著作権
- Q&A商品にキャッチフレーズを付けて売っていました。
他社が同じキャッチフレーズを使っています。
著作権違反ではないですか。
- A 原則として著作権の対象になりません。
著作物とは,思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものを言います。
ですから,商品をアピールするキャッチフレーズは,余程特殊なものでない限り,著作物には該当しないと考えられます。
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- Q&A良いデザインのポスターがあったのでこれを買って,当社のパンフレットに使っています。
後日,他社のカレンダーにこれと近いデザインが使われていました。
何か言えないのでしょうか。
- A 実際に真似があったのかどうか,によって違います。
1 他社のカレンダーのデザインが,御社の買ったデザインを真似したものの場合。
違法な「複製」になります。
御社の著作権を侵害しています。
損害賠償請求や使用の差止請求ができます。
2 たまたま似たデザインになった場合。
何ら違法ではありません。何も請求はできません。
3 最初にデザインを作ったデザイナーが2重に販売していた場合。
「著作権譲渡の登録」を先にした方が優先です。
優先した方は,他方に対し,使用差止を請求できます。
著作権譲渡の登録は文化庁で行っています。
なお,当然,1番悪いのは2重に販売したデザイナーです。
使用できなくなった方の購入者は損賠賠償請求をすることが可能となります。
著作権は無体財産権,つまり,「物理的な物」があるわけではないので,簡単に複数に販売できてしまうのです。
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個人情報保護法
- Q&A Q 名簿業者から購入した宛先にダイレクトメールを発送することは問題ありますか。
- A 原則として,個人情報取得の事実と利用目的を明記すれば問題ありません。
市販の名簿を利用すること自体は違法ではありません。
勿論,不正にリークした情報を元に作成された名簿を利用することは違法になります。
ただし,個人情報保護法18条2項で,個人情報取得の事実とその利用目的を通知することになっています。
また,今後の利用停止の要請を受け付ける連絡先を明記しておくべきです。
一般的に,送付された方は,どこで情報が渡ったのだろう,と疑問に思うこともあります。
情報源については法律上要請されていませんが,うまくダイレクトメールに盛り込むといろんな意味で良いと思われます。
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- Q&A Q 既存のお客様にパンフレットなどを送付することは違法でしょうか。
- A 承諾を取り付けておく必要があります。
具体的には,申込用紙やネット上の入力フォームに,次の例のような文章を入れておくことが1つの方法です。
「ご記入された個人情報を,当社の商品案内の送付に利用させてよろしいでしょうか □はい □いいえ」
電話で送付の承諾を取り付けることも可能です。
その場合,証拠(記録)として,データベースや顧客の台帳などに,送付の承諾(送付希望)の欄を設け,ここに記録しておくと良いでしょう。
また,実際にパンフレットなどを送付する際は,その送付物の中に,送付中止の要請をする場合の連絡先を載せておく必要もあります。
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- Q&A Q 異業種パーティーなどで名刺交換をした方に,ダイレクトメールを送付することは違法ですか。
- A 名刺交換の際に,「当社より商品のご案内をお送り致します」と言って,同意してもらっておく必要があります。
後日,お会いしたお礼のために電話して,その際,ご案内送付の断りを入れることもありましょう。
なお,先方から,営業関連の送付・連絡はしないで欲しいという要請を受けた場合は,送付等を中止して,しっかりと記録・管理しておくべきです。
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- Q&A Q 子会社をつくり,一部の事業を子会社に移しました。
親会社が持っていた顧客情報を子会社に移して,ダイレクトメールを出すことは違法でしょうか。
- A 原則として違法となります。
個人情報の第三者提供,ということになります。
適法な方法としては,親会社から顧客にダイレクトメールを出し,その中で次の例のように返信をいただくということになりましょう。
「○○社(子会社)が業務を引き継ぎました。○○社から商品のご案内を差し上げてよろしいでしょうか。□はい □いいえ」
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- Q&A
Q 特に承諾はもらっていないお客様に,年賀状・暑中見舞い・お中元・お歳暮などをお送りするのは違法でしょうか。
- A 違法ではありません。
