【遺言の方式と種類（自筆証書・公正証書・秘密証書遺言）】

１　遺言の方式と種類
２　自筆証書遺言の作成方式
３　自筆証書遺言の特徴
４　公正証書遺言の作成方式（概要）
５　公正証書遺言の特徴（概要）
６　秘密証書遺言の作成方式
７　秘密証書遺言の特徴

１　遺言の方式と種類

遺言の方式はいくつかの種類があります。

実際によく用いられるのは『普通方式』です。
具体的には『自筆証書・公正証書・秘密証書』遺言です。
主要な３種の遺言について，それぞれの特徴を次に説明します。

２　自筆証書遺言の作成方式

遺言者自身が紙に書き記す，という簡単な方法で作成できます。

実際には『自書』や『押印』が適正かどうか，が問題になることが多いです。

３　自筆証書遺言の特徴

『自筆証書遺言』の特徴をまとめます。

遺言が効力を持つのは，書いた方（遺言者）が亡くなった後です。
『本人が書いたのではない』という主張・疑いが生じることは非常に多いです。

４　公正証書遺言の作成方式（概要）

遺言の方式のうち『しっかりしたもの』が公正証書遺言です。

詳しくはこちら｜公正証書遺言の作成の手続と特徴（メリット・デメリット）
詳しくはこちら｜公正証書遺言の方式に関する規定と法改正による拡張

５　公正証書遺言の特徴（概要）

公正証書遺言の特徴をまとめます。

公正証書遺言の大きな特徴は，遺言を公証人が作成し，公証役場で保管してくれることです。
このため，なくしてしまったり，勝手に書き変えられたりする恐れなどないのです。
紛失・偽造の疑い，などはほとんど生じないのです。
また遺言者の意思確認を『公証人』というプロが行います。
後から『無効』となるリスクを大きく低減できます。
ただし『絶対に無効とはならない』というわけでもありません。

詳しくはこちら｜公正証書遺言の作成の手続と特徴（メリット・デメリット）
詳しくはこちら｜公正証書遺言のデータベース化・検索システムと閲覧・謄本取得
詳しくはこちら｜公正証書遺言の無効リスク極小化と無効事由（全体・主張の傾向）

６　秘密証書遺言の作成方式

遺言の『普通方式』の中には『秘密証書遺言』もあります。

『証人』になれない者＝欠格，については前述のとおりです。
公証人も証人も『内容を見ない』というのが特徴です。
遺言者が誰にも遺言内容を教えたくない＝秘密にしたい，という場合に活用できます。

７　秘密証書遺言の特徴

秘密証書遺言の特徴をまとめます。

遺言内容を『秘密にする』という裏返しで『内容チェックがされていない』ということになります。
内容の適法性・有効性についてはチェックされていないのです。
そこで，後から『無効』と判断されるリスクは排除されないままです。