基礎知識
- Q&A
残業とはなんですか。
- 会社(使用者)が定めた所定労働時間を超えて働くことをいいます。
必ずしも法定労働時間(原則1日8時間,1週間40時間)とは一致しま
せん。
所定労働時間とは就業規則や,労働契約により定められています。雇用契約上,常勤の労働者より短い時間が定められているアルバイトやパートに関しまして
は,雇用契約上の労働時間が「所定労働時間」となります。
従って所定労働時間は労働者個々によって定まります。
所定労働時間を超えて働いた残業(時間外労働)に対して,会社(使用者)は割増賃金を支払う必要があります。
- Q&A
残業に関する労使の取り決めが必要なのですか。
- 時間外労働の前提として,労使協定の締結と労働基準監督署への届出が必
要です。
この協定は,労働基準法36条に規定があるので,「36(さぶろく)協定」と呼ばれています。
この「協定締結」+「労働基準監督署への届出」がない場合,時間外労働自体が違法となります。
サービス残業
- Q&A私は,仕事でミスをして,これを回復するために長時間の作業が必要となりました。
自主的に残業しました。
このような場合は「残業」として扱わなくても良いのでしょうか。
- A:36協定などがなかったり,残業代が支払われない場合は違法となります。
自主的に,また残業代なしで残業をすることを俗に「サービス残業」,「サビザン」とか呼びます。
従業員,会社が納得の上であっても,「違法」ということに変わりはありません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A
私はおっちょこちょいで,同僚と同じ業務量なのに,作業時間はとても多くかかってしまっています。
自分から残業代はいらないと言って付けてもらっていませ
ん。
問題ありますか。
- A:36協定などがなかったり,残業代が支払われない場合は違法となります。
前の質問と同様です。
仮にミスが労働者側にあっても,また,同意していても,「労働時間」として評価できる限り,36協定は必要ですし,また,残業代はもらえます。
なお,それとは別に,昇給時やボーナス等の評価で差がついてしまったり,合理的なペナルティが課せられることもあります。これは違法ではありません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
残業届
- Q&A
上司から残業を要請されていません。
残業届も出してないし,上司に「残業しても良いですか」と許可をもらっていません(サービス残業の状態)。
やはり残業
代はもらえないのでしょうか。
- A:残業代は支給されるべきです。
そもそも労働時間とは,会社(使用者)の指揮・監督下にある時間をいい,客観的に定まるものです(休憩時間・通勤時間は含みません)。
残業届の有無や,上司の許可によって決定されるものではありません。業務命令に基づかない残業であれば労働時間として取り扱う必要がないのが原則で
す。
ただし,上司の明確な言葉でも指示がない労働時間でも,暗黙の指示があると認められる場合には,正規の労働時間として取り扱われます。
ですから残業が客観的に「労働時間」と認められる場合には,残業代請求ができます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
証拠
- Q&A
残業時間はどうやって計算するのでしょうか?どんな資料が使えますか?
- A:タイムカードやパソコンへのログイン・ログアウトの記録などが使われることが多いです。
また,通勤・帰宅の際にsuicaやpasmoを使っていれば,その利用履歴が証拠として用いられることもあります。
このような機械的な記録がない場合は,残業時間中に送信したメールやFAXの写しも残業時間の証拠になります。
ご自身での手書きのメモや日記・手帳への書き込みなども証拠として使えることもあります。
また,残業代(金額)を算定するために,給与の内容が分かるような資料も必要になります。
例えば,給与明細,源泉徴収票,労働契約書・雇用契約書・就業規則などです。
資料が少ない場合でも,非常に大雑把な推定的な再現により計算する場合もあります。
会社側が明確に反論できないとその大雑把な推定計算が採用される裁判例もございます。
計算方法
- Q&A
残業代の計算方法を教えてください。
- A:残業に対しては,割増賃金を支払う必要があります。割増率は下記です。
<割増率>
時間外労働(1日の労働が8時間(法定労働時間)を超えた場合):25%以上
深夜(午後10時~午前5時)労働:25%以上
休日労働(法定休日に労働した場合):35%以上
時間外労働+深夜労働:50%以上
休日労働+深夜労働:60%以上
1ヵ月に60時間を超える時間外労働を行う場合:50%以上
※45時間以上,60時間未満の時間外労働に対して割増賃金引上げなどの努力義務が労使に課されます。
※この割増率は,法律改正により,平成22年4月から適用されます。
中小企業の割増賃金率については,施行から3年経過後に改めて検討されます。
労働審判,訴訟で請求する場合,さらに遅延損害金や付加金(制裁金)が加算される場合があります(労働基準法114条,37条)。
※割増賃金の計算の基礎となる賃金には,家族・通勤手当,別居手当,子女教育手当,ボーナス,臨時に支払われた賃金,住宅手当等は含まれません。割増賃金
等の計算の
基礎になる賃金に含まれるかどうかは、名称ではなく内容により判断されます。
- Q&A
遅刻によるペナルティと相殺すると言われました。
差し引かれてしまうのでしょうか。
- A:遅刻による控除は間違っていません。
ただし,よく「誤解」があるので注意が必要です。
ノーワーク・ノーペイという原則があります。これは働いた分だけ賃金支払義務があるかわりに,働かなかった分は無給にして良いということ
です。
単純に遅刻した分を給与から控除されるのであれば仕方ありません。
しかし,1時間遅刻,1時間残業の場合,1時間分は相殺されるとしても,割増賃金が発生している場合には,その分はもらうことができます。
割増賃金分まで相殺されていないか確認する必要があります。
また,別の日の残業時間と相殺している場合,問題がある可能性があるので注意が必要です。
なお,遅刻について罰金が課せられる場合は別途問題になります。罰金は就業規則の根拠が必要です。
さらに,罰金には次のような上限があります。
<罰金の上限>
(1)1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えないこと
(2)総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えないこと
- Q&A
内容に関わらず,時間だけを見て残業代が支給されるとすると,不公平な感じがします。
会社の方も困るのではないでしょうか。
- A:実際に支払われるべき残業代は,「労働時間」として評価されるものについてです。
時間だけで定まるものではありません。
労働者はタイムカード等で形式的な労働時間を示せば足り,否定する場合の立証責任は会社側にあります。
タイムカードの時間そのもので請求せず,そのうち,労働時間として考えるものだけを請求することも可能です。
納得のいく範囲で請求することが可能です。
逆に会社としては,タイムカードがあっても「労働時間」として認められないものについては残業代を支払わないと主張することも可能です。
振替休日と代休
- Q&A 【振替休日と代休の違い】
振替休日と代休は違うのですか。
- 振替休日は,事前の予告ありです。代休は予告なし,割増賃金発生,など
の違いがあります。
振替休日と代休は,「本来の出勤日と休日を入れ替える」という点では同じです。
違いは「事前の予告」があるかないか,です。
要は,事前の予告がないと,一時的に「定時以外の勤務」となり割増賃金が発生するのです。
別の日を休みにしても,「定時外の勤務」をした事実は消えません。
この点,最初から出勤日と休日を入れ替えた場合は,「時間外の勤務」ということにはならないのです。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【振替休日を行う条件】
振替休日にすることは自由にできるのでしょうか。
- 就業規則に「振替休日」を規定してあることや,本人への予告が必要で
す。
また,原則として1週40時間の制限を超過することもできません。
要は,事前に「出勤日と休日の交換」が完了している必要があります。
一旦「休日に出勤した」ことになると,後からさかのぼって「変更したことにする」ということはできないのです。
また,「振替休日」と1週40時間の制限はまったく別物です。
1週40時間制限を排除するためには,36協定が必要です。
36協定があったとしても,結局,割増賃金が発生することになります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
| 項 目 |
振 替 休 日 |
代 休 |
典型例
|
休日労働をさせる必要が生じた時。 |
休日労働や時間外労働をさせた場合に,その代償として他の労働日を休日とする時。 |
| 要件 |
1 就業規則に振替休日を規定
2 振替休日の特定
3 振替休日は所定の4週間以内の日
4 振替は前日までに本人に予告 |
特になし。 |
| 振替後の休日または代休の指定 |
あらかじめ使用者が指定します。 |
雇用主が指定する,または,従業員の申請によって与えることもあります。 |
| 賃金 |
振替休日が同一週内の場合(=1週40時間制限の範囲内)は,割増賃金は発生しません。 |
休日出勤日に割増賃金を支払
わなければなりません。 |
- Q&A【振替休日実施の注意点】
振替休日を実施する場合に注意することはありますか。
- 1週40時間の制限を確認することと,記録を取っておくことです。
1週40時間の制限を忘れるケースが多いです。
「1週」の開始時期は会社ごとに設定しているはずです。
ここまで確認しておくべきです。
また,後から「いつ予告したか」(予告していなかったのではないか)が不明になることも多く見かけます。
記録にしておくと,労使ともに無駄な不安を避けられます。
具体的には,「勤務簿」にメモをして,従業員も確認のサインをする,という方法があります。
最近では,グループウェア上で通知と返信(了解の旨)を相互に送信したり,メールのやりとりとして残すケースが増えています。
