1 賃料を弁護士が預かったがオーナーに払わなかった→解除された
2 弁護士が賃料不払いをアドバイス→一般論なので責任否定
3 明渡と明渡料の同時履行を徹底しなかった弁護士→責任あり
4 不動産の明渡で弁護士が占有者の特定ミス→責任あり
5 土地転売スキームが行き詰まった→弁護士の説明不足の主張→排斥された
6 不動産競売の『妨害工作』を弁護士がミスした→責任否定
7 不動産訴訟の解決に伴い弁護士が行った『税務アドバイス』にミス→責任否定

弁護士のミスにより,依頼者・相談者に被害が生じたというケースを紹介します。
ユーザー(依頼者)としては,弁護士を選ぶことの重要性が分かります。
また弁護士にとっては『他山の石』として業務改良の一環とできます。
本記事では『不動産』とこれに伴う『税務』に関する案件について整理しました。

1 賃料を弁護士が預かったがオーナーに払わなかった→解除された

不動産の賃貸借では『解除の有効性』を争うことがとても多いです。
解除の理由の中でも『賃料不払い』は,解除が認められやすい非常に強い事情です。
依頼を受けた弁護士が『賃料不払い』を自ら作ってしまったという恐ろしいケースです。

<賃料を預かったのにオーナーに弁済・供託しない→解除された>

あ 明渡請求への対応を依頼

店舗の賃借人XはオーナーPから明渡請求を受けた
XはA弁護士に『明渡請求への対応』を依頼した

い 未払賃料の受領

A弁護士は未払賃料37か月分148万円を預かった
A弁護士はこれをPの弁済・供託しなかった

う 明渡請求訴訟

PはXに対する明渡請求訴訟を提起した
主張=賃料不払を理由に賃貸借契約を解除した
A弁護士はPとの和解に応じた
和解内容=合意解約+8か月の明渡猶予

え Xが提訴した

Xは弁済or供託しなかったから解除された,と主張
A弁護士に対して損害賠償を請求する訴訟を提起した

<裁判所の判断>

あ A弁護士の主張

供託しなかった理由は,次のような善意である
善意=『オーナーPとの話し合いを少しでも有利に解決・円満に和解できるようにしたい気持ち』

い 判決

323万円の賠償責任を認めた
金額算定=新店舗を新たに借りる費用+店舗設備

う 懲戒手続(参考)

『除名』の処分を受けた
※東京地裁平成8年4月15日

民事的な賠償責任は当然として,弁護士会の懲戒処分も受ける結果となっています。

2 弁護士が賃料不払いをアドバイス→一般論なので責任否定

『法律相談』でのアドバイスについての責任が問われたケースです。
『交渉や訴訟の依頼を受けた』ものとは『アドバイス』のレベルが違います。
把握している情報,確認している資料・把握に費やす時間が大きく違います。
法律相談では(依頼業務よりは)アドバイス内容の精度は低くなるのは想定内なのです。
相談者としては『弁護士のアドバイス・コメント』を重視する傾向があります。
しかし『法律相談』だけでは『不完全』な部分もあることをよく注意すると良いです。
もちろん,弁護士サイドで法律相談の際にこのような『注意』をするのが本来の姿です。

<『賃料不払い』の一般論→相談者がそのまま実行→大損害発生>

あ 法律相談の概要

東京都の主催する法律相談
非常勤職員としてのA弁護士が相談員であった

い 相談内容

相談者Xの説明・質問
・賃料増額の合意をした
・合意に基づく支払いをしないで済む方法があるか

う A弁護士の説明

一般論として,合意の事実は証拠がなければ訴訟で否認できる
相手方の出方を見るために支払わないでおくことも1つの方法としてあり得る

え 相談後のXの行動

Xはそのとおりに賃料を不払いにした
賃貸借契約解除の通知(内容証明集便)を受けた

お Xの提訴

XはA弁護士に対して損害賠償を請求する訴訟を提起した
請求額=借地権価格相当の損害6328万円

<裁判所の判断>

あ 評価(一般論)

