連帯保証人
- Q&A
家賃保証会社とは何ですか。
- 賃貸借契約における「保証人」を引き受けてくれる会社です。
賃借人の身内や会社の上司などの個人保証人を立てるのが通常でした。
近年は,一般的に家主の側で家賃保証会社を用意し,未払いの家賃などを保証会社が保証します。
修繕請求権
- Q&A【修繕請求権】
賃貸マンションの最上階の1室に住んでいます。
天井の一部が傷み,雨漏りがすごいです。
オーナーが修理すべきではないでしょうか。それとも私が修理すべきですか。
- オーナーに修繕義務があります。
賃貸人は,対象物(マンション)を居住に適した状態に維持する義務があります。
まさに,賃料に対応するオーナーの義務です(民法606条)。
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- 【民法606条】
1 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
2 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。
- Q&A【修繕義務の特約の有効性】
賃貸借契約書の特約で,屋根・天井の修理は借主負担,とされています。
賃借人が修理費用を負担しなくてはならないのでしょうか。
- 特約は無効と考えられます。修理費用はオーナー負担となります。
屋根・天井からの雨漏り,というトラブルは,「外部との遮断」という建物の本質的機能が欠けているものです。
建物賃貸借契約の「本質的な」内容です。
つまり,オーナーの負うべき義務の重要なものです。
そのような本質的な義務を賃借人に転嫁することは合理性を欠くと思われます。
従って,当該特約は無効と思われます。
そうすると,修繕義務の規定(民法606条)により,修理費用はオーナー負担,という結論になります。
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一部滅失による賃料減額請求権
- Q&A【賃料支払拒絶】
オーナーが雨漏りの修理工事をしてくれません。
その間,部屋の一部が使えないままです。
家賃を払わない,という対抗措置は取れますか。
- 一切払わない,というわけにはいきません。
雨漏りによって部屋の一部は使えないですが,使える部分もあるわけです。
一部でも使える以上,「全額を支払わない」ということはできません(後掲判例)。
仮に賃料を一切払わないとすると,「債務不履行」としてオーナーから解除されてしまうリスクがあります。
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- 【最高裁判所第2小法廷昭和31年(オ)第393号借地権不存在確認事件昭和34年12月4日(抜粋)】
原審が適法に確定した事実によれば、本件で問題となつた昭和二二年七月から昭和二三年六月までの間本件土地に対する上告人の使用収益が全面的に不能であつ
たものとは認められないから、上告人が右期間における賃料の支払義務を当然に免れたものということはできない。
- Q&A【賃料減額請求権】
では,今までと同じように家賃を払わないといけないのでしょうか。
- 賃料減額請求が可能です。
「賃料支払拒否」ができないからといって,全額を払うのもバランスを欠くと思えます。
このような場合は,賃料減額請求という方法を取れます。
賃料減額請求は,賃借物の「一部が」「滅失」した場合に適用されます(民法611条)。
天井からの雨漏り,については「滅失」ではありませんので直接適用されません。
しかし,機能の一部が損なわれている,という意味では「一部の滅失」と似ています。
そこで,民法611条が類推適用できると解釈されています(後掲裁判例)。
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- 【民法611条】
1 賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。
2 前項の場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。
- 【名古屋地方裁判所昭和56年(ワ)第1382号、昭和59年(ワ)第2821号家屋明渡等請求、同反訴請求事件昭和62年1月30日(抜
粋)】
右認定の事実によれば、本件建物二階部分の少なくとも三分の二が、昭和五六年九月一日以降同五八年七月末日まで原告の修繕義務の不履行により使用できない
状態にあったことが認められるところ、修繕義務の不履行が賃借人の使用収益に及ぼす障害の程度が一部にとどまる場合には、賃借人は、当然には賃料支払い義
務を免れないものの(最高裁判決昭和三四年一二月四日民集一三巻一二号一五八八頁参照)、民法六一一条一項の規定を類推して、賃借人は賃料減額請求権を有
すると解すべきである。
- Q&A【賃料減額請求権の適用事例】
賃料減額請求権がストレートに適用されるのはどのような事例ですか。
-
土地の賃貸借において,収用や区画整理,その土地の一部が使えなくなった場合が典型例です。
「一部の滅失」は,一般的に土地の賃貸借の場合に起きることがあります。
収用や区画整理で強制的に,土地の一部がオーナーの所有ではなくなった場合が典型例です。
また,対象土地の前面道路の工事や通路部分の収用などについては,「一部の滅失」に該当するかどうか,明確な判断基準はありません。
判断のポイントは,それらの要因によって実質的・永続的に対象土地が使えなくなったかどうか,というところになります。
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建物賃貸借の終了事由
- Q&A賃貸建物の明渡にはどんな種類がありますか。
- 建物賃貸借の終了事由は大きく分けて4種類あります。
<建物賃貸借の終了事由>
1 合意解除
オーナー(賃貸人),賃借人がお互いの合意のもと賃貸契約を将来的に消滅(つまり解除)することです。
2 債務不履行解除
典型例は,賃料滞納による債務不履行解除です。
3 更新拒絶
契約期間満了時に,更新をしない旨を通知することにより,契約を終了させることです。
4 解約申入
契約期間が定められていない,という場合に,解約を通知することです。
この通知から最低でも6か月以上後に契約が終了することになります。
なお,3・4については,これらの通知を出せば自動的に賃貸借契約が終了するわけではありません。
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- Q&A更新拒絶・解約申入については,どのような場合に有効なのでしょうか。
- 「正当事由」がある場合に賃貸借契約が終了します。
「正当事由」ないと契約が終了しないとされています(借地借家法28条)。
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- Q&A更新拒絶・解約申入の「正当事由」とはどのようなものでしょうか。
-
オーナー,賃借人それぞれの立場における対象建物の必要性や従前の経緯における落ち度により判断します。
「正当事由」の有無の判断,つまり,契約が終了するかどうかを判断する事情は次のとおりです。
<正当事由を判断する事情>
・オーナー,賃借人が対象建物を必要とする事情
例;他の居住場所を失ったため,対象建物を自分で使用する必要性が高い
・オーナー,賃借人に従前の経緯で何か落ち度があったかどうか
例;賃料滞納,ルール違反(ペット禁止なのに飼っていたなど),オーナーが崩れた共用階段を修繕しなかった
・明渡料の提供
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- 【借地借家法28条】
建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物
の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の
明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、
することができない。

合意解除(解約)
- Q&A現在,マンションを賃貸しています。数年居住している賃借人と話し合って,「1年後に退去する,更新な
どの延長はしない」と約束しました。
確実に退去してもらえるか心配です。
有効なのでしょうか。
- A 実質的に「更新なしの賃貸借」と解釈されると無効となります。
仮に合意しても,「賃借人に不利な特約」として無効となる可能性があるのです(借地借家法30条,借家法6条)。
例えば「1年後の期間満了時には更新しません」という約束は無効とされる可能性が高いです。
一方で,「合意解約」自体は,賃借人に不利というわけではないので有効です。
結局,「形式は合意解約でも,実質的に『更新なしの賃貸借』ということになると無効」という公式が成立するのです。
仮に「合意解約」が無効とされると,通常の賃貸借の状態となります。
つまり,特別な事情がない限り延々と更新される,ということになってしまうのです。
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- <借地借家法30条>
第三十条 この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
<借家法6条>
前7条ノ規定ニ反スル特約ニシテ賃借人ニ不利ナルモノハ之ヲ為ササルモノト看做ス
- Q&A「将来確実に退去してもらう」ためにはどうしたら良いですか。
- A 「期限付合意解約」「明渡猶予期間付合意解約」などの形式・書類をしっかりと整えれば有効となる可能性が高いです
一般的には,1~2年程度であれば,「期限付合意解約」として,有効となる可能性が高いです(後掲裁判例参照;個別的な事情で有効性が判断されているもの
もあります。一般化できない理由によるものもあります。ご注意ください)。
また,無効とされるリスクを最小限に抑えるためには,オーナー,賃借人で誤解がないようにしっかりと確認した上,書面(合意書)に調印しておくべきです。
退去期限が半年以内程度と,ごく短い場合は,↓のような「明渡猶予期間付合意解約」としておくとより有効性が確実となります。
<明渡猶予期間付合意解約>
即時賃貸借契約が終了する(合意解約)+明渡猶予期間を設定する
この場合も当然,しっかりと書面(合意書)に調印しておくべきです。
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- 【関連裁判例】
↓結論否定
東京高裁昭和49年6月27日
大阪地裁昭和42年6月24日
東京高裁昭和40年7月8日
東京高裁昭和63年6月23日
東京高裁昭和49年6月27日
京都地裁昭和40年4月22日
↓結論肯定
東京地裁昭和58年8月29日
東京地裁昭和55年8月28日
東京高裁昭和42年9月29日
東京地裁昭和41年11月11日
福岡高裁昭和39年12月22日
東京地裁平成5年7月28日
↓結論肯定(一時使用目的賃貸借として)
東京高裁昭和55年10月29日
長野地裁昭和38年5月8日
- Q&A将来明け渡してもらう内容で合意書を作った場合,その後,実際に明渡が完了するまでの間,賃料はもらえ
るのでしょうか。
- A 「期限付合意解約」であれば賃料は発生します。
「明渡猶予期間付合意解約」では賃料は発生しません。
「明渡猶予期間付合意解約」の場合,合意時点で賃貸借契約が終了します。
そこで,それ以降は賃料は発生しないのです。
「賃料」を合意書に記載してしまうと,後から,「賃貸借契約は終了していない」と主張されるリスクを残します。
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- Q&A明渡猶予期間付合意解約の場合,退去までの間はタダで貸す状態になるのでしょうか。
- A 何ら金銭の授受がないという設定も可能ですし,賃料の代わりに「損害金」の授受をすることも可能です。
「損害金」の授受は形式的には可能です。
実際にそのようなケースも結構あります。
しかし,「明渡猶予期間」が長く,従来の賃料と同額の損害金の授受があるような場合は,「実質的には賃貸借が継続している」という解釈のリスクを生じま
す。
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明渡料(立退料)相場
- Q&Aアパートなどの賃貸建物の明渡料を交渉で決める場合の相場はどのくらいですか。
- A 平均的な事例では家賃の半年~1年分くらいがヴォリュームゾーンです。
