HOME > 離婚(夫婦間トラブル) > 離 婚(夫婦間トラブル) Q&A【別居】

婚姻費用分担金

Q&A すぐにでも別居したいのですが,経済的に生活していけません。生活費を夫に請求できませんか。
A 請求できます。
別居中であっても,夫が生活費を入れなくなったような場合には,妻は夫に対し婚姻費用を請求することができます。
協議がまとまらないときは,調停を申し立てることになります。
婚姻費用の金額は婚姻費用算定表に基づいて算定されます。
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婚姻費用分担金と破綻原因

Q&A 私(妻)の方から出て行った場合でも夫に生活費を請求できるのでしょうか。
A 請求できます。
婚姻費用分担金(生活費)の請求は,法的に夫婦である以上は請求できるのが原則です。
Q&A 私(妻)が浮気したことが原因で別居に至りました。それでも夫に生活費を請求できるのでしょうか。
A 請求できます。
法的に夫婦である以上,つまり,離婚が成立するまでは相互に扶助義務があると考えられます。
ただし,極端に一方的に責任がある,という場合は婚姻費用分担金(生活費)の請求が否定されることもあります。
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婚姻費用分担金の調停

Q&A おそらく夫は,生活費を請求しても素直に応じるとは思えません。何か方法はありませんか。
A 協議でダメでも,調停・審判という手段が強力です。
Q&A 調停や審判は長い期間がかかってしまうのではないですか。
A スピーディーに進みます。
1~2回で決まることも多いです。
というのは,婚姻費用分担金の調停・審判では,基本的に,仲が悪くなった原因には立ち入りません。
どっちが悪い,ということを当事者が言おうとすることが多いですが,最終的には,「離婚の調停ではありません」と言ってシャットアウトされます。
双方の現時点の収入が重要なのです。公的な書類で証明しやすいのです。
Q&A 夫は調停に出てこないと思います。対策はありますか。
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婚姻費用分担金の審判

A 調停に欠席した場合,審判として裁判所が一方的に婚姻費用分担金の金額を出してくれます。
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婚姻費用分担金の強制執行

Q&A 審判で婚姻費用分担金の金額が決まっても夫が払ってくれないかもしれません。
対策はありますか。
A 給与差押などの強制執行が可能です。
民事執行法の改正により,1度申立をすると継続的に(毎月)差押をしてくれます(民事執行法151条の2第2項)。
給与差押をされる側は,会社にばれることが非常にショックです。そこまでして抵抗することはあまりありません。
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民事執行法の改正による執行強化

Q&A給与差押でもらえる金額はどの程度ですか。
A 給与から社会保険料などを控除した残額の2分の1です。
従前よりもものすごくパワーアップしました。
平成15年の民事執行法改正前は「4分の1」でした(原則)。
しかし,平成15年の改正(施行は平成16年)により,「2分の1」まで増額しました(民事執行法151条の2第1項)。
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婚姻費用分担金の起算点

Q&A婚姻費用分担金はいつからの分を夫からもらえるのでしょうか。
A 理論的には別居時点からです。審判の場合は,申立時点とされることが多いです。
審判の場合のパターンとしては,全部で次の5種類があります。
・別居時点から
・請求した時点から
・調停を申し立てた時点から
・審判言渡時点から
・審判が確定した時点から
裁判官によってどれを採用するか違うのです。
最近は調停申立時,が採用される傾向が強いです。
結局「未払分」が生じることになります。
これについては,将来離婚が成立した場合に清算されます。
「財産分与」の一環となるのです。
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離婚前の子供の引渡し

Q&A【監護権者指定】
まだ離婚していません。
別居する時,妻が子供を連れて行ってしまいました。
子供を私の方に渡すように請求できませんか。
離婚前でも,家庭裁判所に「監護権者指定の審判」を求めることができます。

離婚前は,親権は父母の共同です。
母の親権を奪うことはできません。
母に親権があるので,母が連れて行った子供を戻すように請求することはできないように思えます。
しかし,離婚前であっても「監護権者」を父母どちらかに指定する審判を家庭裁判所に申し立てることは原則的に可能です。
民法上,監護権者や親権者を指定するのは離婚の時とされています(民法766条)。
しかし,民法766条や家事審判法9条1項乙類4号を類推適用して,離婚前でも家事審判によって監護権者の指定ができると解釈されています(裁判例後掲)。
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[民法]
(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百六十六条  父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他監護について必要な事項は、その協議で定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。
2  子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の監護をすべき者を変更し、その他監護について相当な処分を命ずることができる。
3  前二項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。
[家事審判法]
第九条  家庭裁判所は、次に掲げる事項について審判を行う。
(略)
乙類
(略)
四 民法第七百六十六条第一項 又は第二項 (これらの規定を同法第七百四十九条 、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護者の指定その他子の監護に関する処分
[大阪高等裁判所昭和44年(ラ)第423号婚姻費用分担減額申立却下決定に対する即時抗告事件昭和46年4月12日(抜粋)]
別居中の夫婦間における子の監護に関する事項については、当事者間に協議が調わず、協議をすることができないときは、民法七六六条、家事審判法九条一項乙 類四号を類推適用して家事審判の対象となし得るのであるから、抗告人主張のように相手方を子の監護者とすべき事情があるとすれば、右審判の申立により解決 をはかるべきである。
[東京高等裁判所平成元年(ラ)第537号面接交渉申立認容審判に対する即時抗告申立事件平成2年2月19日(抜粋)]
少なくとも夫婦が事実上の離婚状態にある場合には,子の監護のために必要な事項を家庭裁判所が関与して定める必要性において,離婚している場合と変わると ころはなく,子の福祉のためにも民法766条を類推適用すべきであり,したがって,子を監護する者に対して,その子との面接交渉を求めたが,協議が調わな いときには,家庭裁判所の審判を求めることができると解すべきである。
Q&A【離婚前の監護権者指定を否定した裁判例】
離婚前なのに,子供の引き取り先を先に決めておくと,離婚のときの裁判と重複することにならないでしょうか。
離婚前に監護権者指定の審判を行うことを否定する裁判例もあります。

