1 鑑定をした医師への懲戒申立予告(事案)
2 鑑定をした医師への懲戒申立予告(懲戒判断)
3 管財人の弁護士への懲戒請求(懲戒判断;概要)

1 鑑定をした医師への懲戒申立予告(事案)

弁護士は任務遂行のために関係者の法的責任を指摘し,これを追及することもあります。指摘や追及する責任の内容として行政処分などの行政責任もあります。
本記事では,行政責任やこれに準じる責任の追及が問題となったケースを紹介します。
弁護士が鑑定をした医師に対して懲戒申立や告訴を予告したケースを紹介します。

<鑑定をした医師への懲戒申立予告(事案)>

あ 受任

依頼者=交通事故の損害賠償請求訴訟の被告
弁護士Yは,依頼を受けた

い 主張内容

Y(被告)の主張は次の内容であった
『原告の精神障害は交通事故に起因するものではない』

う 鑑定実施

裁判所はA医師に精神鑑定を命じた

え 鑑定人への強硬な主張

Yは裁判所を通さずにA医師に対して上申書を提出した
上申書の内容=鑑定に関する種々の主張
鑑定実施後において
YはA医師に次の内容の書面を送付した
書面の内容=鑑定書の内容が不相当である
YはA医師に次の内容の書面を送付した
『対応如何では医師会に懲戒申立をすべく準備中である』

お 診断書作成

B医師が交通事故被害者の後遺障害診断書を作成した

か 診断書作成医師への強硬な主張

YはB医師に対し刑事告訴をほのめかし,次のような要求をした

き B医師への要求内容

Bが原告に対して訴訟を取り下げるように働きかけること
それが不可能ならBが裁判所に出頭する
そして後遺障害診断書の無効を宣言すること

2 鑑定をした医師への懲戒申立予告(懲戒判断)

前記事例についての弁護士会の判断です。

<鑑定をした医師への懲戒申立予告(懲戒判断)>

業務停止2か月とする
平成9年6月30日
※自由と正義48巻8号p175

3 管財人の弁護士への懲戒請求(懲戒判断;概要)

保全管財人・更正管財人として裁判所から選任された弁護士について,債務者代理人弁護士が懲戒申立をした事例があります。
この『懲戒申立をしたこと』自体が懲戒事由となりました。このケースについては別の記事で紹介しています。
詳しくはこちら|弁護士の攻撃的な民事責任追及による懲戒事例