1 写真の盗用への個人的アクション(総論)
2 具体的アクションの事前準備
3 簡易メッセージのサンプル
4 簡易メッセージの補足説明
5 正式な通知文のサンプル(概要)
6 民事訴訟や告訴(概要)

この記事は,当事務所代表三平聡史が行った次の監修の記事に関連するものです。
平成29年1月20日発売 アサヒカメラ・平成29年2月号(写真の盗用に関する損害賠償&削除要請マニュアル)

1 写真の盗用への個人的アクション(総論)

近年は,オンライン上の投稿・記事が非常に増えており,これに伴い著作権侵害の実例も増加しています。著作権を侵害された方(被害者)は,規模が小さいために弁護士への依頼というコストに見合わない傾向もあります。結果的に具体的行動(アクション)に出ないままとなっている状況もあるようです。
そこで,本記事では,個人レベルの著作権侵害の典型例として,無断での写真の転載(盗用)を前提に,自身で行えるアクションを説明します。
具体的には侵害した者や関係者に伝達する内容の文面のサンプルを以下紹介します。

2 具体的アクションの事前準備

実際にメッセージを伝達する前に次のような準備をしておくことが望ましいです。

<具体的アクションの事前準備>

あ 侵害の状況の証拠化

不正な写真の表示を記録にする
例;ウェブ魚拓など
外部サイト|ウェブ魚拓

い 著作権の証拠化

自身が創作したという痕跡を集めておく
詳しくはこちら|創作者(著作権者)であることの証拠や証明(創作の痕跡・刻印)

3 簡易メッセージのサンプル

大切な写真が転載(表示)されているサイトの管理者に知らせることがファーストステップです。ここでは可能な限り簡略化した文章をサンプルとして紹介します。

<簡易メッセージのサンプル>

貴社ウェブサイトに掲載されている写真について連絡致します。
私の撮影した写真が無断で使用されています。
 <貴社サイトの写真>
 【URLorタイトル】
 <私が公表しているサイトの写真>
 【タイトル】 【URL】
私はこの写真について,貴社やそれ以外の方に使用を許諾したことはありません。また,引用などの著作権法上の例外にも該当しません。
私の写真が貴社サイトで表示されていることは私の著作権や著作者人格権を侵害するものです。
著作権侵害として刑事罰の対象となる重大なものです。【※1】
しかし私としては,協議により穏便に解決したいと思っています。【※2】
まずは貴社のご担当者より,次の私の連絡先に,ご連絡くださいますようお願い致します。
 <連絡先>
 【メールアドレスや電話番号など】

4 簡易メッセージの補足説明

前記のサンプル文面中の補足説明です。

<簡易メッセージの補足説明>

あ 基本的な使い方

最初の段階で使うことを想定しています。
メールや問い合わせフォームでの送信が典型例です。

い 刑事責任の指摘(前記※1)

この1文を削除してソフトにするのも良いでしょう。

う 要求(請求)内容の記載(前記※2)

全体として簡略化してソフトな印象となるようにしてあります。
逆に,具体的な請求(要求)内容を明記するのも良いでしょう。記載するとすれば次のような項目があり得ます。
ア 削除請求を入れる
イ 金銭の請求を入れる
金額明記あり/なしの2タイプがある
ウ 訂正表示・名誉回復措置請求を入れる
エ 刑事告訴の予告を入れる
オ 発信者情報開示請求を入れる

5 正式な通知文のサンプル(概要)

以上のサンプル文面は大幅に簡略化したものです。アプローチの段階によっては,権利侵害の内容や法的責任について,もっと詳しく伝えることもあります。
内容証明郵便を使うような正式な書面のサンプルについては別に説明しています。
詳しくはこちら|無断での写真転載に関する通知書(正式な文面サンプル)

6 民事訴訟や告訴(概要)

なお,写真を無断で利用した者が素直に請求に応じないこともあります。
そのようなケースでは強制的な手段に進む選択肢があります。
具体的には民事訴訟やこれに準じる手続が代表的なものです。また刑事告訴も可能です。

<民事訴訟や告訴(概要)>

あ 民事訴訟

ア 通常訴訟
イ 少額訴訟
請求額が60万円以下の場合に使える
手続が大幅に簡略化されている
詳しくはこちら|少額訴訟|60万円までの簡略化した訴訟|1日で審理・判決が完了

い 民事訴訟以外の裁判所のサービス

ア 民事調停
イ 支払督促
詳しくはこちら|支払督促手続は簡易に債務名義を取得できる

う 刑事告訴

刑事責任を追及する手段である
実際に捜査機関がすぐに捜査を進めるとは限らない
詳しくはこちら|著作権・著作者隣接権の侵害の刑事責任(法定刑・量刑・告訴状)