【過払金;完済後→過払金返還請求;困難性の要因】

ずっと前に完済して、その後しばらく取引がありません。
過払い金を請求できるのでしょうか。
完済後も過払い金返還請求は可能です。

貸金の取引が終了(=完済)した後であっても,過払金返還請求ができなくなる,というわけではありません。
ただし,完済後長期間が経過すると,別の理由で請求が困難になることがあります。
次のような要因です。

<過払金返還請求が困難になる要因>

1 消滅時効

 過払い金返還請求権は,最終取引から10年間で時効により消滅します。
 ただし,訴訟提起などの方法により延長することもできます(時効の中断)。

2 取引資料の廃棄

 一般的に,金融機関との詳細な取引の経過は,顧客側で記録・保管していることはほとんどありません。
 通常は代理人の弁護士や司法書士が金融機関から取引資料を取り寄せます。
 しかし、取引終了からの期間が長期にわたる場合,金融機関側で資料を廃棄していることがあります。
 そうすると,返還請求額の計算ができなくなります。
 このような場合は,ご本人の記憶を頼りに取引を推定して再現した上,この再現データを元に過払い金を計算,請求することもあります。

3 金融機関の倒産リスク

 理論上過払い金返還請求ができる場合でも,相手方金融機関が倒産し,実際に回収することが困難になることがあります。
 平成22年9月に,武富士が会社更生法の申請を行いました。
 これより後は,武富士に対する過払い金返還請求は裁判所の会社更生手続きの中で処理されることになりました。
 返還されるのは大分先になりますし,回収額も大幅に下がることが予想されます。
 過払い金返還請求においては,スピーディーな対応が重要です。
 例えば,交渉で有利な条件を引き出すか,交渉が難航しそうな場合はすぐに提訴するなど,迅速な判断・アクションにより有利な結果を獲得できます。

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