1 労働者性が曖昧になる典型例
2 職業の特徴から労働者性を判断した判例・通達
3 プロ棋士×労働者性|判例|直接的判断ではない

1 労働者性が曖昧になる典型例

現実に『労働者』に当たるかどうかが曖昧,となるシーンは大体決まっています。

<労働者性が曖昧になる典型例>

あ 大まかな業種

ア 従業員兼取締役
イ 裁量性の高い職種や特殊な職種の者
裁量性の例;始業・終業の時間・休憩・休暇の自由度
ウ 零細下請業者
就業場所・時間などが指定・拘束される
エ 在宅ワーカー

い 具体的な職種

ア 証券・保険会社の外務員
イ 電力・ガス料金の集金
ウ 芸能関係者
エ タクシー・専属車両のドライバー
オ 専門職種の在宅勤務者
カ 野球・サッカーなどのプロスポーツ選手
キ 棋士などの知能ゲーム選手(戦士)

具体的事例について,判例や通達で判断がなされています。
職種別に,別記事にまとめてあります。
(別記事『判断事例・役員系;リンクは末尾に表示)
(別記事『判断事例・スキル・美貌系』;リンクは末尾に表示)
(別記事『判断事例・外回り・配送系』;リンクは末尾に表示)

2 職業の特徴から労働者性を判断した判例・通達

『職業・職種』特有の特徴から,判断されたものをまとめます。

<労働者性を判断した判例・通達>

職業 労働者 判例・事件名
病院付き添い婦 肯定 最高裁平成10年9月8日;安田病院事件
研修医 肯定 大阪地裁堺支部平成13年8月29日;関西医科大学事件
新聞配達人 肯定 通達;昭和22年11月27日基発400
証券外務員 否定 最高裁昭和36年5月25日
放送受信契約の取次業務 否定 仙台高裁平成16年9月29日;NHK盛岡放送局事件(※1)
棋士 否定(※2) 神戸地裁尼崎支部平成15年2月14日;関西棋院事件

※1 別記事に説明あり
(別記事『判断事例・外回り・配送系』;リンクは末尾に表示)

個別的事情によって判断が分かれる,というケースもとても多いです。
判例の紹介を続けます。

3 プロ棋士×労働者性|判例|直接的判断ではない

プロ棋士の『労働者』性が判断された判例があります(上記※2)。
ただし直接的に労働基準法上の『労働者』に該当するかどうかを判断したものではありません。

<プロ棋士×労働者性|判例>

あ 判断の概要

棋院とプロ棋士との関係は,雇用関係とは認めない

い 法的な判断の内容

棋院が棋士について厚生年金保険の届出をしないことの違法性
→違法性がない
※厚生年金保険法27条
※神戸地裁尼崎支部平成15年2月14日;関西棋院事件