1 シェアリング・ゲリラマーケット×検挙ハードル
2 ゲリラマーケット×調査・検挙ハードル|事実把握+解釈論
3 法令の複雑性×調査・捜査リソース不足|実態
4 調査・検挙ハードル→違法業者強化現象
5 ゲリラマーケット×調査・検挙|優先順序|基本
6 ゲリラマーケット|調査・検挙の裁量|実務
7 シェアリングサービス×行政による調査|実態
8 シェアリングサービス×事業者の行政対応|弁護士サポート

1 シェアリング・ゲリラマーケット×検挙ハードル

現在日本も含めて世界中でシェアリングサービスが普及しつつあります。
適法性が曖昧なサービスも多いようです。
しかし『調査・検挙』はなかなかできていない状態です。

<シェアリング・ゲリラマーケット×検挙ハードル>

あ ゲリラマーケット

シェアリングサービスは適法性が不明確なものも多い
現実にサービス提供者が膨大に増えている
行政サイドの調査・検挙が追いついていない
(別記事『ゲリラマーケット・基本』;リンクは末尾に表示)

い 空部屋シェア@ニューヨークの現状|参考

『すべての貸し手を摘発すること』は不可能な状態
※宮崎 康二『シェアリング・エコノミー―Uber,Airbnbが変えた世界』日本経済新聞出版社p107

2 ゲリラマーケット×調査・検挙ハードル|事実把握+解釈論

ゲリラマーケットでは調査・検挙が追いつかない理由をまとめてみます。

<ゲリラマーケット×調査・検挙ハードル|事実把握+解釈論>

あ 事実把握=調査リソース不足

調査に充てられる職員の数は限られている
調査対象者・候補者が膨大である
→調査する行政サイドの処理能力を大きく超えている
→調査対象とする案件を『絞る』ことになる

い 事実把握|調査権限

許認可を取得した事業者は調査を受ける法律上の義務がある
許認可を取得していない者はこれが適用されない(※1)

う 解釈論=違法の確実性の要求

調査・捜査では『高い確度』が要求される
『適法な行為への調査・捜査』は『不当な負担』を強いることになる
例;刑事裁判では有罪率を99%以上に維持している
→解釈上『確実な黒』ではないと捜査を断念する傾向がある

え 解釈論=基準の不明確性

シェアリングの法規制は判例の蓄積がない
調査・捜査の実績も比較的少ない
→違法性判断基準が明確ではない

お 実務|法令の複雑性×調査リソース不足

法規制の緩和が進んでいる
→行政サイドが『法令の熟知』だけでも一定の時間を要する
→解釈論も含めると1大プロジェクトとなる
→ますます時間を要する+調査できる量が少ない

旅館業法に関する調査・検挙のハードルについては別記事にまとめてあります。
法律上の調査権限(上記※1)についても詳しく説明してあります。
詳しくはこちら|旅館業法|無許可営業×調査・検挙ハードル|判断が不明確となる具体例

3 法令の複雑性×調査・捜査リソース不足|実態

調査・捜査する行政サイドは『法令の複雑性』も1つの課題です。
元から曖昧である上に,法改正が進んでいます。

<法令の複雑性×調査・捜査リソース不足|実態>

あ 従前からの状況

判例・捜査実績が少ない
→違法性の判断基準が明確ではない(前記)

い 現在の状況

法規制の緩和・整備が大きく進みつつある
現時点で適用される法令の把握だけでも時間・手間を要する

う 警察×目下研修中

警察の担当部署は法令の勉強・研修を進めている
数種類の法規制の緩和措置に混同・誤解がまだある
※某エリア警察官ヒアリング平成27年10月

特に旅館業法については警察も『法令の把握』にてんてこまいのようです。

4 調査・検挙ハードル→違法業者強化現象

上記のように調査・検挙には大きなハードルがあります。
このことが『違法業者を助長する』ことにつながってしまいます。
適法業者が不利になるような現象です。
これについては別に説明しています。
詳しくはこちら|無許可業者強化現象|行政調査権限対象外×刑事的検挙ハードル

5 ゲリラマーケット×調査・検挙|優先順序|基本

調査・検挙を行う行政の立場では『優先順序』があります。
原則的なものをまとめます。

<ゲリラマーケット×調査・検挙|優先順序|基本>

あ 違法の規模・程度

捜査サイドのリソースは有限である
社会的な影響の大きい案件を優先する
例;違法の規模・程度が大きい・高いもの
→規模・程度が小さい・低いものは捜査対象にしない傾向がある

い 判例理論|比例原則

次の行政処分は無効となることがある
ア 他の案件との『平等』に反する処分
イ 処分の『必要性』『目的・手段の比例』が欠けるもの
※憲法14条1項,13条
※判例多数
詳しくはこちら|比例原則・平等原則|行政処分は不公平だと無効となる|取消訴訟

6 ゲリラマーケット|調査・検挙の裁量|実務

行政の調査・検挙の対象になるかどうかはサービス提供者にとって非常に重要です。
実務的なリアルな状況を説明します。

<ゲリラマーケット|調査・検挙の裁量|実務>

あ 行政の裁量|理論

調査・検挙する/しないという判断
→行政サイドに一定の裁量がある(前記)

い 調査対象者のピックアップ|実務

次のような動きが各業界で生じることが多い
既存事業者が『調査候補サービス提供者』をリスト化する
→これを監督官庁に提出する+調査を要請する

う 既存事業者によるピックアップ基準

リストに挙げる基準・目安は次のようなものが多い
ア 規模
設備の大きさ・数
イ 頻度・期間
例;マッチングサービスに表示されている『レビュー数』
ウ ホストの『警戒』『防御策』
例;ホストがリスティング上『調査への警戒感』を見せている
詳しくはこちら|ヤミ民泊・防御策|ゲストへの説明・リスティングの警告テキスト

『レビュー』はサービスのクオリティを高め,維持する本質的な機能があります。
ところで法規制は『サービスのクオリティ確保』のための手段でした。
『レビュー』が徹底されると『法規制』は不要・緩和方向となるのです。
詳しくはこちら|法規制の目的|情報の非対称性=レモンの市場→サービスクオリティ確保
シェアリングサービスは『レビュー』が多いと『目をつけられる』という状況です。
時代・社会の大きな変化の途中における『歪んだメカニズム』だと感じます。

7 シェアリングサービス×行政による調査|実態

シェアリングサービスに関して行政が調査を行うこともあります。
具体的にどのようなことが行われるのか,についてまとめます。

<シェアリングサービス×行政による調査|実態>

あ 行政による調査|開始

事業に関連する監督官庁が『調査』を行うことがある
通常最初に『照会・問い合わせ』がなされる
事業者サイドの対応によって,行政の対応が決まる

い 行政による調査|進行

ア さらに調査を進める
イ 捜査機関への引き継ぎ
例;警察or検察に対する告発など
ウ 調査を保留/中止にする

8 シェアリングサービス×事業者の行政対応|弁護士サポート

行政による調査が行われた場合,事業者は対応しなくてはなりません。
対応する内容をまとめます。
行政対応については弁護士のサポートも活用できます。

<シェアリングサービス×弁護士による行政対応>

あ 行政による調査×事業者の対応

調査への対応を速やかに判断する必要がある
ア 回答・協力の有無
イ 回答・協力の程度・内容

い 弁護士による行政対応

最適な範囲で速やかに調査に対応する
→可能な限り速やかな調査終了に向けて活動する

弁護士のサポート=提供サービスについては別記事で説明しています。
詳しくはこちら|シェアリング事業×弁護士のサポート|意見書・許認可申請代行・法律顧問