代表弁護士三平聡史1 離婚の時の清算は3+1項目がある
2 離婚の慰謝料相場は300〜500万円だけど原因の割合で下がることも
3 財産分与の大原則は,夫婦で築いた財産を折半にするというもの
4 子供を引き取らなかった方は,毎月一定額の養育費を支払う
5 別居中は離婚成立までの間,延々と生活費の送金が続く;婚姻費用
6 税金が思わぬ落とし穴になることもある

1 離婚の時の清算は3+1項目がある

離婚する場合は,一定の清算が必要となります。
民法に基づいたルールはきちんと整理されています。
話し合いで離婚する場合も,離婚の条件をこのルールによって算定することが多いです。
まず,離婚の時の清算は大きく3+1項目に分けられます。

<離婚の時の清算3+1項目>

ア 慰謝料
イ 財産分与
ウ 養育費
エ 婚姻費用分担金
 →これだけは離婚成立までの間に発生する支払です。

2 離婚の慰謝料相場は300〜500万円だけど原因の割合で下がることも

離婚するということは夫婦の仲が非常に悪くなっているはずです。
仮に,一方が原因を作った,という場合は,慰謝料を支払うことになります。
離婚原因が一方だけにある場合の慰謝料相場はごく平均的なもので300〜500万円程度です。
仲が悪くなった原因が夫婦両方にあるという場合は,慰謝料の金額も下がるかゼロとなります。
もちろん,事情によってはこの相場を外れて,1000万円程度になることもあります。
まとめ;離婚でローン返済中のマイホームはどうなるの?
特殊な事情があると離婚慰謝料は跳ね上がる

3 財産分与の大原則は,夫婦で築いた財産を折半にするというもの

結婚していた期間中の給料の一部が預貯金として残っていることでしょう。
働いていたのがだとしても,この預貯金は夫婦共有財産となります。
詳しくはこちら|財産分与の対象財産=夫婦共有財産(基本・典型的な内容・特有財産)
夫婦のどちらが働いても,もう一方が支えていたと考えるのです。
専業主婦でも半分はもらえる,ということです。
ただ,実際には,このように単純に話が進まないことが多いです。
よく生じる見解の対立は次のようなものです。

<財産分与について生じがちな見解の対立

・特殊な事情があると半分(50%)ではない割合となる
財産形成への貢献度,影響に偏りがある場合,財産分与割合は2分の1とならない
・結婚期間中の収入,と,結婚前からの貯蓄,の区分けがよく分からない
特有財産と共有財産の境;株式投資,金融取引
・特殊な財産分与として将来の生活費の上乗せが認められることが有る
離婚後の生活保障が認められることもある;扶養的財産分与

4 子供を引き取らなかった方は,毎月一定額の養育費を支払う

子供がいる場合,どちらかが引き取ることになります。
親権者の指定は協議が整わない場合に調停,審判を利用できる
この場合,引き取らなかった親引き取った親に,毎月養育費を支払うことになります。
両親の収入から,養育費の金額の相場は簡単に計算できます。
養育費は算定表を使って概算額を出せる
ただし,自営業や不動産収入がある場合,表面的な収入金額実質的な金額に食い違いがあることもあります。
また,大学通学分を含むかどうか,は,個別的な事情によって判断が違ってきます。
家族の環境によっては子供の大学進学も含めて養育費が設定される
さらに,離婚後に,経済状態に変化が生じると,養育費の増額や減額が認められます。

<養育費の増額や減額が認められる事情>

・子供が予定とは違う学校への進学
・子供が病気や怪我をして治療費がかかった
・親の収入が減ったり増えたりした
・親が再婚し,別の子供が誕生して,負担が大きくなった
・親が再婚し,再婚相手の子と養子縁組をした

元妻,夫の再婚,養子縁組,出産により養育費の変更が認められる

このように養育費は,離婚の際に金額を定める時に見解が対立することが多いです。
さらに,将来の変更をどこまで約束に盛り込むのか,ということでも対立することがあります。
離婚協議書,和解調書における養育費の終期の記載例
養育費の一括払いの後の追加請求が可能なこともある

5 別居中は離婚成立までの間,延々と生活費の送金が続く;婚姻費用

これは離婚が成立するまでの間について支払う金銭です。
要するに別居中に,夫婦間で生活費として送金されるものです。
正確には婚姻費用分担金ですが,略して婚費(こんぴ)と言うことが多いです。
『別居するような険悪な状態で生活費のサポートをするのはおかしいのでは?』という声を良く聞きます。
しかし,これは結婚という制度に基づくものです。
離婚するまでは払い続けることが義務となっています。
夫婦関係が破綻していても婚姻費用の請求は認められる

逆に,毎月婚費をもらえる側としては引き伸ばすほどトクということになります。
離婚に応じない,という作戦が取られることが多いのはこんな背景があるのです。
協議離婚を拒否する理由は条件交渉がほとんど
払う側からすると,『長引いて婚費を払い続けるならその分上乗せして払って終わり(離婚成立)にしたい』と考える傾向があります。
結婚債権評価額;『有責なし』タイプ

6 税金が思わぬ落とし穴になることもある

離婚の際の清算については,原則として税金はかかりません。
しかし,特殊な事情があると,思わぬ高額の税金がかかってきます。
せっかく夫婦間の問題が解決しても,また次のトラブルに巻き込まれます。
事前に税金のルールも把握して,問題が起きないようにしておくと良いです。
離婚時の財産分与は税務上,実質的な移転ではないという扱いが原則
慰謝料への課税は基本的にないが例外もある
扶養に対する課税はないが,扶養的財産分与は高額→贈与認定リスクあり

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