簡単な方法で適切だと思います。
→代表弁護士三平聡史のブログ
付加金
- Q&A
付加金とは何でしょうか。
- 割増賃金等のいわゆる残業代の支給がなかった場合に,ペナルティとして
雇用主に課せられる,追加支給金です。
労働基準法114条に規定があります(末尾引用)。
時間外勤務手当,深夜手当,休日手当などの割増賃金,有給休暇中の賃金について,未払いの場合に,裁判所が「付加金」を命じることができるとされていま
す。
未払金と同額,とされているので,未払金が2倍になる,という可能性もあります。
【労働基準法114条】
第114条 裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第7項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、
労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。
ただし、この請求は、違反のあつた時から2年以内にしなければならない。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A
では,残業代などが未払の場合,金額が2倍になるのでしょうか。
- 訴訟の判決の場合に限られます。また,最大2倍となりますが,状況に
よって付加金が加算されなかったり,一部だけの加算ということもあり
ます。
労働基準法114条では,未払金と同一額の付加金の支払を命ずることが「できる」と規定されています。
裁判所の裁量です。
趣旨としては,悪質な場合のペナルティです。
労働審判では付加金が加算されることは,通常ありません。
訴訟の判決でも,悪質でない場合は,付加金が加算されないことも多いです。
加算されても一定割合だけ,ということもあります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A
付加金の加算があるかどうかは,どのようなことで決められるのでしょうか。
- 「悪質かどうか」は交渉の経緯などが広く考慮されます。
付加金の加算の有無,その程度(割合)について,考慮される典型的な要素は次のようなものです。
・証拠(タイムカードなど)の開示の態度
・雇用主側が,過剰に批判的な主張を控えているなどの主張に関する態度
・協議による解決に対する態度
これらを考慮して付加金を否定した裁判例を末尾に引用しておきます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【大阪地方裁判所 平成20年1月11日(抜粋)】
4 付加金について
原告の請求する付加金のうち,法内残業時間の賃金と同額の部分は失当であり,棄却すべきである。
その余の部分について検討するに,原告は,被告における時間外手当不払いが被告の体質に由来する根深いものであるから,付加金の支払いを命じるべきであ
る旨主張する。
確かに,①被告は,時間外手当を「土日出勤」の場合を除いて支払っていないこと(証人乙山GM),②平成17年4月以降はタイムカード制度を廃止して,
自己申告による勤怠管理表により勤務時間を管理するようになったこと(〈証拠略〉),③平成17年7月以降は,勤怠管理表の見本に残業時間を記入しないよ
う指示していること(〈証拠略〉),③(ママ)当初は労働基準監督署を交えての話し合いが行われたが,最終的には,10時間19分しか時間外労働が存在し
ない旨述べていたこと(〈証拠略〉)等の事実が認められる。
しかしながら,ともかくもタイムカードや勤怠管理表のほとんどは被告より証拠として提出されていること(〈証拠略〉),原告の勤務態度等について被告か
ら具体的な主張や立証がなされているわけではないこと,被告側は和解による解決を最後まで模索していたこと(証人乙山GM)等の点からすると,付加金につ
いては,これの支払いを命じないのが相当であると判断した。
遅延損害金
- Q&A
残業代を後から払ってもらう場合,利子は付かないのでしょうか。
- A 「利子」という形ではないですが,遅延損害金が加算されます。
判決の場合は,きちんと計算しますので,遅延損害金が適用(加算)されます。
しかし,実務上,和解で終わる場合は,双方が譲歩するのが通常です。
その譲歩の一環として,遅延損害金を除外する,ということもあります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A
遅延損害金の利率は何%ですか。
- A 退職後は年14.6%,退職前は6%(原則)です。
退職日以降は,未払いの退職金に加算される遅延損害金は年14.6%となります(賃金の支払の確保等に関する法律6条1項,賃金の支払の確保等に関する法
律施行令1条)。
在職中は,原則として,商行為に関する法定利率として年6%が加算されます(商法514条)。
ただし,これは勤務先が個人事業主,株式会社などの通常の場合(営利)です。
仮に,勤務先が公益法人など,利益・収益を目的としない組織(非営利),という場合は,一般の民事上の法定利率として年5%が適用されます(民法404
条)。
以上は,勤務先と従業員の間で特に取り決めがなかった場合です。
就業規則や給与規程で条項があれば,そちらが優先となります。
一般的には,そのような規程類が定められていることはほとんどありません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【参考条文】
賃金の支払の確保等に関する法律
第6条1項
事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到
来する賃金にあつては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わなかつた場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をす
る日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6パーセントを超えない範囲内で政令で定める率を
乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。
賃金の支払の確保等に関する法律施行令
第1条 賃金の支払の確保等に関する法律 (以下「法」という。)第6条第1項 の政令で定める率は、年14.6パーセントとする。
商法
第514条 商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は、年6分とする。
民法
第404条 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年5分とする。
定額残業代(定額時間外勤務手当)
- Q&A【定額残業代】
残業代は基本給に込みだと言われました。
この場合は残業代を上乗せでもらうことはできませんか。
- 労働契約書や就業規則等で明確に規定されていれば残業代は「込み」とな
ります。
合法的に基本給に「込み」で定額残業代を定めている場合もあります。
この場合,まず,「込み」となっている残業時間・金額が労働契約書などに明記されていないと無効となることもあります。
さらに,明記されていて有効だとしても,「込み」になっている残業時間を超過して働いていれば,「超過分」の残業代を請求することができます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【定額残業代制度の意義】
定額残業代はサービス残業という違法なものを合法化してしまう,不当な制度ではないでしょうか。
- コンプライアンスの面など,多くのことを総合的に考えると公平・公正な
職場環境につながる部分も大きいです。
「残業代」自体が,「効率よく働いて短時間で多くの仕事をこなす」ことへのモチベーションを下げる効果が伴い,矛盾・ジレンマを抱える制度です。
その意味で,一定の時間の超過勤務については,想定された支給額に込みとなる,という定額残業代制度は意義があります。
現在でも「そのような変わった制度は取り入れない」と主張する会社(社長)で,蓋を開けてみたらサービス残業,つまり,「単に法的に支給義務がある残業代
を履行していないだけ」というケースが非常に多いです。
違反の罰則のリスク・係争リスク(コスト)・レピュテーションリスク(評判)という爆弾を抱えている状態と言えます。
このような複合的な意味合いで「コンプライアンス」が尊重されているわけです。
とにかく,当事者(雇用主・従業員)が皆納得した上で取り入れる,という前提で,定額残業代制度の意義が広まりつつあります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【定額残業代の有効性判断】
こっそりと就業規則に定額残業代が記載されているなど,不当な場合もあるのではないでしょうか。
本当に有効なのでしょうか。
- きちんと説明・運用がなされていないと無効とされることもあります。
定額残業代制度は,「メリット」が大きい一方で,当然,導入・運用によっては「不当」と言える場合もあります。
定額時間外勤務手当の有効性が争われた裁判例は多く蓄積されています(一例;国際情報産業事件を後掲)。
個別的な事情によって判断されていますが,概ね,次のような判断基準が確立されています。
<定額時間外手当が有効とされる要件(基準)>
1 割増賃金相当部分をそれ以外の賃金部分から明確に区別することができる
2 右割増賃金相当部分と通常時間に対応する賃金によって計算した割増賃金とを比較対照できるような定め方がなされている
3 実際に,規定の「超過時間」をさらに超過した場合,超過部分の(割増)賃金が支給されている
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【東京地方裁判所平成元年(ワ)第5536号給料請求事件平成3年8月27日;国際情報産業事件;(抜粋)】
月に支払われる賃金の中に、割増賃金の支払方法として、通常賃金に対応する賃金と割増賃金とを併せたものを含めて支払う形式を採用すること自体は、労働基
準法三七条に違反するものではない。しかしながら、このような支払方法が適法とされるためには、割増賃金相当部分をそれ以外の賃金部分から明確に区別する
ことができ、右割増賃金相当部分と通常時間に対応する賃金によって計算した割増賃金とを比較対照できるような定め方がなされていなければならない。
