳から80歳まで(平成16年簡易生命表によると,52歳男子の平均余命は28.
93年である。),各厚生年金を受給することができたというべきであり,本件事故と相当因果関係のある年金収入の逸失利益は,次のとおり355万1542
円と認めるのが相当である。
a 老齢厚生年金分 164万1039円
(a)前示したところによると,Dは,本件事故に遭わなければ,60歳から61歳まではHにおいて稼働し,厚生年金の被保険者であり,61歳から
67歳まで就労することができ,厚生年金の被保険者となる可能性がある(前示のとおり個人タクシー事業者として稼働していた可能性が高いとまではいえな
い。)というべきであり,当該厚生年金は,次のとおり支給停止等がされると考えるのが相当である。
① 60歳から61歳まで
16万2600円×0.8(減額率)=13万80円
550万9321円(本件事故当時のHの年収)÷12月≒45万9110円
(13万80円+45万9110円-28万円)÷2=15万4595円
13万80円-15万4595円=-2万4515円(支給停止)
② 61歳から64歳まで
16万2600円×0.8=13万80円
443万1500円(前示賃金センサスによる60ないし64歳の平均年収額)÷12月≒36万9291円
(13万80円+36万9291円-28万円)÷2≒10万9685円
13万80円-10万9685円=2万395円(現実の支給額)
(b)以上によると,本件事故と相当因果関係のある当該年金収入の逸失利益は,生活費控除率を6割とし,次の計算式のとおり算出された164万
1039円と認めるのが相当である。
2万395円(61歳から64歳までの支給額)×(1-0.6)×(8.8632(本件事故当時の52歳から当該支給額の受給終期である
64歳までの12年に対応するライプニッツ係数)-7.1078(52歳から当該支給額の受給始期である61歳までの9年に対応するライプニッツ係数))
≒1万4320円
73万8800円(65歳からの支給額)×(1-0.6)×(14.8981(52歳から当該支給額の受給終期である80歳までの28年に
対応するライプニッツ係数)-9.3935(52歳から当該支給額の受給始期である65歳までの13年に対応するライプニッツ係数))≒162万6719
円
1万4320円+162万6719円=164万1039円
b 名古屋薬業厚生年金基金分 1万8975円
本件事故と相当因果関係のある当該年金収入の逸失利益は,生活費控除率を6割とし,次の計算式のとおり算出された1万8975円と認めるのが
相当である。
5624円×(1-0.6)×(14.8981-6.4632(52歳から当該支給額の受給始期である60歳までの8年に対応するライプニッ
ツ係数))≒1万8975円
c 東京貨物運送厚生年金分 78万8077円
(a)前示のとおり,東京乗用旅客自動車厚生年金は,老齢厚生年金と同様に支給停止がされることに照らして,東京貨物運送厚生年金についても,老
齢厚生年金と同様に,次のとおり支給停止がされると考えるのが相当である。
① 60歳から61歳まで
29万9900円×0.8(減額率)=23万9920円
550万9321円(本件事故当時のHの年収)÷12月≒45万9110円
(23万9920円+45万9110円-28万円)÷2=20万9515円
23万9920円-20万9515円=3万405円(現実の支給額)
② 61歳から64歳まで
29万9900円×0.8=23万9920円
443万1500円(前示賃金センサスによる60ないし64歳の平均年収額)÷12月≒36万9291円
(23万9920円+36万9291円-28万円)÷2≒16万4605円
23万9920円-16万4605円=7万5315円(現実の支給額)
(b)以上によると,本件事故と相当因果関係のある当該年金収入の逸失利益は,生活費控除率を6割とし,次の計算式のとおり算出された78万
8077円と認めるのが相当である。
3万405円(60歳から61歳までの支給額)×(1-0.6)×(7.1078(52歳から当該支給額の受給終期である61歳までの9年
に対応するライプニッツ係数)-0.9523(52歳から当該支給額の受給始期である60歳までの1年に対応するライプニッツ係数))≒7万4863円
7万5315円(61歳から64歳までの支給額)×(1-0.6)×(8.8632-7.1078)≒5万2883円
29万9900円(65歳からの支給額)×(1-0.6)×(14.8981-9.3935)≒66万331円
7万4863円+5万2883円+66万331円=78万8077円
d 東京乗用旅客自動車厚生年金分 139万5251円
(a)当該厚生年金は,次のとおり支給停止等がされると考えるのが相当である。
① 60歳から61歳まで
47万5000円×0.8(減額率)=38万円
550万9321円(本件事故当時のHの年収)÷12月≒45万9110円
(38万円+45万9110円-28万円)÷2=27万9555円
38万円-27万9555円=10万445円(現実の支給額)
② 61歳から64歳まで
47万5000円×0.8=38万円
443万1500円(前示賃金センサスによる60ないし64歳の平均年収額)÷12月≒36万9291円
(38万円+36万9291円-28万円)÷2≒23万4645円
38万円-23万4645円=14万5355円(現実の支給額)
(b)以上によると,本件事故と相当因果関係のある当該年金収入の逸失利益は,生活費控除率を6割とし,次の計算式のとおり算出された139万
5251円と認めるのが相当である。
10万445円(60歳から61歳までの支給額)×(1-0.6)×(7.1078-0.9523)≒24万7315円
14万5355円(61歳から64歳までの支給額)×(1-0.6)×(8.8632-7.1078)≒10万2062円
47万5000円(65歳からの支給額)×(1-0.6)×(14.8981-9.3935)≒104万5874円