離婚前に監護権者を指定し,子の引き取り先を決めた場合,後日,離婚の際,親権者を決めることになるので,重複が生じます。
また,両親のうち片方の親権(の一部)を奪う結果となり,「共同親権の原則」(民法818条)にも反することになります。
そのため,離婚前に単独で子の監護権者を指定する,ということ自体を否定する裁判例もあります(後掲)。
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[民法]
(親権者)
第八百十八条  成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2  子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3  親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。
[高松高等裁判所平成4年(ラ)第38号監護者を定める審判に対する即時抗告事件平成4年8月7日(抜粋)]
原審判は、本件を、夫婦の不和により親権の共同行使について調整がつかない事態にあると認識し、子が相手方の許で養育されている事実に視点をおいて、抗告 人の親権の行使を抑止し、相手方だけが親権を行使できる状態を形成するために、相手方の申立てに従い相手方を監護者と定めたものであると推測されるところ であるが、前示のとおり、監護権は親権の一内容であって、離婚後において親権者でない方の親に監護権を認める場合を除いては、親権から独立して存在するも のではないから、親権者である相手方に監護権を認める趣旨の審判は法律上意味がないばかりてなく、これにより他方の親権者である抗告人の親権から監護権を 剥奪する効果を生ずるものでもない。このような申立ては「親権は、父母の婚姻中は父母共同して行う」との民法八一八条の趣旨に反するものあって許されず、 この申立てを認容した原審判もまた違法として取り消しを免れない。右のは、夫婦間に不和があり、親権の共同使が困難である場合であっても、またそれが俗に いう 実離婚状態にあるという場合であっても、別異に解すべき理由はない。けだし、離婚という明確な法律上の区切りを設けて定められた法律の規定を、事実  の状態を持ち出し右の枠をはずして適用されるべきものではなく、また、準用ないしは類推適用されるべきものでもないからである。 
Q&A【子の引渡し審判】
監護権者を私(父)に指定してもらえば,子供を引き渡してもらうことになるのでしょうか。
監護権者指定の審判とセットで子の引渡し審判も申し立てるのが通常です。

理論上,「監護」の一環(というか本質)として,物理的に手元で養育する,ということが含まれています。
監護権者に指定された親は,他方(子供を連れて出て行った妻)に対して,子供を引き渡すよう請求できます。
しかし,審判で決めざるを得ないケースでは,実質的に話し合いができなくなっているはずです。
そこで,監護権者指定の審判と一緒に子の引渡しを求める審判も申し立てると良いです。
子の引渡し審判は,家事審判法9条1項乙類4号の「その他子の監護に関する処分」の1つとされています。
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Q&A【子の引渡し;審判前の保全処分】
監護権者指定や子の引渡し審判では時間がかかるので,もっと急いでもらう方法はないのですか。
子の引渡しについて「審判前の保全処分」を申し立てることができます。

確かに,通常の審判は1~3か月程度を要することが多いです。
その間,ただ待っていると,当然子供は相手方のもとで生活を継続します。
相手方のもとでの生活環境が特に劣悪,など,通常の審判を待つことに不都合がある場合は,「審判前の保全処分」を利用すると良いです(家事審判規則52条の2)。
<審判前の保全処分が認められる場合(いずれか)>
・通常の審判を待っていた場合,権利の実現が困難になる
・関係者の急迫の危険を防止する必要がある

なお,一般的に,「保全処分」では,発令時,引き換え的に担保の提供(保証金)が必要とされています(家事審判法15条3項7号)。
しかし,子の引渡しを求める保全処分では,通常,「担保不要」と決定されています。
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[家事審判規則]
第五十二条の二 子の監護者の指定その他子の監護に関する審判の申立てがあつた場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止する ため必要があるときは、家庭裁判所は、当該審判の申立人の申立てにより、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
[家事審判法]
第十五条の三  第九条の審判の申立てがあつた場合においては、家庭裁判所は、最高裁判所の定めるところにより、仮差押え、仮処分、財産の管理者の選任その他の必要な保全処分を命ずることができる。
(略)
7  民事保全法第四条 、第十四条、第十五条及び第二十条から第二十四条までの規定は審判前の保全処分について、同法第三十三条 及び第三十四条 の規定は審判前の保全処分を取り消す審判について準用する。
[民事保全法]
(保全命令の担保)
第十四条  保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができる。
(略) 
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