3 けれども、本件では、被告は、単に「基本給」又は「基本給と諸手当」の中に時間外賃金相当額が含まれていると主張するだけで、時間 賃金相当額がどれ
ほどになるのかは被告の主張自体からも不明であり、これらによって労働基準法三七条の要求する最低額が支払われているのかどうか、検証するすべもない。そ
うしてみると、基本給等の中に時間外賃金が含まれていなという報告の主張は採用することができない。
- Q&A【割増賃金部分の区別・明確性】
給与明細などで「割増賃金」とは書いてなく「営業手当」と書いてあります。
このような場合は,(定額の)残業代として扱われるのでしょうか。
- 口頭・書面での説明や,他のルールへの記載などにより「明確かどうか」
を判断します。
「定額残業代」が通常の賃金(基本給)と「明確に区別されていない」と認められた場合は,法的に「時間外勤務手当」とは扱われません。
つまり,別途,割増賃金の支給がなされる,ということになります。
しかもこの場合,割増賃金の算定における,単価(要は時給)の計算では,(形式的な)「定額残業代」も含めることになります。
非常に大きな違いとなります。
そこで,(残業代と基本給が)「明確に区別されているかどうか」が重要です。
その判断は,次のような多くの事情から判断します。
<明確な区別の有無の判断要素(例)>
・就業規則(給与規程など)の記載
・労働契約書,労働条件告知書の記載
・給与明細書上での記載
・募集要項の記載
・社内での掲示板(グループウェアなどのオンライン含む)での記載
・社内での口頭でのコミュニケーション
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 裁判例や条文
- Q&A【定額残業代の有効性判断事例】
具体的に,どのような場合に定額残業代が有効となるのでしょうか。
- 各種書面で「定額時間外勤務手当」と明記すると確実に有効でしょう。
「セールス手当」という名目で,定額残業代として扱われた裁判例もあります。
最近注目されている制度なので,導入している会社も多いです。
ただ,導入した中の多くが,無効(となると予想される)である状態となっています。
最も確実に有効とされる場合は次のようなものです。
<定額残業代として有効性が高い例>
1 就業規則,労働契約書(労働条件告知書),給与明細のすべてにおいて次の事項が明記されている。
<明記事項>
・「定額時間外勤務手当」の金額(基本給(基準内賃金)の金額)
・「定額時間外勤務手当」でカバーされる「超過時間」の上限
・「休日勤務」「深夜勤務」についても設定するのであれば,この金額・「超過時間」の上限
・設定した「上限」を超過した場合の割増賃金計算方法
2 実際に,勤務時間をきちんと管理し,規定の「超過時間」をさらに超過した場合は,超過部分の割増賃金が支給されている。
「セールス手当」という名目の支給額が,(定額)残業代,として認められた裁判例があります(関西ソニー販売事件;後掲)。
この制度の運用実態としては,外回りのセールスマンが,定時を超過した勤務となることが多いから,「セールス手当」として支給していた,というものです。
結果的に,この趣旨,つまり「超過時間での労働に対応する」という部分が明確である,と判断されたのです。
この事案ではそのような判断になりましたが,逆に考えると,実際の実情,立証の程度によっては「残業代ではない」と判断される可能性も一定程度あったはず
です。
参考となる情報ですが,あくまでも個別的な事例における判断に過ぎません。
また,実質的な歩合制に過ぎず,「超勤深夜手当」は残業代として認めなかった裁判例もあります(南海タクシー事件;後掲)。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【大阪地方裁判所昭和61年(ワ)第7162号時間外割増賃金請求事件昭和63年10月26日;関西ソニー販売事件(抜粋)】
2(証拠略)によれば、被告の就業規則及び給与規則においては、別紙就業規則及び給与規則(抄)のとおり規定されていること、前述のようにセールス手当は
基本給月額の一七パーセントであるが、被告は、セールスマンの時間外勤務時間が平均して一日約一時間で一か月間では合計二三時間であるという調査結果を基
に右セールス手当の割合を定めたこと、右セールス手当の額では休日労働に対する割増賃金を充足するものではないので、セールス手当受給者に対しても休日勤
務手当を別途支給していることが認められ、右認定事実、特に給与規則附則2の趣旨及び内容並びに証人松尾忠男の証言によれば、セールス手当は休日労働を除
く所定時間外労働に対する対価として支払われるものであり、いわば定額の時間外手当としての性質を有することが認められる。原告は、セールス手当は、外食
費、駐車違反の反則金等外勤に伴う様々な支出に対する補償であり、原告が以前勤めていた会社ではそのような取扱であった旨証言するが、他の会社の取扱から
被告のセールス手当の性質を決定するのは妥当とはいえないし、右は原告の考え方でありその裏付けとなる根拠を有するものとは認められないので、右供述は前
認定を左右するものではない。
3 労働基準法三七条は時間外労働等に対し一定額以上の割増賃金の支払を使用者に命じているところ、同条所定の額以上の割増賃金の支払かなされるかぎりそ
の趣旨は満たされ同条所定の計算方法を用いることまでは要しないので、その支払額か法所定の計算方法による割増賃金額を上回る以上、割増賃金として一定額
を支払うことも許されるか、現実の労働時間によって計算した割増賃金額が右一定額を上回っている場合には、労働者は使用者に対しその差額の支払を請求する
ことができる。
4 被告の給与規則では、基本給及びセールス手当は前月二一日から当月二〇日までの分が給与の一部として二五日に支払われ、超過勤務手当及ぴ休日勤務手当
についても月単位で集計され同様に二五日に支払われる旨定められていることは前認定のとおりであるところ、右事実からして、前月二一日から当月二〇日まで
の一か月間における実際の所定時間外労働に対応する賃金とセールス手当の額を比較し、前者が後者を上回っているときはその差額を請求できると解するのが相
当である。
- 【最高裁判所第3小法廷平成11年(オ)第1461号未払賃金請求上告事件平成11年12月14日;南海タクシー事件;(上告棄却)
↑原審;高松高等裁判所平成7年(ネ)第376号未払賃金請求控訴事件平成11年7月19日(抜粋)】
したがって、右のような超勤深夜手当に係る定めは、実質的にも同条の時間外・深夜割増賃金を含める趣旨で合意されたことを要するというべきである。
(略)
以上に述べたように、本件協定等の賃金体系は、その内営自体、形式的な定めとは異なり実質歩合制であると考える方が自然である上、定められた超勤深夜手当
は定額であるが、その算定根拠は明らかではなく、また、被控訴人らに交付された賃金明細書も歩合制であることを疑わせるものがあり、労働規準監督署の勧告
等に対する控訴人の対応も控訴人自身が実質歩合制であることを認めていたとも考えられるのであって、これらを総合すると、本件協定等における超勤深夜手当
が、水揚額に賃金比率を乗じた総支給額の中の多目的な内訳であるという以上に、労働基準法三七条の定める時間外・深夜割増賃金の実質を有するものとはいい
がたく、本件協定等において、時間外・深夜割増賃金を固定給に含める旨の実質的合意があったと認めることはできない。
(略)
したがって、時間外・深夜割増賃金を固定給に含める旨の合意により、控訴人らに対し、同割増賃金を支払ってきたとの控訴人の主張は採用できない。

年俸制
- Q&A
年俸制になっている場合は残業代は込み,つまり上乗せ支給されないのですか。
- A 年俸制でも残業代は別途支給されます。
年俸制とは「年換算で賃金の額が決定されている」という意味です。
「労働時間がオーバーしても固定額から上乗せはない」という趣旨・ルールはないのです。
勿論,「時間外手当を含む」という合意(取り決め)があれば,これは有効です。
その場合でも,年俸の金額のうち,時間外手当となっている部分(金額)が明示されていないと無効とされます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
裁量労働制
- Q&A
裁量労働制という制度は残業代が出ないのですか。
- A 原則として個々の残業について賃金は発生しません。
裁量労働制は細かい条件があります。
条件が欠けている場合は,裁量労働制は適用されません。
その場合は,残業に対して賃金(残業代)が発生することになります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A 裁量労働制とはどのような制度なのでしょうか。
- A 仕事の具体的な進め方・時間配分を従業員に任せる制度です。賃金の計算上は実際の労働時間は使わず,設定された一定の時間(みなし労働時
間)を使います。
裁量労働制は,2種類あります。
「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」です。
この制度を導入する場合は,事前に「みなし労働時間」を定めます。
例えば,みなし労働時間を8時間としてあれば,実際に働いた時間に関係なく,この時間を元に賃金を計算します。
要は,残業代が出ないということです。
勿論,みなし労働時間が9時間であれば,1時間分については割増賃金が発生します。
逆に,5時間だけ仕事をしなかったとしても,減給などにはなりません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A 裁量労働制はどのような趣旨で作られたのでしょうか。
- A 専門性が高い業種や一定の管理職について,給与の位置付けを,「業務時間の対価」よりも「業務内容自体の対価」として考える趣旨です。
実際の業務時間が長くても短くても賃金が一定になります。
「時間の拘束」が緩いのです。
仕事を職場だけではなく,自宅や外出先で行うことも想定されています。
いわゆる,soho(自宅勤務の一種)やノマド(外出先で仕事を行うこと)も想定されています。
ライフワークバランスを重視した働き方,と整合性が高いです。
ホワイトカラーに,労働時間に関する規制を除外するという意味で「ホワイトカラーエグゼンプション」と呼ぶこともあります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A 裁量労働制の採用が可能な職種はどのようなものでしょうか。
