【空部屋マッチング・シェアリング|マーケット|インバウンド増加・供給不足】

1 宿泊需要の増加×供給不足|インバウンド増加
2 空家・空部屋の増加|『供給』の候補は眠っている
3 空部屋×宿泊者|マッチング・シェアリング
4 マッチングサービスの代表例=airbnb|爆発的な普及
5 空き部屋シェアvs既存ホテル業者|マーケットでの衝突
6 マッチングサービスvs旅行代理店|マーケットでの衝突
7 法規制→既存事業者の保護が目的になる現象|ネオ・ラッダイト

1 宿泊需要の増加×供給不足|インバウンド増加

『宿泊』に関するマーケットの状況の概要をまとめます。

<宿泊需要の増加×供給不足>

あ 宿泊需要の急増|インバウンド

円安などの影響
→外国人の訪日・旅行が増えている
特に,2020年のオリンピックの際,多数の外国人が来日する

い 宿泊施設不足

現状のホテル・旅館の数では不足する

既存の『宿泊』施設・サービスが『不足』しているということです。

2 空家・空部屋の増加|『供給』の候補は眠っている

宿泊施設となる可能性を持つ『物件』のマーケットの概要をまとめます。

<空家・空部屋の増加>

あ 空家の増加

現在,日本の社会では『空家』が増える傾向が続いている
詳しくはこちら|空家・土地放置問題|弊害・原因・所有者のコスト・責任

い 空部屋の増加

建物のうち一部の部屋だけが使われていないものも多い

空家や空部屋は『存在する』『増加しつつある』という状態です。

3 空部屋×宿泊者|マッチング・シェアリング

以上のマーケットの状況の全体として考えます。
宿泊に使える空部屋と宿泊者の両方が多いということです。
そこで『空部屋を宿泊に用いる=旅行者に貸す』ことが解決方法となります。
空部屋オーナーと旅行者の『マッチング』サービスです。
現在,実際に普及しつつあります。
『空部屋シェア』『シェアリング』『空部屋マッチング』などと呼ばれることもあります。

<空部屋×宿泊者|マッチング・シェアリング>

あ 事業の概要

ア 数日間〜数週間という短期間だけ旅行者に貸すイ 借りたい方と貸したい方をオンラインで効率的にマッチングする 例;airbnb
外部サイト|airbnb|日本語サイト

い メリット

ア オーナー 利用していない空部屋の活用により短期間限定で収益を得られる
イ 利用者 旅行・出張時に安価で宿泊(滞在)できる

4 マッチングサービスの代表例=airbnb|爆発的な普及

『空部屋マッチング』サービスの実例として代表的なものがairbnbです。
サービス内容と普及の勢いについてまとめておきます。

<airbnb|概要>

あ サービス内容

スマホアプリ・ウェブでホスト・宿泊者のマッチングを行う

い 利用料の目安
負担者 手数料の目安
ホスト=貸主 宿泊料×3%
宿泊者 宿泊料×6~12%
う 日本国内の登録件数

約4000件
前年同時期の3倍

え 日本国内の中心的登録エリア

ア 都市部=東京・大阪イ 観光地=京都・広島

お 利用者=宿泊者数

非公表
ただし,前年同時期の5倍
※平成26年9月時点
※報道;リンクは末尾記載

5 空き部屋シェアvs既存ホテル業者|マーケットでの衝突

空部屋マッチングサービスは既存の旅館・ホテルの『シェアを奪う』状況にあります。

<空き部屋シェアvs既存ホテル業者|マーケット>

外国人バックパッカーを中心顧客とする東京の旅館業者への影響
以前は連日満室→現在は空き室が目立つようになった
※報道;リンクは末尾記載

6 マッチングサービスvs旅行代理店|マーケットでの衝突

マーケット・シェアの衝突は『マッチングサービス』でも生じます。

<マッチングサービスvs旅行代理店|マーケットでの衝突>

あ 既存のマッチングサービス

旅行代理店
例;じゃらん・楽天トラベル・JTB

い コンプライアンス

『旅館業営業許可』がないと掲載対象にしない

う 大手バリアー

『許可なし』でも適法な宿泊サービスもある(後記)
しかし『コンプライアンス・レピュテーション』を重視している
→とにかく掲載できない

え ベンチャーの聖域・ドメイン

各事業者の判断で『許可なし』物件の掲載も可能
=『許可なし』でも適法なサービスを対象にする
大手が参入しない→ベンチャーの聖域となる

宿泊サービスが『許可がないのに適法』というのは次のようなものです。

<許可なし×適法な宿泊サービス>

あ 規制緩和の制度・解釈によるもの

(別記事『イベント開催時民宿・許可不要・基本』;リンクは末尾に表示)

い 解釈上『旅行業』に該当しないと思われるもの

(別記事『旅館業の定義・解釈基準』;リンクは末尾に表示)

後発・ベンチャーが有利になるスリップストリームのような現象も生じるのです。
詳しくはこちら|グレーゾーンはベンチャーの聖域|濃いグレー・薄いグレー|大企業バリアー

7 法規制→既存事業者の保護が目的になる現象|ネオ・ラッダイト

一般的に,既存事業者は『法律の壁』で参入を阻止する現象・構造があります。
法規制とマーケットを考える上では当然知っておくべき事情です。
詳しくはこちら|マーケットの既得権者が全体最適妨害|元祖ラッダイト→ネオ・ラッダイト
法律の壁=法規制は多くのものがあります。
法規制の全体像は別記事で説明しています。
(別記事『法規制・法的制限・全体』;リンクは末尾に表示)

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