相談者が弁護士の回答を信頼して行動したために損害を被った
→不法行為が成立する余地がある

い 個別的判断

賃料の不払いを決意したことはXが軽率であったと非難される
↑裸の価値判断と言える評価

う 判決

請求棄却=A弁護士の責任を否定した
※東京地裁昭和57年5月10日

以上のように,結果的に『弁護士の責任』は否定されました。
これに対してマーケット的な側面・法的な面からのコメントも紹介します。

<事案に対するコメント1>

弁護士登録1年目の新人であった
法律相談会場で依頼者の開拓をしていた,とも捉えられる
『事件あさり』の可能性が高い
『品位を損なう方法による事件依頼の勧誘』との抵触を注意すべき;規程10条
※高中正彦『判例弁護過誤』弘文堂p89

<事案に対するコメント2>

(本判決は『不法行為構成』であるが)
法律相談における回答を『法律情報の提供』と捉えれば債務不履行としての構成が可能である
有料法律相談・法律事務所における相談は『契約的構成』の方が無理がない
情報提供者の義務=瑕疵のない情報提供義務・誤りのない情報を提供するために注意を払う義務
『適切な助言・指導をなすべき義務』の内容と重複する
※加藤新太郎『弁護士役割論』弘文堂p98

このような問題の根本原因は『弁護士と依頼者・相談者』の認識のギャップにあります。
これについてまとめます。

<別の角度から|認知バイアスに要注意>

あ 弁護士業務の根本姿勢

弁護士は,敗訴すべき事案であっても,争うべきポイントは争うような訴訟活動をすべきである
当然に敗訴する事案であることが,弁護士の適切な訴訟遂行義務を軽減することにはならない

い 『相手の不利』の指摘に注意

認められるかどうかは別として,まずは『相手の弱点をピックアップする』は債務の中核に含まれる

相談者にとって『相手の弱点』=自分に有利な点,が『確実である』と思う(誤解する)傾向が非常に強い

この認識のギャップ・認知バイアスに関しては『注意する』ことが非常に重要なのです。
なお,みずほ中央では法律相談前に注意事項をまとめたガイドをお渡ししています。

3 明渡と明渡料の同時履行を徹底しなかった弁護士→責任あり

不動産賃貸借の『明渡』は,賃借人(テナント),オーナーにとって大きな経済的利益・損失に直結しがちです。
そこで,退去期限,明渡料について熾烈に対立するケースは多いです。
『明渡の合意(和解)』が成立し,解決に至ったように見えても安心できません。
『明渡と明渡料支払の同時履行』をしっかりと見届けないと『大損害』につながることもあります。
同時履行をしっかりと確保できなかったことにより,受任弁護士の責任が認められた判例もあります。
別記事にて,明渡の一般的な注意などを詳しくまとめてあります。
詳しくはこちら|建物賃貸借|退去と明渡料の同時履行の徹底|先履行のリスク

4 不動産の明渡で弁護士が占有者の特定ミス→責任あり

不動産は価値が大きいので熾烈な利害対立になります。
中には『第三者』が『占有者』として介入してくることもあります。
逆に言えば,明渡請求をするサイドでは『占有者の特定』が1つのハードルなのです。
訴訟などの手続が終わってから,初期段階の特定ミスに気づくと『大きな時間的ロス』につながります。
また『当初であればできた手続ができなくなる』ということもあります。
弁護士が『占有者の特定ミス』をしたケースについてまとめました。

<所有権移転登記・妨害排除請求|事案分析が不十分→執行不能>

あ 被相続人Qの相続財産と思われる不動産

土地8筆+建物1個

い 弁護士への依頼(別件訴訟)

相続人XはA弁護士に依頼した
ア 弁護士報酬
着手金500万円,成功報酬1300万円
イ 依頼内容
所有権確認・持分移転登記請求訴訟
ウ 別件訴訟の対象不動産
土地2筆+建物1個(甲不動産)

う 訴訟依頼後の経緯

X『他の6筆についても訴訟提起をして欲しい』
A弁護士『ややこしくて裁判官に説明しにくい・取り上げてもらえないかもしれない』
Vが8筆の土地に大量の土砂を搬入+プレハブ建物を建築した