- A 「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」として労働基準法上規定されています。
【専門業務型裁量労働制の導入可能職種】
新製品,新技術の研究開発等の業務
情報処理システムの分析又は設計の業務
記事の取材又は編集の業務
デザイナーの業務
プロデューサー又はディレクターの業務
コピーライターの業務
システムコンサルタントの業務
インテリアコーディネーターの業務
ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
証券アナリストの業務
金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
大学における教授研究の業務
公認会計士の業務
弁護士の業務
建築士(一級建築士,二級建築士及び木造建築士)の業務
不動産鑑定士の業務
弁理士の業務
税理士の業務
中小企業診断士の業務
【企画業務型裁量労働制の導入可能職種】
経営企画担当部署
人事・労務担当部署
財務・経理担当部署
広報担当部署
営業企画担当部署
生産企画担当部署
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A 具体的に,裁量労働制を導入するためにはどのような条件・手続が必要ですか。
- A まずは労使間での協定や決議などが必要です。
・専門業務型裁量労働制の導入手続
次の事項について,労使協定を締結する必要があります。
【労使協定対象事項】
1 裁量労働制の対象となる業務
2 その業務を行うのに必要とされる時間(みなし労働時間)
3 業務の進め方及び時間配分の決定等に関し,具体的な指示をしない旨の記載
4 従業員の健康と福祉を確保するための措置の具体的内容
5 従業員からの苦情の処理に関する措置の具体的内容
6 協定の有効期間
7 4と5の記録は協定の有効期間及びその期間満了後3年間保存すること
さらに,この労使協定を労働基準監督署へ届け出ることも必要です。
・企画業務型裁量労働制の導入手続
次の事項について,労使委員会の決議が必要です。
【労使委員会の決議対象事項】
1 企画業務型裁量労働制の対象となる業務
2 企画業務型裁量労働制の対象となる従業員の範囲
3 その業務を行うのに必要とされる時間(みなし労働時間)
4 従業員の健康と福祉を確保するための措置の具体的内容
5 対象となる従業員からの苦情の処理に関する措置の具体的内容
6 裁量労働制を適用する際に本人の同意を得ること,同意しないとしても不利益な取扱いをしないこと
7 決議の有効期間(3年以内とすることが望ましいとされています)
8 4,5,6の記録は決議の有効期間,その期間満了後3年間保存すること
さらに,この労使委員会の議事録を労働基準監督署に届け出ることも必要です。
なお,個々の従業員の同意がないと,従業員単位で,裁量労働制が適用できません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A裁量労働制を導入すると働き過ぎを抑制できなくなるのではないですか。
- A 運用上,働き過ぎを防止するルールがあります。
当然,会社側に残業代支払義務がないと,労働時間の抑制が働かない,ということは心配されています。
そこで,次のようなルールがあります。
1 「労働者の健康と福祉を確保するための措置」を講じる義務
典型例としては,「上司や産業医による健康状態のヒアリング」,「健康診断の実施」,「代償休日又は特別休暇の付与」,「年次有給休暇の取得促進」などが
挙げられます。
2 苦情の処理措置
労使の協定事項(決議事項)として「苦情の処理に関する措置」を取ることとされています。
典型例としては,「人事部や労働組合への苦情処理窓口の設置」などが挙げられます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A裁量労働制のデメリットや注意点はありますか。
- A 従業員の自律性を尊重する制度なので,職場によっては制度がマッチしないこともあります。
注意点は次のとおりです。
1 会社から従業員に具体的な業務・作業についての指示・命令はできません。
仕事の進め方について,従業員に「裁量」を与える制度だからです。
とは言っても,「完全自由」ではないので,出勤日に休むことは認められません。
2 遅刻や早退に対するペナルティ(減給など)は与えられません。
従業員に自主性・自律性が高ければ非常に有意義ですが,職場環境によっては,却って業務効率が落ちるということもあり得ます。
そのような場合は,フレックスタイム制を試験的に導入すると良いでしょう。
フレックスタイム制は,従業員に与える「裁量」が,ノーマルの制度と裁量労働制の中間と言えます。
3 深夜業務,休日労働,休憩,に関する規定は除外になりません。
要は,深夜業務手当・休日労働手当(割増賃金)は追加して支給されることになります。
また,休憩時間を与える必要があるということは通常の形態と変わりません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
フレックスタイム
- Q&Aフレックスタイムとはどのようなものでしょうか。
- A:出社時刻・退社時刻についてある程度従業員の自由がある制度です。
一定期間の間に働く時間数を予め決めておきます。
例えば,1週間40時間,といった要領です。
その総時間数を守っていれば,従業員がいつ出社していつ退社するかは自由です。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&Aフレックスタイム制だと残業代はないのですか。
- A:予め決められた総時間数を超過すると残業代支給の対象となります。
例えば,週40時間,と定められている場合,週の合計労働時間が40時間を超過すると残業代は支給されます。
逆に,1日8時間以上働いた場合でも,残業代は出ません。
労働基準法違反にはなりません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A一定の時間帯は職場に従業員全員が居ないと困ります。どうしたらよいでしょうか。
- A:「コアタイム」を設定すると良いです。
1日のうち,忙しい時期があったり,打ち合わせをする時間帯を設定したりすることがあります。
このような場合,例えば,「11時~15時」をコアタイムとします。
要は,従業員は,この時間帯だけは勤務が強制される,ということになります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&Aフレックスタイム制を導入するためにはどんな手続きが必要ですか。
- A:労使協定を結び,就業規則への規定が必要です。
原則として36協定や変形労働時間制などの導入は必要ありません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&Aフレックスタイム制の労働時間として長めの時間を設定できますか。
- A:1週間の労働時間の上限は40時間です。この上限を上げるためには特有の手続きが必要です。
1週間40時間,という壁を超えるためには,36協定が必要です。
さらに,残業代を支払うことも必要となります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A前後の期間で労働時間の過不足を調整することはできますか。
- A:労働時間の「貯金」はNG,「借金」はOK
ある期間内に超過して働き,次の期間内にその分労働時間を減らす→NG
要は「働き貯め」はできません。
これがOKだと,「残業を強制される」ことにつながるからです。
逆に,ある期間内の労働時間の不足分を次の期間内に労働時間を増やして埋める→OK
要は「労働時間の穴埋め(借金)」はできます。
自主的に前期間の不足時間分を働くことです。
「会社側による強制」ということにはつながらないのです。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&Aフレックスタイム制度では,休憩時間について何かルールがありますか。
- A:ノーマル(固定労働時間制)と変わりません。
【休憩時間】
1日の勤務時間が6時間を超える場合→45分の休憩
8時間を超える場合→1時間の休憩
→代表弁護士三平聡史のブログ
事業場外みなし労働時間制
- Q&A【事業場外みなし労働時間制とは】
事業場外みなし労働時間制とはどのようなものですか。
- 労働時間の把握が困難な職種について一定の労働時間を設定する制度で
す。
典型的なものは,外勤のように会社や上司が,正確な稼働時間,を把握できない場合です。
このような場合に「正確な労働時間は分からないけど,この仕事には概ね8時間くらい必要だから,1日あたり8時間働いた事とみなそう。」とする制度のこと
です。
これを,「みなし労働時間制」と言います。
1日中客先回りをする営業マンのように,特定の職場(事業場)以外で労働する場合が典型例です。
この場合,「事業場外みなし労働時間制」と言います。
労働基準法に規定があります。
- 【労働基準法第38条の2第1項】
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において,労働時間を算定し難いときは,所定労働時間労働したものとみなす
- Q&A【事業場外みなし労働時間制が適用できる場合】
事業場外みなし労働時間制が適用できるのはどのような場合ですか。
- 事業場外の労働+労働時間の算定が困難,ということが条件です。
事業場外みなし労働時間制を適用して労働時間を算定するためには,以下の要件を満たさなければなりません。
1 事業場の外での労働であること。
2 使用者の具体的な指揮監督が及ばず,労働時間を算定することが困難であること。
- Q&A【事業場外みなし労働時間制の「みなされる労働時間」】
事業場外みなし労働時間制の「労働時間」はどのように決められるのですか。
- 原則は就業規則で決められます。
「所定労働時間」が8時間を超過する場合は,労使協定+労働基準監督署への届出,が必要です。
「所定労働時間」が8時間以内の場合でも,労使相互の理解を十分とするために労使協定を結ぶこともあります。
