1 離婚の前は『子供の奪い合い』がよく起きる
2 離婚成立の時に親権者が決まるけど,それまでは共同親権のためどっちつかず
3 子供と同居している親は,その後の親権者の指定で有利になる→奪い合いが熾烈になる
4 強引に連れて行くと,親子で誘拐罪になることもある!
5 合法的な『取り戻し』方法はある!;監護権者指定の審判
6 よりハードルの低い『一時的な面会』を実現する手続もある!
7 子供は『同居の家族に気を遣う』→面会で愛情が伝わり,親権獲得につながることもある
8 別居中の『子供の取り合い』は法律的手続が多い→適切な活用が最終的な親権獲得につながる

1 離婚の前は『子供の奪い合い』がよく起きる

離婚に至るような仲が悪い状態では,別居する,ということが普通です。
どちらかの実家が近いとスムーズに別居になりやすいです。
ここで,子供が居ると問題があります。
両親とも子供を自分の近くに置いておきたい居なくなるとその辛さが身に染みるということになります。

2 離婚成立の時に親権者が決まるけど,それまでは共同親権のためどっちつかず

協議離婚は離婚届に親権者を記入しないと提出できません。
離婚訴訟では,判決でも和解でも親権者の指定がされます。
協議離婚成立のためには親権者の決定が前提となる
親権者の指定は協議が整わない場合に調停,審判を利用できる
最終的には親権者が1人に決まるのですが,それまでの間は同居する親が決まっていないということです。
離婚成立までの間は共同親権というルールになっているのです。
最終的に親権者に指定されるということも重要ですが,とりあえず今子供が一緒に居ないと辛いという気持ちも大きいです。

3 子供と同居している親は,その後の親権者の指定で有利になる→奪い合いが熾烈になる

離婚して親権者=子供を引き取れる親,が決まる時の重要事項の1つに継続性の原則というのがあります。
つまり,一緒に暮らしていた親が優先されるというものです。
子供の立場を考えても,近くの保育園,幼稚園,学校に通って,仲良しの友達ができるでしょう。
おじいちゃん,おばあちゃんとの交流も深まります。
常識的に考えて,子供が離れにくくなります。
このような友達や家族などの絆,環境を奪わない方が良いと考えられているのです。
現状維持の考え方=『継続性の原則』
そうすると,強引にでも子供と一緒に住んで,『実績』を作ると有利と思う方も多いです。

4 強引に連れて行くと,親子で誘拐罪になることもある!

何とか子供を獲得したいがために保育園,幼稚園から(同居していない方の)親が子供を連れ帰るということが起きがちです。
共同親権なので,『赤の他人が子供を奪った』わけではありません。
しかし,極端な場合は,親子でも誘拐罪が成立した事例もあります。
親権者でも強引な奪い取りは誘拐罪が成立する
また,愛情とは言え,子供を育てる親としての態度としてふさわしくないとも言えます。
離婚の時の親権者の指定でもマイナスポイントとなります。

5 合法的な『取り戻し』方法はある!;監護権者指定の審判

(1)離婚成立前に,家裁に監護権者を指定してもらえる

このような子供の取り合い共同親権が原因です。
つまり,離婚成立までは子供と同居する親決まっていないということです。
これについて,離婚成立までの間のとりあえず同居する親を指定するという家裁の手続があるのです。
監護権者指定と言います。
離婚整理ではないので共同親権のままです。つまり親権者の指定ではないのです。
離婚前(別居時)は監護権者指定の手続を利用できる

(2)監護権者指定では,子供にとってふさわしい環境がどちらかをスピーディーに判断する

家裁の調査官が両親や子供から事情を聞くなどして,その後裁判官が判断します。
この点,監護権者指定自体が,離婚成立までの対立中のとりあえずの扱いです。
事情聴取や裁判官の判断(審判)は最優先で早く進めます。
1か月で終了することもあります。

(3)監護権者指定の審判の中で,試験的に他方の親の家で過ごすこともある

ところで監護権者指定の手続の中では,家裁調査官は子供の意向をより正確に把握します。
その一環として,『子供と同居していない方の親』の家に子供を連れて行き,寝泊まりさせて様子を見る,ということもあります。
詳しくはこちら|親権者・監護権者・面会交流×子供の意思|基本|調査官の調査方法

6 よりハードルの低い『一時的な面会』を実現する手続もある!

子供との面会だけを求める手続もあります。
子供との面会交流という調停,審判です。
子供との面会交流だけを求める方法もある
ふさわしい親かどうかなどの判断はありません。
よりスピーディーで確実性が高いです。
また,面会の場所や方法は限定されていません。
たとえば一緒に旅行に行くということが認められることもあります。

また,それまでとても仲が良かったおじいちゃん,おばあちゃんも面会が認められるケースもあります。
祖父母と孫の面会交流が認められることもある

7 子供は『同居の家族に気を遣う』→面会で愛情が伝わり,親権獲得につながることもある

子供との面会については,一時的に会うだけです。
引き取れるわけではないというものです。
では一時的な気休めかというと,そうでもありません。
その後,離婚の時に親権者の指定がなされます。
ここで子供の意思が重視されます。
子供から聴取した意向が尊重される=『子の意思の尊重』
ところで,小さい子供は非常にデリケートです。
大人が思っている以上に,一緒に居る親,家族に気を遣うのです。
同居していない方の親が会ってくれることで,素直に愛情を感じることが多いです。
親権者指定の手続で,同居の家族から離れた場所で家裁調査官が気持ちを聞きます。
『一緒に居る家族には言わないでね。ホントは・・・』と言うことが実際にあるのです。
結局,子供との面会によって,将来親権を勝ち取ることにつながるのです。

8 別居中の『子供の取り合い』は法律的手続が多い→適切な活用が最終的な親権獲得につながる

別居中は『子供の取り合い』が熾烈になりがちです。
だからといって強引に連れ去る,とかは良い結果になりません。
以上におおまかない法的手続を説明しましたが,細かい対応はまだまだあります。
子の引渡の調停,審判と並行して審判前の保全処分を行うこともできる
合法的な手続を適切に組み合わせて最大限活用することが,最終的に親権を獲得することにつながります。

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離婚ガイド|離婚した時に子供はどちらが引き取ることができるの?

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