2~3年分ということも1~2割くらいあります。
非常に幅がありますし,個別事情によって大幅に違うこともあります。
参考となる基準を挙げます。
1 収用の場合
借家に対する補償内容は次のようなものです(公共用地の取得に伴う損失補償基準34条)。
・転居作業実費
・転居先の住居確保のための仲介料などの実費
・権利金その他の賃貸に係る初期費用
・家賃差額2年(最大)
2 相続税評価基準
借家権の価格の算定方法を参考にします。
(借家権価格)=(更地価格)×(借地権割合)×(借家権割合)
借地権割合は60~70%ということが多いです。
東京やその付近においては,借家権割合は30%です。
これら2つを掛け合わせると,18%~21%となります。
つまり,借家権価格は,更地価格の18%~21%という算定になることが多いのです。
3 2と不動産鑑定理論をミックス
不動産鑑定理論で採用されることが多い借家権割合は次のとおりです。
借家権割合≒30%(住宅地),40~50%(商業地)
借地権割合が60%~70%の場合で考えます。
これら2つの割合を掛け合わせたものは,18%~35%となります。
つまり,借家権価格は,更地の18~35%ということになります。
と,いろんな基準を並べましたが,結論としては決定打,はありません。
後は,具体的な交渉を経て明渡料が決まります。
ポイントは次の事項です。
「仮に居住者が立ち退かない場合に,家主として法的に明渡を実現するために要するコスト」
明渡を実現するためには,訴訟・強制執行などの手段が必要となり,時間的・金銭的・精神的コストが結構かかるものです。
このような「駆け引き」「思惑バランス」の結果として,概ね家賃半年~1年分,というあたりが多いのです。
逆に,借家人に家賃滞納などのフォルトがあるとこの「バランス」は大きく崩れます。
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- Q&A賃料滞納によって賃貸借契約を解除する場合は明渡料はどうなるのでしょうか。
- A 明渡料を支払う必要はありません。
賃借人が家賃を滞納しているのですから,当然です。
オーナーが払うのではなく,滞納家賃を賃借人が払うべきですから。
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- Q&A更新拒絶・解約申入によって退去する場合の明渡料はどのように決まるのでしょうか。
- A 裁判では,借家権価格と正当事由から計算することが多いです。
裁判所が判決を出す上で明渡料を算定するという場面は,更新拒絶・解約申入を元にした建物明渡請求訴訟の時だけです。
この算定方法について説明します。
当然,交渉によって明渡料を決める場合にも参考とされます。
明確・画一的な計算式・計算方法が確立しているわけではありません。
1 借家権価格を算定
(借家権価格)=(更地価格)×(借地権割合)×(借家権割合)
借地権割合は60~70%ということが多いです。
東京やその付近においては,借家権割合は30%です。
これら2つを掛け合わせると,18%~21%となります。
つまり,借家権価格は,更地価格の18%~21%という算定になることが多いのです。
2 正当事由の充足割合を算定(検討)
正当事由が弱い場合は,明渡料以前に,そもそも明渡が認められません。
(建物明渡請求訴訟が棄却となる)
その意味で,正当事由の審理が先行するのが実際の訴訟の運用ではあります。
正当事由については,オーナー側・賃借人側の事情を相対的に比較して「充足割合」を算定します。
例えば,次のような場合は,正当事由の充足割合は高いです。
<正当事由の充足割合が高い例>
・オーナーは,特に対象建物を戻してもらわないと困窮する状況にある(必要性高い)
居住していた所有建物が震災で倒壊した
・賃借人は,対象建物がなくてもそれほど困らない
賃借人は別に所有しているマンションに居住していて,対象建物は物置として使っている
・賃借人には,これまでの経緯で不誠実な面が多かった
賃料滞納が多数あった,ペット禁止なのに飼っていた
・オーナーには特に落ち度はなかった
この例であれば,充足割合は80%程度となると予想されます。
なお,「充足割合100%」というのはそれだけで契約終了が認められることです。
つまり,明渡料ゼロで退去しなくてはならない,ということです。
債務不履行解除,と同じことになります。
実際にも,「正当事由の充足割合100%」ということは滅多にありません。
3 明渡料を算出
(明渡料)=(借家権価格)×(100%-(正当事由の充足割合))
例えば,借家権価格が500万円,正当事由の充足割合が80%の場合は次のとおりになります。
(明渡料)=借家権価格500万円 × (100%-正当事由の充足割合80%)
=100万円
この場合,正当事由の充足割合が80%なので,「不足部分」の20%を明渡料で埋めた,ということになります。
そこで,明渡料の性質を「正当事由の補完機能」と呼ぶこともあります。
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- Q&A裁判所が明渡料を算定する場合,他に考慮する事情はありませんか。
- A 事業用物件の場合,営業損失を考慮します。
特殊な事情がある場合は,原則的な算定結果をさらに調整することがあります。
主な例は「事業用物件」の場合です。
事業用の物件の場合,次の費用が加算されることがあります。
<事業用物件の場合の明渡料加算要素>
・移転に要する物品搬送費用
・移転に際して休業するために生じる損失
つまり,営業店舗などで,退去させられると収入が途絶えるという場合です。
本来であれば営業利益を得られたはずなのに,退去により得られなくなったことになります。
勿論,移転して,移転先で営業を続ければ良いのですが,回復するまでの一定期間は収入が減少しているということになるのが一般です。
他には,保証金が異常に高い,とか,家賃が異常に低い,とか,前提事情のなかで異常なものがあれば,これらも調整要素となります。
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敷金・原状回復
- Q&Aそ
もそも敷金とは何ですか。
- A 敷金とは,賃借人が借りた家屋を明け渡すまでに生じた賃貸人に対する一切の債権を担保するものとされています。
- Q&A敷金返還請求とはどのようなものでしょうか。
- A 賃貸アパート・マンションを退去する時に,賃借人がオーナーに敷金の返還を求めることです。
アパートなどの建物を借りる(賃貸借)場合,一般に,最初に敷金を家主に支払います。
この敷金の性質は,退去時に家主が借主に返還することになっています。
ただし,本来借主が負担すべき費用が発生している場合は,その「借主負担費用」が敷金から差し引かれ,その残額が返還されることになります。
- Q&A敷金返還のトラブルとはどのようなものでしょうか。
- A オーナーが,不当に返還額を減額するケースが典型です。
アパートなどの建物を退去する時に,「借主負担費用」の内容・金額について,家主が借主に不利な内容を提示し,借主が不利なまま承諾して
しまう例が多くみられます。
例えば畳・クロス張り替えなどのリフォーム費用について,借主負担とされ,敷金からこれらのリフォーム費用が控除された結果,借主に返還されるのはごく僅
かの金額 となったり,逆に追加して借主がお金を支払うケースもみられます。
しかし,本当に借主が負担すべき費用についてはルールがあります。
そのルールのとおりに,「借主負担費用」を計算して,不当に返還額を下げられないように主張すべきです。
ルールどおりに請求した結果,当初の家主の提示よりも数十万円多く敷金が返還された例も多くあります。
- Q&Aマンションを借りて住んでいました。
退去したのですが,オーナーさんから,各種リフォーム・クリーニングなどの費用を請求されています。
契約書には「原状回復」のことは何も書いてありません。
払う必要があるのでしょうか。
- A 契約書上に書いてない場合は,原則として補修費用負担の義務はありません。
民法上「原状回復」という制度はあります(545条1項)。
一方で,家賃の支払に対応して,オーナーが維持・管理を行うという基本構造があります(民法606条)。
そこで,次のように割り振りがされます。
・「経年劣化」「自然損耗」による変化・老朽化→オーナー負担
・それ以上の「破損」→賃借人負担
例えば,故意や過失で建物や建具を破損してしまったような場合は賃借人に補修義務があります。
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- Q&A賃貸借契約書に原状回復義務のことが書いてありました。
退去の時にリフォームやクリーニング費用を支払う必要がありますか。
- A 支払義務はあります。
ただし,一定範囲の補修に限られます。
賃借人が「経年劣化」以上の補修義務を負う,とされている賃貸借契約書は多いです。
原則を修正しているので,そのような条項を「特約」と呼びます。
特約がある以上は,基本的には,そのとおりに賃借人に補修費用負担の義務があります。
しかし,重大な「例外」があります。
賃借人が十分に理解していなかった場合や特約の内容が非常に不合理な場合は特約が無効となります。
とにかく「原状回復」というと,日本語的には「新品状態に戻す」と考えてしまうでしょう。
法律的にはそのような解釈とは大きく異なります。注意が必要です。
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- Q&A原状回復の特約が無効となるのはどのような場合でしょうか。
- A 多くの裁判例で基準が作られています。
原状回復の特約の効力が争点となった判例のうち,新しいものを後掲します。
この判例も含めて,多くの裁判例の蓄積による基準をまとめてみます。
【原状回復特約の有効要件】
1 賃借人に原状回復義務を負わせる必要性・合理性がある
例;引き換えに家賃を低く設定した→有効方向
2 内容が,著しく賃借人に不利,とは言えない
例;短期間での退去でも壁紙・床・天井の全面貼り替え→無効方向
3 具体的な修繕費用の範囲が契約書などに明記されている
+ しっかりと説明した
+ 賃借人が十分に認識・了解した
例;すべて印字された定型契約書で読み合わせせずにサインだけした→無効方向
4 内容が公序良俗に反しない
例;古い建物なのに「新築同様の状態にリフォームする」→無効方向
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- 【最高裁判所 平成17年12月16日(抜粋)】
建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは,賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから,賃借人に同
義務が認められるためには,少なくとも,賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか,仮に
賃貸借契約書では明らかでない場合には,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識し,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨
の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。
- Q&A各種リフォーム費用・ハウスクリーニング費用は借主が負担する,と契約書に書いてあるのでそのとおりに
なるのではないでしょうか。
- A 契約書の条項でも,一定の場合には無効となります。
一般論としては民法よりも契約書の方が優先です。
しかし,借地借家法や消費者契約法で,借主(消費者)の利益が保護されています。
借主の利益が一方的に害される契約は無効と解釈されるのです。
また,契約書にサインや捺印があっても,「当事者(借主)はその記載内容を理解・承諾していないから合意は成立しない(有効ではない)」と判断されること
もあります。
「室内のリフォームについては賃借人の負担で行う」旨の特約の効力について争われた裁判では,何ら限定もなく借主が負担するという合意は無効である,とい
う判決が出ています(東京簡裁平成14.9.27等多数)。
負担の内容が具体的であり,かつ赤文字の記載といった強調がなされていた場合には,特約の有効性が認められる可能性があります。
最終的には,契約の内容自体が合理的か,不当か,といった視点や,本当に借主が納得した上で契約書の調印に応じているかどうかという点によりケースバイ