- Q&A【事業場外みなし労働時間制が適用される典型例】
事業場外みなし労働時間制が適用される典型的な例はどのようなものですか。
- 典型例は,外回りの営業職や新聞記者などです。
外回りをしている営業職や,新聞記者などは,正確な労働時間の把握が困難です。
勿論,1日中外回りをしても,オンラインなどのタイムカードで勤務時間を管理している場合は,適用されません。
- Q&A【在宅勤務(SOHO)の場合でも事業場外みなし労働時間制が適用される?】
在宅勤務(SOHO)の場合でも事業場外みなし労働時間制が適用されますか。
- 法律上の要件を満たせば適用されます。
「事業場外」と言えるためには,「私的空間」である必要があります。
「労働時間の算定が困難」と言えるためには,管理が不十分(=労働者の裁量が大きい)である必要があります。
最近流行りつつある,在宅勤務(いわゆるSOHO)について,事業場外みなし労働時間制を適用する要件を詳しくまとめると次のようになります。
1 業務が,起居寝食等私生活を営む自宅で行われること。
2 情報通信機器が,使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
3 業務が,随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。
- Q&A【NOMADの場合は?】
NOMAD(喫茶店・公園など)で仕事をする場合でも事業場外みなし労働時間制が
適用されます
か。
- 法律上の要件を満たせば適用されます。
自宅勤務(SOHO)と同様です。
喫茶店・公園などは,明らかに「事業上」ではありませんので,より事業場外みなし労働時間制に適しているでしょう。
- Q&A【事業場外みなし労働時間制を適用する場合の注意点】
事業場外みなし労働時間制を適用する場合の注意点はありますか。
- オンラインのタイムカードで管理するなど,労働時間の把握が可能である
場合には適用されません。
スマートフォンやノートパソコン等で会社(のサーバ)に常時アクセスするなど,労働時間の把握がされている場合は,事業場外みなし労働時間制は適用されま
せん。
あくまでも,原則=実際の労働時間で賃金を計算する,ということが前提なのです。
どうしてもこれが不可能な場合のみ,みなし労働時間制が適用できるのです。
- Q&A【1日の労働時間のうち,一部が会社内,その他は社外で営業,という場合は?】
1日の労働時間のうち,一部が会社内,その他は社外で営業,という場合は事業場外
みなし労働時
間制は適用されますか。
- 適用されます。
労働時間の一部について事業場外で業務に従事した場合,事業場内の労働時間を含めて,所定労働時間労働したものとして扱うことになります。
「労働時間の把握が困難」という結論は「1日中事業場外」という場合と同じだからです。
例えば,所定労働時間が8時間で午前中は事業場内で仕事し,午後から事業場外で営業活動を行った場合を考えます。
結局,1日の労働時間の算定が困難と言えます。
そこで,その日事業場内で労働した時間を含めて全体として所定労働時間の8時間労働したものとして扱います。
- Q&A【間違えやすい例】
事業場外みなし労働時間制の適用について間違えやすい例はありますか。
- 労働時間の算定が可能であるのに,みなし労働時間を適用している誤った
例が散見されます。
<事業場外みなし労働時間制が適用にならない場合の具体例>
1 グループで事業場外労働をする場合で,その中に管理者(労働時間を管理する者)がいる場合。
2 無線や携帯電話等で随時管理者の指示を受けながら労働に従事している場合。
3 外出の前に訪問先や帰社時刻など当日の業務について具体的な指示を受け,事業場外で指示どおりに業務をこなし,その後事業場に戻る場合。
- Q&A【事業場外みなし労働時間制が適用されても,残業代が発生する例】
事業場外みなし労働時間制が適用されれば,残業代は払わなくてもいいですか。
原則として残業代は発生しません。しかし,一部の仕事を会社で行った場合,残業代が発生することもあります。
- 事業場外みなし労働時間制が適用されても,残業代を払わなければならな
い場合があります。
例えば,みなし労働時間制が適用される営業マンが帰社して,会社でも仕事をしてから帰ったという場合です。
具体例として,定時を午後5時30分,帰宅時刻を午後7時とします。
状況によって次のように変わってきます。
・営業マンが定時前に会社に戻ってきて,社内で書類整理をして7時に帰社した場合
→定時以降に仕事をした時間(1時間30分)について残業となります。
・営業マンが定時以降(午後6時30分)に会社に戻ってきて,社内で書類整理をして7時に帰宅した場合
→会社で仕事をしていた30分について残業となります。
管理監督者(名ばかり管理職)
- Q&A
管理職には残業代は支払わないと言われましたが,そうなのでしょうか。
- 「管理監督者」に該当する場合には残業代は発生しません。
しかし,実質的に「管理監督者」に該当しない場合は,残業代が発生します。
実際には,「管理監督者」に該当しないケースが多くあります。
「監督管理者」
といえるに
は,「経営者と同等の立場にある人」といえなければいけません。
単に名前が「部長」「課長」となっているだけでは該当しません。
支店長であっても,勤務時
間が定められていたり,休憩時間や休み時間を自分の裁量で決定する権限が無い場合には「管理監督者」とはいえません。
これらの場合,いわゆる「名ばかり管
理職」等と言われます。
- Q&A
実質的な「管理職」かどうかはどんな事情で判断するのでしょうか。
- 主な判断要素は職務内容・権限・責任・処遇です。
「管理職」に該当するかどうかについて詳しく判断している裁判例があります(末尾引用)。
次のような事情が判断要素とされています。
1 職務内容
経営判断としての,つまり大きな判断を委ねられているのか,それとも事務作業が多いのか
2 権限・責任
与えられた経営判断の権限・担当業務の責任は大きいか
3 待遇
役員に準じるような収入が設定されているのか
例えば,時間外手当支払いを一定額はこれまで支払っていた場合,これは,管理監督者として扱ってなかった方向に判断される要素となります。
いずれにしても,総合的に判断されるということです。
なお,この裁判例では,次のように判断されました。
「管理監督者にはあたらない」→一般従業員扱い→残業代は支給される
その重要ポイントは次のとおりです。
1 店舗運営において重要な職責を負っているが,企業経営上の必要から経営者との一体的な立場とまではいえない。
2 自分の労働時間を自由に設定する自由裁量が認められない。
3 他の従業者と比較しても,店長の給与等の処遇が特に優遇されたものではない。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【東京地方裁判所 平成20年1月28日(抜粋)】
ア 店長の権限等について
(ア)店長は,アルバイト従業員であるクルーを採用して,その時給額を決定したり,スウィングマネージャーへの昇格を決定する権限や,クルーやスウィング
マネージャーの人事考課を行い,その昇給を決定する権限を有しているが,将来,アシスタントマネージャーや店長に昇格していく社員を採用する権限はないし
(クルーが被告に入社を申し込む場合に,店長が,当該クルーの履歴書にコメントを記載することはある(乙6)),アシスタントマネージャーに対する一次評
価者として,その人事考課に関与するものの,その最終的な決定までには,OCによる二次評価のほか,上記の三者面談や評価会議が予定されているのであるか
ら,店長は,被告における労務管理の一端を担っていることは否定できないものの,労務管理に関し,経営者と一体的立場にあったとはいい難い。
(イ)次に,店長は,店舗の運営に関しては,被告を代表して,店舗従業員の代表者との間で時間外労働等に関する協定を締結するなどの権限を有するほか,店
舗従業員の勤務シフトの決定や,努力目標として位置づけられる次年度の損益計画の作成,販売促進活動の実施等について一定の裁量を有し,また,店舗の支出
についても一定の事項に関する決裁権限を有している。
しかしながら,本社がブランドイメージを構築するために打ち出した店舗の営業時間の設定には,事実上,これに従うことが余儀なくされるし,全国展開する
飲食店という性質上,店舗で独自のメニューを開発したり,原材料の仕入れ先を自由に選定したり,商品の価格を設定するということは予定されていない(甲
41,47)。
また,店長は,店長会議や店長コンベンションなど被告で開催される各種会議に参加しているが,これらは,被告から企業全体の営業方針,営業戦略,人事等
に関する情報提供が行われるほかは,店舗運営に関する意見交換が行われるというものであって,その場で被告の企業全体としての経営方針等の決定に店長が関
与するというものではないし(証人緑川五郎),他に店長が被告の企業全体の経営方針等の決定過程に関与していると評価できるような事実も認められない。
(ウ)以上によれば,被告における店長は,店舗の責任者として,アルバイト従業員の採用やその育成,従業員の勤務シフトの決定,販売促進活動の企画,実施
等に関する権限を行使し,被告の営業方針や営業戦略に即した店舗運営を遂行すべき立場にあるから,店舗運営において重要な職責を負っていることは明らかで
あるものの,店長の職務,権限は店舗内の事項に限られるのであって,企業経営上の必要から,経営者との一体的な立場において,労働基準法の労働時間等の枠
を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえような重要な職務と権限を付与されているとは認められない。
イ 店長の勤務態様について
(ア)店長は,店舗従業員の勤務シフトを決定する際,自身の勤務スケジュールも決定することとなるが,各店舗では,各営業時間帯に必ずシフトマネージャー
を置くこととされているので,シフトマネージャーが確保できない営業時間帯には,店長が自らシフトマネージャーを務めることが必要となる。
原告の場合,自らシフトマネージャーとして勤務するため,同年7月ころには30日以上,同年11月から平成17年1月にかけては60日以上の連続勤務を
余儀なくされ,また,同年2月から5月ころにも早朝や深夜の営業時間帯のシフトマネージャーを多数回務めなければならなかった(甲4,原告本人)。その結