え 追加依頼

Xはこれらの土地の原状回復請求を依頼した
プレハブ建物には『乙田六郎』の表札があった+乙田の住民票登録はなかった
→A弁護士はVのみを相手として明渡断行の仮処分を申し立てた
仮処分決定を得た
A弁護士は,仮処分執行の申し立てを行った

お 執行現場

Vは執行官に対し『プレハブ建物の所有者は乙田である』と説明した
執行官はこのとおりに認定した→執行不能となった

か 執行不能後の経緯

Vは土地にガレージを建てる・周囲にトタン塀を張り巡らせるなどをした
XはA弁護士に『占有回収の訴え』を要請した
A弁護士は『Vにも権利がある』と説明し,拒絶した

き 別件訴訟が勝訴で確定

別件訴訟がX勝訴のまま上告審で確定した
控訴審の段階で成功報酬のうち300万円を着手金に振り替えた
この時点で成功報酬の金額は1000万円となっていた
A弁護士は成功報酬の請求をした

く XがA弁護士に対する訴訟提起

XはA弁護士に対する費用の返還・損害賠償1976万円を請求する訴訟を提起した

け A弁護士の反撃|仮差押

A弁護士は,Xの定期預金に対する仮差押を行った
被保全債権=報酬請求権600万円

こ 保全異議→仮差押の取消

Xは保全異議を申し立てた→取り消された
A弁護士は合計2600万円を反訴で請求した

<裁判所の判断>

あ 評価

A弁護士がXの定期預金について仮差押を行ったことは不法行為に該当する

A弁護士には種々の債務不履行がある
それにも関わらず報酬金残金の請求をすることはクリーンハンズの原則に反する
信義則上許されない

う 判決

Xの請求=A弁護士の賠償→304万円を認めた
A弁護士の反訴→棄却
※大阪地裁平成5年9月27日

この事案では『弁護士が依頼者への報酬請求→依頼者の財産の仮差押を行った』という過激な事情もありました。
しかもこの仮差押が後から『取消』となっています。
つまり『仮差押は違法だった』ということなのです。
この事案についてのコメントも紹介しておきます。

<事案へのコメント>

A弁護士は『クリーンハンズの原則に反する』とまで断ぜられ,忸怩たる思いであろう
※高中正彦『判例弁護過誤』弘文堂p50

5 土地転売スキームが行き詰まった→弁護士の説明不足の主張→排斥された

土地開発・転売などの事業はたくさん行われています。
当然,そのプロジェクトの一環に明渡請求その他の法的手続が組み込まれていることも多いです。
『投資家』は投資するかどうかの判断をする上で『事業者のセールス』を受けます。
それとともに『弁護士による実現可能性の見解説明』も大きな影響を生じます。
視点を変えると『弁護士が投資セールスの一環に入っている』というような状態です。
プロジェクト全体がちょっと複雑ですが,実際のケースを紹介します。

<山林への投資勧誘→転売先候補・ブローカー・謎の弁護士による裏切り>

あ 山林への投資の勧誘

山林ブローカーPがXに資金援助を求めた
別のブローカーQが投資家Rを紹介した
RはXに山林売買の保証金の趣旨で900万円を預けた

い 転売先候補の獲得

ブローカーPはSに山林購入を勧誘した
SはXに対して山林の買受を申し込んだ

う 転売スキームを弁護士に相談

PはA弁護士に相談した
別の機会に改めてPとSの2人で相談した
A弁護士の回答
『山林の隣地所有者を相手として立木の伐採搬出妨害禁止の断行仮処分によって解決できる』
仮処分の一般的効力について説明した

え 転売スキーム遂行

SはXから山林を購入することにした;売買契約締結
特約『仮処分が不成功に終わった時には山林の所有権をXに戻す』
XはSに山林の所有権移転登記を行った

お 断行仮処分

SがA弁護士に『断行仮処分申立』を依頼した
費用はXが立て替えた
Sは『東京の高名なZ弁護士』にも同じ断行仮処分申立を依頼した
Z弁護士がA弁護士に対し『共同受任した』と連絡した
断行仮処分は保証決定が出るところまで進んだ
Sは保証金の工面ができなかった→仮処分申請を取り下げた

