1 個人賠償責任保険×見落とし注意
2 個人賠償責任保険×見落とし→弁護士の責任論
3 被害者×加害者の個人賠償責任保険

1 個人賠償責任保険×見落とし注意

本記事では個人賠償責任保険の『見落とし』に関する注意点を説明します。
個人賠償責任保険の基本的事項は別に説明しています。
(別記事『個人賠償責任保険|基本』;リンクは末尾に表示)
個人賠償責任保険の実務的な『見落とし』に関する注意点をまとめます。

<個人賠償責任保険×見落とし注意>

あ 基本的状況

自分で個人賠償責任保険に入った場合は通常忘れていない

い 見落とし発現条件

ア 自分以外の家族が加入した場合
一定の家族が入った保険の『被保険者』となっている
イ 他の保険の特約となっている場合
他の保険の特約として個人賠償責任保険が付されている
=いわゆる『おまけとして付けられている』状態

う 見落とし×2次被害・損害

見落としてしまった場合
→本来受けられた保険金を得られなくなる

2 個人賠償責任保険×見落とし→弁護士の責任論

保険の見落としが『弁護士の責任』につながることも考えられます。

<個人賠償責任保険×見落とし→弁護士の責任論>

あ 前提事情

損害賠償請求を受けた方から交渉や訴訟を弁護士が受任した
弁護士が依頼者やその家族の個人賠償責任保険を確認しなかった
適用される個人賠償責任保険があったが見落とされたままとなった
→結果的に『本来受けられた保険金を得られない』ことになった

い 弁護士の使命

弁護士は依頼者・家族の個人賠償責任保険を確認すべきであった

う 弁護士の追う責任

弁護士の『法的責任』は『使命』とは別の判断である
過失の認定は『平均的な弁護士の技能水準』が基準となる
詳しくはこちら|弁護士の責任論|判例基準|知識レベル・費用・清算・守秘義務・去勢弁護士

弁護士の見落としで2次被害が生じることもあり得ます。
その場合でも『弁護士の責任』が認められるとは限りません。
一定範囲で『かばわれて』しまうのです。
依頼する方が,しっかりした弁護士を選ぶことが重要だと言えるでしょう。

3 被害者×加害者の個人賠償責任保険

被害者サイドから『加害者の保険』にアプローチする手法もあります。

<被害者×加害者の個人賠償責任保険>

あ 加入の有無の確認

加害者に『個人賠償責任保険』の有無を確認する
=『見落とし』をなくすように注意喚起する
保険加入の有無が不明という場合が前提である

い 直接請求・被害者請求

約款上『直接請求』の規定がある場合
→加害者の『個人賠償責任保険』への直接請求を行う
ただし『直接請求』の規定がない約款が多い
なお自動車に関する保険では一般的である
詳しくはこちら|被害者請求・直接請求|自賠責・任意保険|任意一括

う 保険金請求件の差押

加害者の保険金請求件を差押/仮差押する
一般的に可能である
約款上『先取特権』が規定されていることも多い
→より強く保護される