1 著作権(広義)の内容の分類
2 基本的な著作権の内容
3 公衆に伝える方式の著作権
4 2次的な創作・利用の著作権
5 著作者人格権
6 実演家人格権
7 実演家の著作隣接権
8 実演家以外の著作隣接権
9 著作権の制限(例外・概要)

1 著作権(広義)の内容の分類

本記事では『著作権』の内容や例外について説明します。
著作権の内容とは要するに,著作物について禁止されることのことです。
著作権の内容はとても多いです。
最初に,大きな分類だけをまとめておきます。

<著作権(広義)の内容の分類>

あ 著作者が持つ権利

ア 著作権(狭義;後記※1,※2,※3)
『イ』の著作者人格権を含まない
財産権の性質である
一般的にこの狭義の著作権を単に『著作権』と呼ぶことが多い
イ 著作者人格権(後記※4)

い 著作者以外が持つ権利

ア 実演家人格権(後記※5)
イ 実演家の著作隣接権(後記※6)
ウ 実演家以外の著作隣接権(後記※7)

2 基本的な著作権の内容

著作権(狭義)の中の最もベーシックな内容だけでも多くのものがあります。

<基本的な著作権の内容(※1)>

あ 複製権;21条(概要)

著作物を有形的に再製する権利
詳しくはこちら|複製権の内容と複製権侵害の判断基準

あ 上演権・演奏権;22条

著作物を公に上演・演奏する権利
DVD・CDなどを機器で再生することも含む

い 上映権;22条の2

著作物を公に上映する権利
モニターで映写することを含む

う 公衆送信権(送信可能化権);23条

著作物を公衆送信する権利
自動公衆送信が可能な状態にする権利
公衆送信された著作物を公に伝達する権利
例;放送・有線放送・インターネットへのアップロード

え 口述権;24条

著作物を口頭で公に伝える権利
例;朗読

お 展示権;25条

美術の著作物or未発行の写真の著作物を原作品により公に展示する権利

か 頒布権;26条

映画の著作物をその複製物の譲渡or貸与により公衆に提供する権利

3 公衆に伝える方式の著作権

狭義の著作権の中に,公衆に伝えるタイプの行為が含まれます。
前記の基本的なものと比べると多少複雑な内容といえます。

<公衆に伝える方式の著作権(※2)>

あ 譲渡権;26条の2

映画の著作物以外の著作物をその原作品or複製物の譲渡により公衆に提供する権利

い 貸与権;26条の3

映画の著作物以外の著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する権利

4 2次的な創作・利用の著作権

狭義の著作権の中には,2次的な創作に関するものがあります。
別の著作物を元にして別の作品を創作するというものです。
これらに該当する行為は,原則的に元の著作物の権利者の承諾が必要となります。

<2次的な創作・利用の著作権(※3)>

あ 翻訳権・翻案権等;27条

著作物を翻案する権利
例;翻訳,編曲,変形,脚色,映画化
詳しくはこちら|パロディー・替え歌・DJ-MIX・MADビデオ×著作権|翻案権・同一性保持権

い 二次的著作物の利用に関する権利;28条

二次的著作物を利用する権利
例;翻訳物,翻案物など

5 著作者人格権

広義の著作権の中には,財産権ではない権利もあります。
代表的なものが著作者人格権です。

<著作者人格権(※4)>

あ 公表権;18条

未公表の著作物を公表するかどうか等を決定する権利

い 氏名表示権;19条

著作物に著作者名を付すかどうか,付す場合に名義をどうするかを決定する権利

う 同一性保持権;20条

著作物の内容や題号を著作者の意に反して改変されない権利

6 実演家人格権

著作物に関する『人格権』は,『著作者』以外の者についても認められています。
『実演家』に認められる人格権です。

<実演家人格権(※5)>

あ 氏名表示権;90条の2

自分の実演に付する名前について
『ア・イ』を決定する権利
ア 実演家の名を付すかどうか
イ 付す場合に名義をどうするか

い 同一性保持権;90条の3

自分の実演について
実演家の名誉や声望を害する改変をされない権利

7 実演家の著作隣接権

実演家については,著作者には認められない権利もあります。
ベーシックな著作権とは別の権利なので,著作隣接権と呼びます。

<実演家の著作隣接権(※6)>

あ 録音権・録画権;91条

自分の実演を録音・録画する権利

い 放送権・有線放送権;92条

自分の実演を放送・有線放送する権利

う 送信可能化権;92条の2

自分の実演を端末からのアクセスに応じ自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利

え 譲渡権;95条の2

自分の実演の録音物or録画物を公衆に譲渡する権利

お 貸与権;95条の3

商業用レコード(CD・DVD・Blu-ray Disc等)を貸与する権利

8 実演家以外の著作隣接権

著作隣接権は『実演家』以外の者にも認められます。
ここでは,権利を持つ者と著作権法の規定の対応だけをまとめておきます。

<実演家以外の著作隣接権(※7)>

権利を持つ者 著作権法
レコード製作者 96条〜
放送事業者 98条〜
有線放送事業者 100条の2〜

9 著作権の制限(例外・概要)

著作権の内容は以上のように幅広いものがあります。
この中には,権利として認めてしまうと不合理なものも含まれます。
そこで,著作権法では,例外として著作権を認めないルールもあります。
これを『著作権の制限』と呼びます。
この内容については別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|著作権の制限(例外)の種類全体