1 媒介|ネーミング
2 媒介|定義
3 媒介行為|内容|判例
4 媒介×認定|傾向
5 媒介契約|法的性質

1 媒介|ネーミング

不動産の取引に関与するサービスが発展しています。
『媒介』に該当すると宅建業法の規制対象となります。
詳しくはこちら|宅建業法|基本・『宅地建物取引業』定義
本記事では『媒介』の解釈や該当性について説明します。
まずは『媒介』のネーミングを整理します。

<媒介|ネーミング>

一般的には次のような呼称が使われる
ア 『媒介』
※宅建業法2条2号
イ 『仲介』
ウ 『あっせん』
※岡本正治ほか『改訂版逐条解説宅地建物取引業法』大成出版社p68

条文上は『媒介』ですが,一般的には別の用語が使われています。

2 媒介|定義

『媒介』の定義について,条文には規定がありません。
裁判例による定義をまとめます。

<媒介|定義>

あ 定義

次の『い・う』に該当する事実行為をすべて指す

い 受託

契約当事者の一方or双方から委託を受ける
当事者=売主・買主,貸主・借主

う 契約成立に向けた尽力

両者の間に立って契約の成立に向けてあっせん尽力する
契約=売買・賃貸借など
※大阪高裁昭和34年3月26日
※東京高裁昭和50年7月24日
※東京高裁平成19年2月14日

これだけでは区別としてあまりハッキリしていません。

3 媒介行為|内容|判例

媒介に該当する行為の具体例をまとめます。

<媒介行為|内容|判例>

取引物件の探索
物件情報の管理・提供
取引をする者の募集・勧誘
売却広告
権利関係などの調査
現地案内
契約当事者の引き合い
契約手続の遂行
※大阪高裁昭和34年3月26日
※東京高裁昭和50年7月24日
※東京高裁平成19年2月14日

広い業務・行為が含まれています。
ただ,これらのうち1つだけで『媒介』になるとは限りません。

4 媒介×認定|傾向

『媒介』と認定される判断の傾向をまとめます。

<媒介×認定|傾向>

あ 基本

個々の業務の組み合わせによって判断される

い 方向性

業務が取引へ及ぼす影響が大きい場合
→『媒介』と認定される可能性が高くなる

う 情報提供行為・扱い

『情報提供』だけでは取引への影響が小さい
→『媒介』に該当しない

実際によく問題となるのは『情報提供のみ』というケースです。
これについては裁判例含めて,ある程度明確な見解があります。
詳しくはこちら|宅建業法|『媒介』×情報提供行為|タネ屋|競売物件紹介の特殊性
いずれにしても『媒介』は『トータル』で判定されると言えます。

5 媒介契約|法的性質

媒介契約の民事的な法的性質をまとめます。
宅建業法の法規制とは直接関係はありません。

<媒介契約|法的性質>

媒介契約の法的性質
→民法上の準委任である
※民法656条
※明石三郎『不動産仲介契約の研究 再増補版』一粒社p2
※西原寛一『商行為法』有斐閣p281
※我妻榮『債権各論中巻(2)』岩波書店p663
※中川高男『注釈民法(16)』有斐閣p175
※中川高男『新版注釈民法(16)』有斐閣p231
※東京高裁昭和32年7月3日
※東京地裁昭和34年12月16日
※最高裁昭和44年6月26日
※東京地裁昭和52年12月7日
※牧山市治『最判解説昭和50年度』p664