1 同姓同名・難読な名への変更→変更不許可
2 同姓同名・支障少ない・姓名判断→変更不許可
3 小学校就学前・同じ呼び名の4人→変更不許可
4 夫婦の名が同じ読み方→変更不許可

1 同姓同名・難読な名への変更→変更不許可

同姓同名や類似する名の者が存在することにより名の変更を希望するケースは多いです。
詳しくはこちら|同姓同名や類似の名による支障と名の変更の許可基準
本記事では,結果的に裁判所が変更を許可しなかった事例を紹介します。
変更希望の名が姓名判断による難読なものでした。
このような事情によって裁判所は変更を許可しませんでした。

<同姓同名・難読な名への変更→変更不許可>

あ 事案

同一の集落に同姓同名の者がいる
日常生活に不便をきたしている

い 希望する名

希望する名について
→姓名判断による難読なものであった

う 裁判所の判断

変更を許可しなかった
※東京高裁昭和32年2月21日

2 同姓同名・支障少ない・姓名判断→変更不許可

同姓同名の者が存在したけれど,実際に大きな支障が生じていませんでした。
また,希望する名が姓名判断によるものでした。
このような事情を考慮して,裁判所は変更を許可しませんでした。

<同姓同名・支障少ない・姓名判断→変更不許可>

あ 事案

近隣に同姓同名の者がいる
電報と郵便物の誤配があった

い 裁判所の判断

誤配は転居後間もない一時的な事故であった
姓名判断の類から変更を希望していることがうかがえた
→変更を許可しなかった
※東京高裁昭和32年9月7日

3 小学校就学前・同じ呼び名の4人→変更不許可

小学校就学前の子供の友達の中に,類似する苗字や名前がありました。
それぞれ同一や類似する苗字や名前がありましたが,完全に一致する者は存在しませんでした。
最終的に裁判所は変更を許可しませんでした。

<小学校就学前・同じ呼び名の4人→変更不許可>

あ 事案

Aは就学前の子である
近隣に同一の呼び名の子がいた

い 氏名・呼び名の内容

申立人A=『南村 智恵』
B=『(甲)智恵子』
C=『(乙)千恵子』
D=『南村 智栄美』
呼び名はいずれも『ちえ』であった

う B・Cとの類似性

姓が異なるし,名も同一ではない
年齢が3,4年違っている

え Dとの類似性

姓は同一である
名のうち2文字は異なる
学年で3年違っている

お 裁判所の判断

今後小学校へ入学した時・日常生活において
類似名があるために著しい不利不便を受けることはない
→変更を許可しなかった
※大阪高裁昭和34年2月11日

4 夫婦の名が同じ読み方→変更不許可

夫婦の名の読み方が同じというケースがありました。
妻は専業主婦でした。
そのため,仕事上の不都合が生じるということはありませんでした。
裁判所は結論として,変更を許可しませんでした。

<夫婦の名が同じ読み方→変更不許可>

あ 事案

夫婦の名の読み方が同一であった
『朝生』『朝夫』
夫は『名』の変更許可を申し立てた

い 裁判所の判断(現状)

妻は専業主婦である
改名をしなくても大きな障害はない

う 裁判所の判断(改名による不利益)

夫は広範囲の社会生活を営んでいる
社会に対して障害を与える

え 裁判所の判断(改名による利益)

改名により得る利益は次のものくらいである
内容=親類の者が夫婦の一方の名を呼ぶ時に困惑しない

お 裁判所の判断(結論)

改名による利益が不利益より小さい
→変更を許可しなかった
※東京高裁昭和47年2月9日