あくまでも,社交辞令・挨拶の類と思われるからです。
ただし,送付しないよう要請を受けた方に送るのは勿論違法となります。
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個人情報保護法違反の罰則
- Q&A Q 個人情報の扱いについて違法があった場合の罰則はどのようなものでしょうか。
- A 個人除法保護法違反があった場合,是正のための勧告・命令がなされ,命令にも応じない場合は,「6か月以下の懲役または30万円以下の罰
金」という刑事罰があります。
その他,民事上の責任が生じる場合もあります。
個人情報保護法上の違反対応は,次のとおりです。
1 主務大臣の勧告
2 主務大臣の命令
3 刑事罰(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
ところで,「3」の刑事罰は,個人情報取扱事業者だけが対象です。
これは,6か月以上,5000人を超える個人情報を保有する事業者が該当します。
なお,個人情報保護法以外では,民事上の責任,つまり損害賠償責任を負うこともあり得ます。
これは,情報漏洩・情報の不正利用などにより,個別的に損害が生じた,という場合に,民法に基づいて生じる責任です。
それぞれの損害が小さいとしても,一挙に大量の情報が漏洩したようなケースでは総額として多額の責任が認められる裁判例もあります。
個人情報保護法違反も,民事上の損害賠償についても,評判を落とすリスク(レピュテーションリスク)があります。
いろんな意味で,情報管理はしっかりと行うべきです。
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賃貸住宅管理業登録
- Q&A【賃貸住宅管理業登録】
賃貸住宅管理業登録とはどのようなものでしょうか。
- 賃貸住宅管理業者の任意の公的登録制度です。
一定のルールが課せられる代わりに,「登録業者」とアピールできます。
賃貸住宅管理業者の登録制度は平成23年12月1日に始まりました(施行)。
国土交通省が運営する制度です。
賃貸住宅の管理業者が悪質な行為を行う事例が多く発生していました。
そうすると,賃借人も困りますし,管理の委託者である建物オーナーも困ります。
そこで,管理業者の不適切な行為への対策として賃貸住宅管理業登録という制度が始まったのです。
一律に規制するのではなく,登録した業者だけにルールが適用される,というものです。
その代わり,登録した業者は「登録業者」であることを表記するなどアピールできます。
登録業者のマーク(標章)もあり,掲示することになっています。
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- Q&A【登録の任意性】
当社は賃貸住宅の管理を行っております。
平成23年12月以降,国土交通省への登録をしていません。
急いで登録しなくてはならないのでしょうか。
- 登録は任意です。義務ではありません。
メリットを検討した上で登録するかしないかを考えると良いでしょう。
賃貸住宅管理業登録は任意です。
登録しないで,従前どおり賃貸住宅管理業務を行っていても法的に問題はありません。
登録業者に課されるルールは一定の作業的コストを要します。
一律に賃貸住宅管理業者全体に適用すると,規制の仕方として強過ぎることになります。
そこで,任意の登録制度として,登録業者には一定のメリットを与える,という方式が採用されました。
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- Q&A【登録対象業者】
どんな業者が登録できるのでしょうか。
- 賃貸住宅の管理を業務としている業者が登録の対象です。
ルール上,登録を受けることができるとされているのは,次の業務を行う者(個人・法人)です。
<賃貸住宅管理業登録の対象事務(いずれか)>
1 家賃,敷金,共益費,管理費の受領に係る事務
2 賃貸借契約の更新に係る事務
3 賃貸借契約の終了に係る事務
<賃貸住宅管理業登録の対象事業形態(いずれか)>
1 管理受託
貸主から委託を受けて,賃貸人に代わって賃貸住宅の管理を行う事業
2 サブリース
賃貸住宅を転貸し,自ら貸主として管理を行う事業
<賃貸住宅管理業登録の管理対象>
賃貸住宅
駐車場,業務用ビルは「住宅」ではないので対象外です。
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- Q&A【管理業務準則】
賃貸住宅管理業登録業者に適用されるルールはどんなものでしょうか。
- 賃貸住宅管理業に関する細かい部分について,不正を避けるルールが規定されています。
「賃貸住宅管理業務処理準則」によって,細かいルールが規定されています。
<賃貸住宅管理業務処理準則による規定>
従業者証明書の携帯(2条)
断定的判断,重要事項不告知,不正行為の禁止(3条)
誇大広告の禁止(4条)
貸主・借主に対する重要事項説明,書面交付など(5~11条)
契約更新時の書面交付(12条)