果,後記第3,3(1)で認定するとおり,時間外労働が月100時間を超える場合もあるなど,その労働時間は相当長時間に及んでいる。
店長は,自らのスケジュールを決定する権限を有し,早退や遅刻に関して,上司であるOCの許可を得る必要はないなど,形式的には労働時間に裁量があると
いえるものの,実際には,店長として固有の業務を遂行するだけで相応の時間を要するうえ(原告や証人青山二郎の試算では,月150時間程度となっている。
甲44,50),上記のとおり,店舗の各営業時間帯には必ずシフトマネージャーを置かなければならないという被告の勤務態勢上の必要性から,自らシフトマ
ネージャーとして勤務することなどにより,法定労働時間を超える長時間の時間外労働を余儀なくされるのであるから,かかる勤務実態からすると,労働時間に
関する自由裁量性があったとは認められない。
(イ)この点,被告は,原告の労働時間が長時間に及んだのは,部下とのコミュニケーションが不足するなどして,シフトマネージャーを務めることができるス
ウィングマネージャーの育成ができなかったことが原因であるなどと主張する。
しかしながら,店舗運営に必要な数のシフトマネージャーが確保できていない場合に,店長が自らシフトマネージャーとして勤務することで労働時間が長期化
することは,原告に限ったことではなく,他の店長についても生じている現象である(乙35,証人白井四郎)。原告の勤務状態が,上記の状況にまで及んだこ
とについては,被告が指摘するとおり,スウィングマネージャーの育成に失敗したという側面があることは否定できないものの(証人赤木一郎,同黒田三郎),
程度の差はあれ,これは,被告における店長が,他の従業員からシフトマネージャーを確保できなければ,自らシフトマネージャーとして勤務することでその不
足を補うべき立場にいるという被告の勤務態勢上の事情から不可避的に生じるものであり,専ら原告個人の能力の不十分さに帰責するのは相当でない。
なお,被告は,店長が特定の営業時間帯のシフトマネージャーを自店舗の従業員から確保できない場合には,自らシフトマネージャーを務めるという方法以外
に,他店から一時的にスウィングマネージャーを借りるという方法もあると主張するが,原告の場合には,原告が要請しても,他店から円滑にスウィングマネー
ジャーを借りることができていた状況にはなかったと認められるし(証人赤木一郎,原告本人),上記の原告の勤務状況からすると,原告が店長を務めていた店
舗でのシフトマネージャーの不足の程度は,他店からスウィングマネージャーを一時的に借りることで改善される状況ではなかったといえる。
(ウ)また,被告は,店長が行う労務管理,店舗の衛生管理,商圏の分析,近隣の商店街との折衝,店長会議等への参加等の職務は,労働時間の規制になじまな
いものであると主張する。
しかしながら,前記第3,2(3)ア記載のとおり,店長は,被告の事業全体を経営者と一体的な立場で遂行するような立場にはなく,各種会議で被告から情
報提供された営業方針,営業戦略や,被告から配布されたマニュアル(甲45)に基づき,店舗の責任者として,店舗従業員の労務管理や店舗運営を行う立場で
あるにとどまるから,かかる立場にある店長が行う上記職務は,特段,労働基準法が規定する労働時間等の規制になじまないような内容,性質であるとはいえな
い。
ウ 店長に対する処遇について
(ア)証拠(乙60)及び弁論の全趣旨によれば,平成17年において,年間を通じて店長であった者の平均年収は707万184円(この額が前記第3,2
(2)カ(イ)記載のインセンティブプランからの支給額を含むのであるか否かは不明であるが,一応含まないものとして検討する)で,年間を通じてファース
トアシスタントマネージャーであった者の平均年収は590万5057円(時間外割増賃金を含む)であったと認められ,この金額からすると,管理監督者とし
て扱われている店長と管理監督者として扱われていないファーストアシスタントマネージャーとの収入には,相応の差異が設けられているようにも見える。
しかしながら,前記第3,2(2)カ(ア)で認定したとおり,S評価の店長の年額賃金は779万2000円(インセンティブを除く。以下同様),A評価
の店長の年額賃金は696万2000円,B評価の店長の年額賃金は635万2000円,C評価の店長の年額賃金は579万2000円であり,そのうち店長
全体の10パーセントに当たるC評価の店長の年額賃金は,下位の職位であるファーストアシスタントマネージャーの平均年収より低額であるということにな
る。また,店長全体の40パーセントに当たるB評価の店長の年額賃金は,ファーストアシスタントマネージャーの平均年収を上回るものの,その差は年額で
44万6943円にとどまっている(なお,被告の主張によると,店長の年額賃金には深夜割増賃金相当額(定額)として16万8000円(月額1万4000
円×12)が含まれていることになるが(就業規則15条),後記のファーストアシスタントマネージャーの月平均時間外労働時間に照らすと,深夜労働に対す
る賃金を除いた比較では,その差はより少額になるものと推認される)。
また,証拠(甲54)によると,店長の週40時間を超える労働時間は,月平均39.28時間であり,ファーストアシスタントマネージャーの月平均38.
65時間を超えていることが認められるところ,店長のかかる勤務実態を併せ考慮すると,上記検討した店長の賃金は,労働基準法の労働時間等の規定の適用を
排除される管理監督者に対する待遇としては,十分であるといい難い。
(イ)また,被告では,前記第3,2(2)カ(イ)で認定した各種インセンティブプランが設けられているが,これは一定の業績を達成したことを条件として
支給されるものであるし(したがって,全ての店長に支給されるものではない),インセンティブプランの多くは,店長だけでなく,店舗の他の従業員もインセ
ンティブ支給の対象としているのであるから,これらのインセンティブプランが設けられていることは,店長を管理監督者として扱い,労働基準法の労働時間等
の規定の適用を排除していることの代償措置として重視することはできない。
(ウ)なお,仮に,前記(ア)で検討した店長の平均年収が,上記のインセンティブプランに基づき支給されたインセンティブを含むものであれば,被告におけ
る店長の賃金が管理監督者に対する待遇として不十分であることは,一層明らかであるといえる。
エ 以上によれば,被告における店長は,その職務の内容,権限及び責任の観点からしても,その待遇の観点からしても,管理監督者に当たるとは認められな
い。
したがって,原告に対しては,時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである。
- Q&A
雇用ではなく,請負という形で働いています。
残業代請求はできない(関係ない)のでしょうか。
- 請負契約の場合,残業代は発生しません。
しかし,実質的に「雇用」である場合は残業代が発生します。
請負契約では,使用者と労働者という上下関係はありません。
請負人は仕事の完成させる義務を負いますが,その方法は請負人の判断によりなされ,使用者の指揮監督に服しません。
請負人は使用者と対等の関係であり,労働基準法の保護の対象となりません。
そのため,純粋な請負契約ならば,残業しても残業代の請求はできないことになります。
しかし,労働基準法の脱法のために請負契約という形を取るられることも多くあります(偽装請負)。
実質的に,会社の指揮監督下で仕事をしているならば,労働基準法や労働者派遣法の保護を受けることができる可能性があります。
- Q&A
私は営業職で,よく休日に接待ゴルフに行かなければなりません。
私は本当はゴルフなんか好きではなく,せっかくの休日だというのに,かえって気を使って疲れてしまいます。
接待ゴルフの時間の残業代を請求できないんでしょうか。
- 現在のところ,一般的に接待ゴルフは労働時間には当たらないと考えられ
ています。
接待ゴルフが会社業務と切り離せないものであり,上司の明確な命令のもとで参加させられているならば勤務時間として認められる可能性のなくはありませ
んが,なかなか難しいのが現状です。
(例えば,接待ゴルフの後で,重要な商談がある場合など)
→代表弁護士三平聡史のブログ
監視・断続的労働
- Q&A【労働時間の解釈】
守衛などの場合,仮眠時間があります。
これも含めて勤務時間となるのでしょうか。
- 判例の基準に照らすと「勤務時間」と認められる可能性があります。
「労働時間」の解釈は,労働関連の法律には明記されていません。
判例の基準は次のとおりです。
<労働時間の解釈>
労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる
(最高裁判所平成12年3月9日,三菱重工業長崎造船所事件)
守衛の業務について,考えてみます。
仮眠中でも,緊急事態があればすぐに駆け付ける必要があるので,「指揮命令下」と判断される可能性があります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【監視・断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請】
仮眠時間も含めて勤務時間だとすると,膨大な残業代が発生しそうです。
本当に残業代は発生するのでしょうか。
- 労働基準監督署の許可を受ければ「残業」扱いにはなりません。
管理・断続的労働については,労働基準監督署の許可を受ければ,労働時間ルールに関する規定が適用されなくなります(労働基準法41条3号)。
この手続きを「監視・断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請」と呼んでいます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- [労働基準法]
(労働時間等に関する規定の適用除外)
第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
(略)
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
- Q&A【適用除外の趣旨】
許可によって残業代の適用がなくなる,という制度はどのような趣旨なのでしょうか。
- 「拘束」「緊張」の度合が「通常の労働」よりも低いため,労働者の保護
を一定程度弱めているのです。
