1 IT重説|社会実験|基本ルール|内容
2 IT重説|社会実験|基本ルール|注意
3 IT重説|社会実験|参加事業者登録
4 IT重説|ガイドライン|事業者の責務
5 IT重説|社会実験|ディスカウント禁止
6 IT重説|社会実験|不当表示禁止

1 IT重説|社会実験|基本ルール|内容

IT重説について,国土交通省はガイドラインを作りました。
詳しくはこちら|IT重説|基本|重要事項説明の非対面NG→解禁方向
本記事では,IT重説のガイドラインの内容を全体的に説明します。
まずはIT重説をする上での基本的ルールをまとめます。

<IT重説|社会実験|基本ルール|内容>

あ 社会実験の対象となる取引

『賃貸取引』・『法人間取引』だけ
→『個人が売主or買主である売買取引』は対象外である

い 利用可能な情報ツール

『動画と音声』を同時に,かつ双方向で送受信するシステム
例;テレビ会議・テレビ電話
必要な性能・規格については後記する

う 法的位置付け|特例的解釈=適法となる

IT重説がガイドラインに基いて実施された場合
→宅建業法35条の『重要事項説明』として位置付ける

法的位置付けは理論的に大きな問題があると思います。
これについては別に詳しく説明しています。
詳しくはこちら|IT重説ガイドライン・不合理性|法的位置付け・理論構成

2 IT重説|社会実験|基本ルール|注意

IT重説を行う上での注意点がガイドラインに示されています。

<IT重説|社会実験|基本ルール|注意>

あ 原則的解釈=IT重説は違法

ガイドラインに基づかない方法で実施した場合
→『重要事項説明』に該当しないと解釈する
=宅建業法違反となる場合がある

い 特例の対象=『非対面』のみ

ガイドラインによって可能となる作業
『非対面』→実現可能となる
『交付書面をオンラインの書面にする』→実現できない

う オンライン化できない書面

ア 重要事項説明書
イ 宅建業法37条1項,2項書面

3 IT重説|社会実験|参加事業者登録

IT重説を行う場合,事前の登録が必要です。

<IT重説|社会実験|参加事業者登録>

あ 参加登録

事業者がIT重説社会実験を行う場合
→予め国土交通省に参加登録申請を行う
登録済事業者は国土交通省のWebサイトで公表される

い 登録要件

ア ITの活用方法
消費者理解の向上に資するよう創意工夫されたものである
様々な取引場面で活用することを想定したものである
例;共同媒介や海外との取引など
イ 政府の調査への協力
登録事業者は国の調査に協力する
録画・録音された情報などを提供する
ウ ルール順守
登録事業者はガイドラインに規定する責務を果たす
内容は後記する

4 IT重説|ガイドライン|事業者の責務

IT重説のガイドラインのルールの中に『事業者の責務』があります。
これは,重要事項説明の前後の具体的・詳細な方法に関するルールです。
これについては別に説明をまとめてあります。
(別記事『IT重説|ガイドライン|事業者の責務』;リンクは末尾に表示)

5 IT重説|社会実験|ディスカウント禁止

IT重説に関するルールに『ディスカウント禁止』があります。

<IT重説|社会実験|ディスカウント禁止>

あ 基本的ルール

IT重説を理由として相手方に経済的利益を提供してはならない

い 経済的利益|例

ア 金銭の提供
イ 景品の提供
ウ 手数料を減額させる

このルールは合理性が疑わしいと言えます。
『自由競争』を妨害するものです。
マーケットメカニズムを妨害することはユーザーの損失に直結します。
詳しくはこちら|マーケットメカニズムの基本|自由経済・商品流通の最適化・供給者の新陳代謝
詳しくはこちら|業法・法規制の悪影響|『クオリティ確保』の逆効果|評価システム導入ハードル
IT重説を『社会実験』という性格から例外的なルールを設定したものと思われます。
今後本格運用に移行する際には当然廃止されるはずです。

6 IT重説|社会実験|不当表示禁止

IT重説は『事前登録』の制度があります(前記)。
これが悪用されることについて配慮されています。

<IT重説|社会実験|不当表示禁止>

あ 広告アピール

IT重説登録事業者である旨を事業者の広告に示すこと
→問題ない

い 誤認のおそれ×公正競争規約

次のような誤認のおそれのある表示
→景品表示法や公正競争規約に違反するおそれがある
詳しくはこちら|景品表示法による不動産広告や表示の規制(全体)
詳しくはこちら|不動産の公正競争規約(表示規制と景品規約)(全体)

う 誤認のおそれ|具体例

登録事業者という表示方法により次の誤認発生が考えられる
ア 『国と関係ある事業者が取引の主体となっている』
イ 『国が事業者と共同している』
ウ 『国が事業者を後援している』