契約終了時の敷金精算額を書面交付(説明)(13条)
再委託(基幹事務の一括再委託)の禁止(14条)
賃貸借契約に基づかない金銭受領の通知(15条)
財産の分別管理(16条)
管理事務の定期報告(17条)
借主対する管理事務終了時の通知(18条)
帳簿の作成,保存(19条)
書類(業務等状況の報告)の閲覧(20条)
秘密の保持(21条)
従業者の研修(22条)
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- Q&A【違反への制裁】
賃貸住宅管理業登録をした業者がルールに違反するとどうなるのでしょうか。
- 国土交通省が業者に対し,指導,助言,勧告を行います。
最終的には登録抹消をすることもできます。
業務処理準則に違反があり,損害が生じた場合などは,国土交通省が指導,助言,勧告をすることができます。
この内容は公表されることもあります。
また,違反の内容次第では,賃貸住宅管理業登録が抹消されることもあります。
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- Q&A【定期的な業務状況報告】
国土交通省はどうやって各業者の運営を把握するのでしょうか。
- 個別的な通報などのほか,定期的な業務状況等の報告ルールがあります。
賃貸住宅管理業登録をした業者は,次のような報告義務があります。
<賃貸住宅管理業登録業者の報告義務>
毎事業年度終了後3か月以内に,業務状況及び財産の分別管理状況を,国土交通大臣へ報告しなければならない(賃貸住宅管理業者登録規程8条)。
この報告書には,管理戸数・棟数等の管理状況などを記載します。
なお,決算書・貸借対照表の添付は義務付けられていません。
また,毎事業年度終了後の報告については,登録を受けた後最初の事業年度が終了した時が初回の報告となります。
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- Q&A【登録の有効期間】
一旦登録すれば有効なのでしょうか。
- 登録の有効期間は5年間です。
登録の有効期間は5年とされています。
5年の期間満了時には登録の更新ができます。
更新する場合,有効期間満了日の90日前~30日前の期間に,更新登録申請をします。
更新しないままですと,満了日に登録が抹消されます。
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- Q&A【登録のメリット】
登録しようかどうか迷います。登録するとどんなメリットがあるのでしょうか。
- 登録業者であることのアピール,ということになります。
賃貸住宅管理業登録業者は徐々に増えつつあります。
登録した後は,「登録業者」としてアピールでき,かつマーク(標章)も掲示することになります。
委託を検討する見込顧客(オーナー)に,「優良業者」と伝える一環となりましょう。
オーナーにとって不利な事態が生じる可能性が低いと言えるからです。
さらに,オーナーの立場から考えると,所有物件を賃貸に出す際,「管理を委託している業者は管理業登録済みです」とアピールできます。
その結果,入居候補者としては,「重要事項説明などのルールをきちんと守る業者が管理を行っているんだ」と理解できます。
結局,入居候補者への勧誘を推進し,入居者確保につながるということになります。
このようにして,管理業者の顧客獲得の一助となるわけです。
一般的にも,仮に管理業者が不正を行い,賃借人等に損害が生じた場合,管理業者自身だけではなく,委託したオーナーにも責任が生じる場合があります。
登録業者は顧客(オーナー)に安心感を与えると言えます。
逆に,意識的に未登録業者が避けられるようになる可能性もありましょう。
特に将来的には,未登録業者の方が珍しい,となると「未登録」自体がネガティブな要素となり得ます。
<未登録業者との差別化に関するルール>
・登録業者は国土交通省から「登録番号」を付与される
・登録業者はマーク(標章)を掲示できる
・登録業者は,事業者名が公開される
・登録業者のうち,違反者は公開されることがある
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- Q&A【登録業者の安心感】
登録業者の安心感とは,具体的にどのようなものでしょうか。
- これまで社会問題となった各種管理業者の起こしたトラブルが発生しない,という期待です。
この制度が作られた経緯が,まさに「オーナーや賃借人が困るトラブル」です。
<管理業者が引き起こしたトラブルの例>
・家賃保証会社からの求償金について法外な金利が付加されている
・契約更新の拒絶をなかなか認めてくれない
・契約解除の違約金が法外な金額となっている
・賃借人への家賃取立方法が過激・厳しい
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- Q&A【登録方法】
登録を前向きに考えたいです。
登録する場合,具体的にどんな書類を提出するのでしょうか。
- 国土交通省のホームページに書類などの手続きについて掲載されています。