ケースで判断されることになります。
- Q&A原状回復特約が有効だとすると,その内容・意味はどのようなものでしょうか。
- A 日本語的は,「元に戻す」ことです。
しかし,法律的にはちょっと違ってきます。
正確には,賃借人の故意や過失,善管注意義務違反,その他通常の使用を超えるような使用による
損耗・毀損を復旧することです。
「善管注意義務」とは,「善良なる管理者の注意義務」の略で,一般的に期待される程度の注意義務のことです。
法律的な解釈は難しいところがありますが,要は「原状回復」と言っても,借主が借りた当時の状態に完全に戻すことではありません。
重要なのは,「通常の使用を超える」損耗・毀損だけが借主負担だ,ということです。
逆に「通常損耗」は家主負担であるということです。
- Q&A通常損耗とはどんなものでしょうか。
- A 普通に生活・使用している程度で生ずる損耗のことです。いわゆる経年劣化のことです。
家具設置の跡や,日照による畳や壁の変色,自然災害による破損などが,
過去の裁判で通常損耗として家主負担とされています。
- Q&A通常損耗は家主負担と解釈されるのはなぜでしょうか。
長年居住したのだから,借りた時の綺麗な内装の状態まで借主の負担で元に戻すべきではないのですか。
- A 通常損耗は,賃貸借を行う上でのコストとして家賃収入に織り込み済みと考えられています。
逆に言えば,貸す側としては,返してもらって次の人に貸す時に行うリフォームの費用のうち一定の部分は自ら(オーナー)が負担することを前提にして家賃等
の金
額を設定する必要があるのです。
- Q&A原状回復の費用の借主・家主負担は具体的にはどのように分けられるのですか。
- A 大まかに分けると次のようになります。
要は修繕・リフォームを要することが「想定の範囲内か範囲外か」と考えると分かりやすいでしょう。
賃借人が負担するもの
→借主の故意・過失によって生じた汚れやキズ
例=カビやシミの放置
オーナーが負担するもの
→通常損耗や経年変化
例=次の入居者を確保する目的で行うクリーニングやリフォーム
- Q&A原状回復の費用負担について具体的なルールはないのですか。
- A 国土交通省の出しているガイドラインはあります。
一般論としては,上記のとおり,ケースバイケースで契約内容が解釈され,原状回復費用の負担について判断されます。
そうすると,明渡の時に,家主・借主で言い分が違う(双方とも自分に有利な解釈を主張)ことが多くなります。
ですから,以前より,より具体的な基準があれば良い,と言われてきました。
そこで,平成10年に国土交通省が原状回復についてガイドラインを取りまとめています。
これはあくまでガイドラインです。賃貸借契約に特別な事情があればガイドライン通りにならないこともあります。
ただ,いずれにしても,大変参考となる基準です。
→「原
状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
- Q&A通常の使用をしていた畳やフローリングなど張替えは賃借人が費用を負担する必要がありますか。
- A 原則として負担の必要はありません。
ただし,契約書上の特約によって変わってきます。
通常の使用によって、時間が経過すれば当然生じうるような損耗や汚損を自然損耗と呼びます。
自然損耗については原則として貸主が費用を負担します。
- Q&A画鋲によって壁に小さな穴が空いています。
補修の費用は賃借人の負担ですか。
- A 自然損耗といえる範囲であれば,借主が費用を負担する必要はありません。
具体的には,ごく小さいものであれば自然損耗と考えられる傾向になります。
- Q&A借りている部屋の窓ガラスを子供が壊してしまいました。
修理費を負担しなければなりませんか。
- A 同居している家族の不注意による毀損については,借主が費用を負担しなければなりません。
- Q&A部屋を借りていますが,タバコのヤニで壁が汚れています。
クロスの貼り替えにかかる費用は借主が支払う必要がありますよね。
- A 汚れがひどいものであれば、賃借人の責めに帰すべき事由があるとして賃借人が負担すべきです。
自然損耗と考えられるような場合は貸主が費用を負担すべきです。
- Q&Aカギの交換に要する費用は借主が負担すべきですか。
- A 契約書に借主が負担すると書いてあっても,原則として退去まで紛失していなければ借主が負担します。
- Q&A契約書に違反してペット(猫)を飼っていて柱やふすまがキズだらけです。
原状回復費用の負担に関係しますか。
- A ペットによるキズや生じたハウスクリーニング費用は全額が貸主の負担となります。
さすがに,借主が契約に違反したために必要となった費用について家主が負担するとは解釈できません。
- Q&A退去時に家主が提示した敷金返還額が不当であることが分かってきました。
具体的にどうすれば良いのでしょうか。
- A まずは直接請求し,ダメなら調停や訴訟を利用すると良いでしょう。
まずは,家主に対して,(適正な金額の)敷金の返還を請求します。
請求したことを証拠として残すために内容証明郵便を用いるとベターです。
それでも家主が不当な主張を変えない(返還がなされない)場合は,民事調停や訴訟を起こすという選択肢もあります。
証拠が揃っていれば,民事調停や訴訟でも(他の一般的な紛争と比べて)それ程長期化することはありません。
弁護士や司法書士が代理人となり返還請求をすることがありますが,実際には,裁判まで至らないで,交渉段階で適正な敷金が返還されることも多いです。
- Q&A家主が変わりました。前の家主に支払った敷金はどうなるのでしょうか。
- A 前の家主の持っていた,敷金返還債務もそのまま新しい家主に引き継がれます。

解約違約金
- Q&A賃貸建物で,中途解約した場合違約金を払うことになりますか。
- A 契約書に違約金の条項があれば支払うことになります。
賃貸借契約書で,期間の中途解約の際は,1か月分の家賃を払うか,1か月前に予告する,とされていることが一般的です。
オーナーが,次の賃借人を見付ける時間的余裕を確保するためです。
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- Q&A中途解約の場合の違約金に限度はないのでしょうか。
- A 一般の居住用賃貸建物(アパート・マンション)では,家賃の1年分くらいが限度でしょう。
中途解約時の違約金が高過ぎる場合,無効とされることがあります。
限度がどのくらいかはあまり明確な基準がありません。
ちょっと前提が違う賃貸借契約で,1年分の家賃に限定して違約金を有効とした裁判例があります。
これを基に考えると,ごく一般論としては,限度としては1年程度かと思われます。
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- Q&A中途解約の場合,「残存期間」の賃料分を違約金とすることは可能でしょうか。
- A 「残存期間」が長すぎる場合は無効とされるリスクがあります。
次のような裁判例があります(後掲)。
この裁判例では1年分の家賃相当額を違約金として認めました。
<前提>
4年の契約期間,10か月経過時点で解約申入
→オーナーが残存期間3年2か月分の家賃を違約金として請求
<判決>
1年分の家賃だけを違約金として認めた
<理屈>
・違約金の設定自体は有効
↓しかし
・あまりに高いのは解除を不当に制限する + オーナーが家賃の2重取りになる
↓
・一定限度以上は無効
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- 【東京地方裁判所 平成8年8月22日(抜粋)】
一 建物賃貸借契約において一年以上二〇年以内の期間を定め、期間途中での賃借人からの解約を禁止し、期間途中での解約又は解除があった場合には、違約金
を支払う旨の約定自体は有効である。しかし、違約金の金額が高額になると、賃借人からの解約が事実上不可能になり、経済的に弱い立場にあることが多い賃借
人に著しい不利益を与えるとともに、賃貸人が早期に次の賃借人を確保した場合には事実上賃料の二重取りに近い結果になるから、諸般の事情を考慮した上で、
公序良俗に反して無効と評価される部分もあるといえる。
(中略)
以上の事実によると、解約に至った原因が被告会社側にあること、被告会社に有利な異例の契約内容になっている部分があることを考慮しても、約三年二か月分
の賃料及び共益費相当額の違約金が請求可能な約定は、賃借人である被告会社に著しく不利であり、賃借人の解約の自由を極端に制約することになるから、その
効力を全面的に認めることはできず、平成六年三月五日から一年分の賃料及び共益費相当額の限度で有効であり、その余の部分は公序良俗に反して無効と解す
る。
- Q&A中途解約の違約金はどのような事情で「限度」が決まりますか。
- A 解約の理由,賃貸借契約締結時の金額設定とその理由,当事者の認識の程度などです。
順に説明します。
1 解約の理由
賃借人側の都合,という場合は,(高めの)違約金が有効となる傾向となります。
2 賃貸借契約締結時の金額設定とその理由
例えば,本来もらうべき礼金をディスカウントする代わりとして高めの違約金を設定した,というようなケースです。
高めの違約金と引き換えに賃借人が「利益」をもらっている
↓
高めの違約金は合理性がある
↓
有効
という傾向になります。
3 当事者の認識の程度
例えば,賃借人が,契約締結時に,あまり説明をよく聞いていなかった,という場合は有効性は否定される傾向になります。
逆に,十分な説明を聞いた上,詳しくリスクを書いた書面に賃借人がサインしている,というような場合は,有効性は肯定される方向に働きます。
4 賃貸借契約の目的・用途
・居住用アパート・マンション
→賃借人の保護が強い
→高めの違約金は否定される方向
・商用の店舗・事務所
→賃借人の保護は弱い
→高めの違約金は肯定される方向
具体的事案については,以上の事情が総合的に考慮されて,違約金規定の有効性が判断されます。
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- Q&A賃貸借契約書に「中途解約の違約金」については一切記載がありません。
違約金を払う必要はないのでしょうか。
- A 理論上・形式論としては「残存期間の家賃相当額」の支払義務があります。
一般の居住用建物の場合は,現実的には1~3か月分の家賃相当額の支払が妥当かと思われます。
期間が決まっていて,その中途で解約する場合,「残存期間の家賃相当額」について損害としてオーナーに払う義務があることになります。
ただし,これはあくまでも形式論です。
実際には,あまりに重い負担は無効とされます。
仮に違約金が規定されていても,1年分の家賃額に制限した裁判例もあります。
これを元に考えると,違約金の規定がない場合は,1~3か月分の家賃相当額が妥当だと思われます。
なお,商用の店舗・事務所の場合はもっと長めで,半年~1年分の家賃相当額が妥当と考えられます。
ただし,これらはあくまでも大まかな目安です。
契約締結の経緯・金額その他の条件設定の経緯(理由)によって解釈は違ってきます。
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更新料
- Q&Aアパート・マンションの更新料は最高裁で有効とされたのでしょうか。
- A 平成23年7月15日の最高裁判決では,更新料の条項は,原則有効,と判断されました。
問題点を簡略化します。
「更新料」は,民法に書いてありません。
そうすると,「必要以上の負担」→「消費者の利益侵害」という考えもありそうです。
(消費者契約法10条,民法1条2項を簡単に言い換えました)
これに対する最高裁の判断は次の2つにまとめられます。
1 更新料には家賃(賃料)の趣旨も含まれている。
→必要以上の負担,ではない。
要は,「更新料なしだったら家賃の金額を上げていたはず」というものです。
2 賃借人(消費者)は,賃貸借契約書に更新料の金額が明記されているのを知って承諾したはず。
→賃借人(消費者)の利益侵害とは言えない。
「2」についての賃借人(入居者)からの主張を掘り下げるとこうなります。
「入居者(賃借人)は,賃貸人(オーナー)よりも立場が弱いから契約書に不利な内容が盛り込まれていてもサインせざるを得ない」
これについては,最高裁の考え方を推測含めて説明します。
・契約書に不利な内容を見つけたら,変更(削除)を申し入れれば良い
・オーナーが削除に応じなかったら,契約しなければ良い→他の物件を探せば良い
ここで,仮に,日本中のすべての賃貸アパート・マンションオーナーが,全員で示し合わせて「更新料条項は絶対に削除しないようにしよう」と取り決めれいれ
