1 同姓同名による名の変更の基準
2 類似する名の変更許可基準(裁判官協議)
3 同姓同名・類似する名による変更の裁判例(概要)

1 同姓同名による名の変更の基準

名の変更の実質的な理由にはいろいろなものがあります。
詳しくはこちら|名の変更許可制度の基本(規定・趣旨・現実的理由)
その1つに,同姓同名の者が存在するために不都合が生じるというものがあります。
一般的に近い関係にある者が同名であると支障が生じるので変更は許可される傾向があります。

<同姓同名による名の変更の基準>

あ 同一戸籍内の同名

通用がなくても変更を認めるべきである
婚姻・縁組によりこれが生じることがある
※高梨公之『家族法と戸籍の諸問題 戸籍時報100号記念』日本加除出版1966年p9

い 社会的な同姓同名

同姓同名のため社会生活上著しい支障がある場合
→名の変更によって除去できる
→通常は正当事由が認められる

う 同名の者のうち変更する者

同姓同名の者が複数存在する場合
このうちいずれの者でも
変更を望む者に変更を認めるべきである
※斎藤秀夫ほか『注解 家事審判規則(特別家事審判規則)改訂』青林書院1994年p512

2 類似する名の変更許可基準(裁判官協議)

完全に同一ではなく,類似する名の者が存在するケースもよくあります。
このようなケースについて,実際に支障が生じていれば名の変更は許可される傾向があります。

<類似する名の変更許可基準(裁判官協議)>

あ 類似する氏名

同一農村に『長谷川重次』『長谷川重之助』がいる
ともに農業に従事している
双方の住宅の距離について
→畑・道路をはさみ僅かに10間(※1)を隔てるのみである

い 支障の発生

いずれも名の頭文字が重複する
→従来郵便物の誤配が生じた
人が誤って訪問した

う 判断基準(結論)

同姓同名ではないが類似性の濃度が高い
社会生活上著しく支障がある場合
→改名を許可すべきである
※昭和27年3月20日大阪高裁管内家事審判官協議会協議結果
※1 1間=約1.8メートル

3 同姓同名・類似する名による変更の裁判例(概要)

同姓同名や類似する名の者が存在することを理由とする名の変更の審判は多くあります。
結果的に変更を許可した実例と不許可とした実例に分けて,それぞれ別の記事で紹介しています。
詳しくはこちら|同姓同名や類似の名による支障と名の変更(肯定裁判例の集約)
詳しくはこちら|同姓同名や類似の名による支障と名の変更(否定裁判例の集約)