賃貸管理業登録の制度は国土交通省が運営します。
実際の登録事務は,各地方整備局等が行います。
ですから,申請書等は主たる事務所を管轄する各地方整備局等に提出することになります。
また,登録費用は無料です。
なお,宅地建物取引業とは直接関係がありません。
宅地建物取引業の免許がなくても,賃貸住宅管理業登録を受けることはできます。
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建設業の下請工事
- Q&A【建設業の下請工事】
建設業において,元請から下請に発注する,ということがよく行われています。
特別なルール・規制はありますか。
- A 建設業法で不公正・不透明な請負(下請)契約が規制されています。
元請と下請では,継続的に工事を発注・受注する関係が通常です。
このような関係上,元請が強く,下請が弱い立場にある,という関係になりがちです。
元請業者には,下請業者の指名権,選択権があるからです。
このような「立場の差」,つまり「優越的地位」を利用した,不当な契約が広く行われていました。
そこで,建設業法で,典型的な「不当な取引」を規定し,これを禁止するに至りました。
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不当に低い請負代金
- Q&A【不当に低い請負代金】
- →請負代金額が不当に低い請負契約は禁止されています(建設業法19条の3)。
<条文上禁止される請負金額>
「建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額」
<国土交通省のガイドラインによる説明>
「当該工事の施工地域において当該工事を施工するために一般的に必要と認められる価格」
さらに,当該ガイドラインでは,「一般的に必要と認められる金額」の内訳を次のように説明しています。
<一般的に必要と認められる金額の内訳>
・直接工事費
・間接工事費
共通仮設費
現場管理費
・一般管理費
※利潤相当額は含まない
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- 【建設業法19条の3(不当に低い請負代金の禁止)】
注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負
契約を締結してはならない。
指値発注
- Q&A【指値発注】
- →元請業者が,下請業者と協議を十分に行わず,一方的に請負代金を決めて下請契約を締結することは禁止されています。
形式的に下請契約が成立(契約書の調印など)が認められても,請負代金額について,下請業者が十分に納得していない場合は違反となります。
建設業法18条では,「対等な立場」「公正な契約」が規定されています。
なお,実際に一方的な金額決定となった場合は18条以外の条項に抵触することもあります。
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- 【建設業法18条(建設工事の請負契約の原則)】
建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。
不当な使用材料等の購入強制
- Q&A【不当な使用材料等の購入強制】
- →元請業者が下請業者に対して,使用する資材,機械器具等を指定することは禁止されています。
正確には,このような指定の結果,下請業者が損失を被った場合に違反となります。
また,資材,機械器具自体を指定しなくても,購入先を指定した場合も同様に扱われます。
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- 【建設業法19条の4(不当な使用資材等の購入強制の禁止)】
注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、こ
れらを請負人に購入させて、その利益を害してはならない。
やり直し工事
- Q&A【やり直し工事】
- →元請業者が費用負担を明確にしないままやり直し工事を下請業者に行わせることは禁止されています。
現実的な建設工事で,仕様変更などは通常あり得ます。
工事の一部が「やり直し」となることもあります。
その場合,請負契約の変更,と考えられます。
元請業者と下請業者で協議して,双方が実質的に納得して契約書に調印する必要があります(建設業法19条2項)。
元請業者が優越的地位を利用して,下請業者の費用負担となる前提でやり直し工事をさせるという場合は,この条項違反となります。
なお,同時に別の条項に抵触することもあります。
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- 【建設業法19条2項】
請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交
付しなければならない。
赤伝処理
- Q&A【赤伝処理】
- →元請業者が下請業者と合意しないまま,一定の経費を下請代金から控除することは禁止されています。