ば,入居(候補)者は,「他の物件を探せば良い」とはいきません。
しかしそのような実情はありません。
仮に本当にそのようなおもしろい状態になっていれば,独占禁止法(カルテル)などの問題になるでしょう。
従来,借地や借家の分野では,全体的に「借主保護」の傾向が強かったです(今もですが)。
そのため,この最高裁の判決も,この「借主保護精神」だけが心配でした。
でもさすがに,この「精神論」だけで更新料を一律に無効としてしまうと,逆に不合理が発生していたことでしょう。
オーナーの賃貸経営も大変なのです。苦しみもあるのです。
最高裁判決ですが,更新料を「一律に有効」と言っているわけではありません。
個別的事情によっては「無効とすることもある」と宣言しています。
想定外の判断が生じないように,賃貸借契約書を作成するときは慎重に条項を定めることが重要です。
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- 【最高裁判所 平成23年7月15日(抜粋)】
4
しかしながら,本件条項を消費者契約法10条により無効とした原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1)
更新料は,期間が満了し,賃貸借契約を更新する際に,賃借人と賃貸人との間で授受される金員である。これがいかなる性質を有するかは,賃貸借契約成立前後
の当事者双方の事情,更新料条項が成立するに至った経緯その他諸般の事情を総合考量し,具体的事実関係に即して判断されるべきであるが(最高裁昭和58年
(オ)第1289号同59年4月20日第二小法廷判決・民集38巻6号610頁参照),更新料は,賃料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常
であり,その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができることからすると,更新料は,一般に,賃料の補充ないし前払,賃貸借契約を継続する
ための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。
(2) そこで,更新料条項が,消費者契約法10条により無効とされるか否かについて検討する。
ア
消費者契約法10条は,消費者契約の条項を無効とする要件として,当該条項が,民法等の法律の公の秩序に関しない規定,すなわち任意規定の適用による場合
に比し,消費者の権利を制限し,又は消費者の義務を加重するものであることを定めるところ,ここにいう任意規定には,明文の規定のみならず,一般的な法理
等も含まれると解するのが相当である。そして,賃貸借契約は,賃貸人が物件を賃借
人に使用させることを約し,賃借人がこれに対して賃料を支払うことを約することによって効力を生ずる(民法601条)のであるから,更新料条項は,一般的
には賃貸借契約の要素を構成しない債務を特約により賃借人に負わせるという意味において,任意規定の適用による場合に比し,消費者である賃借人の義務を加
重するものに当たるというべきである。
イ
また,消費者契約法10条は,消費者契約の条項を無効とする要件として,当該条項が,民法1条2項に規定する基本原則,すなわち信義則に反して消費者の利
益を一方的に害するものであることをも定めるところ,当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは,消費者契約法の趣旨,目
的(同法1条参照)に照らし,当該条項の性質,契約が成立するに至った経緯,消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の
事情を総合考量して判断されるべきである。
更新料条項についてみると,更新料が,一般に,賃料の補充ないし前払,賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有することは,前記
(1)に説示したとおりであり,更新料の支払にはおよそ経済的合理性がないなどということはできない。また,一定の地域において,期間満了の際,賃借人が
賃貸人に対し更新料の支払をする例が少なからず存することは公知であることや,従前,裁判上の和解手続等においても,更新料条項は公序良俗に反するなどと
して,これを当然に無効とする取扱いがされてこなかったことは裁判所に顕著であることからすると,更新料条項が賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載さ
れ,賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に,賃借人と賃貸人との間に,更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉
力について,看過し得ないほどの格差が存するとみることもできない。
そうすると,賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は,更新料の額が賃料の額,賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの
特段の事情がない限り,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解す
るのが相当である。
(3)
これを本件についてみると,前記認定事実によれば,本件条項は本件契約書に一義的かつ明確に記載されているところ,その内容は,更新料の額を賃料の2か月
分とし,本件賃貸借契約が更新される期間を1年間とするものであって,上記特段の事情が存するとはいえず,これを消費者契約法10条により無効とすること
はできない。また,これまで説示したところによれば,本件条項を,借地借家法30条にいう同法第3章第1節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なもの
ということもできない。

その他の賃貸借トラブル
- Q&Aチラシでは「駅まで徒歩10分」と記載されていたので入居を申し込みました。
しかし,実際に歩くと20分もかかってしまいます。違法ではないのでしょうか。
- A 道路距離(実際に歩くことができる道路の道のりを測った距離)が,「80メートル×10=800メートル」に近くなければ、誇大広告とな
ります。
これは,「不動産の表示に関する公正競争規約」によれば、「80メートル=1分」として計算することとされてるからです。
しかし,信号などは計算に加える必要はないとされているため,多少の違いは仕方がありません。
- Q&A入居前に「重要事項説明書」を受け取っていませんし,説明すらありません。
- A これは法律違反です。
宅地建物取引業法では,仲介業者は借主予定者に対して,契約前に,物件の重要な事項について,宅地建物取引主任者が,主任者証を提示の上で,説明すること
が義務づけられているのです。
借地借家法の適用(建物賃貸)
- Q&A【借地借家法の適用(建物貸借)】
借地借家法の適用がない建物賃貸借というのはあるのでしょうか。
その場合どのように違いが出るのですか。
- 建物の賃貸借については借地借家法が適用されるのが原則です。ただし,
例外として適用されない場合もあります。適用されない場合,借地借
家法による借
主保護のルールが適用になりません。
建物の賃貸借一般に借地借家法が適用されます。
借地借家法の1条(趣旨)や26条以降(「第3章 借家」)において「建物の賃貸借」としか規定していないからです。
例外として適用されない場合としては,借地借家法の条文(26条;一時使用目的)や解釈上「建物」に該当しない,というケースが挙げられます(例は後
掲)。
借地借家法が適用される原則的ケースでは,民法上の「賃貸借」よりも借地借家法のルールが優先されます。
その結果,借主が保護されることになります。
逆に,借地借家法の適用がない場合はこれらの「借主保護」が適用されないこととなります。
この「保護」は非常に強いので,借地借家法の適用の有無自体が熾烈に争われるケースは多いです。
<借地借家法による借家人保護の例>
・契約期間は更新が原則
更新拒絶や解約申入の制限,一定の猶予期間が必要
・賃料増額には合理的な理由が必要
・契約期間は最低限で1年間
仮に1年未満だと「期限の定めなし」となる
<借地借家法の適用の有無>
・一時使用目的の建物賃貸借
→適用なし(借地借家法26条)
・公営住宅
→適用あり,ただし公営住宅法が優先される。
・公団・公社住宅
→適用あり
・社宅
→賃料などの状況によって異なる
・間貸し
→居住スペースの独立性などの状況によって異なる
・ケース貸し
→適用なし(原則)
・ウィークリー・マンスリーマンション
→適用あり,ただし定期借家契約・一時使用目的賃貸借とされていることが多い
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- 【借地借家法】
(一時使用目的の建物の賃貸借)
第四十条 この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。
一時使用目的建物賃貸借
- Q&A【一時使用目的建物賃貸借】
私は自宅を所有しています。
1年間限定の海外赴任のため,家族で家を空けます。
その間に他人に家を貸そうと思います。
借地借家法で,明渡しが困難になってしまうのでしょうか。
- 「一時使用目的賃貸借」として,借地借家法の適用はないでしょう。
借地借家法は,借主の保護が非常に強いです。
反面,オーナーは思わぬ制約を受けることがあります。
海外赴任中限定の賃貸など,仮に借地借家法の適用があると,「容易に貸せない」ということになってしまいます。
そこで,一時使用の目的であることが明らかな場合は,借地借家法のルールは適用されないことになっています(借地借家法40条(借家法8条))。
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- 【借地借家法】
第40条 この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。
【借家法】
第8条 本法ハ一時使用ノ為建物ノ賃貸借ヲ為シタルコト明ナル場合ニハ之ヲ適用セス
- Q&A【「一時使用目的」の客観面】
「一時使用の目的」ということを契約書に書いておけば借地借家法の適用は受けないのですか。
- 客観的に,「一時使用目的」であることが判断できないと,「一時使用目
的賃貸借」としては認められないこともあります。
賃貸借契約書のタイトルや条項で「一時使用(目的)」と明記していても,「一時使用目的賃貸借」としては認められないケースもあります。
その場合は,一般の賃貸借,つまり「借家」として,借地借家法が適用されることになってしまいます。
判例(後掲)に表れている判断基準は次のとおりです。
<判例上の「一時使用目的」の判断基準>
賃貸借の目的、動機、その他諸般の事情
↓
当該賃貸借契約を短期間内に限り存続させる趣旨のものであることが、客観的に判断される場合
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- 【最高裁判所第3小法廷昭和33年(オ)第208号家屋明渡請求事件昭和36年10月10日(抜粋)】
借家法八条にいわゆる一時使用のための賃貸借といえるためには必ずしもその期間の長短だけを標準として決せられるべきものではなく、賃貸借の目的、動機、
その他諸般の事情から、当該賃貸借契約を短期間内に限り存続させる趣旨のものであることが、客観的に判断される場合であればよいのであつて、その期間が一
年未満の場合でなければならないものではない。
- Q&A【一時使用目的賃貸借の典型例】
どのような場合に,「客観的に一時使用目的が明らか」と言えるのでしょうか。
- 典型例は次のようなケースです。
・オーナーが一定時期に対象物件に戻る予定がある
・賃借人が一定時期に(従前の住居に)戻る予定がある
一時使用目的の建物賃貸借として認められる典型的ケースを以下説明します。
<一時使用目的賃貸借の典型的ケース>
1 賃借人の使用目的・動機の内容が「一時的」であるケース
・賃借人が避暑・(期間限定での)療養のため,環境の良い避暑地に居住する
・賃借人が自己の建物を建築中であり,工事期間限定で仮住まいに居住する
2 敷地(利用権)の制限があるケース
・区画整理・収用により,一定期間経過後に,オーナーが敷地(利用権)を失うことが分かっている