か 転売候補者の裏切り

PとSはXには知らせずに山林を第三者に売却した
所有権移転登記も行った
『所有権をXに戻す』という特約が不履行となった

き Xが提訴した

XがA弁護士に対して損害賠償を請求する訴訟を提起した
Xの主張=A弁護士の無責任かつ誤った説明によって損害を被った

<裁判所の判断>

あ 評価

A弁護士の説得によって断行仮処分の申立がなされたわけではない
『事件によっては,依頼者・協力者の希望を制して,法的手続を中止するよう説得する必要がある場合もある』
『その判断は第一時的には弁護士に任されている』
『一見明らかに誤っていると認められるものでない限り,違法ではない』

い 判決

請求棄却=A弁護士の責任を否定した
※高知地裁昭和58年4月14日

全体像を見るとA弁護士が事業者に『利用(悪用)された』とも言えます。
このような背景についてのコメントを紹介します。

<事案に対するコメント>

Z弁護士への依頼の目的は『その名を利用してA弁護士を上手に操るためであった可能性が高い』
『Z弁護士も,共同受任しておきながら何もせず,道義的には大いに問題がある』
『Sからいくらかの弁護士報酬をもらったのかが気になるところである』
※高中正彦『判例弁護過誤』弘文堂p93〜

直接的な責任論とは直結しませんが,業界の1つの現象としてこのような背景もあるのでしょう。
いずれにしても,プロジェクトの一部の法律事務を弁護士が行う,ということはよくあります。
この場合には『責任分担を明確にする』ことが重要です。
具体的には,弁護士は『法律相談・受任業務としての説明の範囲を明確にしておく』という基本的なことの徹底です。

6 不動産競売の『妨害工作』を弁護士がミスした→責任否定

不動産競売の『債務者・所有者』としては強制的に不動産を取り上げられる状況です。
いろいろと『抵抗』をトライするケースもあります。
ここでは競売手続の中の『特別売却条件』の設定を利用した妨害がトライされたケースを紹介します。
なんとこの妨害工作は,受任弁護士の『記載ミス』で失敗したのです。
弁護士のミス・失敗,についての責任が訴訟で判断されています。

<不動産競売の妨害工作中に『入札書』記入ミス>

あ 不動産が第三者にわたる危機→弁護士に相談

収益不動産の所有者Qの関係者がA弁護士にアプローチ
Q所有のマンション・土地について担保権実行の競売が申し立てられた
X社が設立された
X社が入札するスキームを発想した

い 特別売却条件の設定

ア 最低売却価格
・マンション2444万円
・土地1億8241万円
イ 裁判所提示の入札条件=特別売却条件
・一括入札
各物件の入札価格を定めた上で,その合計額で全物件につき一括して入札申出をする
・入札人となる条件は2段階
入札人となるのは次の2つの条件をいずれも満たす者とする
《入札人となる条件》
各物件の入札価格が他の申出人の申出価格を下らない
合計額が最高価格となる

う X社の作戦会議

合計2億5000万円を入札価格とする予定にした
X社としては資金不足,かつ,スポンサーも探せていなかった
競売の延期を狙っていた

え 入札の設定

・マンション2444万円=最低額
・土地2億2556万円=最低よりも大幅に高い
・合計2億5000万円
これで入札する
そうすれば『入札人なし』にできると見込まれる

お 悪事はうまくいかない

A弁護士は入札書の事件番号の記載を誤った
正しい『八〇』→誤り『八一』

か 結果

この入札は無効となった
2億2684万円での別の入札者が落札した

き Xが提訴した

XはA弁護士に対する損害賠償請求の訴訟を提起した
請求額=想定された転売益など合計9400万円の損害

<裁判所の判断>

あ 評価

特別売却条件の趣旨を潜脱している
競売の適切な実施を妨害する
→依頼自体が公序良俗違反により無効

い 判決

請求棄却=A弁護士の責任を否定した
※京都地裁昭和60年2月28日

ミスではあるけれど,ミッション自体が悪どい,ということで『責任なし』になったのです。
ここまでは不思議はないのですが,訴訟ではA弁護士が『依頼の目的の悪質性』を主張して闘いました。
自ら引き受けて遂行したのに,後から『悪質だったから無効』という主張をしたのです。
この『ねじれ現象』についてのコメントを紹介します。