「経費分を控除する」という処理に着目して「赤伝処理」と呼ばれています。
<控除することが禁止される経費の例>
・下請代金支払に関して発生する経費(下請代金の振込手数料)
・建設廃棄物の処理費用
・駐車場代,弁当ごみ等の処理費用,安全協力会費
経費の控除(赤伝処理)は絶対的に違反となるわけではありません。
元請業者が控除額の内容(使途),根拠を十分に説明し,下請業者も十分に納得していれば別です。
その上で,下請契約において,下請業者の負担と規定した場合は,違反とはなりません。
この場合は,当然,見積書や契約書に明記されていることが大前提となります。
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支払留保
- Q&A【支払留保】
- →下請工事完了後,不当に長期間下請代金を支払わない(留保する)ことは禁止されています。
一般に,元請業者が発注元から請負代金の支払を受けた場合,その後1か月が下請業者への支払期限とされています(建設業法24条の3)。
当然,支払を受けられるのは出来高割合だけ,となります。
なお,元請業者の規模が一定以上(特定建設業者)の場合は,「1か月」の制限が「50日」に緩和(長期化)されます(建設業法24条の5)。
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- 【建設業法24条の3(下請代金の支払)】
1 元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となつた建設工事を施工した下請負人に対し
て、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から一月以内
で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。
2
元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切
な配慮をしなければならない。
質屋・古物商と即時取得
- Q&A【即時取得】
以前から盗まれたか紛失したと思っていた宝石のアクセサリーを質屋で見つけました。
きちんと証明すれば返してもらえるのでしょうか。
- A 大原則は返してもらえません。
どのようなルートをたどったか分かりませんが,アクセサリーを盗んだ人または拾った人が質屋に質入れしたという想定で考えます。
結果的に,「所有権」はあなたにはないと思われます。
民法の原則から考えると,あなたは「所有権」を誰にも渡してない(合意がない)ので,「所有権」はいつまでもあなたにあるはずです。
しかし,この原則を破るすごい例外規定があるのです。
売買でも贈与でも,「取引」において,その対象物を取得した方が裏事情(「盗品」「遺失物」ということ)を知らなかった場合は「所有権」を取得します(民
法192条)。
即時取得とか善意取得,と呼んでいます。
本来所有者ではない人が「所有権」を取得した,その結果として,本来の所有者であるあなたから「所有権」が消滅することになります(反射的効果)。
あなたは「所有者」ではないので,対象物(アクセサリー)を返すよう請求できないことになります。
ただし,これは即時取得の原則的ルールが適用された場合です。
さらに例外的なルールもあります。
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- 【民法192条(即時取得)】
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
- Q&A【盗品・遺失物の回復請求権】
私はアクセサリーを紛失した被害者です。
何とか返してもらうことはできないのでしょうか。
- A 盗難または遺失から2年間は返還請求ができます。
即時取得は非常に強力な制度です。
紛失した者が犠牲になります。
そこで,2年間限定ですが,例外的に「回復請求」ができるルールがあります(民法193条)。
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- 【民法193条(盗品又は遺失物の回復)】
前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求すること
ができる。
- Q&A【回復請求の有償・無償】
質屋にアクセサリーを返してくれるように言ったら,代金を払って欲しい,と言われました。
払わないといけないのでしょうか。
- A 紛失から1年以内であれば無償となります。それ以上の場合は有償となる可能性があります。
回復請求ができるとしてもそれが有償になるか,無償となるかはちょっと複雑です。
1 質屋が「盗んだ人または拾った人」から直接入手した場合
「無償」となります。
簡単に言えば,質屋が入手する際に,ある程度は盗品や遺失物であることを疑うべきだった,一定のリスクを負うべきだ,という考えが根底にあるのです。
2 質屋が「他の商人(店舗など)」から入手した場合