・敷地が定期借地であり,建物オーナーは一定期間経過後に建物を解体する義務がある
3 オーナーに建物の具体的利用計画があるケース
・オーナーが海外旅行や海外赴任・地方赴任のため,「一定期間限定で」住居地を移す
・オーナーが対象建物を売却し(売買契約書調印),引渡までの猶予期間が残っている
4 裁判等による紛争解決として一定期間経過後の明渡が定められたケース
・建物明渡請求訴訟,調停などの結果,和解や調停内容として「明渡を一定期間猶予する趣旨として」賃貸借が条項化された
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- Q&A【一時使用目的が否定される典型例】
後から一時使用目的の賃貸借としては認められないケースもあるのでしょうか。
- 期間を限定する理由が,オーナーの「希望」に過ぎない場合は否定されま
す。
例えば,オーナーが将来建物を再築する計画を有している場合でも,その時期・計画が具体化していない場合は,一時使用目的としては認められない可能性が高
いです。
この場合,次のように,「動機」にまでさかのぼって詳細な事情から判断されます。
<再築計画の具体化を判断する事情>
・再築などの計画がどこまで具体化しているか
・再築の理由から考えて,必然的・必要的なものなのか
・あくまでもオーナーの希望に過ぎないのか
一時使用目的が否定される例をまとめると次のようになります。
<一時使用目的が否定される典型例>
・期間を限定する理由が,オーナーの希望に過ぎない(上記)
・裁判所の和解調書や調停調書となっているが,「一時猶予の趣旨」が明確ではない
・契約書のタイトルが「一時使用目的賃貸借契約」となっているが,期間限定の理由が明確ではない
・契約書に「将来再築するため」と明記してあるが,再築計画が具体化していない
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- Q&A【一時使用目的の判断がなされた裁判例】
一時使用目的の判断がなされた実際の裁判例はどのようなものがありますか。
- 「結婚する時期まで」という約束が「一時使用目的」に該当するか否かが
争われたケースについて,肯定・否定の裁判例があります。
いずれも古いですが,近い時期に,たまたま類似する争点についての判断(判決)がなされました(裁判例後掲)。
<裁判例の判断概要>
・結婚予定の具体化の程度が低い→「一時使用目的」否定
・婚約済み(結婚の実現可能性が高い)→「一時使用目的」肯定
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- 【東京地方裁判所昭和39年(ワ)第6385号家屋明渡請求事件昭和40年6月30日(抜粋)】
本件賃貸借契約を締結するにいたつた動機ないし主観的意図が、原告の結婚するまで特に二年間という一定期間を限つて賃貸借を存続させようとするものであつ
たとしても、原告本人尋問の結果によれば、本件賃貸借契約締結当時原告の結婚は何ら具体化していなかつたことが認められるのであつて、原告の結婚は賃貸人
である原告の意思にのみかかつている事情であり、その時期も非常に不明確で、右のような原告の主観的意思があつたからといつて、本件賃貸借が直ちに客観的
に一時使用を目的とするものであると断定することはできない。
- 【東京地方裁判所昭和42年(ワ)第762号建物明渡請求事件昭和43年9月6日(抜粋)】
原告が昭和三九年九月三日被告に対し原告所有の本件建物を賃料一ヵ月一五、〇〇〇円、期間同年九月六日から二年と定めて賃貸したこと、右賃貸借契約におい
て期間を二年限りとし更新しない旨の特約がなされたことは当事者間に争いがない。しかし、右のような特約がなされたからといって、ただちに右賃貸借が一時
使用のためのものであるということはできない。建物の賃貸借が一時使用のためのものであるというためには、その賃貸借の目的、動機その他の事情から、当事
者が賃貸借の期間を短期に限り、期間経過後は賃貸借を継続させる意思がなかったと認むべき相当の理由がある場合でなければならない。
よってこの点につき検討するに、《証拠略》によると次のような事実が認められる。
原告は、将来自己の住家に供する目的をもって昭和三九年六月頃当時新築の本件建物を買受けた。当時原告は現在の妻ひで子と婚約中であり、一、二年のうち
には同女と結婚できる見込であったが、さしあたり本件建物を空家にしておくわけにもゆかず、短期間に限りこれを第三者に賃貸しようと考え、不動産屋の仲介
により被告に対し前記のような約定でこれを賃貸した。右賃貸にあたって、原告は被告に対し右のような事情を打明け、二年後には必らず本件建物を明渡してく
れるよう申し向け、被告はこれを諒承した。原告はその後昭和四〇年三月右ひで子と結婚し、現在二児を儲け、父義雄の借家に同居中である。
右認定の事実によれば、本件賃貸借当時原告が近い将来遅くとも二年以内には本件建物を自らの住居として使用する必要性の生ずることは、相当の確実性を
もって予見され得たものであり、被告もこれを十分に諒知していたものであって、両当事者とも二年経過後は本件賃貸借を継続させる意思がなかったものと認め
るのが相当である。したがって、本件賃貸借は一時使用の賃貸借というべきである。
- Q&A【賃貸人不在中の期限付建物賃貸借】
「転勤,療養,親族介護」などの場合には,借地借家法が適用されないという規定があるのでしょうか。
- 改正前の借地借家法38条のことです。現在は,「一時使用目的賃貸借」
という形で一般化した規定となっています。
借地借家法の改正前には,「転勤,療養,親族介護その他のやむを得ない事情」がある場合に,借地借家法が適用されない,という規定がありました。
現在は,このような例示は削除され,ごく一般的に「一時使用の目的が明らか」という内容(条文)に改められています。
実質的には,改正前と同じように,「転勤,療養,親族介護」などの事情によって,建物使用期間が客観的に明らかであれば,一時使用目的賃貸借として認めら
れます。
その結果,借地借家法の適用はなくなります。
実質的には改正(変更)はない,と言えます。
むしろ,例示が削除されたことによって,適用範囲が拡がったと言えましょう。
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公営・公団・公社住宅
- Q&A【公営住宅】
公営住宅は借地借家法の適用があるのでしょうか。
- 借地借家法が適用されます。
ただし,公営住宅法に規定があるものは借地借家法よりも公営住宅法の規定が
優先されます。
公営住宅における貸主と借主の関係は,あくまでも私法上の建物賃貸借契約です。
そうすると,借地借家法(旧借家法)が適用されます(裁判例後掲)。
しかし,公営住宅法に賃料の設定についてなどのルールがあります。
借地借家法と重複した形となっています。
この場合は,公営住宅法が優先となります。
ただし,公営住宅法では借主の保護が不十分,ということもあります。
特に解約・退去要求の場面です。
この場合は,解約に正当事由を必要とするなど,公営住宅法と借地借家法の両方を適用するという判例もあります(後掲)。
結論をまとめて言えば,次のとおりです。
<まとめ>
基本的には公営住宅法が優先ではあるが,借地借家法による「借主保護」は適用される
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- 【東京地方裁判所昭和56年(ワ)第14821号建物賃料等請求事件昭和62年10月26日(抜粋)】
このように、上記説示の、法の家賃の決定、変更に関する諸規定の目的、内容、構造に照らすと、法一三条及びこれに基づく諸規定は、家賃の増減事由及び方法
について定めた借家法七条一項の特則として定められたものであることは明らかであるから、右の公営住宅の家賃の変更事由等については、専ら特別法たる法一
三条等の諸規定の適用があり、借家法七条一項の規定の適用は排除されているというべきであり、(略)
- 【最高裁判所第2小法廷昭和62年(オ)第143号建物明渡請求事件平成2年6月22日(抜粋)】
原審は、公営住宅法に基づく公営住宅の使用許可による賃貸借についても、借家法が一般法として適用され、同法一条ノ二に規定する正当の事由がある場合に
は、同条により解約の申入をすることができ、東京都営住宅条例(昭和二六年東京都条例第一一二号)二〇条一項六号は適用されないものとしたうえ、適法に確
定した事実関係の下において、同号の使用許可の取消の意思表示をその主張事実から借家法一条ノ二による解約申入とし、その正当の事由を肯認し、権利の濫用
に当たらないとして、被上告人の本件明渡請求についてこれを認容したものであって、右判断は正当として是認することができる。
- Q&A【公団住宅,公社住宅】
公団・公社住宅には借地借家法が適用されないのでしょうか。
- ストレートに,借地借家法が適用されます。
公団住宅,公社住宅とも,その制度自体を定める法律に基いて運営されています。
<根拠法>
公団住宅→旧日本住宅公団法
※現在は独立行政法人都市再生機構(UR)が運営
公社住宅→地方住宅供給公社法
これらの根拠法は運営内部のルールが定められており,入居者との間のルールは定められていません。
結局,入居者(賃借人)と所有者(事業主)との関係は,借地借家法が全面的に適用されます。
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社宅
- Q&A【社宅】
社宅に一家で住んでいます。
退職することとなった場合は,退去しなくてはならないのでしょうか。
- A 「対価支払」の有無,金額によって異なります。
社宅に居住している場合は,一般に,雇用主(会社など)との間で社宅使用契約が締結されている状態と考えられます。
仮にこの「社宅使用契約」が一般の賃貸借であれば,借地借家法が適用になり,解約(更新拒絶)は大幅に制限されます。
つまり,退職後も居住を続けられる可能性が高いです。
借地借家法の適用の有無については,判例などで多くの解釈が蓄積されています。
それらの解釈をまとめると,次のようになります。
<社宅への借地借家法の適用の有無>
・社宅使用が従業員の労務提供と密接に結びついている場合
→適用なし(判例後掲)
・社宅の提供が従業員に対する福利厚生の一環となっている場合
→適用なし(判例後掲)
・従業員が賃料相当程度の使用料を負担している
→適用あり
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- 【最高裁判所第1小法廷昭和33年(オ)第775号家屋明渡等請求事件昭和35年5月19日(抜粋)】
原判決認定の控訴人が被控訴人を雇傭している期間内に限り転貸および無償使用させる約定であるとの趣旨は、被控訴人主張のごとく雇傭と転借、使用とは互に
条件となり不可分関係に立つもので、一方が消滅すれば他方もまた消滅する趣旨すなわち解除条件附の趣旨を判示したものと解すべきものであることは、その判
文全体に照し明らかである。そして、被控訴人を解雇すべきか否かは、債務者たる控訴人の意思のみにかかつており、停止条件附法律行為の場合とは異り、これ
を無効と解すべき理由はなく、従つて、本件転貸借のように控訴人たる転借人のみの意思にかかる解雇を条件としても借家法六条にいわゆる賃借人に不利益なも
のとはいえないと解するを相当とする。
- 【最高裁判所第3小法廷昭和37年(オ)第707号家屋明渡請求事件昭和39年3月10日(抜粋)】
なお右認定せる事実関係によれば、原判決が本件家屋の使用関係は借家法の適用を受ける一般の賃貸借関係と異なり、判事の如き社宅使用に関する特殊の契約関
係であつて、上告人は昭和三四年三月三日その退職とともに右家屋を明渡す義務がある旨判示したことは正当として肯認し得られ(略)
- Q&A【社宅の使用対価における「賃料相当程度」】
どのくらいの使用料であれば,社宅にも借地借家法が適用になるのでしょうか。
- A 同レヴェルの建物における「賃料」としての相場と同程度の金額であれば借地借家法の適用があります。
一般に社宅に入居する場合,「使用料」「管理費」「社宅費(控除)」などの名目で居住者(従業員)も一定の使用対価を負担するのが通例です。
その金額によって,借地借家法の適用が認められることもあります。
借地借家法の適用を認める「賃料相当程度」の使用対価の解釈は多くの裁判例で行われています(裁判例の一例を後掲)。
近隣相場,(運営)経費などが重要な参考データとされます。
要するに,対価が一般の民間賃貸住宅と同じであれば,それに対応する保護の強さが与えられる,ということです。