監視・断続的業務は,「時間拘束」という意味では,一般の「労働」と変わりません。
つまり,勤務時間内は,従業員は「友人と出かける,食事する」ということができません。
その一方で,作業ベースでは自由(拘束しない)という部分があります。
待機時間中は「緊張」の度合も下がっています。
つまり,具体的作業がない時間については,眠っていても良いし,また,個人的な作業(例えば読書)をしていても良いということになっているのが通常です。
見掛け上,「労働」とは見えない感じもします。
そこで,許可という一定の手続きによるチェックを設けつつ,「労働者の保護」を調整する(弱める)という趣旨なのです。
結局,対価性・経済的合理性・バランスを取っている制度です。
ただし,上記のとおり,「許可」という手続きを取っていないと適用されません。
「理屈」「趣旨」だけでは結果に結びつかない,という点は要注意です。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【監視・断続的業務の要件】
どのような業務の内容であれば,適用除外の許可申請ができるのでしょうか。
- 待機時間が多い業務が対象となります。
通達によると,次のように説明されています。
<監視・断続的労働の定義>
「監視労働」
一定部署にあって監視するのを本来の業務とし,常態として身体または精神的緊張が少ない労働のこと
「断続的労働」
実作業が間欠的に行われ,手待時間の多い労働のことをいい,手待時間が実作業時間以上であること,実作業時間の合計が8時間を超えない
(昭和22年9月13日発基17号,昭和23年4月5日基発535号,昭和63年3月14日基発150号)
いずれの場合でも,「常時行う作業」はない,という前提です。
逆に,行う具体的作業の例は次のようなものです。
<具体的作業の例>
・定期的巡回
・臨時,緊急の書類受取,電話引継
・非常事態に備えて待機
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【部分的な監視・断続的業務】
1日の業務のうち半分はノーマルのオフィスワーク,残り半分が守衛業務,という場合はどうなりますか。
- 監視・断続労働と通常業務が『1日の中に』混在する場合「適用除外申
請」はできません。
勤務時間の適用除外制度は,あくまでも例外的なものです。
要件に合致しない場合は,適用できません。
ただし,「日単位」「週単位」で,監視・断続労働と通常業務が切り替わる場合は,対象となる「日」や「週」で適用されます。
このように「日によってタイプが違う」場合,記録・管理をしっかりしておかないといけません。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【所定労働時間超過分の割増賃金】
監視・断続労働の許可を取った後は,残業代は一切発生しないのでしょうか。
- 「所定労働時間」を超過した場合は,賃金が発生します。
適用除外許可申請の時点で,「所定労働時間」を定めてあるはずです。
既に決まっている「所定労働時間」よりも超過して勤務すれば,賃金が発生します。
言い方を変えると「許可により,『1日8時間制限』は解除されるけど,「勤務時間無制限」になったわけではない」ということです。
当然と言えば当然ですね。
もっと正確に言えば,労働基準法の超過勤務手当(割増賃金)の適用が排除されているのです。
結果的に,「所定労働時間超過部分」については,労使間で自由なルール設定が可能です。
<所定労働時間超過の勤務に関するルールの例>
・通常の労働時間として(1時間あたりの賃金を用いて)超過分の賃金を計算する(1倍)
・一般の残業代と同様の方法で,割増賃金として計算する(1.25倍)
・独自の時間単価を設定する
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【深夜手当は適用除外にならない】
守衛業務が夜間に行われていますが,許可を取ってあれば残業代なしで良いのでしょうか。
- 許可を得ても深夜勤務手当は発生します(排除されません)。
「8時間を超過しても残業代は不要」ということは合っています。
しかし,労働時間の中に「深夜」(22時~5時)が含まれていると,その部分についての「割増賃金」は発生します。
要は,換算した時給単価の0.25倍の部分だけは発生する,ということです。
(ごく一般的な「残業」では,深夜の場合,0.25倍が「上乗せ」なので,1.25倍となります。違いに注意して下さい)
また,この際,誤解があるのが「時給単価の計算」(換算)です。
簡単に言えば,「給与を『所定労働時間』で割る」ということです。
所定労働時間が1日10時間であるとすれば,この時間数を使います。
法定労働時間の8時間を誤って用いているケースがたまにありますのでご注意下さい。
また,当初より,一定額の「深夜勤務手当」を設定してあれば,給与算定が楽ですし,労使ともに分かりやすい(予測が付きやすい)ので良いと思います。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【監視・断続労働の典型業種】
具体的にどのような業種が監視・断続労働の許可を取れるのでしょうか。
- 守衛,警備員,管理人など,典型業種はいくつかあります。
<監視・断続労働の典型業種>
・守衛,踏切番
1日10往復程度までが限度とされています
・学校の用務員
・会社役員等の専属運転手
・集合住宅の管理人
・隔日勤務のビル警備員(関連通達後掲)
<関連通達>
平成5年2月24日基発110号
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【適用除外許可の対象外業務】
交通誘導員は,自動車が来ない間は「待ち時間」となります。
断続的労働として許可を取れますか。
- 「精神的緊張の高い業務」として許可は下りないでしょう。
労働時間ルールの適用除外制度は,「業務内容の精神的緊張の程度が低い」ということが趣旨になっています。
物理的な「待ち時間」が存在しても,「緊張が高い状態が継続している」という業務は「適用除外許可(申請)」の対象にはなりません。
<適用対象許可の対象外業務>
1 交通関係の監視,誘導を行う駐車場の監視など精神的緊張の高い業務
2 プラント等における計器類を常態として監視する業務
3 危険又は有害な場所における業務
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【許可未了の場合】
監視・断続労働ではあっても,許可を取るのが遅かった場合はどうなりますか。
- 許可を得ていない期間については,残業代が発生すると思われます。
具体的な業務によりますが,杓子定規に,待ち時間も含めて残業代計算をすると過大な金額となります。
しかし,裁判例(後掲)の傾向としては,「杓子定規な計算」を採用しています。
一切例外がないとは言い切れませんが,今後も,裁判所はこれら裁判例を重視すると思われます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- [東京高等裁判所昭和41年(行コ)第17号、昭和41年(行コ)第18号時間外勤務手当支払請求控訴事件昭和45年11月27日(抜粋)]
のみならず、かりに引率・付添の勤務が原判示のような実質をもつ労働であるとしても、本件において労働基準法第四一条第三号に規定する行政官庁の許可を受
けたことについてなんらの主張・立証がないから、第一審被告は同法を適用することによつて時間外勤務手当の支払義務を免れることはできないものというべき
である。この点についても、「労働の性質においてそのように解せられる以上行政官庁の許可を受けた者ではなくてもその違法性とはかかわりなく、かかる労働
に対する対価としては、時間外勤務の割増賃金支払義務は発生しないものと解するのが妥当である。」とする原判示は、法律の解釈を誤つた不当の判断といわざ
るを得ない。
- [大阪地方裁判所平成6年(ワ)第12731号賃金請求事件平成8年10月2日(抜粋)]
1 原告らの業務の内容を考えると、原告らの業務は、労働密度が希薄で、手待時間の長いいわゆる断続的労働に該当するというべきである。そして、前記のと
おり、被告は、原告らの業務について、平成五年一二月二七日、茨木労働基準監督署長から、断続的労働の許可を受けている。
2 被告は、原告らの業務が断続的労働であることを理由に、時間外手当等の支給義務を負わない旨を主張する。しかしながら、労基法四一条三号の趣旨は、実
際に区別することが難しい「監視又は断続的労働」と一般の労働について、使用者が断続的労働であることに藉口し、不当な労働形態を採ることを防止するた
め、労働基準監督署長に判断を委ねて、労働者の保護を図ることにあると解すべきであるから、その労働実態にかかわらず、労働基準監督署長の許可を受けてい
ない以上、労基法の労働時間及び休日に関する諸規定の適用を免れないというべきである。
- Q&A
【従業員が納得していることが前提】
監督署は,従業員の意見を聞かずに適用除外の許可を出してしまうのでしょうか。
従業員としてはいつ残業代が打ち切られるか心配です。
- 従前残業代が支給されていれば,「打ち切り」は不利益変更として原則認められません。
労働基準監督署の許可と従業員の納得,はまったく別の問題です。
従前の条件よりも従業員に不利な方向の変更は原則的に無効となります。
対象となる従業員全員の了解を取った上で運用を変更するというのは大前提です。
なお,新規に募集・採用する従業員については,最初から「新ルール」を説明し,了解を得れば「新ルール」を適用しても問題ありません。
→代表弁護士三平聡史のブログ

最低賃金の減額の特例許可
- Q&A【最低賃金の減額の特例】
守衛業務について,許可を取って所定労働時間をアップさせる予定です。
その結果,形式的な「時給単価」が最低賃金に抵触しそうです。
対処法はありますか。
- 最低賃金の減額の特例許可を得れば違反を回避できます。
断続的労働については,最低賃金の減額(の特例)の許可を申請することができます。
労働基準監督署に許可申請書を提出します。
宛名は労働局長宛です。
また,「減額率」は,割合的に,「待ち時間に相当する部分の40%」が上限です。
待ち時間というのは「実質的な拘束」がなく,「緊張」の程度も通常業務よりも相当低いです。
その一方,場所的に拘束するなど,「一定の拘束」は存在します。
そこで,待ち時間のうち40%だけを減額できる,ということになっています。
