1 公正競争規約の法的な位置付け
2 公正競争規約の内訳・種類
3 公正競争規約の運用
4 公正競争規約の適用範囲(基本)
5 公正競争規約の適用範囲(実質)
6 表示規約の規制対象となる『表示』
7 表示規約による規制(全体)
8 違反へのペナルティ
9 公正競争規約のソース

1 公正競争規約の法的な位置付け

不動産の流通,つまり仲介においてさまざまな不当・不正な手段が使われることがあります。法令などの公的な規制としていろいろなものがあります。
詳しくはこちら|不動産取引の不正な広告や表示の規制(全体)
その中の1つに公正競争規約があります。公正競争規約は不動産の仲介業者の団体による自主規制という性格があります。

<公正競争規約の法的な位置付け>

あ 景品表示法上の根拠

事業者団体は『禁止する顧客勧誘・表示行為』を制定できる

い 規約制定の条件|実質

ア 不当な顧客の誘引を防止する
イ 一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保する
ウ 事業者間の公正な競争を確保する

う 規約制定の条件|形式

次の両方の認定を受ける
ア 内閣総理大臣
イ 公正取引委員会
※景品表示法31条1項,2項

え 公正競争規約

『不動産の表示に関する公正競争規約』
不動産公正取引協議会連合会
※平成15年1月14日公正取引委員会告示第2号

なお,不動産以外のサービス・商品に関する『公正競争規約』も存在します。便宜的に本記事やこれに関連する記事では便宜的に『不動産の』を省略して単に『公正競争規約』と言います。

2 公正競争規約の内訳・種類

公正競争規約の内容としては2つの具体的な規定があります。

<公正競争規約の内訳・種類>

あ 表示規約

不動産の表示に関する公正競争規約
不動産広告の方法や表示の仕方などについて
実体規定が8項目ある(後記※1)

い 景品規約

不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約

3 公正競争規約の運用

公正競争規約の運用を行う者は不動産公正取引協議会です。実際にはブロックごとに分かれてこの機関が存在します。

<公正競争規約の運用>

あ 運用

不動産公正取引協議会が公正競争規約を運用する

い 不動産公正取引協議会のブロック分け

全国9ブロックに分かれている
北海道・東北・首都圏・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州

う 公正取引協議会の管理・支援

消費者庁が一元的に公正取引協議会を管理・支援している
※不動産取引研究会『平成28年版 宅地建物取引の知識』住宅新報社p635

4 公正競争規約の適用範囲(基本)

公正競争規約の適用対照は加盟業者だけです。自主的なルールであるため『非加盟業者』には適用できません。

<公正競争規約の適用範囲(基本)>

あ 根本的な性格

不動産業界の自主規制である

い 規制の対象者

不動産公正取引協議会の加盟事業者が規制の対象者である
非加盟事業者は規制の対象にはならない
非加盟事業者を『アウトサイダー』と呼ぶ
※明石三郎ほか『詳解宅地建物取引業法』大成出版会p171

う 具体的な加盟関係

不動産公正取引協議会に加盟する各地区の事業者団体がある
ア 宅地建物取引業協会
イ 全日本不動産協会
これらの会員となる宅建業者が『加盟事業者』となる

5 公正競争規約の適用範囲(実質)

公正競争規約は非加盟業者に直接適用できません(前記)。しかし,現実には非加盟業者も遵守すべき状況にあるとも言えます。

<公正競争規約の適用範囲(実質)>

あ 公正競争規約と景品表示法の解釈

景品表示法の解釈について
公正競争規約が解釈基準として機能する

い 非加盟事業者の違反への対応

非加盟事業者が公正競争規約違反の広告した場合
→景品表示法に違反する可能性がある
詳しくはこちら|景品表示法による不動産広告や表示の規制(全体)
※明石三郎ほか『詳解宅地建物取引業法』大成出版会p171

6 表示規約の規制対象となる『表示』

表示規約の規制対象となる行為は『表示』です。『表示』とは,主に広告のことですが,それ以外のセールストークも対象となります。

<表示規約の規制対象となる『表示』>

あ 規制対象の『表示』

顧客を誘引するための手段として
事業者が『取引に関する事項』について行う『表示』

い 『取引に関する事項』の例

不動産の内容or取引条件など

う 『表示』の意味

主に広告であるが,これに限られない

え 表示の具体例

ア 媒体
新聞,雑誌,新聞折込チラシ,テレビ,ラジオ
看板,ポスター
ダイレクトメール,パンフレット,店頭ビラ
インターネット
イ ダイレクト伝達
営業マンのセールストーク
※不動産取引研究会『平成28年版 宅地建物取引の知識』住宅新報社p636

7 表示規約による規制(全体)

表示規約の規制の内容は細かいものがとても多く存在します。ここでは,規制内容の全体的な8つの分類をまとめます。それぞれの内容については,別の記事で詳しく説明してます。

<表示規約による規制(全体;※1)>

あ 広告表示の開始時期の制限

※表示規約5条

い 建築条件付土地取引に関する表示

建築条件付土地取引に関する広告について
表示される建物に関する規制
※表示規約6条
詳しくはこちら|表示規約による表示開始時期・建築条件付の表示・表示事項の規制

う 自由設計型マンション企画に関する表示

※表示規約7条

え 必要な表示事項とその特例,適用除外

※表示規約8〜12条

お 特定事項の明示義務

※表示規約13,14条
詳しくはこちら|表示規約による特定事項の明示義務

か 表示基準

※表示規約15〜17条
詳しくはこちら|表示規約による表示基準

き 特定用語の使用基準

※表示規約18,19条
詳しくはこちら|表示規約による特定用語の使用基準

く 不当表示の禁止

優良/有利誤認を生じる表示
次の4類型が規定されている
ア 不当な二重価格表示
平成24年に例外が拡大した
詳しくはこちら|表示規約による2重価格表示の規制(平成24年改正による緩和)
イ おとり広告
景品表示法でもおとり広告の規制がある
詳しくはこちら|不動産のおとり広告・表示に関する景品表示法の告示
ウ 不当な比較広告
エ その他の不当表示
※表示規約20〜23条

8 違反へのペナルティ

公正競争規約は違反者へのペナルティも設定されています。

<違反へのペナルティ>

表示規約の主な規定の違反について
公正取引協議会が次の措置を行う
違約金50万円以下
違反行為排除/再度の行為禁止の警告
※表示規約27条1項

9 公正競争規約のソース

公正競争規約の本体が掲載されているサイトを紹介します。

<公正競争規約のソース>

不動産の表示に関する公正競争規約
外部サイト|不動産公正取引協議会連合会|不動産の表示に関する公正競争規約