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- 【東京地方裁判所平成7年(ワ)第23014号建物明渡請求事件平成9年6月23日 (抜粋)】
右認定事実に照らすと、原告が管理運営する寮の利用関係は、従業員に対する福利厚生施策の一環として、社宅等利用規程によって規律される特殊な契約関係で
あって、借地借家法の適用はないというべきである。
被告は、社宅使用と労務の提供は対価関係にあり、社宅の現物給付性と使用料等が合わせて賃料としての対価性を有し、本件寮室の使用関係は賃貸借であり、
借家法の適用を免れないと主張する。しかし、右認定事実によれば、入寮者が原告に支払っている使用料等は寮の運営経費の三分の一にも満たないものであっ
て、到底寮室使用の対価とは認められないうえ、原告と被告との間の労働契約おいて労務の提供の対価として本件寮室の使用をさせる旨の合意がなされている等
の本件寮室の使用と労務の提供が対価関係にあると認めるに足りる証拠はなく、被告の右主張は採用できない。
また、被告は、仮に賃貸借と認められないとしても、本件寮室の利用関係は使用貸借類似の利用契約、あるいは使用貸借であり、本件においては使用目的に
従った使用を終了したとはいえない旨主張する。右のとおり、入寮者の支払っている使用料等が寮室使用の対価とは認められない点からすれば、右利用関係を使
用貸借類似の契約、あるいは使用貸借と捉えることもできなくはないが、前記認定のとおり、本件寮室の利用関係は社宅等利用規程によって規律されるところ、
右規程第一二条には社宅等の明渡事由が規定されている(〈証拠略〉)から、本件寮室の利用関係の終了事由はこれによって定まるものというべきであって、被
告の右主張は採用できない。
さらに被告は、原・被告間において、現労働条件を前提とするかぎり寮の使用が認められるとの労使慣行が成立するに至った旨主張するが、前記認定のとお
り、原告は社宅等利用規程によって被告に本件寮室を使用させてきたものであり、右規定に反する労使慣行の成立を認めるに足りる証拠はない。
- Q&A【転勤・出向・転籍と社宅への居住】
転勤・出向・転籍となった場合は,社宅から退去しなくてはならないのでしょうか。
- A 転勤・転籍=退去の必要あり,出向=退去の必要なし
転勤は勤務地が変更となりますので,従前の社宅に居住する理由は失われましょう。
一般に,社宅使用のルール(契約,規約や黙示の合意)によって,転勤時には社宅を明け渡すことが取り決められているのが通例です。
このようなルールは原則的に有効です。
転籍は,従前の雇用主との雇用関係は解消されます。
社宅への入居は「従業員であること」が前提とされています。
結局,転籍した場合は社宅から退去する必要が生じます。
出向は,従前の雇用主との雇用関係は継続します。
従って,従業員であることに変わりはありません。
結局,社宅を退去する必要はないということになります。
ただし,社宅使用のルールで「出向時には退去する」となっていた場合は,原則としてこのルールは有効と考えられます。
なお,実務上は,居住環境に大きな影響を与える転勤・転籍については,従業員自身が納得していない場合は,転勤・転籍自体の有効性が問題とされることもあ
ります。
転勤・転籍等の有効性自体はまったく別の問題です。
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- Q&A【公務員宿舎】
公務員宿舎では借地借家法の適用はないのでしょうか。
- 借地借家法の適用はありません。
公務員宿舎は民間企業の社宅に相当する制度です。
しかし,公務員宿舎プロパーの法律があります。
公務員宿舎法です。
この法律によって,明渡を含む,居住に関するルールが規定されています。
代表的なものは,明渡に関するものです(18条;後掲)。
借地借家法よりも公務員宿舎法が優先されます。
結局,借地借家法の適用はないということになります。
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- 【公務員宿舎法】
(宿舎の明渡し等)
第18条 宿舎の貸与を受けた者が次の各号の一に該当することとなつた場合においては、その者(その者が第2号の規定に該当することとなつた場合には、そ
の該当することとなつた時においてその者と同居していた者)は、その該当することとなつた日から20日以内に当該宿舎を明け渡さなければならない。ただ
し、相当の事由がある場合には、その維持管理機関の承認を受けて、その該当することとなつた日から、公邸及び無料宿舎にあつては2月、有料宿舎にあつては
6月の範囲内において当該維持管理機関の指定する期間、引き続き当該宿舎を使用することができる。
1.職員でなくなつたとき。
2.死亡したとき。
3.転任、配置換、勤務する官署の移転その他これらに類する事由により当該宿舎に居住する資格を失い、又はその必要がなくなつたとき。
4.当該宿舎について国等の事務又は事業の運営の必要に基づき先順位者が生じたためその明渡しを請求されたとき。
5.国において当該宿舎につき宿舎の廃止をする必要が生じたためその明渡しを請求されたとき。

間貸し
- Q&A【間貸しと借地借家法】
親戚の子(大学生)に,私の家(戸建て)の1部屋を貸しています。
このようなケースでも借地借家法は適用されるのですか。
- 「独立性・排他性」によって決まります。
住居の一部,でも借地借家法の適用が認められたケースはあります。
借地借家法の適用があると,容易に退去を求められなくなります。
(勿論,合意によって退去するケースがほとんどなのですが,何からの主張が食い違うとこの法的解釈が表面化します)
住居の一部なので,気軽な感覚を受けがちですが,態様次第で借地借家法の適用対象になります。
判例等で多くの判断がされています(2つの裁判例について後掲)。
共通していることは,「貸している部分」の「独立性・排他性」で判断している,ということです。
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- 【最高裁判所第2小法廷昭和41年(オ)第1426号家屋明渡など請求事件昭和42年6月2日(抜粋)】
建物の一部であつても、障壁その他によつて他の部分と区画され、独占的排他的支配が可能な構造・規模を有するものは、借家法一条にいう「建物」であると
解すべきところ、原判決の引用する第一審判決の確定した事実によれば、本件建物の(イ)(ロ)部分は、それぞれ障壁によつて囲まれ独占的支配が可能な構造
を有するというのであるから、原判決が(イ)(ロ)部分の賃貸借に対抗力があると判断したことは正当であつで、所論の適法は認められない。
- 【東京地方裁判所平成2年(レ)第102号部屋明渡請求控訴事件平成3年7月26日(抜粋)】
以上によれば、本件部屋は控訴人のみが使用する専用部分であり、家主といえども勝手に立ち入ることはできない扱いとされていることから、使用上の独立性か
認められ、また、施錠可能な板戸で他の部分と区切られていること、二階の他の部屋ともそれぞれ施錠可能な板戸で区切られ、他人の居室に入らずに自室に出入
りできること、便所を除き住居として生活できる構造になっていること、その便所についても共用ではあるが一階廊下に面しており 控訴人の居室に入ることな
く使用できることからすると、効用上の独立性についても、これを認めることができる。
したがって、本件部屋は借家法の建物と評価することができ、その賃貸借契約には借家法の適用が認められる。
- Q&A【独立性・排他性の判断】
どのような場合に,独立性が認められ,借地借家法が適用されるのでしょうか。
- 「使用上」の独立性,「効用上」の独立性,の両面から判断します。
具体的な判断要素の例を挙げます。
<使用上の独立性・排他性>
・壁や扉で他のエリアと隔離されている
・扉には施錠がなされ,オーナーは自由な出入りができない
<効用上の独立性・排他性>
・入居者は,他の居室に入らずに自室に出入りできる
通行するのは共用の廊下のみ,玄関の鍵は入居者も所持している,など
・入居者は,他の居室に入らずに生活できる
トイレ・風呂が共用であり,他の居室を通らずに使用できる,など
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- Q&A【借地借家法の適用の排除】
借地借家法の適用があると,貸しにくいですし,借りる方も頼みにくいです。
お互いに「借地借家法は適用しない」という合意書を作れば良いのでしょうか。
- その合意は無効です。
以上の基準で,物理的構造・使用形態から借地借家法の適用がある場合を前提にします。
その場合,当事者間で「借地借家法の適用はお互い主張しない」という書面を作っても,無効となります。
あくまでも客観的に,「貸している部分」が,「(借地借家法における)建物」に該当するかどうか,で判断します。
借地借家法のルールよりも借主に不利なもの(ルールの適用排除が典型例)は,無効とされます(強行法規性;借地借家法30条)。
そのような場合の解決策としては,「定期借家契約」を用いることです。
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- 【借地借家法(抜粋)】
(強行規定)
第三十条 この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
(定期建物賃貸借)
第三十八条
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がな
いこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。

ケース貸し(デパ地下・スーパー)
- Q&A【ケース貸し】
当社は,食品販売をしています。
あるスーパーの1区画を借りているのです。
借地借家法は適用されるのでしょうか。
- 「独立性・排他性」によって決まります。
ごく一般的な「ケース貸し」では借地借家法の適用は認められないでしょう。
一般論として,建物の内部の一部分,であっても,借地借家法の適用対象になり得ます。
しかし,「構造上及び利用上の独立性・排他性」がない場合は,借地借家法の予定する「建物」としては認められません。
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- Q&A【独立性・排他性の判断基準】
どのような事情によって,独立性・排他性を判断するのでしょうか。
- 物理的状態,経営面でのオーナーの関与など,多くの要素を考慮します。
具体的・典型的な判断要素について,以下挙げます。
<独立性・排他性を肯定する事情>
・営業場所が障壁などによって他のエリアと区別されている
周囲に壁があれば,入口に扉がない場合でも肯定されたケースもあります。
・内装・設備の設置がテナントの責任・負担で行われている
・内装・設備が容易に移動できない
・税金・警備費用・消防費用などを各テナントが負担している
<独立性・排他性を否定する事情>
・セール情報の広告費用をオーナーが負担している
・営業に関する許認可をオーナーが得ている
・テナントからオーナーに,一定の利益歩合金を払っている
・顧客の代金支払は,オーナー管理の(総合)レヂで行っている
・オーナーの指示により,営業場所を移動することができる契約になっている
・オーナーが経営・運営方針に関与できる
従業員の審査,個別的商品の種類・品質・価格等について,オーナーが審査する,包装用紙をオーナーが指定する,など。
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- Q&A【大規模小売店舗立地法の届出】
営業の独立性について,参考となる資料はありますか。
- 大規模小売店舗立地法の届出がヒントになることもあります。
スーパー・デパートなどの規模によっては(原則として売り場面積が1000平方メートル以上),一定の事項の届出義務があります。
届出内容の1つとして,対象店舗内で小売業を営む者,も含まれます。
実際には,入居テナントのすべてを届出に入れてあるということは少ないです。
小規模なものは除外されていることが多いです。
あくまでも参考の資料になるという程度に考えるべきです。
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- Q&A【ケース貸しの典型例】
具体的に,どのような場合に借地借家法が適用されたりされなかったりするのでしょうか。
- デパ地下のように商品展示ケースエリア→借地借家法適用なし
「名店街」→借地借家法適用あり
特に重要なのは,物理的障壁,でしょう。
これがないと,原則的に独立性・排他性なし→借地借家法適用なし,となります。