「有償」となります(原則)。
代金を支払わないと返してもらえないということです。
他の商人から入手した場合は,さすがに「元をたどると盗品かもしれない」と疑ってかかるのは不合理です。
極端に言えば,そんなことを言っていたら流通が成り立ちません。
そこで,「商人から入手した」という場合は,回復請求は有償とされています(民法194条)。
2-2 質屋特有のルール
現在の所持者が古物商,質屋の場合は特別なルールがあります。
1年以内であれば「無償」となります。
質屋が他の商人から入手した場合は,原則として回復請求は「有償」となります。
しかし,古物営業法,質屋営業法によって,「1年間」だけは「無償」とされています。
盗まれた人などをより保護する趣旨のルールです。
逆に言えば,質屋や古物商(中古品販売店)は,「商品をタダで誰かに渡すことになるかもしれない」というリスクを元々負っているということになります。
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- 【民法194条】
第百九十四条
占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、
占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
【古物営業法20条(盗品及び遺失物の回復)】
古物商が買い受け、又は交換した古物(商法 (明治三十二年法律第四十八号)第五百十九条
に規定する有価証券であるものを除く。)のうちに盗品又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物
を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。ただし、盗難
又は遺失の時から一年を経過した後においては、この限りでない。
【質屋営業法22条(盗品及び遺失物の回復)】
質屋が質物又は流質物として所持する物品が、盗品又は遺失物であつた場合においては、その質屋が当該物品を同種の物を取り扱う営業者から善意で質に取つた
場合においても、被害者又は遺失主は、質屋に対し、これを無償で回復することを求めることができる。但し、盗難又は遺失のときから一年を経過した後におい
ては、この限りでない。

ペットの即時取得
- Q&A【ペットの即時取得】
ペットを拾われた場合も,アクセサリーと同じように,「所有権」を失うのでしょうか。
- A 一般にペットとなっている動物については「所有権」を失うことはありません。
民法195条で,動物の場合にも即時取得に似ているルールが規定されています。
正式には「動物の占有による権利の取得」と言います。
条文を分析的に説明します。
3つの要件を満たすと,拾った人が「所有者」(新たな飼主)になります。
<ペットの主が新飼主に変わる場合>
1 『家畜以外の動物』
2 『占有の開始の時に善意』
飼主がいることを知らずに入手した,という意味です。
3 『1か月以内に飼主から回復の請求を受けなかったとき』
以上を学ぶと「あ,うちのネコちゃんが居なくなったら1か月以内に探し出さないと飼主が変わっちゃう」と心配になることでしょう。
でも違います。大丈夫です。
「1」の「家畜」がポイントです。
「家畜」と言うと,牧畜的なイメージがあって,猫・犬のような愛玩動物(ペット)は含まれない(=「家畜以外の動物」に該当)と思われる方が多いでしょ
う。
しかし,法律解釈はそのようになっていません。
「家畜」には,犬・猫などの一般的な愛玩動物,が含まれます。
ペットには失礼ですが,大審院(現在の最高裁)の判例ではそのようになっています(大判昭和7年2月16日)。
結論としては,「家畜以外の動物」=「野生動物」ということです。
ですから,珍獣を飼っている,という場合は,仮に拾われたら,見た目「野生動物」だから拾った人が飼主になってしまう可能性があります。
しかしその場合でも,「首輪が付いている」とか「人になついている」という場合は,「2」の「善意」に該当しなくなります。
要は「仮に珍しい動物を拾っても,その状況から,『誰か飼主がいるな』と分かるはず」ということです。
結局,この条文によって「飼主が変わる」ということはほとんどありません。
拾って飼い始め,情が湧いたペットでも,「以前の飼主」が現れたら渡さないといけない,ということです。
ペットの場合,「育ての親 より 元の親」ということになります。
仮に,家族になったペットが泣く泣く元の親に戻ってしまった,という場合は・・・
離婚時の親権問題を応用して,定期的に写真を送るとか面会するとかの解決法を推奨します。
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- 【民法195条(動物の占有による権利の取得)】
家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主か
ら回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。

