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不動産登記 Q&A【不動産登記の基礎知識】

基礎知識

Q&A 不動産登記はどのような制度ですか。
A 不動産に関する権利関係を公示することによって,取引をする人が分かりやすく安心できるようにするものです。
Q&A どのようなものが不動産登記の対象でしょうか。
A 土地・建物です。
Q&A 不動産以外は権利関係を記録する制度はないのですか。
A 次のような登記があります。
1 法人登記
株式会社,合名・合資・合同会社,社団法人,財団法人などの組織に関する情報を登記する制度です。
2 成年後見登記
判断能力が十分でないお年寄りの方や,精神上の障害により生活に支障をきたす方が,財産侵害を受けたり,人間としての尊厳が損なわれたりすることが ないように,法律面や生活面で支援する制度です。
3 債権譲渡登記
会社などの法人がする金銭債権の譲渡や金銭債権を目的とする質権の設定について,その内容を登記することにより,債務者以外の第三者に対し自己の権 利を主張するための制度です。
4 動産譲渡登記
会社などの法人がする動産の譲渡について,その内容を登記することにより,債務者以外の第三者に対し自己の権利を主張するための制度です。
5 船舶登記
船舶に関する私法上の権利を公示し,取引関係の保護を目的としている制度です。総トン数20トン以上の船舶は,登記によりその私法上の権利を公示し なければなりません。
6 工場抵当登記
工場の土地・建物だけではなく,設置されている機械類もまとめて抵当権を設定する場合に登記します。

申請手続

Q&A 登記ってどのように行うのですか。
A 申請書を作成し,法律で決められた書類を添えて,必要な印紙を貼付して管轄の法務局に提出します。
細かいルールがあり,少しでもミスがあると,登記されない(補正や却下)ということがあります。
例えば不動産売買では,大きなお金が動いた後に却下ということになると深刻なトラブルに発展することもあります。
Q&A 登記申請は本人でもできるのですか。
A もちろんご本人からの申請は可能です。
ただし,小さなミスで大きなトラブルに発展することもあります。
実際には,司法書士が代理人として申請することがほとんどです。
Q&A 登記手続きが完了するまでどのくらい時間がかかるのですか。
A 法務局の混み具合によって変わります。通常は1週間前後ということが多いです。
なお,この期間は,登記申請を行った後のことです。
書類が揃っていない場合,登記申請までに,事務所で書類を収集するために一定の期間を要することになります。
書類が揃っていれば当日や翌日に申請することも可能な場合があります。
Q&A 登記は必ずしないといけないのですか。
A 不動産登記は義務ではありません。
不動産登記をしなくて困るとしたら,権利者(所有者)です。
法律上は登記をするかしないかは権利者の自由,となっています。
実際には,相続の場合は登記しないまま長期間が経過している登記をよく見ます。
売買の場合は,代金と交換で登記をすぐに行うのが常識となっています。
相続についても早めに登記をしておく方が良いです。
そうしないと,将来,誰の所有物か分からなくなって相続人(2代以上先も含めて)同士でトラブルになることもあります。
なお,商業登記は登記が義務で,罰則も規定されています。
Q&A 親が亡くなり,土地を相続しました。どうしたらよいですか。
A 相続による所有権移転登記をするべきです。
法律上義務はなく,期限もありません。
しかし,長期間に放置しますと,代が変わったりして権利関係のトラブルになる可能性があります。
一旦トラブルになると解決が困難になったり,時間・費用・エネルギーを要することがあります。
早めに登記を行うことをお勧めします。

登録免許税

Q&A 不動産の登記に必要な印紙はどのように決まっていますか。
A 登録免許税額は細かく規定されています。

<平成23年6月30日現在の法令等に基づきます>

1 不動産の登記(主なもの)

(1)土地の所有権の移転登記
内容 課税標準 税率 特例税率
売買 不動産の価額 1,000分の20 平成23年4月1日から平成24年3月31日まで1,000分の13
平成24年4月1日から平成25年3月31日まで1,000分の15
相続、法人の合併又は共有物の分割 不動産の価額 1,000分の4 適用なし
その他
(贈与・交換・収用・競売等)
不動産の価額 1,000分の20 一定の場合に税率が軽減される場合があります。
(2)建物の登記
内容 課税標準 税率 特例税率
住宅用家屋の所有権の保存 不動産の価額 1,000分の4 個人が、住宅用家屋を新築又は取得し自己の居住の用に供した場合については「(3)住宅用家屋の軽減税率」を参照してくださ い。
売買又は競売による所有権の移転 不動産の価額 1,000分の20 同上
相続又は法人の合併による所有権の移転 不動産の価額 1,000分の4 適用なし
その他の所有権の移転(贈与・交換・収用等) 不動産の価額 1,000分の20 一定の場合に税率が軽減される場合があります。
(3)住宅用家屋の軽減税率
項目 内容 軽減税率 備考
1住 宅用家屋の所有権の保存登記 個人が、平成25年3月31日までの間に住宅用家屋を新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋を取得して、自己の居住 の用に供した場合の保存登記 1,000分の1.5 登記申請に当たって、その住宅の所在する市町村等の証明書を添付する必要があります。
2住 宅用家屋の所有権の移転登記 個人が、平成25年3月31日までの間に住宅用家屋を取得(売買及び競落に限ります。)し、自己の居住の用に供した場合の移 転登記 1,000分の3 同上
3特 定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等 個人が、平成24年3月31日までの間に認定長期優良住宅で住宅用家屋に該当するものを新築又は建築後使用されたことのない 認定長期優良住宅で住宅用家屋に該当するものを取得して、自己の居住の用に供した場合の保存又は移転登記 1,000分の1 同上
4住 宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記 個人が、平成25年3月31日までの間に住宅用家屋の新築(増築を含む。)又は住宅用家屋を取得し、自己の居住の用に供した 場合において、これらの住宅用家屋の新築若しくは取得をするための資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記 1,000分の1 同上