<事案に対するコメント>

単なる『引き伸ばし工作』はまだ議論があるが,これは実質的な執行妨害なので異質である
依頼の目的or事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない;基本規程31条
不当な目的のため,裁判手続を遅延させてはならない;基本規程76条
受任した弁護士自身が『受任が公序良俗違反』と主張せざるを得なかった(ねじれ主張)
※高中正彦『判例弁護過誤』弘文堂p96

7 不動産訴訟の解決に伴い弁護士が行った『税務アドバイス』にミス→責任否定

弁護士の受任する案件の解決では大きな『課税』が伴うものが多いです。
特に不動産の場合『譲渡所得税』が発生することがよくあります。
弁護士としても,税務的な扱いを考えないと顧客を『落とし穴』に落としてしまいます。
そこで基本的な税務上の扱いを依頼者に説明することも多いです。
ここでは弁護士による『税務アドバイス』が責任問題となって訴訟で争われたケースを紹介します。

<税務上のアドバイスで大損害発生>

あ 訴訟上の和解

XはA弁護士に訴訟を依頼し,遂行中であった
XからQに対する反訴を行った
請求=取得時効を原因とする土地所有権移転登記請求
和解が成立した
和解内容=Xが土地を1億8350万円で買い取る

い 課税に関するアドバイス

A弁護士はXに説明した+メモを渡した
《説明内容》
土地の譲渡所得は分離課税となり,『長期』譲渡所得として所得税20%,住民税6%に該当する
居住用財産の特別控除の適用がある
税額は428万円となる

う 税務申告・納税

Xは和解による金銭支払の資金調達のために,当該土地の一部を売却した
Xは税務申告を行った

え 税務署の更正処分

税務署は更正処分を行った
《税務署の判断》
『短期』譲渡所得に該当する=所得税40%+住民税12%
居住用財産の特別控除は適用されない
所得税額=2412万円
過少申告加算税=276万円

お 租税訴訟

Xは別の弁護士に依頼して更正処分等の取消訴訟を提起した
《判決》
処分の一部取消
所得税額=998万円
過少申告加算税=64万円

か A弁護士への責任追及

XはA弁護士に対する損害賠償請求の訴訟を提起した

<裁判所の判断>

あ 評価

ア 法律相談契約の有無
『税務』に関する相談契約は認められない
イ 税理士を紹介する義務の有無
A弁護士は税理士登録もしていた
→『他の税理士の紹介』などの義務もない
ウ アドバイスの性格
税務上の事実認定・見解については一定の幅(相違)がある
→アドバイスは断定・保証した趣旨ではない

い 判決

請求棄却=A弁護士の責任否定
※東京地裁平成17年6月24日

A弁護士は『税理士』でもある,という特殊性がありました。
この特殊性が,弁護士の責任を否定する事情として使われています。
一方で『税理士であるならもっとしっかりアドバイスをすべきだった』という責任を認める方向性もあり得たでしょう。
税務の難しさについてのコメントを紹介します。

<税務の難しさ(一般論)>

あ 税務の難しさ

ア 法令が変わる頻度が高い
イ 条文自体が複雑
ウ 通達などの細かいルールが多い

い 対応の注意(コメント)

『書物を一瞥した程度で依頼者に回答をするのは,極めて危険である』
『『知らない』と言う勇気が必要・・・』
『『知らない』は恥ではない』
※高中正彦『判例弁護過誤』弘文堂p65〜

結局,あまり自身のない税務的な解釈論があった場合は『税理士にアドバイスを求める』ということが重要なのです。
この点,不動産を多く扱っている事務所であれば,相互に気軽に専門分野のアドバイスをするネットワークがあるはずです。
もちろんみずほ中央でも複数の税理士のネットワークを有しています。
スピーディー・安価(費用なし)で専門分野の確認・徹底を行っています。

<参考情報>

高中正彦『判例弁護過誤』弘文堂