1 民泊・検討会・最終報告書|資料・ソース
2 新民泊制度|法的位置付け・法体系
3 新民泊制度|枠組み・基本
4 規制内容|住宅提供者・一定の要件|概要
5 規制内容|仲介事業者|概要
6 所管行政庁|概要
7 新民泊制度|その他
8 ホテル・旅館に対する規制の見直し|概要

1 民泊・検討会・最終報告書|資料・ソース

民泊に関する法整備が進んでいます。
平成27年11月から,公的な検討会で協議が重ねられていました。
平成28年6月20日に,最終報告書が作成されました。
まずは資料のソースや大きな特徴をまとめます。

<民泊・検討会・最終報告書|資料・ソース(※1)>

あ タイトル・日付

『民泊サービス』の制度設計のあり方について
(『民泊サービス』のあり方に関する検討会最終報告書)
平成28年6月20日
→本サイトでは『民泊・検討会・最終報告書』と呼ぶ
外部サイト|厚生労働省|民泊・検討会・最終報告書

い 公開サイト

外部サイト|厚生労働省|『民泊サービス』の制度設計のあり方について

う 規制改革実施計画|トレース傾向

この報告書作成の直前に規制改革実施計画が閣議決定された
平成28年6月2日
法案提出タイミングなどの予定が決められた
詳しくはこちら|平成28年6月・規制改革実施計画|民泊サービス・マッチング
最終報告書は,規制改革実施計画の内容と実質的に同様である

新しい民泊制度の方向性・検討結果をまとめたものです。
法案になる前の段階です。
あくまでも推奨するアイデアと言えます。
ただし,同じ内容の規制改革実施計画は閣議決定がなされています。
通常閣議決定の内容が後で変えられるということはありません。
規制改革実施計画やこの最終報告書は今後の法案に大きく影響するのです。
ところでこの報告書の内容は量が多く,ちょっと分かりにくいかもしれません。
以下,内容をまとめつつ説明します。

2 新民泊制度|法的位置付け・法体系

最終報告書では新しい民泊制度の法的位置付けが示されています。

<新民泊制度|法的位置付け・法体系>

あ 基本

制度の対象とする民泊の位置付け
住宅を活用した宿泊サービスの提供と位置付ける

い 民泊|範囲・概要

民泊とは次のような形態のサービスである
ア 住宅を1日単位で利用者に利用させる
イ 有償かつ反復継続する
ウ 『一定の要件』(後記※2)の範囲内にとどまる

う 民泊|範囲外

『一定の要件』を超えて実施されるサービス
→新たな制度枠組みの対象外である
=旅館業法に基づく営業許可が必要である
=『ホテル・旅館』と同様の扱いとなる
※民泊・検討会・最終報告書『Ⅲ 1(2)(4)』p4

『一定の要件』については後述します。

3 新民泊制度|枠組み・基本

肝心の民泊制度の内容です。
まずは大枠が示されています。

<新民泊制度|枠組み・基本>

あ 基本

民泊制度の基本的な考え方は次の枠組みである

い 枠組み|規制対象者

次の3者に対する適切な規制を課す
届出・登録の制度を導入する

対象者 制度
住宅提供者=ホスト 届出制
管理者 登録制
仲介事業者 登録制
う 住宅提供者|分類

『家主居住型』と『家主不在型』に区別する

え 規制の概要

適正な管理や安全面・衛生面を確保する
行政が民泊を把握できる仕組みを構築する
※民泊・検討会・最終報告書『Ⅲ 1(3)』p4

規制対象者を3つに分類することが示されています。

4 規制内容|住宅提供者・一定の要件|概要

住宅提供者=ホストの規制は中枢的なところです。
どの範囲で民泊サービスができるのか,というものです。
大きく言うと『届出制』が示されています。
重要なのは『届出の要件』です。
最終報告書では『一定の要件』というネーミングで登場します。
民泊マーケットの大きさを直接決めるものです。
各立場から壮大なポジショントークが繰り広げられているテーマです。
内容が濃いので別に説明します。
詳しくはこちら|最終報告書|規制内容|住宅提供者=ホスト|『一定の要件』

5 規制内容|仲介事業者|概要

最終報告書では仲介事業者への規制も示されています。
これまで規制が及ばない『法の網の隙間』でした。
法整備の検討においてもIT業界との熾烈な対立が生じたマターです。
詳しくはこちら|IT中間整理×批判|全体・インターネットアソシエーション
最終報告書では一定のルール案が示されています。
『ホストの届出』を確認する,というルールになっています。
ホストの届出を行政が直接確認するのは実質的に無理です。
この取締作業を仲介事業者に押し付けた状況とも言えます。
これについては別に説明しています。
詳しくはこちら|最終報告書|規制内容|仲介事業者

6 所管行政庁|概要

新たな法制度となると行政内部のテリトリー問題が発現します。
民泊のシマは従前より国交省・厚労省の勢力が拮抗していました。
という状況についても最終報告書に反映されています。
詳しくはこちら|最終報告書|所管行政庁|国/地方レベル・民間委託推奨

7 新民泊制度|その他

最終報告書では『その他』のセクションもあります。
内容をまとめます。

<新民泊制度|その他>

あ 法制上の措置以外

ガイドラインによる対応も組み合わせる
例;住宅提供者に損害保険への加入を促す

い 届出・登録の手続

関係者の利便性に十分配慮する
→インターネットの活用を基本とする
住民票などの添付を不要とする
例;マイナンバーや法人番号を活用する

う 新制度の実施タイミング

施行のための準備期間について配慮が必要である
国民や関係事業者等に対する制度の周知・啓発に努める

え 施行後の見直し

施行後の状況に応じた見直しを必要に応じて行う
この旨を法律上明記すべきである

お 国家戦略特区制度の活用

現在『特区民泊』という制度などが施行されている
詳しくはこちら|特区民泊|認定要件・サービス形態|基本
特区制度による民泊の推進を今後どのようにしていくか
→まずは実施状況の検証結果を踏まえることが必要である
※民泊・検討会・最終報告書『Ⅲ 7』p7

8 ホテル・旅館に対する規制の見直し|概要

ホテル・旅館業界と民泊のテリトリー争いという様相が当然あります。
規制改革実施計画などの正式資料でも『競争』への配慮が明記されています。
一方で『対立』ではなく『新たなサービスへの発展』への期待も大きいです。
詳しくはこちら|サービス高度化・多様化→コンシェルジュサービス|政府の促進努力義務

最終報告書でもレガシーな規制の見直しが示されています。
ただ『緩和=サービス多様化』に関するものはわずかです。
詳しくはこちら|最終報告書|ホテル・旅館に対する規制の見直し