離婚に関するその他の財産関係|専門弁護士ガイド

1 離婚に関する消滅時効

離婚の清算については、消滅時効によく注意しないといけません。
財産分与については2年、慰謝料は3年で時効で消滅します。
実際には時効の中断停止という対抗策延長することもできます。
また養育費については、ちょっと複雑です。
過去の未払分の消滅時効期間は、取り決めの仕方によって5年か10年のどちらかとなります。
離婚の条件交渉や調停・訴訟はある程度時間がかかります。
また、養育費は子供が20〜22歳くらいまで続きます。
うっかり時効にかけてしまう、ということがないようによく注意しておくべきなのです。
詳しくはこちら|離婚に伴う金銭請求(清算)の期間制限(財産分与・慰謝料・養育費)

2 離婚・夫婦に関する差押

離婚の際に定められた慰謝料や財産分与について、支払ってくれないということがよくあります。
このような場合は、一般的な方法で差押などの方法を取ることができます。
この点養育費婚姻費用については、差押をする時に優遇措置があります。
他の債権よりも非常に強化されているのです。
請求する側、される側、のいずれも、このような複雑な制度を正確に把握した上で、具体的な対応を取るべきなのです。
実際には、離婚の条件交渉の段階から、差押などの強制手段を配慮しておくべきなのです。
みずほ中央法律事務所では、当然、結果を常に意識して、最も有利な方法で交渉や訴訟を進めています。
詳しくはこちら|養育費・婚姻費用・扶養料の不払いへの対抗策|差押・履行勧告・履行命令

3 年金分割

離婚した場合、将来受け取る年金を適正に分けないと不公平です。
以前は、年金を分ける制度が整っていなかったので、制度への批判が強かったのです。
現在は、年金分割の制度ができているため、このような不公平は解消されました。
しかし、年金分割の制度は、細かいところでは、まだ空白部分があります。
特に、企業年金については、年金分割制度は使われないのです。
そのため、証拠の獲得段階で大きなハードルがあります。
制度が不十分だからこそ、主張や立証、証拠開示請求の方法次第でその結果が違ってきます。
みずほ中央法律事務所では年金分割についての十分なノウハウがありますので、最も有利な方法で進めることができます。
詳しくはこちら|年金分割の制度趣旨|公的年金の基本事項=被保険者・標準報酬

4 離婚と税金

離婚の際は、金銭的な清算が、大きな規模となることが多いです。
最終的に、清算が終わり、当事者間では一件落着となっても、それだけでは考慮不足です。
思わぬ課税という落とし穴があるのです。
弁護士によっては、課税面に思いが至らず、相手との清算内容の調整は成功!という場合でも、課税で負ける、ということもあります。
逆に課税面にしっかりと配慮して、表面的条件で譲歩して、課税面で有利を取るという戦術が決まることもあります。
いずれにしても、離婚に関する法律だけではなく税金の扱いまで把握していないと最適な結果を実現することはできないのです。
詳しくはこちら|離婚の際の財産分与に関する課税の全体像
詳しくはこちら|慰謝料への課税|基本的に非課税・例外もある
詳しくはこちら|扶養に対する課税はないが,扶養的財産分与は高額→贈与認定リスクあり

5 日常家事債務とは?

離婚の清算の落とし穴の1つとして日常家事債務があります。
例えば、妻が作った借金について、後から夫が請求されるということがあるのです。
逆に言うと、離婚の時の清算に含めておかないと、後から不意打ちとなります。
実際には、日常家事債務にあたるかどうかの判断は曖昧なところがあります。
だからこそ、離婚時の清算に含めておいて、後から新たなトラブルを避けるべきなのです。
詳しくはこちら|日常生活水準の出費(日常家事債務)は夫婦相互に代理権があり連帯責任がある

6 夫婦相互でかけた生命保険はどうなる?

離婚後に問題となりがちな問題の1つが生命保険です。
例えば、夫が契約者で妻が被保険者というように、『クロス』となっている場合に問題になります。
つまり『妻が亡くなったら夫に保険金が入る状態』となっているからです。
離婚後は、気持ち的としておかしな感覚があります。
この点、保険法によって、解除する方法が認められています。
みずほ中央法律事務所では、離婚の際の清算の一環として、生命保険の解除や名義変更を行うようにしています。
詳しくはこちら|死亡生命保険等は被保険者の同意が必要,事情によっては被保険者が解除請求できる

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