1 『父の土地上に弟が建物を所有』という主張・立証で弟からの遺留分の請求を排斥
2 弟の承継した不動産を高く評価する鑑定評価書により遺留分8000万円を獲得
3 生命保険金の性質についての主張・立証により,遺留分の請求を排斥
4 1次相続の『優遇』について,2次相続で反映させることに成功

1 『父の土地上に弟が建物を所有』という主張・立証で弟からの遺留分の請求を排斥

<解決実績>

あ 事案

父の遺言により,次男Aが遺産の大部分を承継することになりました。
三男BはAに対し遺留分減殺請求を行いました。

い 経過

Aから依頼を受け,弁護士は事情を広く調査,把握しました。
そうすると,『実はBは,父の土地上に建物を持っていた』ことが判明しました。
そこで当方(A)はBに対し『土地使用の利益(使用貸借)を既に受けているから遺留分侵害はない』と主張しました。
Bは遺留分減殺請求の調停を申し立ててきました。
調停では,見解の相違は平行線のままで,不成立で終わりました(決裂)。
Bは遺留分減殺請求訴訟を提起しました。
当方(A)は,『土地の使用貸借の利益は更地価格の15%相当である』と主張しました。
過去の判例の提出や,本件の事情の主張,立証を徹底して行いました。

う 解決

裁判所は,当方の主張を採用し,『遺留分侵害はない』という判決(請求棄却)を下しました。
結局,遺言内容どおりの遺産承継,が守られました。

2 弟の承継した不動産を高く評価する鑑定評価書により遺留分8000万円を獲得

<解決実績>

あ 事案

父の遺言により,長男A・次男Bが遺産を次のように承継することになりました。
・長男A 土地のすべて(相続税評価額約5億円),預貯金約1億円
・次男B 預貯金約2億円
次男Bは長男Aと話し合いましたが『遺留分は遺産の合計8億円の相当額の4分の1で2億円』と聞かされました。

い 経過

次男Bから相談を受けました。
弁護士は,”遺留分の計算は『固定資産税評価』ではなく『実勢評価』で行うことを説明しました。
そして,おおまかな,土地の評価額は8億円程度になることを想定し,遺留分として約8000万円請求できるという見通しを説明しました。
次男Bから依頼を受けました。
弁護士はまず,詳細な不動産の評価を不動産鑑定士に依頼しました。
その結果,8〜9億円程度,と,当初の概算と同じくらいの評価でした。
そこで,当方は長男Aに対して遺留分減殺請求の通知を行ないました。
長男Aは,金銭で払う,1000万円程度までしか認めない,という態度でした。
当方は,早めに見切りをつけ,訴訟を提起しました。

う 解決

不動産の評価額について,双方で違う見解(金額)を主張しました。
当方は,事前に確保していた不動産鑑定評価書を裁判所に提出しました。
最終的に,和解は成立せず,判決に至りました。
裁判所は,約8000万円の支払を長男Aに命じました。
結局,当初の見通しと同様の結果を実現できました。

3 生命保険金の性質についての主張・立証により,遺留分の請求を排斥

<解決実績>

あ 事案

父が亡くなりました。
父が掛けていた生命保険の受取人が長男Aでした。
次男Bは,『生命保険金も含めると遺留分侵害になる』という主張により,遺留分の請求を内容証明で送付してきました。
長男Aは弁護士に相談しました。

い 経緯

弁護士は,生命保険金の金額と他の遺産の内容を詳しく把握しました。
遺産全体の評価額と,生命保険を掛けていた被相続人の意向から,『遺留分の計算に生命保険は含まれない』という見通しを説明しました。
弁護士は交渉を受任しました。
当方は,『遺留分請求を否定する』内容の主張を次男Bに回答しました。
交渉は続きましたが,最終的に決裂しました。
次男Bは調停を申し立ててきました。

う 解決

当方は,遺産全体の資料を揃えて裁判所に提出しました。
同時に,『父が長男Aに生命保険を渡したかった理由は父や母の面倒をよくみていたから』ということを丁寧に主張し,また父の手紙などの証拠も提出しました。
その結果,調停委員は当方の意向に沿った内容で次男Bを説得するに至りました。
最終的に,『遺留分の請求は行なわない』前提での遺産分割がまとまりました。

4 1次相続の『優遇』について,2次相続で反映させることに成功

<解決実績>

あ 事案

8年前に父が亡くなり,『母A,長男B,次男C』で遺産分割を行ないました。
・実家(約1億円相当の土地・建物)は母Aと長男Bが承継する
・預貯金合計約1億円相当を次男Cが承継
3人の意向としては,『母Aの相続の際には自宅(の母A持分)を長男Bが承継する』という考えがありました。
そこでこの遺産分割内容は均衡が取れていると判断されていたのです。
実際に母Aは『遺産はすべてを長男Bに相続させる』という遺言を作成しておきました。
数か月前,母Aが亡くなりました。
次男Bは『遺留分として2500万円』を長男Aに請求してきました。
長男Aは弁護士に相談しました。

い 経緯

弁護士は『1次相続の経緯』を特に念入りに聴取し,把握しました。
そして『残っている資料から,遺留分の請求を排斥できる可能性がある』と説明しました。
弁護士は交渉を受任しました。
当方は次男Bと交渉しましたが,決裂するに至りました。
次男Bは調停を申し立ててきました。

う 解決

当方は,『1次相続の経緯・趣旨』について,母Aや次男Cが記載した手紙・メモをしっかりと揃えて整理して裁判所に提出しました。
その後,協議は不調に終わり,調停は審判に移行しました。
裁判官は,当方の主張の合理性を認めるに致しました。
裁判官は,次男Bに,『1次相続の経緯』という特殊性を2次相続でも考慮に入れるべき,という見解を示しました。
最終的に,実家(土地・建物)を除外して,100万円未満の預貯金についてだけ,4分の1(約20万円)を遺留分とする内容で和解が成立しました。

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