1 協議離婚の法的性格×『離婚意思の撤回』
2 離婚届の受理×解消
3 離婚無効確認×家裁の手続|調停
4 離婚無効確認×家裁の手続|訴訟
5 離婚無効確認訴訟|主張・立証|具体例

1 協議離婚の法的性格×『離婚意思の撤回』

協議離婚は『離婚届への調印』で成立するわけではありません。
一定の範囲で,理論的に『撤回』が可能です。

<協議離婚の法的性格×『離婚意思の撤回』>

あ 法的性格=創設的届出

協議離婚は『離婚届の提出』によって『成立』する
詳しくはこちら|離婚には協議,調停,審判,裁判離婚の4種類があり,成立時点に違いがある

い 離婚意思の撤回×効力

『離婚届の提出』より前に撤回できる
仮に離婚届の調印後に『離婚意思を撤回』した場合
→離婚は無効となる

う 離婚意思の撤回|具体例

離婚届の調印後に『やっぱり離婚したくない』と思うに至った
=考えが変わった

2 離婚届の受理×解消

離婚届の調印後の『撤回』は可能です。
離婚届の提出が無効となることもあるのです(前記)。
しかし,受理して戸籍に記録されると現実的には厄介です。
戸籍の記録の解消についてまとめます。

<離婚届の受理×解消>

あ 受理の撤回・解消

離婚届が役所に受理された場合
→役所の判断で『受理の解消・撤回』はできない
→戸籍に『協議離婚』が記録されてしまう
=理論的に離婚が無効でも記録自体は避けられない
詳しくはこちら|協議離婚の『離婚意思』|届出時に『形式的意思』があれば有効

い 戸籍上の『離婚』解消

家庭裁判所の手続が必要になる
『離婚無効確認』と呼ばれる手続である(後述)

3 離婚無効確認×家裁の手続|調停

『離婚無効』を裁判所が認める手続があります。
最初に『調停』を行うというルールになっています。

<離婚無効確認×家裁の手続|調停>

あ 調停前置

最初に『家事調停』を申し立てる必要がある
詳しくはこちら|調停前置|基本|趣旨・不服申立

い 合意に相当する審判

調停で相手方が『撤回』に同意した場合
→『合意に相当する審判』が成立する
※家事事件手続法277条

う 調停不成立→訴訟提起

調停で当事者双方が合意に達しない場合
→調停不成立として終了する

4 離婚無効確認×家裁の手続|訴訟

離婚無効確認の調停で合意に至らないこともあります。
その場合は『訴訟』を利用することができます。
離婚無効確認訴訟について整理します。

<離婚無効確認×家裁の手続|訴訟>

あ 訴訟提起・調停前置

調停不成立後
→離婚無効確認訴訟を提起できる状態となる
原則的に『最初から訴訟提起』はできない

い 主張・立証

『離婚意思がなかったこと』の主張・立証が必要になる
詳しくはこちら|協議離婚の『離婚意思』|届出時に『形式的意思』があれば有効

5 離婚無効確認訴訟|主張・立証|具体例

離婚無効確認訴訟で主張・立証する事項の典型例をまとめます。

<離婚無効確認訴訟|主張・立証|具体例>

あ 撤回・解消

離婚届が提出された時点では離婚する意思を欠いていた

い 当初から不本意

離婚届を記載した時点から『本心』ではなかった

いずれも『内心』のことです。
立証で認められる可能性は一般的には低いです。
周辺の多くの事情の立証を丁寧に積み上げれば認められることもあります。