1 景品表示法による不動産広告の規制(全体)
2 優良誤認の具体例
3 有利誤認の具体例
4 不動産のおとり広告の告示(概要)
5 景品表示法違反へのペナルティ(概要)
6 適格消費者団体による差止請求(概要)

1 景品表示法による不動産広告の規制(全体)

不動産の広告や表示に関する規制はいろいろなものがあります。
詳しくはこちら|不動産取引の不正な広告や表示の規制(全体)
不動産広告の法規制の1つに景品表示法があります。
本記事では不動産の広告に関する景品表示法の規制に関する全体的な事項を説明します。
まずは規制内容は大きく3つに分類できます。

<景品表示法による不動産広告の規制(全体)>

あ 優良誤認

商品の内容・品質について
実際よりも優良であると誤認する表示(後記※1)

い 有利誤認

商品の価格(取引条件)について
実際よりも有利であると誤認する表示(後記※2)

う 内閣総理大臣の指定する行為

個別的に告示などで規定された内容(後記※3)
不動産広告については次の告示がある
『不動産のおとり広告に関する表示』の告示
※景品表示法5条
詳しくはこちら|景品表示法の基本(優良誤認・有利誤認と調査・指導・措置命令・罰則)

それぞれの主な内容について,以下説明します。

2 優良誤認の具体例

優良誤認に該当する広告の代表的な具体例を挙げます。

<優良誤認の具体例>

あ 距離(徒歩分数)

駅からの徒歩の時間(分)を実際よりも短時間で表示

い 面積

『専有面積28.00平方メートル』という表示
→実際には27.77平方メートル

3 有利誤認の具体例

有利誤認に該当する広告の代表的な具体例を挙げます。

<有利誤認の具体例>

あ 条件により適用されない金額

ア 表示
『ペット可』『敷金8万円』
イ 実際
ペットを飼育する場合は敷金は16万円となる

い 不利益な負担の記載が不十分

ア 表示
『敷金の償却 ―』
イ 実際
敷金の償却がある
賃料1か月分など

4 不動産のおとり広告の告示(概要)

景品表示法で禁止する行為は,内閣総理大臣が指定できます(前記)。不動産の広告に関する具体的な内容はおとり広告に関する告示です。
これについては別の記事で詳しく説明しています。
詳しくはこちら|不動産のおとり広告・表示に関する景品表示法の告示

5 景品表示法違反へのペナルティ(概要)

景品表示法に違反するとペナルティの対象となります。概要をまとめておきます。

<景品表示法違反へのペナルティ(概要)>

あ 消費者庁による措置命令

ア 違反行為の差止め
イ 次の事項の命令
・違反行為の再発防止に必要な事項
・訂正広告
※景品表示法7条

い 消費者庁による行政指導

※行政手続法2条6号

う 刑事罰

ア 基本事項
措置命令(『あ』)違反に対して
法定刑=懲役2年以下or罰金300万円以下
併科あり
※景品表示法36条
イ 両罰規定
法人は次の罰金刑の対象となる
法定刑=罰金3億円以下
※景品表示法38条1項1号
詳しくはこちら|景品表示法の基本(優良誤認・有利誤認と調査・指導・措置命令・罰則)

6 適格消費者団体による差止請求(概要)

優良誤認・有利誤認に該当すると,適格消費者団体による差止請求を受けることがあります。

<適格消費者団体による差止請求(概要)>

一定の行為について
適格消費者団体が差止請求をすることができる
解決結果・当事者名が公表される
※景品表示法10条1項,2項
詳しくはこちら|景品表示法の基本(優良誤認・有利誤認と調査・指導・措置命令・罰則)