(注)上記の軽減税率の適用を受けるには、床面積が50㎡以上であることや、新築又は取得後1年以内の登 記であること等一定の要件を満たす必要があります。

2 会社の商業登記等(主なもの)

項目 内容 課税標準 税率
設立登記 合名会社又は合資会社 申請件数 1件につき6万円
株式会社 資本金の額 1,000分の7
(15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円)
合同会社 資本金の額 1,000分の7
(6万円に満たない時は、申請件数1件につき6万円)
株式会社又は合同会社の資本金の増加の登記   増加した資本金の額 1,000分の7
(3万円に満たない時は、申請件数1件につき3万円)
合併、組織変更等の登記 合併又は組織変更若しくは種類の変更による株式会社、合同会社の設立又は合併による株式会社、合同会社の資本金の増加の登記 資本金の額、増加した資本金の額 1,000分の1.5
(合併により消滅した会社又は組織変更若しくは種類の変更をした会社の当該合併又は組織変更若しくは種類の変更の直前における資本金の額として一定のもの を超える資本金の額に対応する部分については1,000分の7)
(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円)
分割による株式会社、合同会社の設立又は分割による株式会社、合同会社の資本金の増加の登記 資本金の額、増加した資本金の額 1,000分の7
(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円)
支店の設置の登記   支店の数 1箇所につき6万円
本店又は支店の移転の登記   本店又は支店の数 1箇所につき3万円
取締役又は代表取締役若しくは監査役等に関する事項の変更の登記   申請件数 1件につき3万円
(資本金の額が1億円以下の会社については1万円)
支配人、取締役等の職務代行者選任の登記 支配人の選任又は代理権の消滅、取締役又は代表取締役若しくは監査役等の職務代行者の選任の登記 申請件数 1件につき3万円
登記事項の変更、消滅若しくは廃止の登記   申請件数 1件につき3万円
登記の更正又は抹消登記   申請件数 1件につき2万円
支店における登記 一般の場合 申請件数 1件につき9,000円
ただし、登記が「取締役又は代表取締役若しくは監査役等に関する事項の変更」に該当するもののみであり、資本金の額が1億円以下の会社が申請者である場合 には6,000円
登記の更正又は抹消登記 申請件数 1件につき6,000円

3 個人の商業登記

項目 内容 課税標準 税率
商号の登記 商号の新設又は取得による変更の登記 申請件数 1件につき3万円
支配人の登記 支配人の選任又はその代理権の消滅の登記 申請件数 1件につき3万円
未成年者等の営業登記 未成年者の営業登記又は後見人の営業登記 申請件数 1件につき
1万8,000円
商号の廃止、更正、変更、消滅の登記又は抹消登記   申請件数 1件につき
6,000円

具体例

Q&A税務署から,共有持分更正の登記,をするようにと言われました。どのような意味なのでしょうか。
A おそらく,購入代金の出資割合と登記の持分割合に差があるのでしょう。
  更正登記を行わないと贈与税が課せられることがあります。
出資割合と登記上の持分割合が異なる場合,その「差額」について,現金の贈与があったとみなされます。
そのままですと,贈与税が課せられることになります。
→代表弁護士三平聡史のブログ
Q&A不動産を共有として購入して「差額」が生じてしまった場合に,贈与税の課税を避ける方法はありますか。
A 一定の要件を満たせば,回避の措置が取れます。
登記を戻す,「更正登記」を行えば,贈与税の課税をされずに済みます。
ただし,タイムリミットは次のとおりです。

【贈与税を避ける要件】
・当初の登記(購入)と更正登記が同年中
・贈与税の申告期限より前に更正登記が行われた

さらに注意点として,更正登記は「錯誤」による登記にする必要があります。
これがないと,「新たに共有持分を移転した」とみられ,さらに贈与税が課せられるということになることがあります。
「錯誤」を原因として明記しておけば,当初の登記を修正した,ということがハッキリするのです。
代表弁護士三平聡史のブログ
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