<独立性・排他性なしの典型例>
・商品展示ケースだけで区切られている
・薄い板状の衝立(パーティション)だけで区切られている
<独立性・排他性なしの具体的形態>
・デパ地下の総菜売り場
・スーパーの総菜売り場
物理的障壁がある程度しっかりしていると,独立性・排他性あり→借地借家法適用あり,となります。
<独立性・排他性ありの典型例>
・4方向に「壁」がある
・オーナー(デパート・スーパーなど)とは別の看板が設置されている
<独立性・排他性ありの具体的形態>
・デパートの名店街
なお,「フードコート」については,他の要素によって判断が分かれるでしょう。
お客様が食事をする場所は共用となっています。
平均的には,「利用上の独立性」の程度が低いので,借地借家法の適用は否定される傾向にあります。
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- Q&A【ケース貸しの裁判例】
公的に判断された事例はありますか。
- 肯定・否定の結論になった裁判例があります。
1 最高裁判所昭和30年2月18日
→借家法(賃貸借)の適用 否定
<重要な事情>
・店舗の位置(部分)は賃貸人から指定された
・商品の種類・品質・価格等について賃貸人が指示していた(営業方針に干渉できた)
・安全確保等の目的で適切な指示をすることができた(防火目的など)
・賃借人が設置した設備はいずれも定着物ではなく移動しうるものに限られていた
・包装用紙も賃貸人が指定していた
・従業員は賃借人が雇用したが,その適否も賃貸人が指示できた
2 浦和地方裁判所越谷支部平成2年4月20日
→借家法の適用 否定
<重要な事情>
・オーナーが商品陳列棚を設置した
・売上の11%をテナント料として設定していた
・売り場と他のエリアとのしっかりした区切りがなかった
・顧客の代金支払は,各「売り場」ではなく,オーナー管理の「レヂ」だった
3 東京地方裁判所平成8年7月15日(後掲)
スーパーマーケット内のパン売り場
→借家法の適用 肯定
<重要な事実>
・店舗の形状であった(壁によって他のエリアと区切られていた)
・実際にオーナー側の者が店舗に出入りすることはなかった
・内装はテナントが施工した
・店舗の場所が移動することはなかった
→代表弁護士三平聡史のブログ
- 【東京地方裁判所平成6年(ワ)第1664号建物明渡請求事件平成8年7月15日(抜粋)】
2 以上認定したとおり、被告らは、本件店舗の中において原告の経営するスーパーマーケット部分とは明瞭に区画されている本件売場部分において、昭和四五
年から現在に至るまでの長年の間、場所を移動することもなく、内装工事費や設備機材費等て自己負担のうえ、独自の経営判断と計算において、自ら開発した焼
き立てパンの製造販売技術を用いて、営業を行ってきたものである。
他方、原告は、被告ローゼンベツクから一旦売上金全額の入金を受け、経理上は全額売上げとして計上したうえで、売上金の一定割合の歩合金や諸費用を控除
した残額を被告ローゼンベツクヘ支払う方式により、右歩合金等を取得するものであるが、原告は、本件売場部分での営業自体には関与していないばかりか、内
装工事費や設備費用等すら負担することもなく、まさに本件売場部分を提供することの対価として、保証金や歩合金を取得しているものである。
したがって、本件契約は、本件売場部分の使用関係に関する限り賃貸借に関する法の適用を受けるべきものと解するのが相当であって、その使用関係の終了に
ついては被告らは借家法の規定による保護を受けるベきものというべきである。
なお、本件契約にかかる契約書第二〇条には、「この契約は特定商品の販売業務の委嘱に関するものであって特定の賃貸借契約ではないから乙(被告栄喜堂)
は契約の終了にあたって損害金立退料補償等如何なる名目を問わず甲(原告)に対し金銭その他如何なる請求もすることはできない」と規定されている。しか
し、これは、右文言自体から明らかなように、契約終了の際に被告栄喜堂から金銭的請求をすることができないことを確認することに主眼のある条項であるばか
りか、借家法六条が強行規定であることから考えても、本件契約の実態に則して検討した右判断を左右するものではない。

ウィークリーマンション・マンスリーマンション
- Q&A【一時使用目的賃貸借】
マンスリーマンションやウィークリーマンションはごく一般の建物賃貸借とは違うのでしょうか。
- 借地借家法が適用にならないのが通常です。
むしろ,ウィークリーマンションやマンスリーマンションを経営している方からすれば,「借地借家法の適用を受けないように」注意する必要あります。
仮に借地借家法の適用を受けてしまうと,「賃貸期間の制限(1年以上)」や「更新拒絶・解約申入の大幅な制限」の対象となってしまいます。
ただし,一般的なウィークリー・マンスリーマンションでは,「一時使用目的賃貸借」と認められることがほとんどでしょう。
この場合は,借地借家法の適用は受けません。
「一時使用目的賃貸借」として認められるためには,単に契約書のタイトルや条項に「一時使用目的」と書いてあるだけでは不十分です。
その前提・実態として,「期間限定である」ということがハッキリするような客観的状況にある必要があります。
ウィークリー・マンスリーマンションの場合,通常はこれに該当すると思われます。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【一時使用目的賃貸借として認められない場合】
マンスリーマンションなどで,一時使用目的,として認められないことはないのでしょうか。
- トータルの入居期間が長い,などの特殊事情がある場合,一時使用目的賃
貸借にはならないこともありましょう。
一時使用目的賃貸借は,あくまでも一般の借地借家法の例外です。
例えば,更新を繰り返すとか,最初から長期の契約期間であり,数年間継続して入居している,というような場合,「一時使用の目的」とは言えない,と判断さ
れる可能性もあります。
一時使用目的ではない,となった場合は,借地借家法の適用を受けることになります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
- Q&A【定期借家契約】
状況によって借地借家法の適用を受けるリスクを負うというのを何とかして避けたいです。
どうしたら良いでしょうか。
- 定期借家契約を利用するのが確実でしょう。
平成12年の借地借家法改正によって創設された手続きです。
「更新がないこと」を書面化しておく,などの手続きを踏めば,「法定更新」が適用されなくなるというものです。
定期借家契約の場合,ルールに沿った手続きをきちんと行っておけば,「更新拒絶されず,自動的に更新される」などというコントロール不能な状態にはなりま
せん。
また,客観的な状況によって契約の解約が変わってくる,ということもありません。
確実性・安定性を得るために,ウィークリー・マンスリーマンションの契約については,「定期借家契約」を用いると非常に都合が良いです。
実際に,定期借家契約を用いる契約が実務で主流となっています。
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- Q&A【旅館業法の営業許可】
ウィークリーマンションなどは,旅館業として許認可が必要になるのですか。
- 契約期間が1か月未満の場合,旅館業法の営業許可が必要になる可能性が
高いと思われます。
通達(後掲)においては,旅館業に該当するか否かは次の要素が基準となるとしています。
<旅館業に該当するか否かの判断要素>
1 施設についての衛生上の維持管理
衛生面の維持・管理をオーナーが行っている場合は,「旅館業」に該当する方向
2 施設利用者(宿泊者)が当該部屋に生活の本拠を有しているか
生活の本拠を移してはいない(暫定的居所)場合は,「旅館業」に該当する方向
そして,通達の中では,ある事例について,「1~2週間程度という1か月に満たない短期間」ということを理由に旅館業に該当するとしています。
直接の判断ではないですが,「1か月」という契約期間(滞在期間)は旅館業に該当するか否かの目安となりましょう。
また,シーツ・寝具の交換,部屋の清掃など,「衛生上の維持管理」をオーナー・入居者のいずれが行うか,など,他の要素も関係してきます。
「契約期間」だけで決まるわけではないのでご注意下さい。
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- [通達;昭和61年3月31日付厚生省指導課長通知]
○下宿営業の範囲について
(昭和六一年三月三一日)
(衛指第四四号)
(各都道府県各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省生活衛生局指導課長通知)
旅館業法(昭和二三年法律第一三八号。以下「法」という。)第二条第五項に規定する「下宿営業」については、昭和三二年八月三日衛発第六四九号公衆衛生局
長通知第一(四)により、「なお、いわゆるアパート、間貸し等のように一時的又は比較的短期間の止宿のための施設と通常目されないものは法第二条第五項の
下宿には該当しないものであること」として、下宿営業に該当するか否かの判断についての例示がなされている。しかしながら、これまでの運用において下宿営
業と貸室業との区別が必ずしも十分ではなかつたため、本来下宿営業の許可の対象とならない施設についても許可が求められている事例も見受けられるとの指摘
がなされている。
「下宿営業」とは、法第二条第五項に定義するとおり、「人を宿泊させる営業」であつて、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けるものをいうが、「人を宿
泊させる営業」という旅館業の営業の本質においては、他の旅館業の営業と相違はないものである。
ここで、「人を宿泊させる営業」とは、アパート、間貸し等の貸室業との関連でみると、
一 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること。
二 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として、営業しているものであること。
の二点を条件として有するものであり、これは下宿営業についても同様である。このような観点からみると、例えば、いわゆる学生下宿は、部屋の管理が専ら学
生に委ねられており、しかも、学生がそこに生活の本拠を置くことを予定していることから、営業の許可の対象とはならないものである。
今後とも、以上の観点から、許可の要否につき判断されたい。
(付記)
一について
法は、営業者がその営業施設の構造設備についてのみならず、施設の管理面についても責任を負うことを前提として必要な規制を行つている。このため、法第四
条は、営業者に宿泊者の衛生に必要な措置を講じることを義務づけており、施設についての衛生上の維持管理は営業者において行うことを予定している。この点
において、室内の管理が間借り人に全面的に委ねられている間貸し等と根本的に異なるのである。
二について
旅館業においては、その営業施設が社会性を有する形で、一般大衆に利用されるものであるからこそ、公衆衛生又は善良の風俗の維持の観点から必要な規制を行
うのである。従つて、宿泊者に生活の本拠を与えることを予定したアパートのような形の営業形態は、個々人の生活の集積に過ぎず、少なくとも現行の旅館業法
による規制は予定しないものである。
なお、いわゆる「ホテル住まい」として、他に生活の本拠を有さない者が、長期間ホテル等に滞在する場合等においては、その者は、そこに生活の本拠があると
認められることもあろうが、営業全体としてはそうした形態を予定していない場合、当然、前記二に該当することとなる。
- [通達;昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知]
○旅館業法運用上の疑義について
(昭和六三年一月二九日)
(衛指第二三号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生部(局)長あて厚生省生活衛生局指導課長通知)
標記について、東京都衛生局環境衛生部長より照会〔別添1〕があり、〔別添2〕のとおり回答したので、通知する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔別添1〕
(昭和六二年一二月二五日 六二衛環第七二七号)
(厚生省生活衛生局指導課長あて東京都衛生局環境衛生部長照会)
近年、社会需要の多様化に伴つて、新たな営業形態を持つ施設が出現しており、本件もいわゆるウィークリーマンションと称する短期宿泊賃貸マンションとでも
