1 扶養義務者が複数いる場合,順序を定めることになる 
2 過去の立替扶養料の求償
3 扶養義務者間の求償における始期

1 扶養義務者が複数いる場合,順序を定めることになる 

扶養義務者は,民法上,一定の範囲が規定されています。また,扶養義務者が複数存在することも想定されています。
詳しくはこちら|一般的な扶養義務(全体・具体的義務内容の判断基準)
詳しくはこちら|親子と夫婦間の扶養義務の種類と内容(まとめ)
そして,扶養義務者間の順序については,当事者間で協議して定めることとされています。
さらに,この協議が成立しない場合は,家庭裁判所が非訟事件として扱うこととされています。
つまり,複数の扶養義務者が存在する場合,順序割合が定められるべきなのです。

2 過去の立替扶養料の求償

複数の扶養義務者がいるけれど,順序分担を決めていないということも多いです。
とりあえずその中の1人が負担して,後から求償するということになります。
この場合,いつの分まで遡れるのかという問題が生じます。

<過去の立替扶養料の求償>

過去の扶養の負担の求償について
→請求は認められる
※東京高裁昭和61年9月10日

3 扶養義務者間の求償における始期

過去の扶養料としてどこまで遡って請求できるか,という問題があります。家裁の判断基準は画一的に決まっていません。裁判例として現れているものを集約して判明している目安,傾向は次のとおりです。

<扶養義務者間の求償における始期>

あ 生活保持義務

扶養対象者=未成熟子,夫婦
扶養要件具備時説が有力

い 親族扶養

生活保持義務以外
請求時説が有力
ただし,それ以前とする裁判例も少なくない
※東京高裁昭和61年9月10日
※最高裁昭和26年12月13日
※最高裁昭和40年6月30日
※最高裁昭和42年2月17日
※判例タイムズ637号p189