1 特区民泊に関する平成28年10月改正
2 国家戦略特区法施行令改正内容(概要)
3 新規認定要件と従前の運用
4 各自治体の緩和方針(概要)
5 大田区の特区民泊の緩和方針

1 特区民泊に関する平成28年10月改正

特区民泊については,運用開始後にルールの変更が行われました。具体的には,平成28年10月の国家戦略特区法施行令の改正です。
まずは,この改正の対象法令と時期について整理しておきます。

<特区民泊に関する平成28年10月改正>

あ 改正した法令

国家戦略特区法施行令

い 決定・施行時期

ア 閣議決定
平成28年10月25日
※毎日新聞平成28年10月25日
イ 施行日
平成28年10月31日
※平成28年10月改正附則1条

2 国家戦略特区法施行令改正内容(概要)

前記の施行令改正で変更されたルールの概要をまとめておきます。

<国家戦略特区法施行令改正内容(概要)>

あ 特区民泊の滞在日数の要件

改正前『6泊7日以上』
→『2泊3日以上』と変更した
※施行令12条2号

い 認定要件の新設(概要;※1)

ア 滞在者名簿の備え置き
イ 住民への説明
ウ 苦情処理体制
※国家戦略特区法施行令12条6〜8号
詳しくはこちら|特区民泊の認定要件とサービス形態(基本)

3 新規認定要件と従前の運用

前記のうち新規認定要件については,実はそれ以前からルールとして運用されていました。やや非公式なルールが公式ルールに格上げされたといえるでしょう。

<新規認定要件と従前の運用>

あ 実質的な変化

認定要件の新設(前記※1)の内容について
→従前の通達や自治体による基準と同様である

い 従前のルール

ア 通達
詳しくはこちら|特区民泊の認定要件とサービス形態(基本)
イ 自治体のルール
例;大田区民泊条例
詳しくはこちら|特区民泊|近隣住民への周知義務|方法・対象者・周知事項・反対の扱い

4 各自治体の緩和方針(概要)

この施行令改正で重要なのは滞在期間のミニマムが大きく下げられたことです。しかし,このルールは,自治体が条例で設定できる日数の枠を拡げたというものです。
つまり,自治体が条例を改正しない限りは宿泊サービス運営者に適用されるルールは変わらないということです。
特区民泊の制度が導入されている各自治体は,東京都大田区を除いて,条例の滞在日数の下限を2泊3日に緩和しています。
詳しくはこちら|各エリアの特区民泊の制度導入経緯と運用の実績
大田区だけは緩和する方針がないようです。次に説明します。

5 大田区の特区民泊の緩和方針

東京都大田区についての緩和の方針について紹介します。

<大田区の特区民泊の緩和方針>

あ 方針

特区民泊の最低滞在日数の規定について
現行の6泊7日から2泊3日に変更する予定はない

い 緩和しない理由

ア 特区民泊の認定数の増加
大田区では(当時)26件の認定施設がある
平均月3件のペースで安定的に申請・認定が増えている
イ マーケットの存在
6泊7日以上という現行の制限において
宿泊者が存在している(滞在実績がある)
ウ 短縮によるリスク
現行の制限において
近隣住民からの苦情が問題になるには至っていない
短縮すると騒がしくなることを心配する声もある
エ 垣根問題(ネオラッダイト)
関係団体から緩和に反対する意見もある
関係団体=ホテル・旅館業界など
オ 運用状況の観察フェーズ
特区民泊の運用を始めてまだ1年も経過していない(当時)
制度をすぐに変えることは時期尚早と思われる
※平成28年11月ヒアリング
外部サイト|石井くるみ行政書士・ブログ