24万7315円+10万2062円+104万5874円=139万5251円
e 小括 355万1542円
以上の年金収入の逸失利益を合計すると,384万3342円となるところ,前示のとおり,遺族年金の半額18万4600円及び遺族一時金10
万7200円が控除されるべきであるから,本件事故と相当因果関係のある年金収入の逸失利益は,次の計算式のとおり355万1542円となる。
164万1039円+1万8975円+78万8077円+139万5251円=384万3342円
384万3342円-18万4600円-10万7200円=355万1542円
ウ 小計 3532万2254円
以上の逸失利益を合計すると,3532万2254円となる。
3177万712円+355万1542円=3532万2254円
(5)慰謝料 2600万円
Dの死亡による慰謝料は,Dの年齢,家族構成,本件事故の態様その他本件に現れた一切の事情を考慮すると,2600万円が相当である。
(6)小計 6288万7137円
以上のDの損害額を合計すると,6288万7137円となる。
3 請求原因(3)イ(相続)について
請求原因(3)イの事実は,当事者間に争いがない。
そうすると,その法定相続分(原告Aにつき2分の1,原告B及び原告Cにつき各4分の1)に従い,原告Aは3144万3569円のDの損害賠償請求権
を,原告B及び原告Cは各1572万1784円の同請求権をそれぞれ取得したこととなる(1円未満の端数は原告Aに割り振った。)。
4 請求原因(3)ウ(原告らの損害)について
(1)慰謝料 原告Aにつき200万円,原告B及び原告Cにつき各100万円
請求原因(3)ウ(ア)(慰謝料)のうち,原告Aが,Dと幼なじみで仲のよい夫婦であり,ずっと血の止まらない状態で集中治療室にいたDの姿に衝撃
を受け,それ以来つらい日々を送っており,元の幸せな生活が二度と戻ってこないことが悔しく,体調も優れず,2か月ほど仕事を休んでいること,原告らが,
被告Eの居眠り運転による本件事故でかけがえのないDを奪われ,悔しさと怒りでいっぱいであることは,当事者間に争いがなく,その他本件に現れた一切の事
情を考慮すると,Dの死亡による原告らの精神的苦痛を慰謝するには,原告Aにつき200万円,原告B及び原告Cにつき各100万円が相当である。
以上によると,原告らの損害額は,原告Aにつき3344万3569円,原告B及び原告Cにつき各1672万1784円となる。
(2)弁護士費用 原告Aにつき183万円,原告B及び原告Cにつき各91万円
原告Aは1504万4572円の,原告B及び原告Cは各752万2285円のそれぞれ損害のてん補を受けていることを自認しているから,これらを前示
各損害額からそれぞれ控除すると,原告Aにつき1839万8997円,原告B及び原告Cにつき各919万9499円となる。
そして,弁論の全趣旨によると,原告らは,本件訴訟の提起及び追行を原告ら訴訟代理人に委任し,相当額の費用及び報酬の支払を約束していることが認め
られるところ,本件事案の性質,審理の経過,認容額その他諸般の事情を考慮すると,原告らが本件事故と相当因果関係のある損害として賠償を求めることがで
きる弁護士費用は,原告Aにつき183万円,原告B及び原告Cにつき各91万円が相当である。
5 結論
よって,原告らの請求は,被告らに対し,連帯して,原告Aにつき2022万8997円,原告B及び原告Cにつき各1010万9499円並びにこれらに
対する不法行為の日である平成16年5月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度においていずれも理由があるか
ら認容し,その余はいずれも失当であるから棄却し,訴訟費用の負担につき民訴法61条,64条本文,65条1項本文を,仮執行の宣言につき同法259条1
項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。
- 事例 交通事故により被害者Aの顔にキズが残りました。
当初保険会社は傷害等級7級(慰謝料1000万円)と認定しました。
- 弁護士(Aの代理人)が交渉しましたが,決裂し,提訴。
裁判所は,慰謝料約1500万円の支払を命じました。
- 事例 交通事故により,被害者Aは複数箇所の骨折,PTSD発症が生じました。
当初,保険会社はPTSDと事故との因果関係を否定し,約300万円を提示しました。
- 弁護士(Aの代理人)が,資料を十分に揃えて交渉した結果,約2700万円の慰謝料を獲得しました。

費用
■相談料
初回30分は無料
超過分は30分につき 4、200円(司法書士による相談) 8、400円(弁護士による相談)
※ご依頼いただいた場合は,相談料はかかりません。
■ご依頼頂いた場合
・ 重大事故特例
※人身事故の被害者で、 お亡くなりになられたか、 後遺障害が生じた方で、 加害者側が任意保険 (共済) に加入している場合
(交渉 ・ 訴訟)
着手金 21万円
成功報酬 保険会社の提示額よりも増額した分の21%
※なお、 「後遺障害が生じた方」 とは、 「後遺障害の発生が顕著 (明らか) である」 場合、 すなわち、
「相手方保険会社も後遺障害を認めていることが明確な場合」 または 「保険会社の認否はまだ不明ですが、
客観的状況から後遺障害を認めることが明確な場合 (例 : 失明、 上肢や下肢を失った事例等)」 に限られます。
■上記以外の交通事故
(交渉)
着手金 42万円 + 請求額が500万円を超過した場合, 超過額の5. 25%
※内容により10万5000円を減額, 加算することがあります。
成功報酬 獲得額の21% + 獲得額が500万円を超過した場合, 超過額の10. 5%
※ただし, 成功報酬は, 保険会社の当初提示額より増額した金額を上限とします。
(調停 ・ 訴訟)
着手金 42万円 + 請求額が500万円を超過した場合, 超過額の5. 25%
※内容により, 加算する (個別お見積り) ことがあります。
※交渉から引き続きご依頼の場合は, 半額とします。
成功報酬 交渉の場合と同じ。