いうべき施設で、旅館業と貸室業の中間的な営業形態をもつものと考えられます。
旅館業法の運用にあたつては、昭和六十一年三月三十一日付衛指第四四号厚生省生活衛生局指導課長通知が示されているところですが、本件の旅館業法上の取り
扱いについて疑義が生じたため、至急ご回答願います。
(施設の状況及び管理等)
1 施設は既存のアパート、マンションの空室又は専用に建築した室を賃貸する。
2 利用日数の単位は、一週以上とし最長制限の定めはないが、実態としては一~二週間の短期利用者が大半である。
3 利用者は手付金を支払つて予約し、入居時までに物品保証金及び利用料等を支払い賃貸契約を締結した上、入居する。
4 客室には日常生活に必要な設備(調理設備、冷蔵庫、テレビ、浴室、寝具類等)が完備している。
5 室内への電話器、家具等の持ち込みは禁止している。
6 利用期間中における室内の清掃等の維持管理は、全て利用者が行う。
7 シーツ、枕カバーの取り換え、浴衣の提供等リネンサービスは行わない。
なお、利用者からの依頼があれば請け負い会社を斡旋する。
8 食事は提供しない。
9 光熱水費は各個メーターで契約解除時に別途清算する。
10 本施設の利用者は、主として会社の短期出張者、研修生、受験生等である。
(質問点)
昭和六十一年三月三十一日付、厚生省指導課長通知によれば、旅館業法にいう「人を宿泊させる営業」とは、
1 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること
2 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること
の二点を条件として有するものであるとされている。
本施設を、この二条件に照らして判断すると、
1 契約上、利用期間中の室内の清掃等の維持管理は利用者が行うこととされているが、一~二週間程度という一月に満たない短期間のうちに、会社の出張、研
修、受験等の特定の目的で不特定多数の利用者が反復して利用するものであること等、施設の管理・経営形態を総体的にみると、利用者交替時の室内の清掃・寝
具類の管理等、施設の衛生管理の基本的な部分はなお営業者の責任において確保されていると見るべきものであることから、本施設の衛生上の維持管理責任は、
社会通念上、営業者にあるとみられる。
2 また、生活の本拠の有無についても、利用の期間、目的等からみて、本施設には利用者の生活の本拠はないとみられる。
前記より、本施設を、旅館業法の適用対象施設として取り扱うのが相当と考えるが如何。
〔別添2〕
(昭和六三年一月二九日 衛指第二三号)
(東京都衛生局環境衛生部長あて厚生省生活衛生局指導課長回答)
昭和六十二年十二月二十五日付け六二衛環環第七二七号をもつて照会のあつた件について、左記のとおり回答する。
記
近年、いわゆるウィークリーマンションをはじめとして、新しい形態の旅館業類似営業がみられるが、これらが旅館業法にいう「人を宿泊させる営業」に該当す
るか否かは、公衆衛生その他旅館業法の目的に照らし、総合的に判断すべきものであることはいうまでもない。照会の施設については、貴見の通り、旅館業法の
適用対象施設として取り扱つてさしつかえない。

終身借家契約
- Q&A【終身借家契約】
当社では,高齢者向けに,安否確認などのサービスを付けた住宅を賃貸する事業を考えています。
やはり賃貸となると,借地借家法の適用を受けてしまうのでしょうか。
- 終身借家契約であれば,借地借家法の適用を受けません。
終身借家契約とは,文字どおり「終身」,つまり,賃借人が亡くなった時に終了する賃貸借契約です。
このような不確定である期限(期間)は,借地借家法に抵触すると思われます。
そこで,従来は「終身」という期間の賃貸借契約がなされることは通常なされませんでした。
しかし,「高齢者の居住の安定確保に関する法律」によって「終身借家契約」が正面から規定されました。
この法律は,略して,「高齢者住まい法」とか「高齢者住居法」とか呼ばれています。
終身借家権は,高齢者に良好な居住環境を提供するという政策の一環として創設されました。
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- Q&A【終身借家契約の条件】
どうしたら「終身借家契約」を利用できるのでしょうか。
- 都道府県知事の認可が必要です。
高齢者向けの住宅供給,という政策的な配慮から,借地借家法の例外が定められています。
そのような経緯から,高齢者の居住に適した住環境であること,が大前提となっています。
事業者は,個別的に,都道府県知事の認可を受ける必要があります(高齢者住まい法52条~)。
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- [高齢者住まい法]
(事業の認可及び借地借家法の特例)
第五十二条 自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(六十歳以上の者であって、賃借人となる者以外に同居する者がないもの又は同居する者が配偶者若しく
は六十歳以上の親族(配偶者を除く。以下この章において同じ。)であるものに限る。以下この章において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者を賃借
人とし、当該賃借人の終身にわたって住宅を賃貸する事業を行おうとする者(以下「終身賃貸事業者」という。)は、当該事業について都道府県知事(機構又は
都道府県が終身賃貸事業者である場合にあっては、国土交通大臣。以下この章において同じ。)の認可を受けた場合においては、公正証書による等書面によって
契約をするときに限り、借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十条の規定にかかわらず、当該事業に係る建物の賃貸借(一戸の賃貸住宅の賃借人が二人以上
であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)について、賃借人が死亡した時に終了する旨を定めることができる。
- Q&A【終身借家契約の認可要件】
どのような環境を整えれば認可がもらえるのでしょうか。
- 事業者自身の資力,バリアフリーなど住居の性能基準などがあります。
特に,特殊な認可要件はありません。
以下,代表的なものを示します。
<資力>
終身賃貸事業の事業者が,事業遂行に問題がないと言える程度の資力が必要とされます。
<住居の性能>
・バリアフリー構造
・床面積,廊下の幅,居室の出入口の幅,浴室の大きさなどについて一定の基準を満たす
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- [高齢者住まい法]
(認可の基準)
第五十四条 都道府県知事は、第五十二条の認可の申請があった場合において、当該申請に係る事業が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、同条の認可をすることができる。
一 賃貸住宅が、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 賃貸住宅の規模及び設備(加齢対応構造等であるものを除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
ロ 賃貸住宅の加齢対応構造等が、段差のない床、浴室等の手すり、介助用の車椅子で移動できる幅の廊下その他の加齢に伴って生ずる高齢者の身体の機能
の低下を補い高齢者が日常生活を支障なく営むために必要な構造及び設備の基準として国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
(略)
- Q&A【一般個人の認可】
そこまで大規模ではなく,個人が1つの建物について終身借家契約をすることはできますか。
- 個人で小規模でも認可されます。
終身借家権(契約)の事業者は,特に「大規模」であったり「法人」であるという限定はありません。
個人で認可を取られている方もいらっしゃいます。
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期間付き死亡時終了建物賃貸借
- Q&A【期間付き死亡時終了建物賃貸借】
「終身」つまり亡くなった時まで,とすると想定外に長くなることもあると思います。
「終身」と同時に「10年」などの期間も併用することはできますか。
- 「終身」と通常の期間を併用することも可能です。
具体的な内容としては,「賃借人が亡くなった時」と「規定した期間(例=10年間)の経過」の早い方で賃貸借が終了する,ということです。
通常の「終身借家契約」よりも,賃借人に不利(制限が大きい)です。
そこで,「期間付き死亡時終了建物賃貸借契約」は,賃借人から「特に申出があった場合」にだけ締結することができるとされています(高齢者住まい法57条)
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- [高齢者住まい法]
(期間付死亡時終了建物賃貸借)
第五十七条 第五十二条の認可(前条第一項の変更の認可を含む。以下「事業の認可」という。)を受けた終身賃貸事業者(以下「認可事業者」という。)は、
当該事業の認可に係る賃貸住宅(以下「認可住宅」という。)において、第五十四条第二号及び第三号の規定にかかわらず、賃借人となろうとする者(一戸の認
可住宅の賃借人となろうとする者が二人以上であるときは、当該賃借人となろうとする者の全て)から特に申出があった場合においては、公正証書による等書面
によって契約をする建物の賃貸借(一戸の認可住宅の賃借人が二人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)であって借地借家法第三十八条第
一項の規定により契約の更新がないこととする旨が定められた期間の定めがあり、かつ、賃借人が死亡した時に終了するもの(以下「期間付死亡時終了建物賃貸
借」という。)をすることができる。
サービス付き高齢者向け住宅
- Q&A【サービス付き高齢者向け住宅】
高齢者向けの賃貸住宅を事業として行う場合,許認可はあるのでしょうか。
- 登録制度が複雑だったので,「サービス付き高齢者向け住宅」に1本化されました。
従来は,高齢者向けの住宅が,3つの類型に分かれており,複雑でした。
平成23年10月20日から,これが1本化され「サービス付き高齢者向け住宅」となりました(登録制度がスタート)。
<従前>
高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)
高齢者専用賃貸住宅(高専賃)
高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)
↓
<平成23年10月20日~>
サービス付き高齢者向け住宅
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- Q&A【サービス付き高齢者向け住宅の登録基準】
どのようにすればサービス付き高齢者向け住宅として登録できるのでしょうか。
- 一定の規模,バリアフリー,サービスについて基準が定められています。
主な登録基準は次のとおりです。
<登録基準の概要>
・居室の床面積が25平方メートル以上
・バリアフリー構造
・一定のサービス
安否確認,生活相談など
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- Q&A【サービス付き高齢者向け住宅の優遇措置】
サービス付き高齢者向け住宅として登録すると,どのような特典が受けられますか。
- 費用の補助,税金・融資の優遇措置が受けられます。
主な優遇措置は次のとおりです。
<優遇措置の概要>
・建設・改修費の直接補助
・課税面での優遇措置
・融資要件の緩和
土地利用を考える土地オーナーにとっては時代の追い風と言えるでしょう。
土地活用の有力な選択肢となっています。
また,投資としても,1つの手段となっています。
実際に,土地取得を含めた投資金額が1億円未満で設定したスキームを遂行している実例もございます。
海外では,例えばヨーロッパには,リタイアしたミュージシャンが集まって暮らす住宅(コミュニティ)があります。
日本でも,老後の生活を充実させる,という夢のある事業が促進されると期待されています。
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