式で表すと次のとおりです。
<減額率の上限の計算方法>
A=所定労働時間
B=実作業時間
減額率の上限(%)=(A-B)×40% ÷ A
→代表弁護士三平聡史のブログ
- [最低賃金法]
(最低賃金の減額の特例)
第七条
使用者が厚生労働省令で定めるところにより都道府県労働局長の許可を受けたときは、次に掲げる労働者については、当該最低賃金において定める最低賃金額
から当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額により第四条の規定を適用する。
(略)
四 軽易な業務に従事する者その他の厚生労働省令で定める者
消滅時効(請求のタイミング)
- Q&A【残業代の消滅時効】
残業代が払われていません。
しかしなかなか言い出しにくいです。
退職する時にまとめて請求するということで問題ないでしょうか。
- 時効で残業代請求権が消滅することに注意するべきです。
残業代は「賃金」の一種として,消滅時効は2年となっています。
ただし,事情によっては,不法行為として3年という解釈が成り立つこともあります。
この「時効期間」をしっかりと意識する必要があります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【労働基準法】
(時効)
第百十五条
この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合において
は、時効によつて消滅する。
- 【民法】
(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第七百二十四条
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為
の時から二十年を経過したときも、同様とする。
- Q&A【消滅時効の起算点】
残業代の時効が2年だとすると,2年前のちょうど今日(の日付)の分の残業代以降が生きている,ということですか。
- 「支給日」で考えます。
消滅時効の起算点(カウントスタート)は,「請求できる時(日)」です。
残業代は,通常は,給与と一緒に支給されるルールになっています。
つまり,給与の支給日,ということになります。
「2年」を前提として例を示します。
請求日から2年前の時点をAとします。
Aよりも後に支給日があるものすべてが「生きている」(=消滅時効が完成していない)
ということになります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【時効期間が3年となる場合】
どのような場合に時効期間が2年から3年に延びるのでしょうか。
- 従業員の要請を無視して,会社側が残業時間の管理制度自体を整えない,
などの異常事態にある場合などは不法行為と認められ,消滅時効の期間は3年となります。
消滅時効制度の趣旨として,「請求できるのにしなかった」ということにより「保護を与えない」という効果が生じることになっています。
逆に言えば,「努力はしていたのに,応じてもらえなかった」という場合は,適用されない,ということになります。
ただし,賃金の消滅時効は条文として明文で規定されているので,これが適用されない,というのは異常性が特に高い場合のみ,と言えます。
2年間の消滅時効が適用されなかった裁判例(後掲)では,「従業員の勤務時間を把握する義務を会社側が怠った」というところが重視されています。
法律的には,「賃金請求権」ではなく,「不法行為による損害賠償請求権」として扱うことにより,「2年間の消滅時効」の適用を避けています。
結果的に,消滅時効の期間は3年間となります(民法724条)。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【広島高等裁判所平成19年(ネ)第172号時間外勤務手当等請求控訴事件平成19年9月4日;杉本商事事件(抜粋)】
同営業所の管理者は,控訴人を含む部下職員の勤務時間を把握し,時間外勤務については労働基準法所定の割増賃金請求手続を行わせるべき義務に違反したと認
められる。控訴人の勤務形態が変則的であるため,管理者において控訴人の勤務時間を確認することが困難であったとか,控訴人が業務とはいえない私的な居残
りをしばしば行っていたといった事情は認められない。また,被控訴人代表者においても,広島営業所に所属する従業員の出退勤時刻を把握する手段を整備して
時間外勤務の有無を現場管理者が確認できるようにするとともに,時間外勤務がある場合には,その請求が円滑に行われるような制度を整えるべき義務を怠った
と評することができる。広島営業所の管理者及び被控訴人代表者の上記の義務違反が職務上のものであることは明らかである。したがって,控訴人は,不法行為
を理由として平成15年7月15日から平成16年7月14日までの間における未払時間外勤務手当相当分を不法行為を原因として被控訴人に請求することがで
きるというべきである。
被控訴人は,前記(2)認定の時間外勤務手当については,仮に存在しても,本件提訴が平成18年7月14日であることからすれば,労働基準法115条に
よって2年の消滅時効が完成している旨の主張をする。しかしながら,本件は,不法行為に基づく損害賠償請求であって,その成立要件,時効消滅期間も異なる
から,その主張は失当である。
- Q&A【消滅時効の中断】
時効で残業代が消えて行くのは止めようがないのでしょうか。
- 労働審判,調停,訴訟などで中断されます。
通知を送るだけでも一定期間は進行が止まります。
消滅時効の進行が止まる制度を「中断」と呼んでいます。
中断事由は民法147条に定められています。
1号「請求」
訴訟提訴,労働審判申立,調停申立など,裁判所を利用した公的な手続きのことです。
口頭や書面で「支払うよう請求します」と通知をしても,「請求」には該当しません。
2号「差押え、仮差押え又は仮処分」
差押・仮差押の申立です。残業代請求については「仮処分」はありません。
3号「承認」
これは債務者,つまり会社側が「残業代請求権(債務)があることを認める」と表示することです。
具体的には,書面に書いてもらうことがあります。
交渉の一環として途中で賃金債務承認書,を調印することがあります。
なお,本人や代理人から内容証明郵便で,残業代請求の「通知書」を出すことがよく行われます。
これは,法的には「催告」と呼ばれ,6か月間だけ,消滅時効が完成しない,という効果があります(民法153条)。
具体的には,消滅時効にかかりそうな状態で弁護士が受任した場合,まず最初に急いでこの通知書を発送します。
これにより,その後交渉し,6か月経過までの間に労働審判申立などをすれば通知書の時点から時効は進んでいなかったことになります。
「通知書を受け取っていない」と会社側に主張されることがないように,記録(証拠)が残る内容証明郵便を使うのが通例です。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【民法】
(時効の中断事由)
第百四十七条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一 請求
二 差押え、仮差押え又は仮処分
三 承認
(催告)
第百五十三条 催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法
による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。
- Q&A【援用と交渉】
2年や3年以上前の分の残業代が払われることはないのでしょうか。
- 交渉により,任意に支給されることはあります。
まず,前提として,消滅時効は「援用」しないと適用されません(民法145条)。
つまり,会社側が「10年分の残業代をすべて払います」というのは自由なのです。
ただ,ストレートに自ら進んで消滅時効完成分まで支払う,ということはまずありません。
あるとすれば,交渉により,「提訴や審判申立をしない」とか「(労働基準法違反などについて)労働基準監督署への通告をしない」という会社側の要望と引き
換えに「消滅時効の援用をしない」という合意に至ることが典型例です。
ただし,実務上,現実的には,消滅時効は援用するのが大原則です。
「敢えて援用しない」というのは数としては少ないです。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【民法】
(時効の援用)
第百四十五条 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
- Q&A【在職中の残業代請求】
急いで,在職中に残業代請求をするケースはあるのでしょうか。
- 法的には制限されません。
現実にそのようなケースもあります。
法的には請求権を行使することは在籍の有無とは関係ありません。
後は,職場環境,雰囲気,気持ちの問題です。
確かに,一般的には,一緒に仕事をしている環境上,「残業代請求」は過激な感じかもしれません。
しかし,そのやり方次第で影響は大きく違います。
従業員在籍中に代理人として弁護士が残業代を請求したケースにおいて,弁護士から経営者に丁寧に制度を説明した結果,経営者が「誤解」に気付き,円満に解
決したということもありました。
むしろ,その件がきっかけとなり,会社全体でコンプライアンス(法令順守)を徹底することに発展し,多くのリスクを早期に発見・解消できた,というケース
もあります。
現在は,「権利意識」「順法精神」が尊重されています。
一昔前の「非常識」が必ずしも「非常識」ではなくなっていると感じることがよくあります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
職種別残業時間統計
- Q&A
職種によって,残業時間には傾向があるのでしょうか。
- 販売系・管理系は残業時間が少なく,営業系,IT系は多い傾向がありま
す。
販売系・管理系は約55~60%以上の方の月間の残業時間が20時間未満です。
営業系,IT系は,逆に60%以上の方の月間残業時間が20時間を超過しています。
製造系はその中間といったところです。
1つの要因として,裁量労働制が適用される職種については,会社側が「残業抑制」ということを意欲的に行わないということも関連していると思われま
す。
DODA
調べ;2010年
→代表弁護士三平聡史のブログ